2019年7月13日土曜日

2019.07.13 王子散歩 2

● 王子に来てる。これが2回目。都電荒川線にも一度乗ったことがあるので,通過を含めれば3回目。

● JR線の王子駅から最も近いのが音無親水公園。露店が開店準備中。何か,イベントでもあるのか。それとも毎日こうなのか。都市って毎日が祝宴のようだからね。そうであることに田舎人もなれてしまった。
 が,準備中の人たちがどうも素人臭い。商売に手慣れたテキ屋ではない。街興しのNPOででもあろうか。

● 去年の今頃はだいぶ暑かった記憶があるんだが,今年は寒いわけではないものの,日照不足が騒がれているくらいだから,夏の暑さにはほど遠い。
 ぼく一個はその方がありがたいくらいだけども,暑ければ家族連れでもっと賑わっているだろう。水と戯れたくなるには気温が足りていない。

● 王子神社も2回目。お社の佇まいから樹木の具合,空気感まで含めて,いい神社だと思う。ベンチに腰を降ろして長く留まっていたいところだ。
 何もしないで目を瞑って座っていたい。それだけで瞑想していることになるんじゃなかろうか。

● 途中に「大いちょう」がある。当然,神社のご神木だろう。離れて見ないと全容は視野に入らない。宇都宮の「大いちょう」も残念ながらちょっと及ばない。
 これが落雷にも遇わないで無傷で残っている。不思議なことに思える。

● ここから飛鳥山公園が臨める。臨めるっていうか,すぐそこ,隣。なんだけど,間にある道路を横切るのが難しい。いったん,駅に戻って横断歩道橋を渡るとかした方が早いかも。
 ともかく,そうやって飛鳥山公園に来た。喜連川のお丸山公園のようなものかと思っていたが,お丸山ほど標高が高くない。お丸山公園の頂上には孔雀がいるが,ここにはいない。孔雀はいないが,しかしたくさんのものがある。

● 1万円札の新しい顔になる渋沢栄一の業績を紹介する渋沢史料館がある。入館料300円を払って入ってみた。史料自体は,ぼくには豚に真珠。第一,江戸末期の毛筆文書が読めない。
 明治経済のテイクオフに彼が果たした役割が並じゃないことはわかった。っていうか,ここに来る前から知っていたぞ。それゆえ,1万円札に肖像が載るんだろうからね。論語と算盤というのも,渋沢のことではなかったかね。

● この時期,彼ほどのスケールではないにしても,地方でもけっこう輩出してるよね。銀行を創った経済人とか。ぼくが知ってるのは,氏家の瀧澤喜平治くらいだけど各地にいたはずですよ。
 あと思うのは,長州の山猿よりも旧幕臣から人材が出ているってことだね。山猿たちの心のよりどころは吉田松陰だろうけど,松陰伝説っていうのは,明治期の山猿たちがでっちあげたものらしいよね。

● まぁいいや。とにかく,ここにある史料の大半はぼくには意味がない。字が読めないんだからね。
 しかし,多くが消失した渋沢邸の中で,残っているのが青淵文庫と晩香廬。これも入館料を払っていれば中に入ることができる。晩香廬で椅子に腰を降ろしてみたり,庭園を眺めたりすると,かつての渋沢の日常を偲ぶことができる。
 な,わけはない。そんなことをしたって何かがわかるわけではないけれども,公園の喧噪から遮断されてエアポケットに入ったような気分にはなる。これはぜひ入って見られるようお勧めする。

● ところで,後になってから案内パンフを読み返してみると,見損ねたところがあることに気づく。学術調査じゃないんだから見損ねたままにしておくのが正解だと思うんだが,また行く機会が必ずある。
 渋沢史料館(正確には青淵文庫と晩香廬)にはこの先,何度も行くことになると思う。

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