● 日曜日の午前10時半までは,地元のスーパー「とりせん」の日曜市。全品1割引。相方にせがまれて出かけるのが常。
その隣にマックがある。ところが,まず寄ることはない。ここ数年,ガラーンとしてたこともあって,なおさら足が遠のいていた。
● ところが,スマホのクーポンでコーヒーが100円で飲めると相方が言うので,久しぶりに立ち寄ってみた。驚いた。だいぶ客足が戻っていたので。
首都圏のマックは以前から回復の動きがハッキリとあった。でも,地方ではまだまだだと思っていた。
● 小さな子どもを連れた人たちが多いんだけど,女子高生が教科書を広げていたりもする。活気が戻りつつあるという印象を受けた。
教科書を広げている女子高校生は長居をする。が,女子高校生は店の花にもなるのだ。
● マックが凋落したのは,中国の賞味期限切れの鶏肉騒ぎが原因ではない。それ以前からだいぶ落ちこんでいた。原因はハッキリしていて,原田泳幸前社長の判断ミスだ。
高価格路線の採用と,回転率をあげるために長居する客を追いだそうとしたこと。客を追いだす飲食店がどこの世界にあるかということだ。
その原田さんが残した大きすぎる負の遺産を,やっとこさ解消できたのかもしれない。長い時間がかかったけれども。
● Wi-Fiも改善された。Free Wi-Fiで速度もかなり速い。少なくとも,スタバより速い。この店はコンセントもマメにあるので,パソコンを抱えて出かけるのもいいかもしれない(といって,ぼくはやらない自信がある)。
Wi-Fiを使いたくなったらマックに来ればいいんだね,と相方は申しておりました。
 |
マックの求人チラシ |
● これからの課題は,マックに限らないけれども,アルバイトの確保だろうね。これまた,時給の多寡もさることながら,雇おうとする店のイメージが大事だろう。
ここでもひと頃のダーティーなイメージを払拭しつつあるのではないだろうか。消費者は何かあってもしつこく憶えているわけではない。敗者復活の機会は必ずあるということでしょうね。
● モスにはしばしば行くんだけど,マックにはまず行くことがない。かつての騒ぎが印象に残っているからじゃない。モスは宇都宮駅構内にあるので,寄りやすいというか便利だからだ。
マックはちょっと駅から離れている(わずかな距離だけど)。
● 息子が小さかった頃は,それでもしばしばマックに立ち寄った。マックのソフトクリームやシェーキが好きだったので。が,そんな時期は永遠に来ない。
それに,例の事件が起こる前は,マックの店舗は今よりずっと多かった。宇都宮で言えば駅西口の駐車場のすぐそばにもあった。
● ところでマックはぼくの地元にもある。が,ここにはほとんど来たことがない。ほとんどであって,まったくではないのだが。
が,今日は一人で地元のマックに入ってみた。一人で入るのは初めてのことだ。
● 例の事件でマックは客離れに苦しんだ。あの事件がとどめを刺した形ではあるけれども,それ以前に客離れは起きていた。大元の原因を作ったのは,原田泳幸前社長だよね。この人がムチャクチャをやった。
ひとつは,女子高生の追いだし。安いメニューを注文して長居する。客単価が低いお客がスペースを占拠する。だものだから,安いセットメニュー(390円のサンキューセットというのがあった)を廃止して,メニュー自体をなくしてしまった。
加えて,店内でパソコンをいじっている人や,教科書を広げて勉強している人(これも女子高生なんでしょう)への長居するなノーティス。お客を追い出してどうするつもりだったのだ。
● 原田さんって,マクドナルドの前はもうひとつのマック,つまりアップルコンピュータの社長をやっていた。けど,アップルでも目立った業績はあげてないよね。マクドナルドのあとのベネッセでも同様。
なのに,妙に自信家(のような印象を受ける)。ま,いいんだけどさ。
● 二番目には,直営からフランチャイズへの切り替えに伴う,「スマイル0円」の消失。
そして三番目が値上げだ。そのままで値上げをするのははばかられるから,新メニューに入れ替えた。新メニューの特徴はボリュームアップだ。誰がそんなに食べるんだ,と思うような。
● その後に起きたのが,中国の期限切れ鶏肉の使用問題。直接の責任は中国側にある(たぶん,中国ではそんなものは問題にならないのだろう)。が,マック側の対応も拙かった。
そして,客離れが決定的になった。それでわかったのがマックなんてなくても別に困らないってこと。そりゃそうだ。類似の店がほかにいくらでもあるんだから。
● こういうものは間違いだったら直せばいいというわけにはいかない。いや,直せばいいんだけど,直したところで,その効果が出るまでに長い時間がかかる。昨日直しました,今日からお客が来るようになりました,というわけには当然いかない。
ぼくは正直,マックはこのまま消え去るのではないかと思っていた。
● しかし,戦犯が去ったあと,マックは努力を続けた。首都圏で回復の兆しが見えてきたのはけっこう前だと思う。客層は凋落前と同じではないかもしれない。女子高生やファミリーではなくて,男性ビジネスマンが一人で来ているのが目についた。
が,ともかく首都圏ではお客が戻ってきているんだなと思った。
● しかし,地方はまだまだだ。地元のこの店はいつも空いている印象だ。地方ではまだ苦戦が続いている。とはいえ,地方でもどん底はすでに脱しているっぽい。
黄金週間の真ん中,後半の連休の初日の今日は,いつになくお客が入っていた。
● 500円のセットメニューはモスの一番安いのよりさらに100円安い。ただ,ポテトフライはモスの方が断然旨いですな。
マックのは細いからカリカリ感しかない。モスのポテトフライはホックリ感がある。マックは光熱水費の節減に走りすぎ?
しかし,差があるのはぼくの舌ではポテトフライだけだ。あとは似たようなもの。であれば,価格を武器にマックが本格的に復権する可能性は決して低くないと見る。
● 首都圏に行くと,マック復活の兆しを感じる。衰退のきっかけを作った元社長は受験産業に移って,しゃあしゃあと社長を続けているけれど,残って再建に奮闘してきた人たちは大変だったろう。
途中で,中国のトバッチリを受けた。これも大きかった。この業界(に限らないのだが)はイメージが大切だ。
● いったん負のスパイラルにはまると何をやってもうまくいかない。裏目に出るところまではいかなくても,効果がまるで見えない。
そうしている間にも,外部から負が入ってくる。負がたまってしまう。そんな感じだったろうか。
● ここに来て,復活の気配を感じる。お客さんが戻ってきたように思える。あくまで首都圏に限った印象ではあるんだけど。
何が理由なのか。わからない。社会の気分が変わったんだろうか。
● が,気配であって,マックの経営に関する諸々の数字はどうなっているのか。これからということだろう。
宇都宮ではまだまだ気配さえない。その宇都宮のマックに久しぶりに入ってみた。ソーセージマフィンセット。安さはいつだって魅力のひとつのようだ。