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2022年6月7日火曜日

2022.06.07 銀座をフラフラと

● 昨日から川崎のホテルに宿泊している。駅の近くのホテルで,何度か宿泊を重ねているので,駅の近辺についてはどこに何があるかは頭に入っている。
 しかし,そこから逸れたエリアについては,生田緑地にある岡本太郎美術館や藤子不二雄ミュージアムに行ったことがある程度だ。あと新百合と溝の口には行ったことがある。

● 生田緑地も新百合も溝の口も東京から入っている。新宿や渋谷からアクセスするのは簡単なのだ。が,川崎駅から行こうとすると,何気に億劫だ。
 川崎市は東西に短く南北に長い。というと,方角は不正確になるのだが,要するに細長い地形だ。細いところはほんとに細い。ハサミでちょちょっと切れそうだ。

● その南端に川崎駅があり,JRと京急が東西に走る。真ん中あたりを東急がやはり東西に走る。北の方は小田急が走っている。それぞれ,東京に出るにはすこぶる便利だ。品川,渋谷,新宿は指呼の間と言っていいだろう。
 ところが,川崎市を南北に移動しようと思ったらJR南武線しかない。この南武線というのがまた,できれば乗りたくない路線の筆頭と言われる。

● というわけなので,東京に出てみることにした。天気もあまり良くない。いつ降ってきてもおかしくない。傘を持つつもりはないので,降ってくればすぐに引き返すつもりだ。
 東海道線で新橋に。銀座を経巡ってみるかということ。

● G-SIXの蔦屋書店。仏像展は終わっていて,青木野枝+山口藍 二人展「山と空」 に変わっていた。ぼくにはたぶん何も見えてないと思うんだだけど(山口さんの少女は「鬼滅の刃」の禰豆子を連想させる,といった程度の感想しか持てなかったからね),量を見ていけば見えてくるようになるんだろうか。
 もしそうなら,浴びるようにいろんなものを見ていけばいいわけだ。それをするのに東京は最適だ。美術館に収まるような大家ではない,現代作家の作品を見ようと思ったら,たとえば蔦屋書店に来ればいい。画廊というのは敷居が高すぎるからね。

● 銀座無印の6F。MUJIホテルのフロント階にラウンジもあるようで,その様子が通路からちょっと見える。
 背筋がスッと伸びてるお客さんがチラホラと。“スッと” というのが肝だ。力は入っていないし,人目を意識して演じているのでもない。
 無印良品の商品を好む人っていうのは,“スッと” 背筋が伸びている人が多いんだろうか。いやいや,偶々だろうな。偶々でしょう。

● 久しぶりにミッドタウン日比谷を横切ってみた。ぼくが来ても仕方がないところではある。
 唯一,入るかもしれないのは,TOHOシネマくらいかな。出演俳優が大ヒット御礼の舞台挨拶をするのは,たいていここですよね。

● ミッドタウン日比谷から先,新橋までのガード下に小洒落た飲食店街ができてた。平日の昼下がりとて,お客はあまりいなかったけど。
 昼飲みというスタイルはすっかり認知された。これじゃ日本がG7から脱落しそうなのも宜なるかな,というのはあたらない。GDPって国民が総参加して作るものじゃないよね。あれは働き好き,仕事というゲームにのめり込める人たちが作るものであって,国民のすべてが結集してやっているものじゃない。
 そっちへ行きたい人は行けばいい。昼飲みできる方が魅力的,脱力系で行きましょうよ,という人がいてもいい。アメリカも欧州もそんなもんでしょ。

● 新橋のサラリーマンの皆さんに紛れて,SL広場の小諸そば。2枚盛りイカ天付き。最近,これが続いてます。ちょうど500円だし。
 今日は以上。川崎に戻ることにする。

2022年5月26日木曜日

2022.05.26 東京散歩:銀座~北千住~南千住~人形町~中目黒

● 今日も東京詣。銀座中央通り。人が戻ってきていると思うのだけど,暇人がこんなにいるという言い方も可。忙しければ,平日の昼間に銀座を歩いているはずがない。
 と,暇人筆頭のぼくが申しております。つーか,暇っていいものだよ。

● 今日もこれを見てきた。これを見るためだけに蔦屋書店に。
 胴体は扁平に,かつ角々とさせて,肉感を殺している。対して,千手の,特に何も持っていない指の,艶めかしさ。グイグイ迫ってきますよ。変態なのかな,俺。

● さて,昨日は東西線でフラフラした。今日は日比谷線でフラフラしようと思う。
 銀座から日比谷線に乗って,まずは北千住。東口を出れば,そこは東京電機大学のキャンパス。巷との境がないゆえに,コロナ禍の対応には苦慮したろう。
 が,学問の府は巷にあるべきだというのは間違っていないと思う。巷のためにではなく,学問の府のために。栄華の巷を低く見ながら学問ができるような牧歌的な時代は,とっくに終わっているだろうから。

● 北千住駅の日比谷線ホームは高いところにあって,都会的な風情。
 ハングル表記が今となっては寒々しい。日本人の対韓感情が極限まで悪化して久しいからさ。お前ら来なくてもいいよ,というのが大方の日本人の感覚でしょ。ぼくもそう。隣国だから仲良くしなくちゃいけないなどと思うのが間違いだ。
 とはいうものの,欧米諸国では外国人旅行者を無条件で受入れている。日本もそろそろインバウンドを再開しなきゃしようがない。よその国と足並みを揃えるというよりも,このままでは日本経済がドミノが倒れるように倒れてしまいかねない。
 中国人は中国の事情で来ることができないけれども,それ以外の国からはどんどん来てもらわないと。その中には韓国も含まれる。

● ひと駅乗って,南千住。山谷の最寄駅。雰囲気がちょっと独特。が,この空気,嫌いじゃないんですよ。
 もし東京に住むなら,このあたりは有力候補。家賃も安そうだし。日比谷線のほかにJR常磐線,つくばエクスプレスの駅もある。
 問題は,歩道橋を昇降しないと,明治通り側に出れないこと。駅のホームから直接,歩道橋に出してくれれば,移動が少なくてすむんだが,そうは問屋が卸してくれない。

● 泪橋交差点。左に行けば白鬚橋から玉ノ井,真っ直ぐ進めば浅草,吉原は右に曲がるとやや近道。ここから引返せば千住宿(日光街道)。
 風情がまとまって存在する。正確には,それぞれの風情の結節点に山谷はある。
 日比谷線が走っているんだから都心にはスッと出ることができるし,JR常磐線とつくばエクスプレスも通っている。交通の便はかなりいいのだ。

● コロナ以前は外国人の旅行者が大勢いた。日本の安宿はカプセルホテルだが,女性が泊まれるカプセルホテルは少ない。カップルで来ている外国人バックパッカーが目を付けたのが山谷で,彼ら彼女らに目を付けたのが山谷だった。
 かつての木賃宿を改造して彼らに提供した。1泊2千円で泊まれる。彼らはレンタサイクルを漕いで,朝から晩まで東京を満喫するのだから,宿は寝れれば充分。山谷の安宿とはいえ,清潔さはジャパン・クォリティーなのだし。

● 駅前には芭蕉像。ここで隅田川を上がって,日光道中を歩き出したわけだ。
 路程を正確に書き留めることになど囚われずに,簡素で解釈の余地が大いにある,日本人好みの紀行文学の傑作が生まれたわけですよ。

● 人形町。すっかり馴染んだ気になっているが,ぼくの片思いでしょ。
 短い期間だけれども,ここに吉原があった。何か具体的なものが残っているわけではないが,元吉原の気配を無理にでも感じようとする楽しみがある。

● 日比谷線はここまでが下町エリア。この先はセレブエリアに乗入れて行く。したがって,この先に降りたい駅はないので,中目黒まで来てしまった。
 中目黒も多面性を持った街だ。駅前通りは下町っぽい。立食いそば屋やラーメン屋が並んでいる。が,目黒川を渡ると,表情が一変する。

メトロ24時間券
● 目黒川を渡ると東京音大がある。東京音大って,音大の中でもお嬢さん度,お坊ちゃん度が一番高いイメージなんですよね。近寄りがたいほどだ。
 ちなみに,最も庶民的なのが武蔵野音大。あくまでもイメージですけどね。

● その目黒川も不思議な川で,三面張の典型的な都市型河川なのに,風情があるんですよねぇ。樹木のトンネルを作ってて。この辺だけなんですかねぇ。
 品川に行くと,目黒川が北品川と南品川を分ける境界になっている。

2022年5月25日水曜日

2022.05.25 東京散歩:早稲田~神楽坂~門前仲町~銀座

メトロ24時間券
● 23日から28日まで5泊6日で川崎に来ている。もちろん,予定があって来ているのではない。やるべきことなど何もない。家にいるときもそうなんだけどさ。
 この状態が精神不安定の元になる人もいるやに聞くのだが,ぼくは生来の怠け者なのだろう,こんないい状態を手放してたまるかと思っている。

● ともあれ。せっかく川崎に泊まっているのに,東京くんだりまでやって来た。メトロ東西線上を移動しようと思う。
 まず,早稲田に。戸山公園の箱根山登頂(?)に挑もうと思う。東京特別区内では最高峰らしいので。めでたく最高峰の登頂に成功した。
 ただし,箱根山は人工的な築山であるらしい。自然の山では港区の愛宕山が最高峰。こちらは去年,登頂したんだけど,愛宕山の方が登り甲斐がある。麓の標高の違いでしょうな。

● でも,戸山公園,けっこうワイルド。新宿区にもこういう場所があるんだねぇ。ちなみに,新宿御苑には行ったことがない。
 日本って基本的に高温多雨だもんね。放っておけば雑草がはびこり,さらに放っておけば灌木が生えてきて,そのままにしておけば雑木林になるんでしょ。豊かな土地といえる。その恩恵をぼくらは受けているのだが,こうした庭園や公園は手入れが大変だ。欧州の幾何学的な構成の公園を真似てみても,基本,どうもうまくいかない。汚くなってしまう。手入れが追いつかないからだが,直線を持ち込むのは,日本の場合はそもそもが無理なのではないか。

● 東西線でひと駅,神楽坂。ここに来るのは二度目。早稲田には学生街の空気が戻って来ているが,神楽坂は対照的に年寄りの聖地。
 ということもなく,まぁ普通でした。どこに行っても年寄りが多いのは現代日本の特徴だから。

● 昼時で行列ができている店が1つあった。「龍朋」という中華屋。
 ひとつ脇に入るとお屋敷街。が,お屋敷を見てもさほどに面白いものでもない。

● 赤城神社。長い時間,手を合わせている女性がいた。マサカという坂に出逢ってしまったのか,業を深くせざるを得ない何かがあったのか。単純に信心深い人なのか。
 神社内神社の螢雪天神もあって,こちらは自ら受験生に訴求している。食事や喫茶ができる施設もある。

● 赤城神社の隣に「小諸そば」があって,繁盛してた。宜なるかな。
 先に見た「龍朋」は,どちらかといえばよそから来た人たちが並んでいるふうだったのに対して,とこの「小諸そば」はここで働いている勤め人が食べに来ている。勤め人が昼食に求めるものは,安くて早いことだ。味は不味いのは困るが,そこそこ旨けりゃいい。そうそう旨さの追求ばかりしているわけにはいかないのだ。

● 続いて,門前仲町。古石場文化センターに小津安二郎を紹介しているコーナーがあると聞いたので。少し迷いながら到着。
 深川には何度も来ている。深川不動尊だったり,江戸資料館だったり,伊能忠敬だったり,松尾芭蕉だったりしたわけだが,小津安二郎も深川ゆかりでしたか。
 小津映画は,最近もDVDを8本見た。どれが1本ということになれば「東京物語」になるのだろうが,ぼくは「晩春」が好きだ。

● 小津家って深川の大地主だったんですねぇ。小津橋まである。橋の名前になっているのは,小津安二郎が世界に認められる前かららしいのだ。
 でも,わかる気がする。新興文化は富裕層から才能が出るというのは,普通のことかな,と。

● 右の写真は小津が子供の頃に遊んだ公園らしいのだが,当然,そんな面影は
残っていない。ここは住むとこじゃないんだよ,というノーティスもある。ここに住んでる方がいらっしゃるのかもしれない。
● 清澄通りに架かる歩道橋のたもとに小津安二郎生誕の地の標識板がある。
 深川が今の深川になったのはそんなに古いことではなく,明治の頃は風光明媚な別荘地だったらしい。その趣を湛えていた頃に小津は生まれたんでしょう。

● なんでもないことは流行に従う
  重大なことは道徳に従う
  芸術のことは自分に従う

 カッコ良すぎでしょうよ,こんなの。
 小津は60歳で亡くなっている。ぼくなんかその年齢をいくつか越えてしまっているのに,この体たらくだからねぇ。ションボリしちゃいますね。そうでしょ,ご同輩。

 小津安二郎生誕の地からちょっと歩くと,芭蕉の採荼庵跡が。こんなところだったのかという驚き。数ヶ月前に両国からここまで歩いたことがあるのだ。まさにこれを見ようと思って。
 探すのに苦労した記憶があってね。こんなわかりやすいところにあったのか,っていうね。
 ちなみに,採荼庵跡の裏側はこんな感じ。もうちょっと何とかならなかったのか。ならなかったんでしょうな。

● 日本橋で銀座線に乗り換えた。で,銀座で下車。G-SIXの蔦屋書店で「暮らしに寄りそう仏たち」を開催中。国宝級の著名仏のミニチュアと,ハッキリ女性の仏の仏画。
 これなんか,ゾクッとするほどの色気があって。とんでもありませんよ。オッパイがなくても色気や艶は醸せるという虚構の世界。いや,これ,虚構じゃないよね。

● 新橋駅前SL広場の小諸そば。2枚盛りイカ天付き,500円。
 神楽坂の小諸そばは昼食時で満席だったが,日がだいぶ西に傾く時刻だと入りやすくなる。やっぱ,ぼくにはこういうのが合ってるわい。

2021年11月1日月曜日

2021.11.01 代わり映えしないけど,東京散歩

● 川崎から東海道線で新橋。新橋からメトロ銀座線で三越前。今日はここを起点にして銀座線を行ったり来たりしようと思う。

● まずは,地下のタロー書房を覗くことから。老後の遊びとして外国語を勉強するのはありでしょ。英語とかフランス語とか中国語のようなメジャーな言語じゃなくて,超マイナーなやつ。書店に教本があるようなのはマイナー度が足りない。けど,ここから選ぶならビルマ語だな。
 NHKの語学講座はもちろん,外語大学にコースがあるような言語は外した方がよさそうだが,そうなると他にどんな言語があるのかわからない。どうやって勉強すればいいのかもわからないな。

● 地上に出る。古河市兵衛の胸像がある。このあたり,何度か歩いていると思うのだけども気づかなかった。
 行商から身を興し云々。明治の時代にはジャパニーズドリームがあったんですかねぇ。青雲の志という言葉が似合う時代だったのかなぁ。
 古河グループという言葉もあるのだが,ググってみたら富士通がその1つなのだった。今でもグループとしての実態はあるんだろうか。

● 久しぶりに福徳神社。小さい神社だけれども,これあるために空間の質が上がっているのは間違いない。小さいながら地価を計算すればビックリするような額になるだろうところに,これだけの言うなら空き地を作りだしているのだから,大したものなのだ。
 日本の場合はこういうところに神社があって,“憩い” を作る。ヨーロッパではとにかく広場を作る。教会を神社と対比しては間違うことになる。

● 日本橋でも最もハイソなこのエリアから神田が近い。江戸時代には日本橋は下町だったらしいのだが,人形町や浜町はともかく,このあたりはとっくに企業町になっている。っていうか,三井町だな。
日本橋のハイソなエリア
 そこから神田まで歩いて数分というのが不思議な気がする。銀座と新橋の例があるじゃないかと言われれば,まったくもってそのとおりなのだし,わずかの移動でガラッと空気が変わるのが,東京を含む都市の魅力なのだと思うのだが,そうであっても不思議な気がする。

● ので,中央通り(国道17号)を神田まで歩いてみた。逆に辿れば日本橋から銀座を経て第一京浜になるわけだから,中央通りは文字どおりに中央通りなのだが,国道17号が中央通りなのは神田までで,ここから中央通りは17号と別れて上野広小路に至る。国道17号は本郷通り,白山通りとなって,霧の彼方に消えていく。
 用があって神田に来たわけではないから,ここからまた銀座線に乗って銀座に戻ることにする。

● 銀座で何をしたかというと,G-SIXに行った。銀座にはわりと来る。伊東屋があるし,銀座LoFtがあるし,無印の旗艦店がある。多少とも文具好きなら,銀座はやはり特別な場所だ。
 しかし,G-SIXに入ることは,ぼくはあまりない。特別すぎるからだ。特別すぎて気後れがする。よほどテンションが高いときでないと入っていく気力が湧いて来ない。
 そのテンションは,たとえば着ている洋服,履いている靴,持っている鞄などによって影響される。今日はどうにかマトモな格好をしていたので,勇を舞して入ってみたのだ。

● 行くところは蔦屋書店しかない。ここはそのまま美術館だと思いたくなる。そういう形態でモノを商っている。
 まず,文具がそうだ。万年筆が多いのだが,プラチナのキュリダスもあるものの,蒔絵や漆を施した,あるいは浮彫をあしらった工芸品とおぶしかないようなものが多く展示されている。
 実用を満たせばいいという人はお呼びじゃないところだ。ここはおまえのような者が来るところではないと,商品が語っているのだ。臆してしまう。テンションを高めないと行けないところだというのは,そういうことだ。店が人を選ぶのだ。

● 常にいくつかの展覧会を行っている。今は,「京都のものづくり-KYOTO another story」が開催されている。「京都のこれからを担う,次世代の職人やアーティストが生み出す品々」を展示している。もちろん,売り物でもある。
 漆塗りの自転車やサーフボードがある。待ちな,これは乗らないで飾っておくためのものか,と言いたくなるところだが,実際に乗りだすことができるのだろう。
 
● 上野裕⼆郎 新作個展「Surge/渦動」というのも開催されている。「私は主として生物をモチーフに,それらが持つ内在的な気や外界との揺らぎ,あるいは生成と消滅を繰り返しながら続いていく時間と物質の流れといったものに迫ることを自身の表現の主題としている」人なのだが,これもやはり人を選ぶだろう。
 「ステンドグラスアーティスト・ひらのまり作品展示」も開催中。“クリームソーダ~不純喫茶ドープ” や “ゼリーポンチ~喫茶ソワレ” といった作品が展示されているのだが,それらがどんなものなのか。蔦屋書店のサイトを見ていただきたい。

銀座の一番
● この場所でこれだけの広さを占めるのだから,テナント料を支払って黒字を残すためには,文庫本を1冊しか買わない人を相手にしているわけにはいかない。文庫本1冊のお客様も大事にしたいから,しっかり稼がなければならないのです,と言うのだろうけど。
 たまに目の保養をさせてもらいたいものだが,かなり敷居が高いな。

● 銀座線を日本橋まで乗る。日本橋の丸善でボールペンを2本買った。
 次は,二度目の三越前。ただし,すぐに半蔵門線に乗換えて水天宮前。やはりね,隅田川を見たくなるんですよ。30分ほどボーッと川面を眺めた。
 絶対,パリのセーヌ川よりいいっしょ。って,セーヌ川ははるかな昔に一度見ただけで,ほとんど記憶にはないんだけど。

● もうひとつ,東京シティエアターミナルを覗いてみたが,これは別途,記録しておく。
 半蔵門線をひと駅乗って,清澄白河。深川になる。ここも何だかんだでけっこうな回数,来ていると思う。
 隅田川を挟んで日本橋人形町,浜町とこちら側の深川。空気感はあまり変わらないと思う。下町的風情と言ってしまえばそれまでなんだけども,シャキっとした感じというか,眼を伏せない感じというか。

● ここから門前仲町までフラフラと歩いて,ユックリと,しかしガッツリと飲食いして,宿に帰って寝る。ということをやってみたいものだが,やりはしないと自分でわかっているのが,情けない。
 高橋から小名木川を眺めて,少し歩いただけで帰ってきたけれど,この街はそういう対応の仕方をしてはいけない。腰を据えてかかるべし。

● どうしてこんなにマメに下車したのかというと,メトロ24時間券のモトを取ろうという発想から。身も蓋もないんだけど,それがある。動機が不純というか貧困というか。
 が,そういう動機であっても,ともかく動くわけで,動いていれば瓢箪から駒が出ることもあるのではないか。動かないよりはいいだろう。

● 押上では東京ソラマチには寄らず,まっすぐ東武の南栗橋行きに乗りました。駅のホームにリンゴの自販機があって,売り方は色々あるものだなぁと感心した。売れているんだろうかな。
 東武宇都宮駅に着いた。平日のオリオン通りを歩くことはまずないので,月曜19時のオ
リオン通りはどんなものかと思いきや,日曜の方が活気がある。月曜から飲む人はそんなに多くないのかね。

2021年1月31日日曜日

2021.01.31 武蔵野線の旅

● 今日は武蔵小金井に行く予定。まずはガラ空きの宇都宮線に乗るわけだが,どういう行程を辿ろうか。
 上野で山手線に乗り換えて神田から中央線に乗るか。東京まで行ってしまって同じく中央線に乗るか。赤羽から埼京線に乗り換えて新宿で中央線に乗るか。まぁ,この3つが候補になるわけだ。
 が,今回は浦和で京浜東北線に乗り換えてひと駅,南浦和から武蔵野線で西国分寺まで行き,中央線で武蔵小金井に行ってみようと思う。南浦和で乗換えるのは20年ぶりくらい。

● 昔,南浦和で武蔵野線に乗り換えて武蔵浦和に行ったことがあるのだけども,なぜそんなことをしたのかは憶えていない。大宮で埼京線に乗り換えればすむものを。
 ひょっとすると,ないことをあることとして記憶してしまっているだけなのかもしれない。今日はそういうことではなく,ちゃんと意味のある(?)南浦和での乗換だ。

● で,武蔵野線の人になった。西浦和を出発すると,荒川と荒川の支川を何本か渡って,北朝霞に着く。この間,同じ埼玉県なんだけど,違う国に入った感があって,何だかワクワクする。
 陸路で国境を越えた,みたいな。パスポートのチェックがないぞ,ここはEU方式を採用しているのか,みたいな。

● 新秋津を出るとかなり長いトンネル。首都圏にこんなに長いトンネルがあったのか。そのトンネルを出ると新小平。また,違う国に来た。
 と思ったら,再び長いトンネルに入った。出たところが西国分寺。
 わりとあっけなかった。宇都宮からだと,東京や新宿で乗り換えるよりもこのルートを辿った方が速いですかね。

● ここでミス。武蔵小金井に行くには東京方面に向かうべきところ,立川方面行きのホームに行ってしまったのだ。
 いったんは東京方面行きのホームに立ったにもかかわらず,わざわざ間違ったホームに移動したのだ。何やってんだかな。

● それで1本遅い電車になってしまったのだが,次の電車を30分も待つわけではないからね。次の電車がすぐに来る。ここは栃木じゃないんでした。
 武蔵小金井で不思議だと思うのは,駅が本町にあることだ。駅の北も南も本町。線路が敷かれたときには何もなくて,駅を中心に人が集まって街ができたんだろうか。このあたりは,古代には武蔵国の中央に近かったんだろうけどね。

● 武蔵小金井駅北口を出たところにある吉野家。お客さんは減っちゃってますなぁ。
 卵かけ牛丼が462円。こんなに旨いのをこんなに安く食べられるのは,日本くらいのものでしょうよ。もう,東南アジアでもないんじゃない? 日本は物価の安い国になりました。
 コロナで人の流れを遮断しているから,物価の安さを日本人が独占できている。これはこれで結構なこと。

● 往きと同じルートで引返す。西国分寺から府中本町に出て,川崎経由で帰るのも考えたんだけど,今回はやめておく。
 昔,JR線の全線完乗なんてのを目指していた頃に,この路線も乗っている。記憶からは脱落しているのだが,乗っているのは間違いない。もう一度乗ってももちろんいいんだけども(“休日おでかけパス” のメリットを活かせるし),今日じゃなくてもいいか,と。

● 武蔵野線の空気は宇都宮線とほぼ同じ。ローカル色が濃いですなぁ。気持ちが安らぎますわ。
 っていうかさ,日本の大半は田舎なんだよね。首都圏も同じ。基本は田舎なの。日本橋や銀座,六本木は,特殊中の特殊なんですよ。

● 浦和で下車。新幹線こそ停まらないけど,新幹線なんか乗らない自分には関係ない。浦和はけっこう交通のハブとして使える。ぼく的には,ですけど。東京ではなく新橋がホームになってるのと同じ。
 高崎線も宇都宮線も京浜東北線も,湘南新宿ラインも上野東京ラインも,停車する。大宮駅ほどだだっ広くない。その分,かえって使い勝手がいい。大宮から浦和にシフトすると思う。

● だってね,浦和には蔦屋書店もあるんですよ。電車の待合せ時間が楽しくなります。
 さすがに,銀座のような尖った特徴は出しにくく,普通の書店的な品揃えですが,そこは蔦屋書店のことゆえ,ここだけで小さな街になっておりますよ。