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2025年8月26日火曜日

2025.08.26 久留里線

● 今日から3日間,潮見駅をベースに千葉県に残る未乗路線,未乗区間に乗ってきます。今日は,内房線の館山〜安房鴨川間と久留里線。
 結果的に房総半島を一周することになる。まずは,京葉線の蘇我行きに乗車することから。

● 行程を紙に書いて手帳に挟んでおいた。手帳ごと忘れてきた。
 こういうことが,最近,多くなった気がするな。齢のせいにはしたくないんだけどね。

● 蘇我駅。京葉線は3番線に到着。6番線に回って,10:18発の上総一ノ宮行きに乗る。
 行程表を忘れてきたが,行程自体は憶えている。というか,単純だから忘れようもない。
 その行程に従って,来た電車に乗るだけのこと。“青春18” なんだから,普通か快速にしか乗らないわけだしね。

● いったん乗ってしまえば,後はやることがない。よほどのことがない限り,時刻どおりに列車がぼくを運んでくれる。
 こんなものの何が楽しいのか。宮脇俊三さんが仰られたとおり,鉄道趣味は “児戯に類する” もので,あまり大っぴらに吹聴するようなものじゃない。でも,退屈はしないんだな。

● 忽然と現れる田舎の大都会,大網。総武本線の成東まで結ぶ東金線が分岐する。その東金線には明日,乗る。
 大網以上の大都会,茂原。乗客のほとんどが降りて,最後尾の車両はぼく一人になった。
列車は順調に外房線を南下中。

● 上総一ノ宮駅に着。サーフボードを抱えた大学生が数名降りた。上総もたんと暑いんでした。
 駅前の様子は,先月行ったひたちなか海浜鉄道の那珂湊を連想させる。こちらの方が栄えているんだろうけど,街の構造が似てる印象。碁盤の目とは対極の街と言うかね。
 もうひとつの共通点。美人率が高い。山民と海民では,後者の方が美人が多い。なぜだ?

● 40分後に安房鴨川経由で木更津まで走る列車が出る。ぼくにお誂え向きなんだが,これに乗ると安房鴨川でも館山でも下車しないで,乗り続けてしまうな。
 ここまでは11両or8両編成だったのだが,安房鴨川経由木更津行きは2両。

● その内房線直通の木更津行きに乗車。2両とあってはさすがに立ち客も出る。
 大原でドッと空くのかと思ったが,こんなことはなかった。
 長者町という駅がある。どうしたって,横浜の “関外” にある長者町をイメージすることになる。長者はいそうにない。

● 太平洋に沿って走っているわけだが,そこは日本の地形だ。御宿に着く前にトンネルを潜る。そうして,太平洋はなかなか見えない。
 以後も短いトンネルをいくつか潜って勝浦に着く。海も見えた。やっと外房線という名のイメージの路線になるのだが,以後もトンネルは次々に現れる。すぐ先が海なのに,山岳列車の趣がある。
 トンネルを抜けると現れる集落の様は,先月,西武秩父線の車中から見た秩父を彷彿させる。秩父でもトンネルを抜けると山の斜面にへばりつくように小集落があった。

● アラフィフの女性がひとり,座席に空きがあるのに,ドア側に立ってスマホを向けている。時々現れる太平洋をカメラに収めているようだ。
 贅肉もそれなりに乗った年齢相応の体型だが,ぼくから見れば充分にお若い。独身を満喫しているようで,良き光景だと嬉しくなった。
 が,安房小湊から友人が乗った来たようで,以後は中国語で話し始めた。たぶん,台湾の人だろうか。この列車を落ち合う場所にしていたようだ。
 願わくば,女性の一人旅であってほしかったんだが。こちらの勝手な希望だけどね。

● 安房鴨川着。ここでしばらく停車してくれるのかと思ったのだが,こんなことはなし。
 外房線の終着駅を単なる通過駅にして,2両の普通列車は木更津を目指すのだった。

● ここからは内房線になる。その内房線の館山までが乗っていない区間。
 安房小湊までは二度,安房鴨川までは一度乗っている。いずれも特急。乗ったこと自体は憶えているが,それにまつわる記憶は一切ない。

● 普通列車なら憶えているのかと言えば,そんなことはないのだけれども,乗る分には普通列車の方が面白い。入ってくる情報量が特急とは段違いに多いからだ。
 新幹線に東京駅から乗ったとする。静岡に入っても愛知に入っても大阪に入っても,新幹線の車中は東京のままだ。普通列車はそういうことがない。地元の空気が入ってくる。
 新幹線には閉じ込められたような閉塞感があるが,普通列車には開放感がある。

● 安房鴨川で全員が降りるのかというと,そんなこともなし。乗ってきた人もそんなにいない。
 安房鴨川を過ぎてもトンネルは現れる。が,山岳列車の趣はだいぶ少なくなる。電車から海を眺めるには,この区間がいい。特に,和田浦〜南三原(ミナミミハラではなくミナミハラ)間。
 その南三原から館山圏に入るんだろうか。ひと駅ごとに何人かずつ乗ってくる。

● 館山でも停車時間なはし。結局,そのまま乗り続けてしまった。
 館山ではドッと人が乗ってきた。久々に立ち客が現れた。東京近郊列車の趣も生まれる。その後,乗客は増える一方だった。

● が,1つ前の君津で誰もいなくなる。君津から快速の久里浜行きが出るからだ。久里浜行きが早く発車するのだ。
 ぼくはといえば,上総一ノ宮から運んでくれたこの電車で終点の木更津まで行きたいから,久里浜行きには乗らず。

● ワンマン運転の2両編成で木更津着。ともあれ,安房鴨川〜館山間に乗って,内房線の未乗区間を解消。
 海を眺めたいなら,外房線より内房線がいいが,乗ってて楽しいのは外房線かなぁ。田舎びていると言っては失礼だが,東京近郊列車に乗ってても面白くないんでね。
 ちなみに,上総一ノ宮〜安房鴨川〜木更津は普通列車の運転区間のユニットになっているようで,1日に何本も走っているようだ。

● 次は久留里線だが,40分以上の待ち時間があったので,木更津の駅周辺を歩いてみた。
 率直に言って煤けた印象を受ける。寂れたというか。アクアラインの影響はあまりないんだろうか。アカデミアパークは最悪のタイミングだったしね。むしろ,君津の方が栄えていくんじゃないかと思わせる。
 駅に隣接する駅そばも閉店。隣に吉野家ができちゃってた。駅そばに勝ち目はない。以上,ほんとに駅周辺から受ける印象。

● さて,久留里線。久留里〜上総亀山間は廃止が決まってる。乗ってるのは鉄道マニアだけで,地元民は利用しないらしいから廃止は当然と思うが,さてどんなところなのか。
 15:53発。久留里から先は運転本数が少なくなる。15:53発は上総亀山まで行く。これに乗れないと少々辛いことになる。

● 久留里線は Suica が使えない。わが方の烏山線と同じ。烏山線はそれでもバッテリーカーに転換されたが,久留里線は気動車のまま。
 2両のワンマン運転で運行されているようだ。さて,どんなところなのか。

● 少なくともこの時間帯の久留里線は,木更津を発車する時点で乗客の過半は鉄道マニアだった。
 山に分け入っていくのかと思っていたのだが,そうではない。内陸に向かうので,登り勾配ではあるのだが,山に分け入るという感じではなかった。丘陵地帯ですらない。田んぼの中を突っ切って行く。車窓は単調だ。

● 下郡を過ぎると勾配が少しキツくなるが,それでも農村地帯を走る。久留里まで来ると,だいぶ登ってきた感がある。いつの間にこんなに登ったのだ,と。
 しかし,ずっと田んぼの中だったのだ。久留里で急に山感が出る。そういう地形なのだな。

● で,久留里から先は完全に山間部を走る。車窓が面白くなる。乗ってて面白いのは,廃止が決まっている久留里〜上総亀山間だ。
 しかし,トンネルはない。このままトンネルなしなのかと思っていたら,上総松丘を過ぎて2つのトンネルを潜った。

● 要するに,路線の保持にコストが嵩むのは久留里から先。乗客はいない。鉄道マニアを運んでいても仕方がない。
 JRとしては,できれば久留里線は全廃したいだろう。

● 上総亀山の駅舎は駅名も消えかかっている。自動販売機で缶コーヒーを買った。営業している飲食店も雑貨屋もない。
 「休日おでかけパス」のフリーエリアに久留里線が全部入っている。が,当然,「休日おでかけパス」を上総亀山駅で買うことはできない。久留里まで行かないと。上総亀山から乗る人はいないんだろうねぇ。

● 横田で50代の男性が乗ってきた。シャツに汗が染みている。ニコンの一眼レフを提げていた。撮り鉄のオッサンだと思う。
 結婚指輪をしていた。実直そうな人だ。今日は会社を休んで,この暑い中を好きな写真にいそしんでいるのだろう。彼にどうぞ良きことがありますように。
 その彼,久留里で降りていった。お城の写真も撮るのかね。

● 上総亀山に着いた気動車は15分後に折り返すのだが,久留里までしか行かない。久留里で木更津行きに接続。
 久留里駅で11分の猶予がある。で,改札を出てみたのだが,ほんとにね,鉄道マニアしか乗っていませんわ。明らかに地元の人と思われたのは1人だけ。

● 久留里にはスタンプもあった。もちろん,押してきましたよ。
 久留里からの列車は3両編成。車掌も乗務していた。すべてワンマン運転というわけではないんだね。

● 木更津からは快速の東京行きに接続。グリーン車を連結する堂々の15両。
 蘇我で京葉線に乗り換えて,19:57に潮見着。久留里線の久留里〜上総亀山間に乗れたので,思い残すことはありませんね。

2025年8月24日日曜日

2025.08.24 5日間有効の「青春18きっぷ」を買った

● 今月の最終週は潮見に4泊することにしてるんす。3日間は完全フリーなわけですよ。何して過ごす?
 洲崎には何度も行ったし,都内の文具店巡りももういいかなぁだし,美術館に行くなんてガラじゃない。

● んで,千葉と茨城に未乗の鉄道路線,区間がけっこう残ってるんで,乗りつぶしておくかと思ってね。「青春18」を使えるわけでね。
 時刻表をめくりながら(こういうときはアプリはダメ。紙の時刻表が必須。路線図も付いてるし),無印のB5の “らくがき帳” に行程を書き出していく(こういうときに使うのは,北星の4Bの “かきかたえんぴつ”)。

● ところが,3日間の行程をあーでもないこーでもないと考えつつ決定した後に,このとおりに動くのがイヤになってきた。
 ひたすら電車に乗るんですよ。鹿島神宮駅に行くのに,鹿島神宮には寄らない。香取にも行くのに香取神宮はパス。せっかく潮見にいるのに水戸まで行ったりするんですよ。
 電車に乗るのは好きなんだけど,何か違うなぁと思えてきてね。

● かといって,潮見に4泊しても,東京で行きたいところもやりたいこともないんす。どうしたもんかなぁと思っとります。

● 結局,東京でやりたいことが見つからず,考えた行程どおり,電車に乗ることにした。5日間有効の「青春18きっぷ」を買った。
 25日と29日は自宅〜東京の移動だけ(でも,5日券を買うのがお得。3日券と2,050円しか違わないので)。間の3日間で,東京を起点に,千葉の未乗路線,未乗区間に乗って来ようかなと思っとります。
 いすみ鉄道の一部区間が復旧していないので,小湊鉄道と合わせて後回しにしますが。5日券が使えて嬉しいです。

2025年7月27日日曜日

2025.07.27 所沢へ

● “青春18” の3日目。今日は用事があって出かける。西武新宿線の航空公園駅に行く。
 ここに行くときは,大宮から川越に出て,本川越駅まで歩いて西武新宿線に乗ってた。今回は浦和,南浦和と乗換えて,武蔵野線の新秋津駅から西武池袋線の秋津駅まで徒歩移動。所沢で新宿線に乗換えるルートにしよう。
 というわけで,宇都宮発9:56の湘南新宿ライン逗子行きに乗車。

● ところで。“青春18” の仕様変更は評判がよろしくないようだ。
 けれども,自動改札機を使えるメリットはそれ以上だと思う。気兼ねなく下車できる。

● ぼくはいつも一人行動なので,グループで使えるメリットはなかった。無職爺で毎日が日曜日のお気楽な御身分(ゴミ分)だから,3日(5日)連続の縛りもまぁまぁ対応できる。
 夏は電車内避暑のためだけに使ってもいいかなぁと思いますよ。

● ただ,いかにも “青春18” 族だなと思える人を見なくなった。一人旅の爺に多かった。“青春68” かと思うほどだったのだけどね。
 “青春18” 族は激減しているのかもしれん。仕様が変わると目立たなくなるということはないだろうから。連続となると,“青春68” 族には体力的に厳しいか。

新秋津駅
● 新秋津駅から秋津駅までは道を迷うことはない。人の流れについていけばいいからだ。秋津駅に向かう流れ以外の流れはないので,迷いようがない。
秋津駅
 距離もわずか。武蔵小杉駅で湘南新宿ラインから南武線に乗換えるよりは,ずっと短い移動ですむ。

● 秋津から航空公園までは190円。秋津から所沢まではひと駅。所沢からひと駅で航空公園。
 秋津駅ホームの案内板には,秩父方面との表示もある。西武池袋線なのだから当然なのだが,秩父へも行けるわけだ。所沢には特急も停まる。
 また,秩父に行きたくなった。秩父ではモツ煮うどんを喰っておくべきだった。

● 時間はたっぷりあるので,所沢駅構内を散策。都会だねぇ,所沢。ホームには冷房の効いた待合室もある。
 浦和,南浦和,新秋津,所沢と4回の乗換えがあるルートだったが,けっこう楽しかった。初めてだったからかもしれないけど。

● 帰りは川越経由にしようかと思っていたのだが,同じルートを引き返すことにした。埼玉も楽しいぞ。
 西武鉄道の路線図。西武はまず乗らないので,全然頭に入っていない。しかも,相互乗り入れもあるから,所沢から新木場や元町・中華街に乗換えなしで行けると言われても,まるでピンと来ない。

2025年7月26日土曜日

2025.07.26 秩父へ

● “青春18” の2日目。秩父に行く。秩父に用事があるのか? ない。秩父に限らず,用事のあるところなんかあるわけない。
 秩父鉄道と西武秩父線に乗ろうと思う。これまた,乗らなきゃいけない理由なんかない。是が非でも乗りたいかというと,それほどでもない。でも,乗っておきましょ。

● 小金井始発の上野東京ライン平塚行き。栗橋か久喜まではガラガラのプラチナシート。
 その久喜まで乗る。久喜からは東武伊勢崎線で羽生へ。
 羽生から秩父鉄道。熊谷〜皆野間には若い頃に乗っている。もちろん,記憶は完全に消滅しているが,乗ったことだけは間違いない。
 あらためて,始点から終点の三峰口まで通して乗る。運賃は1,200円。乗車券はQRコードをタッチするタイプ。那覇のゆいレールと同じだけど,受け入れられているんかな。

● 2両編成の電車。お客さんはけっこう多い。北関東の埃っぽい平地を走る。行田市を過ぎると登り勾配を体感できる。
 熊谷でかなりの人が降り,同じくらいの人が乗ってきた。
 熊谷からはひと駅ずつ降りる人がいて空いてくるのかと思ったのだが,全然そんなことはない。ほぼ全員が秩父まで行く行楽列車でありました。夏休みだしね。
 ただ,インバウンド優位ではない。日本人が多い。家族連れと徒党を組んでるジジイたち。

● 波久礼駅で熊谷方面に向かう貨物列車を見送る。中身は秩父名物セメントの原料っぽい。石灰岩。
 長瀞でだいぶ空いた。秩父,御花畑でドッと降りるのかというと,意外にそうでもない。先まで乗り続ける人が多い。

● 一眼レフを抱えたジジイのグループが煩くてしょうがない。少しは大人しくしてられんのか。
 そのジジイたちも1人,2人と降りていく。撮影現場のメボシはそれぞれつけているようだ。

● ようやっと三峰口に着く。ここまで来るのに,峡谷(?)を橋で渡ることはあったが,トンネルを潜ることはなかった。トンネルは1つもなかった。
 ということは,このルートが昔からの往還ということですか。秩父の表玄関は長瀞であり,皆野であるよ,と。

● 秩父鉄道の終点ではあるものの,この先がありますよ,ここは途中ですよ,という風情。峠の茶屋のように思えるお休み処。
 ハイキングというのかトレッキングというのか,それをやろうとすると2泊はしたいかな。

● 駅の隣に三峰口駅そば店があったので,寄ってみた。寄るでしょ,これはね。天玉そば,650円。地の食材はないと思う。それでいいのだ。
 秩父も暑い。東京と変わるまい。いつもこんなに暑いのですかと,オバチャンに訊くと,自分は寄居から来たのでよくはわからないのだが,と言う。熊谷に近いところだとも言っていたな。
 待て待て,寄居から通っているわけじゃあるまい。秩父に嫁に来たのじゃないのか。

● 三峰口から秩父駅まで引き返す。下ることになる。秩父の中心街はずいぶんと下ったところにあるのだ。
 まず言っておきたいのだが,秩父に秘境感はない。普通の地方都市だ。只者じゃない感はある。長い間の人の営みの堆積が感じられるというか。会津若松に感じるのと同じもの。
 が,ここは秘境ではない。天空の街という感じでもない。秩父に特別な思い込みを持っちゃいけない。

● ただし,繰り返すけれども,只者じゃない感がある。
 そう思わせる理由の1つが秩父神社の存在。秩父神社の他にも,立派な神社があるらしい。観音霊場もある。神社仏閣の密度は相当なものだろう。

● 秩父神社の近くに「喫茶カルネ」っていうお店があるんですよ。コーヒーとカレーの店なんですけど,ホットサンドが美味しいんです。最期の晩餐はカルネのホットサンドにしようって決めてるんです,私。
 秩父育ちで東京で仕事をしている人が,こう言っていた。ここまで言われては行かないわけにもいくまい。

● というわけでね,ホットサンドとコーヒーのランチ,1,100円。
 店内の空気感は相当いい。音響機器を選ぶだけでこういう空気を作れるのなら苦労はない。店主の人間性がどうしたって出ちゃう。つまり,いい店です。
 けど,ホットサンド,うーん,旨いは旨いんだが,これを最期の晩餐に,うーん・・・・・・

● 立派すぎる市役所も見て,帰りは西武秩父線で。現在の表玄関はこちらでしょうねぇ。観光スポットへのバスの便もここから出ている。バスターミナルでもある。
 池袋から直結。特急だと80分で着いてしまう。特急券は900円。JR普通車のグリーン券と同額だ。

● 西武駅のホームから秩父鉄道の電車を見る。秩父鉄道のレールがすぐ近くを通っている。
 西武駅のホームの標識。影森,三峰口方面とあるが,現在は秩父鉄道への乗入れはしていないようだ。

西武特急
● 今回は特急ではなく各駅停車に乗車。最初に乗るのは各駅停車がいいと思っている。特急は速いし楽だけれども,入ってくる情報量は各駅停車の方が圧倒的に多いからだ。
 秩父鉄道と違って,西武線はトンネルだらけ。西武秩父駅を出るとすぐにトンネルに入る。その後も次々にトンネルを潜るのだが,芦ヶ久保駅を出ると長いトンネルに入る。
 しかも,そのトンネル内は複線になってるっぽいんだな。トンネルを抜けると正丸駅。

● トンネルの合間に集落が見える。その集落を見やりながら,これは難所だったろうと思う。
 秩父鉄道が羽生〜三峰口間を全通したのは1930年なのに対して,西武線の開業は1969年。だいぶ遅かった。土木技術の進歩を待つ必要があった。

● 西武線で入っていたら秩父に多少の秘境感を感じたかもしれないな,とも思った。
 大雑把に言うと,秩父鉄道は荒川に沿い,西武線は高麗川に沿う。高麗川には流域というものがない。勝手に流れ下っていたのだろう。

● 吾野から秩父までを秩父線と言い,池袋から吾野までは池袋線らしいのだが,その合理性はよくわからない。
 吾野を過ぎてもトンネルがある。トンネルが基準になっているわけではないらしい。

● 東飯能で下車。JR八高線のホームに移動して,川越行きに乗換え。川越で埼京線に乗り継いで大宮。
 このエリアは路線名と運転系統に乖離があるのだが,八王子〜高麗川〜川越〜新宿と準環状線があるのだと思っておくのが最も自然かと思う。

● 東飯能で電車がなかなか来なくてね。しかも,ホームの屋根が太陽光を遮る役を果たしてなくて,容赦なく殺人光線が降り注ぐ。だいぶ消耗した。
 大宮で宇都宮線に乗ったのだが,ちょうど線路内発煙騒ぎがあって,宇都宮線が運転見合せになった(高崎線で高崎に出て,両毛線経由で帰ろうかと思いましたよ)。2つのアクシデントを乗り越えて,無事に帰宅。

● 大宮駅構内の「そばいち」で “2枚盛り” を食べた。670円。
 今日は朝もパンを食べてから出かけたし,出先で3回食べているから,明日の体重はまた増えていることだろう。

● 秩父に行って思うのは,秩父に温泉が出なくてよかったなということだ。温泉旅館がまったくないわけではない。皆野や小鹿野にはいくつかあるようだし,秩父市にもあるにはある。が,点在するに留まる。
 もし,大々的に温泉が湧き出していたら,秩父は日本全国どこにでもあるようなつまらない温泉街になってしまったことだろう。
 温泉街はどこも苦境に喘いでいる。廃墟がそこかしこにある。温泉が出なかった秩父はそれを免れた。そうして,これだけの風格を今に伝えることができた。

2025年7月25日金曜日

2025.07.25 「青春18きっぷ」で茨城へ

● 仕様変更後の “青春18” を初めて買ってみた。3日用。5日用の方がお得感は高いんだけど,なかなか使いきれないわ。
 25日は茨城,26日は秩父,27日は所沢に行く予定。JRにキチキチ乗るというんじゃなくて,JRを使って,JRじゃない列車に乗りに行くという感じだ。

● で,“青春18” を使って,とりあえず宇都宮に。
 いえね,今日は茨城に行って,勝田〜阿字ヶ浦のひたちなか海浜鉄道,佐貫(駅名変えたんでしたっけ)〜龍ケ崎の関東鉄道に乗っておくかと思ってたんですけどね。なんか,別にいいかぁと思えてきちゃってね。とりあえず家を出て,宇都宮には来てみたよ,と。

● んで,何をやってんだかわからないんだけど,宇都宮線に乗って石橋で降りてみた。開業140周年のスタンプを押した。コンプリートする気なんか全然ないです。
 どうも気分が上がってこない。電車の中は涼しいから,とりあえず電車に乗っとくか。
 石橋からは上野東京ライン平塚行きに乗車。ひゃー,涼しい。このまま平塚まで行ってしまおうか。

● 小山で降りましたよ。小山でも140周年のスタンプ。宇都宮でも押しているから,コンプリートへの欲が兆す。
 次のスタンプは間々田にある。ひと駅だ。これが不思議なのよね。間々田駅開業は野木より早いんですよ。間々田って野木より栄えていたんですかね。

● けど,気を取り直して初志貫徹することにしましたよ。めったに来ない小山駅の15,16番線ホーム。水戸線に乗ります。
 かつては東京から水戸に向かうには東北本線で小山まで来て,小山から水戸線に乗り換えるのがメインルートでありました。常磐線の全通はかなり後ですな。

● 水戸線に乗って,小山の次の駅は小田林。ここはもう茨城県。結城市です。
 ピンと来ないところに県境がある。西仁連川という,注意してないと気づかないような小さい川というか用水路が県境になっているっぽい。
 小田林はオダバヤシだとずっと思ってましたよ。オタバヤシなんですな。

● 小山駅東に聳える勇姿,白鷗大学。15,16番線ホームからだとよく見える。
 元々,法科大学院だったとこ。法科大学院がポシャったので,思川の向こうにあるのをこちらに統合するんじゃないのかな。地の利もこっちが圧倒的にいいしね。じゃぁ向こうはどうすんだ? さぁ。
 でも,駅東に大学ができるなんて,半世紀前には想像もできなかったと思うんだよね。こちらの想定を軽々と越えて,現実は変わって行くよね。

● 用はないけれど,下館で降りてみることにした。用はないって,そもそも用などない移動をしてるんだけどね。
 この女性像って前からあったっけ。憶えてないな。駅前の風景も変わってるような気がするが,これまた以前の記憶が明瞭じゃない。
 少し歩いてみるか。ノー。この酷暑の中でそんなことをしたら体が溶ける。

● 下館駅の中は変わりようがない。改札を入ったところが2番線。水戸線下り用。
 2番線の先に行くと,1番線が現れる。真岡鐵道線用のホーム。たいていの駅では,こういうホームは0番線にしている。たとえば,郡山駅の水郡線ホーム。3,4番線は水戸線の上り(小山行き)に充てている。

● 5,6番線は関東鉄道常総線が使う。2線は要らないだろうけど,そういうことになっている。
 試したわけじゃないんだけど,JRの切符で,この南口出口から出れるのかどうか。出れないと出口がある意味がないから出れるんだろうね,と思うんだが。
 要するに,5,6番線は駅内駅。下館駅はじつは,JR(+真岡鐵道)の駅と関東鉄道常総線の駅に分かれていて,隣り合っているけど,別の駅なんだよ,という感じなわけよ。

● 下館は鉄道の要衝という言われ方をすることがあるんだけど,要衝感は全然ない。
 だけど,下館って “休日おでかけパス” のエリアに入ってるんですよね。おでかけパスだけで東京に行けるんですよ。ただし,小山経由で。常磐線で行く場合は土浦までの乗車券を買わなくちゃいけない。

● 下館から乗ったのは勝田行き。が,友部で常磐線の勝田行きに乗換えた。こっちの方が早く出発するので。けど,慌てる理由があるじゃなし。何でこうセカセカしちゃうかねぇ。
 乗換えたばっかりに,水戸まで立つことに。ま,大した距離じゃないけどさ。

● 水戸も久しぶり。駅の構内も街の様子も宇都宮と変わらない。地方の県庁所在市って,ホントにどこも同じ。可哀想なほどに画一的。水戸らしさ,宇都宮らしさなどカケラもない。
 あるようでは衰退してるってことだ。仕方がないのだな。

● 勝田に着いた。ここから “ひたちなか海浜鉄道 湊線” に乗り換える。当然,“青春18” は使えない。改札口もJRとは別かもしれない。ともかく,勝田駅の改札を出たんだけどね。
 ひたちなか海浜鉄道が見えない。切符もどこで売っているのかわからない。改札口も見あたらない。

● “青春18” で再びJR駅に入場。ひたちなか海浜鉄道は1番線に行け,と表示がある。1番線は2番線の先にある。下館駅の1番線と同じ。
 その1番線の片隅にひたちなか海浜鉄道の駅があるのだった。

 阿字ヶ浦まで。
 往復します?
 はい。
 だったら1日乗車券がお得ですよ。

 というわけで,1日乗車券を買ったのだけど,JRの改札を介さないとここまで辿り着けないのか。外からダイレクトにここに来て,切符を買って,気動車に乗り込む,ということができないと困るんじゃないか。このあたりは謎だ。

● 茨城っていうと,いや,北関東に拡げてもいいかと思うんだけど,美人が出ないところと言われてません? 他所の人がいうだけじゃなく,地元の人もそう思ってません?
 だけど,それは嘘。下館駅で電車を待つ人の中に,目を奪う三十路美人がいた。勝田行きの常磐線の車中にもいた。

● 極めつけは,阿字ヶ浦行きのこの気動車だ。下向する高校生が何人か乗っていた。女優の卵かと見紛うほどのセーラー服美人がいたよ。何だかすっごく得した気分になった。
 しかも,それだけでは終わらなかった。君は山崎賢人の親戚かね,と訊きたくなるような男子高校生が乗っていた。茨城,恐るべし。
 山﨑賢人の親戚は「高田の鉄橋」で,女優の卵は「那珂湊」で降りた。那珂湊は沿線唯一の有人駅で,ほとんどの人が降りた。

● 13:05,終点の阿字ヶ浦に着。海水浴場があるんだと思うんだよね。子供たちは夏休みに入っているし,連日猛暑だし,海水浴場は賑わっているんじゃないかと思うんだが,この列車で海水浴に来る人はいないようだ。皆さん,車でいらっしゃるのだろう。
 駅前には何もない。阿字ヶ浦温泉の看板が立っていた。日本屈指の濃い温泉らしい。遠慮したい。

● 運転本数は宇都宮以北の宇都宮線よりわずかに少ないくらい。1時間に2本なら充分といえる。
 このエリアにこの密度での鉄道運行があるとは贅沢で,贅沢はそうそう続かないとしたものだ。廃止は時間の問題かと思う(1年や2年のスパンではないけれども)。バスで吸収できる。今のうちに乗っておいてよかった。

● 復りも勝田に直帰しようかと思ったのが,那珂湊で降りてみることにした。沿線唯一の有人駅だし,女優の卵が降りた駅だから。
 駅前には昭和がそのまま残っている。言葉を選ばないで言ってしまうと,過疎を感じる。
 待合室の中。高校生のグループが多いな。部活で何かあったのかい?
 殿山ゆいか。鉄道ガールね。悲しくなるほど全国画一。こういうのを何で拒否しない?

● 那珂湊から乗った列車は,部活の試合でもあったんだろうか,高校生で満席。座れなかった。
 時間帯を問わず,ひたちなか海浜鉄道は1両運転なんだろうかな。

● 勝田に戻った。1日乗車券を見せて前に進んだはいいものの,ここから直接外に出ることは,どうもできないっぽい。
 それじゃ乗客が困るから,何かカラクリがあるはずだが。

● 勝田でタッチの差で土浦行きに乗り遅れ,次は水戸どまりの電車。水戸から土浦行きに接道。土浦から上野行きに乗る。
 土浦を宇都宮線の小山にたとえる人がいるけれども(水戸が宇都宮という前提ね),違うな。常磐線では水戸より土浦が上位。土浦がハブだ。

● 途中の石岡駅。かつては,ここから鉾田まで鹿島臨海鉄道が通っていた。茨城は近いんだからいつでも乗れる,と油断を続けていたら,とっくに廃止され,もう乗ることは叶わない。
 もうひとつ,日立電鉄も。常北太田と鮎川とを結んでいた。水郡線の枝線なんか後にして,こっちに乗っておくべきだった。
 もちろんね,乗っておかないと困ることなんか何もないんだけどね。乗っていたとしても,もう何も憶えていないはずで,自分は乗ったというどうでもいい自己満足しか残っていないのではあるけれど。

● 佐貫改め竜ヶ崎市駅に到着。部外者は佐貫でいいじゃないかと思う。関東鉄道の竜ヶ崎駅があって,正真正銘,そっちが竜ヶ崎なんだし。
 その関東鉄道竜ヶ崎線に乗る。さすが関東鉄道で駅舎は独立している。関東鉄道では佐貫のまま。竜ヶ崎まではふた駅。2両の気動車が行ったり来たりしているらしい。

● 竜ヶ崎駅前。懐かしい昭和40年代の景観が残っている。橋本屋という屋号も何だか懐かしい。栃木県でも那珂川の向こう(東側)は水戸様のご領地で,水戸様のご領地では田舎のよろづやは橋本屋というのが多かったような記憶。
 祭りの最中なのか,祭囃しが聞こえてくる。ただし,テープ。音は聞こえてくるんだけど,通りを歩いている人はあまりいない。暗くなると賑わいだすんだろうか。

● 昭和の頃の,郡の中核の街場ってこうだった。栃木県でいうと,烏山もこうだった。今は人口が減りすぎて,その風情を維持することもできなくなったが。
 関東鉄道の鉄道むすめ。寺原ゆめみ。こういうのって,業界の部活みたいなもんなの? お互いに競い合いましょうって。
 でも,創作は同じ業者が一手引受じゃないか。止めるわけにはいかんのかね。大したコストではなかろうけど。広告効果,ほぼゼロでしょ。売上に結びついていないでしょ。

● 復りの切符。ハサミを入れてもらったのは何十年ぶりかな。
 ここまで来たのだから,我孫子から成田線(我孫子支線)に乗って,鹿島線,鹿島臨海鉄道を乗り継いで,水戸に戻ろうか。が,あまり欲をかいてはいけない。今日はこれくらいにしておこう。常磐線を北上して,水戸線で帰ろう。来た道を引き返そう。

● 土浦駅の NewDays で缶ハイボールとツマミを買って,久方ぶりに列車パブを開店。
 そうだった。電車旅にはこの楽しみがあった。その辺の高級酒場を凌駕して余りある(と思う)。超絶快適パブだ。
 問題は,他の乗客には超絶不快かもしれないってことだな。だから,静かに飲まなくてはいかん。
 友部駅の NewDays で買い足し。飲み過ぎかもしれん。右のは笠間の蕎麦寿司。とっぷりと日も暮れて,酒はいよいよ旨味を増す。

● 今日1日で茨城が好きになりましたよ。女優の卵の印象が強烈なんですわね。下館で下車しなかったら彼女には会えなかったわけですよ。
 その前に,茨城まで行くの,ウザったいな,宇都宮線を適当に乗ったり降りたりするかな,とウダウダしなかったら,山﨑賢人の親戚も見ることは叶わなかった。
 禍福は糾える縄の如し,と言うのはちと違うけどね。

● 小山で乗換えて,宇都宮に戻ってきました。宇都宮に戻ったらぁ・・・・・・ひとり日高屋でぇぇす。ニラレバを肴に緑茶ハイの濃いめを飲みました。
 勢いがついちゃってます。朝から何にも食べていなかったので,久しぶりのアルコールがスイスイ入るんですわ。