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2022年10月19日水曜日

2022.10.19 四半世紀ぶりに横浜中華街の菜香新館

● 川崎のホテルに泊まっているので,地の利を活かしてどこかに出かけよう。川崎の地の利を活かした行き先の第1は東京都心なのだが,それは昨日行った。今日は西に向かってみよう。
 さて,と。ではどこにするか。神奈川県の3大観光地は,箱根と鎌倉と横浜。これに異論を唱える人はいないと思うが,とは言っても,神奈川はそれだけではない。三浦半島,城ヶ島,横須賀があるのだし,茅ヶ崎や藤沢などいわゆる湘南地方がある。この川崎だって人口150万人を抱えるメガロポリスだ。小田原もありますよ。
 しかし,観光的には箱根・鎌倉・横浜以外はなきが如し。JTBの “るるぶ” もそうなっている。

● であれば,箱根・鎌倉・横浜以外にどこか行くところはないかとなるのだが,結局,横浜に来た。ひとえに近いから。横浜の向こう側まで行くのは,なにか具体的な用事なり目的がないと難しいかもしれないなぁ。
 石川町で根岸線を降りて中華街を散策。横浜で一番面白いのはやっぱり中華街ってことになりますか。ひと通り歩いてから,菜香新館に入ってみ
た。四半世紀ぶりになる。ちょうど昼時。ランチタイムのピークは過ぎた時刻。

● 朝食で1日分のカロリーを接種しているんだけど,飲茶コースを注文した。10品ほど出てくる。順番はメニューのとおりとは限らない。
 ドラゴンハイボールというのも注文。紹興酒を炭酸で割ったもの。強い酒を炭酸で割ると,まずまず飲める酒になるが,もう一度飲みたいかと問われれば,一度でいいかもしれん。勧められれば,たぶん何杯でも飲むと思うが。

● エビの春巻きは飲茶って気がしてくる。次に来たときには単品で頼もうね,エビ春巻きは4つ頼もうよ,というのが相方の意見。異議なし。
 隣の葉っぱも旨かったな。マレーシアソースがかかっているようなのだが,マレーシアソースって何よ? 実食したのによくわからなかったよ。
 最後は杏仁豆腐。いや,この杏仁豆腐はプリンのようになめらかで,旨かったです。

● こうしてみると,中華料理のメインの食材は肉(主には豚)なのかと思いた
ホタテの蒸しクレープ
くなる。ホタテだったりエビだったり,海鮮もあるわけだけども,肉を特に得意としているような気がする。
 他に気になったのが,五目焼きビーフン。広東料理の一方の雄(?)はビーフンだと思っております。次は焼きビーフンも注文していいよ
と,相方に許可をもらった。

● というわけで,次回がもしあれば,焼きビーフンをメインにして,エビの春巻きとホタテの蒸しクレープなどを食べることになりますなぁ。
 飲茶にはアルコールよりも普洱茶の方が食が進む。アルコールだと出てくる料理をアルコールを飲むための肴にしちゃうからね。呑み助はどうしたってそうしちゃう。
エビ春巻き








2022年7月21日木曜日

2022.07.21 横浜散歩:関内~横浜駅

● 横浜の文具店を色々と回ったので,勢い,横浜を歩くことになった。
まず,関内からこの地下道に入って伊勢佐木町に行った。
 この地下道にはピアノが置かれている。このピアノを使って,ユーチューバーの演奏家がけっこう動画を上げている。
 たとえば,これこれ(ぼくはどちらのチャンネルも好きで良く見ているのだが)。

● しかし,この地下道ってそんなに垢抜けたところじゃなかったんですね。地下街の一部はホームレス諸兄の無料ホテルになっている。
 ぼくが行ったのはだいぶ日が高くなってからだったけれど,多くの諸兄がまだグッスリとお休み中だった。長くホテルとして使うつもりなら,娑婆の活動態様に合わせた方がいいのではないですか,諸兄。昼になっても寝てるのは反発を招きやすいのでは。

● なぁ,爺さんよ。そんなことができるくらいだったらホームレスなんかやっちゃいねーよ。そうだろ,わかるだろ,なぁ。娑婆の決まりがイヤでホームレスになったんだからよ。
 と返されて,終わりですかね。

● 関内から桜木町へは地上を歩くしかないんでしょ。二度目の梅雨も明けたか。頭のテッペンに穴が空きそうな強烈な太陽光が降り注ぐ。

● スキあらば,地下に潜りたい。モグラにならうのが正解だ。
 ぴおシティあるダイソーの広告。そうですか,頑張ってください。これからもお世話になりますよ,ダイソーさん。

● みなとみらいからグランモール公園を歩いて横浜駅まで。涼しさを演出するには水が一番でしょうねぇ。流れのある水は,少なくとも涼しさを演出はしてくれる。
 少し迷ってしまった(行き過ぎた)。横浜には何度も来ているが,横浜駅で降りたことはない。桜木町か関内だ。横浜駅の周辺に何があるのか,全くわかっていない。そんなことも迷った理由の1つだろう。

2022年7月7日木曜日

2022.07.07 横浜散歩

● 今週も6日から9日まで,3泊4日で川崎のホテルに泊まっている。しかし,贅沢すぎる悩みが1つある。やることがない,ということだ。やることがないのがリゾートの前提ではあるのかもしれないが,“かながわ旅割” の恩恵で5月から川崎に入り浸っているので,さすがにホテルの近辺で新たな何かを見つけるのは難しくなってきた(あるとは思うんだけど)。
 ので,今日は相方と横浜に行ってみることにした。

● 京浜東北線で石川町へ。横浜も中華街と山下公園とみなとみらい以外にはあまり浮かんでこないのだ。とりあえず,中華街の最寄駅である石川町へ。
 石川町駅は山手に上がるときにも起点になる。ので,石川町駅の構内にかかっている地図には山手も載っている。ハイソでセレブな山手の隣が寿町なのだよね。グラデーションで変わっていくのではなくて,極端が隣り合っている。

● これが都市の魅力の1つだという酷薄な事実。ドヤ街も山の賑わいで,つまりは必要なものだ。必要なのだからなくなることはない。“必要” の前には福祉など屁の突っ張りにもならない。
 ドブに金を捨てているようなものだと批判されたりもする。ドブというより,ブラックホールに捨てているようなものかもしれん。ハイソやセレブは常に危ういものだが,貧困はたいてい盤石だ。少しくらいの金を撒いたところで盤石なものは盤石だ。

● 横浜中華街にやって来た。薔薇ホテルの対面にある「南粤美食」に来た。去年,一度食べた。以後は,“今日はもう終わりました” の連続。ので,行列に並んだわけだが,40分は並んだろうか。お忙氏にはとてもお勧めできない。
 名物は雲呑麺(890円)なのだが,「(雲呑麺は)小さいサイズですよ,もう一品いかがですか」と商売人のお嬢さんに乗せられて,釜飯(1,700円)を追加してしまったよ。
 小さいサイズでも麺はけっこう多い。これだけで足りると思う。かつ,この890円はかなり安い。プリップリの海老をこれでもかというほど喰えるからね。

● ぼくらの後ろに並んだのが中年の婦人。彼氏と来ているらしいのだが,私が1人で列に並んでいるからあなたはホテルで待っててよ,入れそうになったら連絡するから,と電話してた。女が男を甘やかしている。男に尽くしているといってもいいんだが,こういうのってほんとにあるんだなと思ってね。
 母親と息子の関係でしかないものだと思っていた。母親でも息子に対してここまでするのは珍しいかもしれない。

● 普通はこれをやったら捨てられるというか,去って行かれるというのが定番でしょ。尽くすっていのは,たやすく鬱陶しさに転換するから。
 中年のカップルなんですよ。しかも,どうも男の方は自分で稼いでいるというふうではない。40はとっくに過ぎていると思うのだが,小ぎれいとは言えない格好で(歯が汚いと相方は言っていた),対外的に形は作ろうとするタイプ。店員に対しては客らしくふるまおうとする。
 女が稼いで食べさせたうえに,こづかいまで与えているのかもしれない。男が支払っていたのだが,女がお金を渡して男が払う形を作っているのかもしれない。男はヒモなのかもしれないのだが,かといって男が操っているふうではないんだよね。

● 女がセッセと貯めたお金で横浜に来て泊まっているようなのだが,女の方がそうしたくて男を付き合わせているようだ。だからということもあるのかもしれない。女が過度に気を遣っているように見えるのは。
 こんな男と一緒にいるより1人で生きて行けばいいのに,と部外者のぼくは思ってしまう。男女の仲は云々と言われるけれども,男女の仲のあり様は単純でもあってね。男女の仲って快不快の原則で説明がつくよね。
 自分に快を与えてくれない男からは去っていくのが女でしょ。それでいいというより,そうでなければいけないよね。

● 女に最低限持ってもらいたいのは,ダメな男をスパッと切り捨てられる潔さだ。たいていの女は持っているものだと思っていたのだが。
 快は経済的なものだけではないから,あの歯クソ男が彼女に何らかの快を与えているのかもしれないんだけどねぇ。人事はすべてバランスで成り立っているとすると,この2人もバランスが取れちゃってるんだろうかな。

● 恥ずかしいほど定番なのだが,中華街から山下公園へ。ここは誇り高き横浜国。横浜は東京に対して独立しているし,横浜市民は東京を一格下に見ている感じを受けることがある。
 カッペの東京都民,立入るべからず。

● 飛鳥Ⅱ。コロナが大逆風になったが,旧に復しているんだろうか。この船の世界一周クルーズに参加したいものだが,先立つものがない。
 夫婦2人で参加すると,安い船室でも1千万円,高い船室だと5千万円。ハシタ金だと思うが,そのハシタ金がない。

● みなとみないのショッピングモールへ。こういうところは1人のときは素通りするのだが,相方が一緒なので少しは見て歩くことになる。
 しぶとくお客はいる。バブルが弾けてからは,ゴーストタウンになるんじゃないかと思っていた時期もあるんだけれども,ぼくが間違っていた。ぼくが思っていたよりもみなとみらいの足腰は強かった。

● サンリオやディズニーストアがあると,相方が急にいなくなる。何が楽しいのかはよくわからない。よくわからないが,わからないからといって否定はしない。人生は限られている。楽しめばいい。
 スタバの横浜ランドマークプラザ店でマンゴー パッション ティー フラペチーノを飲んだ。ここにいれば涼しい。今の日
本からは天然の避暑地はなくなったと思うが,人工的に作られた避暑施設は色々ある。好むと好まざるとにかかわらず,こうまで暑くてはこうした施設もつまく使っていかないと,ひと夏を越すのは難しくなった。

2022年6月3日金曜日

2022.06.03 横浜をちょこっと散策

● 川崎に泊まっていながら,日中は東京に出かけたりする。川崎についてもいくつかの点を知ってるに過ぎないのはわかってはいるつもりだけれど,川崎市内を南武線で移動するのは何とはなしに億劫だ。
 生田緑地は新宿や渋谷からアクセスすべきもので,川崎駅から行くのでは腰が重くなる。岡本太郎美術館や藤子不二雄ミュージアムにも行ったが,東京に泊まっているときだった。
 路線バスを乗りこなせるなら,また違うと思うんだけどね。

● 書店でガイドブック的な情報を得ようとしても,鎌倉,箱根,横浜のガイドブックしかない。神奈川県全体のガイドブックは見あたらなかった。
 神奈川県のそれ以外のエリアは観光的にはないも同然らしい。三極構造で全てを押さえたことになるっぽい。んなバカなと思うんだけどさ。さてさて,どうしたものか。

● 今日は,東京ではなく横浜に行ってみることにした。京浜東北線で山手に来た。
 セレブのエリアなのだろうし,たしかに坂が作る独特の風情があると思うのだけども,風情を維持するための代償が大きすぎる。年寄りにはきつかろう。運転にも気を遣う。
 俗物の権化で申しわけないのだが,ここには住めない(そもそもが経済的に無理だけどさ)。低い平地がいい。

● 横浜中華街の華錦飯店。この店,3回目になる。あんかけ五目ラーメンとチャーハンに杏仁豆腐が付いて,税込み800円。しかも旨い。中華街,やっぱスゲ~や。
 と,浮かれているんだけども,閉店したところもある。コロナ禍を耐えに耐え,やっと収束しかけたところで力尽きたという感じですか。
 ぼく一個はこの2年余,緊急事態宣言下の首都圏に親の敵を取るように出かけてきたが,そんなものは屁のつっかい棒にもなりはしない。当たり前だが。

● ところで。山手駅から石川町方面に行こうと思って,駅前に設置してある市街図を見てあるき始めたのだが,逆の方向に歩いていた。
 どうもおかしいので駅に戻って電車に乗ることにした。その際,あらためて市街図を確認した。ぼくらが方向音痴なのではなくて,地図がおかしい。
 道路の向こう側に設置するんだったらこれでいいんだけれども,この場所に設置したのでは現在位置からして間違っている。方向も逆になる。

2021年5月29日土曜日

2021.05.29 横浜の寿町を歩いてみた

● 噂に聞く寿町に行ってみた。日本3大ドヤ街と言われるが,さてその実態は?
 高齢者が煙草を友として暮らしているところという感じ。昔は知らず,今は穏やかな空気だ。
 以前は暴力団が不法賭博をやっているとかね,けっこうそんな記事を見たものだけど。羽振りのいい貧乏人は,自分よりさらに貧乏な人間を喰いものにしているに決まっているんだよね。

● 東京の山谷もドヤ街の気配はだいぶ薄くなっている。もはや普通の下町に近い。
 だいぶ前にドヤ街の浄化(?)が試みられたらしい。昼間でも女性のひとり歩きは憚られるようでは困るじゃないかということで。
 該当を増やしたり,コミュニティセンター(集会所)を作ったり。その結果どうなったかというと,ドヤ街が住みやすくなった。
 かつては,ここは自分がいるところじゃない,しのぎのために一時的にいるだけだ,と捉えられていたドヤ街が,ついの住処になった。ここにいれば,集会所で将棋を指したり碁を打ったりできる相手がいる。ここを出てしまえば自分は独りになるけれども,ここにとどまっていれば仲間がいる。
 しかも,集会所は冷暖房完備だ。寝転がってテレビを見てみてもいいのだ。この世の天国だ。

● というわけで,彼らはドヤ街に定着し,生活保護ライフを満喫するようになった。という話を聞いたことがある。
 そうこうするうちに,ドヤ街でも高齢化が容赦なく進行し,たまに来る飯場の仕事も,彼ら高齢者ではなく,パキスタンやバングラディシュから来ている若者たちが取っていくようになった。
 仕事もなく,生活保護が固定化される。そういう状態になったらしい。

● しかし,それで終わりではない。高齢化すればまもなく死ぬ。生活保護ライフを満喫していた高齢者が亡くなった後,寿町はどうなるのか。それを考えなければならないのではないか。
 生活保護で生きていきたいという人たちが次々にやって来て,亡くなった人の後を埋めるのか,そうではない別の状態になるのか。
 個人的には,そう遠くない将来に,国民全員に生活保護を適用する(ベーシックインカム)ことになると思っているのだが,それを機に寿町が別の意味で注目されるようなことはないんだろうかな。

● ついでに申さば,かつての日本はこんな感じだったのではなかったか。少ぉし働いてあとはボーッとしているか,やらなくてもいいことばかりやっていたのが男たちの常。都市なんて少なかった時代の日本の。といっても,半世紀前までの日本ですよ。
 勤勉は日本人のデフォルトではないと思っているのでね。日本人が勤勉だなんていうのは高度成長と産業構造の高度化(第3次産業化)以後の話ではないんですかねぇ。

● 何かあったらここに来ればいい。安い家賃で部屋が借りられそうだし,交通の便は言うことなしだ。
 こういうエリアがあるということが,逆にホッとさせてくれるっていうか。ま,これはぼくがよそ者だから言えることであって,地元にしてみたらまた別の言い分があるに違いないんだけど。

● 寿町,不老町,蓬莱町,翁町,長者町,永楽町と縁起の良い名前が付いているのは,ここが埋立地だからだろう。土地にシガラミがなかった。まっさらな土地にはこういう名前を付けたがるものなのだね。
 富士見町にならなかっただけマシというものだ。まぁ,富士見と付けるのは戦後の流行ですかね。
 ところが。近くに富士見町があったんでした。あらまぁ。

● 寿町を離れて,羽衣町の横浜弁天(厳島神社)。狭い境内に弁財天や稲荷も祀られている。
 金運の神様ですか。人が生きていくうえで,最も希少なものはお金だという時代がずっと続きてきたもんな。お金さえあれば何でも買えて幸せになれる,というのが幻想ではなくて揺るぎないリアリティーを持った時代が,つまり人類史のすべてだといってもいいくらいだ。
 足らないものを望むのは当然の話だ。ここに来て,そのお金信仰が少し揺らぎだしているように思えるんだけれどもね。

● 横浜村の総鎮守で,かつてはもっと広い敷地だったらしい。神社も人間社会で生き延びていくしかないわけだから,栄枯盛衰は付きものだ。
 ちょっとした偶然で大きくなったり,忘れ去られたり。初期値の僅かな違いが大きな結果の違いを生むという複雑系の話になるんでしょ。そう考えて納得しておくより仕方がない。

2020年11月1日日曜日

2020.11.01 横浜散歩

● ホテルをチェックアウト。今日は神奈川県立音楽堂に用事があるので,ゆっくり歩いて行こうと思う。
 ホテルから山下公園は指呼の間。11月の初日は暑からず寒からずの行楽日和。横浜市民と他所から来た人たちで今日も賑わうことだろう。
 コロナの脅威は,何だかんだ言いながら,だいぶ遠くに行ってくれた。薄らいでいる。企業のリモートワークや大学のオンライン授業はまだ続いてるのかもしれないけれども,休日の過ごし方はコロナ以前に戻りつつある。いや,戻ったと言ってしまいたいくらいだ。

● どの国もまだ国境を閉めているから,外国人はいない。山下公園にも中国人がいない。中国人のいない国内観光地はすこぶる快適だ。
 昔に戻ったわけだが,たとえば爆買中国人が席捲している銀座はすでにして銀座ではなかった。観光公害,ここに極まれりという感があった。観光地が観光地として甦ったのは,皮肉にもコロナ禍のおかげといえるかもしれない。

● 昨夜は関内駅からホテルまで歩いた。Google Map のナビ機能が使いやすくなっていて助かった。最初の一歩が問題だった。南東に向かえと言われてもどっちが南東なのかわからない,という。
 それが,端末を向きを変えるとそれにつれて地図も動くようになっていた。踏み出しで迷うことがなくなった。今日も役に立ってくれそうだ。

● 横浜はまだ点でしか知らない。いくつかの点を知っているに過ぎず,点からはずれると知らない風景ばかりだ。
 たとえば,神奈川県庁の建物もそうだ。昔はどの県の県庁舎もこういう感じだったと思うのだが,これだけ完全な形で残っているのは少ないのではないか。
 今も現役で使われているんだろうか。これは取り壊せないでしょうね。観光資源にもなっているようだし。

● しばらく歩くと,横浜市開港記念会館。道路に座って,この建物をスケッチしている男女が3人いた。御茶ノ水の聖橋にもスケッチおじさんが出没しているが,ここにもいたか。
 描いてみたくなるんでしょうね,これはね。要するに,どこにでもある建物ではないから。横浜が大きく変わった時代の生き証人のような建物だ。象徴的であり,稀少性もある。

● 対して,横浜市役所は高層ビルに変わっている。日本にまだ貧しさの尻尾が残っていた頃は,こうした高層ビルが発展の証のような気がしていた。欧米と肩を並べ,一等国の仲間入りをするのだという,成長期の青臭いかもしれない見方を,ぼくもしていた。
 が,今となっては,高層ビルは必要悪だと思うようになっている。こんなところで働いたのではうつ病が増えるに決まっているだろうと思う。

● ここまで来ると,桜木町駅が近い。汽車道の起点を左に折れると桜木町駅。
 せっかくだから川村屋に寄っていこうと思う。天ぷらそばを食す。390円。「いろり庵きらく」や「富士そば」のようなチェーン店に何の不満もないのだけども,独立系の立食いそば店はけっこう貴重になった。
 川村屋って,スタッフはばあちゃんたちで,お客はじいちゃんたち。老若男女がいるんだけども,じいちゃんの比率が異様に高い。ぼくもその比率を押し上げているわけだけれども,横浜においてはこの川村屋がジジイのオアシスとして第一の存在かと。
 ぼく一個に関しての問題は炭水化物の摂取過剰。今日はこのあと,何も食べてはいけない。

● 紅葉坂を登ると音楽堂に着く。神奈川奉行所の跡地であったらしい。音楽堂の他に県立図書館,青少年センターがある。隣には横浜能楽堂もある。
 文教地区かと思いたくなるのだけれども,この程度の集積なら横浜にはいくつもあるのだろう。

● 図書館を覗いてみた。本館と新館があり,本館の出入口は閉鎖されている。入館時に体温チェックがある。今はどこもそうなのだろうが,あまり来てもらいたくない感がただようし,長居しないで早く帰れ感がただよう。
 べダンチックというか重厚というか。が,開架室の机ではもれなく中高生がお勉強中で,これを排除できるとべダンチックが完成する。学校の勉強は学術とは何の関係もないものだから。
 もっというと,勉強中の中高生が醸す雰囲気と図書館の雰囲気は水と油だ。相容れない。サッカー場で野球をしているようなものだ。

2020.11.01 ハイアットリージェンシー横浜に宿泊

● 8月6日以来,二度目のハイアットリージェンシー横浜。1814号室。コロナ禍とGoToのおかげで,ぼくらにも泊まれる料金になっている。火事場泥棒的で申しわけないのだが,この料金で泊まれる時期に泊まっておこうというわけだ。
 ちなみに,今回の料金は約26,000円。クラブラウンジが利用できて,この料金だ。ちょっと昔を知っている人ならば,あり得ない安さだと了解するだろう。

● しかも,料金の15%分のクーポン券が戻ってくる。たいていの場合は電子クーポンなので,使える店が限られてしまうのだけれども。
 とにかく,安いんだよってこってすな。老後の不安にと貯めておいた貯金を取り崩して,使いまくっちゃってる感じ。

● ラウンジのカクテルタイム。女だらけ。ということはつまり,格安感の証明だよね。女は男みたいにカッコつけじゃないから。臆することなく実利を取るから。考えることは皆同じ,ということでもある。
 その代わり,“お里が知れる” が溢れている(→ おまえが言うな)。ラウンジの雰囲気は居酒屋かファミレスのそれだと思えば,ほぼ間違いない。
 ホテルの最大のアクセサリーは宿泊客だという言い方があって,それはそのとおりだろうと思う。どんなに調度が良く,料理が旨くても,雰囲気は客の色に染まってしまう。

● 注意しておくべきは,このホテルのラウンジは未就学児は無料だということだ。したがって,親子連れが増える。子供が騒ぐのをやめさせられる親などいない。場合によっては親の方がうるさかったりする。自宅のリビングとホテルのラウンジの区別を付けるのは難しいらしい。
 それゆえ,静かさを求める人には,このホテルはお勧めできない。そういう人は端から来ていないと思うけれども。

● でもね,そういうことを含めて,このホテルのラウンジはレベル高いと思う。居酒屋やファミレスの空気になっているからこそ,ぼくのような者は気安さを覚えて落ち着けるのでもある。
 今回は生ハムや鴨肉など,肉料理が多くて,それらを肴に飲むハイボールは贅沢すぎる。こういう贅沢にはすぐに馴れてしまうのが困ったところだ。

● 1階の「The Union Bar & Lounge」に移動。天井が高くて,紳士淑女の社交場的な趣が満載だ。
 紳士でも淑女でもないぼくらがなぜこんなところに来れたのかというと,無料券(招待券)をもらえたからだ。ので,閉店時刻の15分前に行ってみようよ,どんなところなのかさ,見てみようよ,と相方が申しておりまして。貧乏人はこう動くという,その動き方を1mmも違えずに実行したわけですね。
 ここで出す料理を3階のラウンジにも運んでいるらしい。ここでは白ワインを飲んだ。かなり酔った。

● 夜の中華街を歩いてみた。だいぶお客さんが戻ってきている。インバウンドなしでも,つまり日本人観光客だけでも,中華街を支えていけるのではないか。
 中国人観光客がいなくなれば,日本人観光客が戻って来る。9月の4連休でハッキリしたのはここのところではないのか。

● 中国人観光客がいないことの快適さを日本人は知ってしまった。いや,前から気づいていはいたのだけれども,コロナによってそれを体感するレベルになった。
 コロナ以前はインバウンドによって観光地が潤うのだからと思って,誰も黙っていた。しかし,コロナが収束して,仮に爆買の中国人観光客が再び押し寄せるようなことがあれば,今度は日本人観光客が声を上げるかもしれない。

● 横浜は海の見えるホテルもいいけれども,ビジネス街の只中にあるのも風情がある。自分がビジネス街とはまったく無縁の人間になったことも,風情を感じる理由の1つだと思いますけどね。
 ビジネス街にあるんだから,しっかりしたデスクもある。ここでバリバリ仕事もできるだろう。わが家の場合は,奥様の化粧台として大活躍することになるんだけど。
 ホテルの窓から富士山が見えたよ。富士山ってやっぱ,特別だよねぇ。

● 朝食はブッフェ。サラダとフルーツは予めセットアップされて,透明プラスチックの容器に入っている。トングを使うときは,使い捨ての手袋を使わなくてはならない。そういう制限はある。
 とはいえ,ブッフェで好きなものを好きなだけ食べられる。いずれは他のホテルでも復活するだろうけれども,あるいは一部では復活しているんだけれども,ここは8割方ブッフェです。

● ラウンジのアンティーク装飾品。レコードプレーヤーやスピーカー,楽器,タイプライターなど。
 未使用のまま時間だけ経ったんじゃなくて,使いこまれてきたものなのでしょうねぇ。じゃないと,ここまでの風格は出ないものだと思いたい。

● 朝食後は風呂に入ったりして,天国暮らし。そうして,チェックアウト。いいホテルでありますよ。
 ただし,先に申しあげたとおり,未就学児の子連れがいるようなところはイヤという人には,別なところが向いているかもしれない。
 が,定数管理がキチンとしているせいか,この家族連れの騒々しさというのがあまり気にならなかった。