2021年7月6日火曜日

2021.07.06 定年退職しても趣味に費やせる時間は退職前と同じ,という法則がある

● 完全引退して1年と3ヶ月が過ぎた。物心ついて以降,一番安穏と生きている。ストレスというものとはほぼ無縁。わざわざ求めればストレスも得ることはできるけれど,そんなことはしないのでね。
 ストレスも人が運んでくるわけだ。刺激や楽しみも人が運んできてくれるんだろうけどさ。
 で,その人付合いをほぼ一切していないので,ストレスなどあるわけがないということね。

● サラリーマンをしていた40年間も,仕事がらみの付き合い以外に,付き合いというものをしたことはあまりない。したがって,仕事を辞めてしまえば,付き合いは何も残らない。
 そうなることはわかっていて,そのようにしてきた。後悔などあるはずがない。20代や30代にはしばしば会っていた友人もいたが,今,会ってみたいとは思わない。そもそも,噛み合う話はできなくなっているだろう。

● 今年の4月からは相方も仕事を辞めて家にいるので,誰とも話をしないで1日が終わるということはない(4月以前だって,それはなかったわけだが)。
 人と話すのは,その程度で充分じゃないかと思っている。

● ところで,かつては定年退職してずっと家にいるようになった夫族を “濡れ落ち葉” や “ワシ族” と揶揄する言葉があった。
 ウィキペディアによると,「払っても払ってもなかなか離れない様子から転じて,​主に定年退職後の夫が,特に趣味もないために,妻が出かけようとすると必ず「​ワシも(付いて行く)」と言って,どこにでも付いて来る様子を指すようになった」とあるんだけど,このワシ族ってのは実在したのかね。自分はそうだというロートル君や,私の夫がそうだという奥さんはいるかね。
 今どきの小学校の運動会では,徒競走でもみんなで一緒にゴールするのだ,という話と同じで,実在しない都市伝説的なものじゃないのかと思ってるんだけどねぇ。
 面白いというかウケそうな造語だけれど,ワシ族の定義に該当するロートル君が1人でもいたかねぇ。考えにくいんだけどね。ダンナさんにずっと家にいられるのは,奥さんとしては嫌だろうなとは思うんだけどさ。

● ま,そんなことはどうでもよろしいのだが,ひとつ,やっぱりな,と思っていることがある。
 仕事をしなくなり,通勤時間もなくなったのだから,自由に使える時間が大幅に増えた。簡単な算数だ。当然,そうなるわけだ。
 けれども,自分の趣味というかやりたいことをやるという,その時間は,サラリーマンをしていた頃とほぼ同じなのだ。浮いた時間がそっくり消えてしまっているのだ。

● あるいは,したいことをしている時間そのものは長くなっているのかもしれないのだけど,アウトプットの質量が以前と同じなのだ。見事なほどにそうなのだ。
 仕事をしているときには可処分時間が限られていたから自ずと集中できた,ということなのだろうと考える他はない。本当にそうなのかどうかはわからないけれど,とりあえず,無難な説明としてはそういうことになってしまう。

● 相方には申しわけないけれど,彼女が家にいるようになった今年の4月以降は特にそうだ。何もしないうちに1日が終わりかけている,と気づくことがしばしばある。
 要するに平和なのだ,という言い方でもよいと思うのだけどね。

● さらに,定年退職してなお,効率だの生産性だの生きがいだの他者との繋がりだのっていう,いわゆる世間一般の規範から自由になれないようでは話にならないという気もする。
 ぼくなんか,退職した後も図書館に行ったことなんか一度もないよ,何やかやと忙しくしているよ,というジジイには絶対になりたくない。
 社会貢献なんて言葉を口にするようになったら,生き恥を晒しているのと同じだから,どうか俺を殺してくれ。

● 趣味や好きなこと(≒嫌いじゃないこと)とはいえ,それに費やす時間を倍にして,アウトプットも倍にするという,そんな単純な発想でいいんだろうか,とも思うよね。
 では,現状でいいのかと言われると,どうも答えに窮するところがある。いいのだと割り切れているわけでもない。何とかしなきゃという意識がどこかにある。

● たとえば,もっと本を読まなきゃとかね。実際,若い頃は1日中本を読んで過ごせる老後が待ち遠しいと,痛切に思っていたんだけどね。
 その老後がやっと来たのに,本は読めなくなっている。ひとつには単純に視力の問題がある。
 音楽だっていつまで聴けるかわかったものではない。こちらは聴力の問題がある。ぼくの母親はまだ生きているが,聴力をほぼ失っている(眼はよく見える。口も達者だ)。ぼくもそうなるかもしれない。

● まぁ,しかし。読む,聴く,観るは,図書館とインターネットのおかげで,お金をかけずとも好きなだけやれる。ありがたい時代に老後を迎えたことを感謝しつつ,もう少しそれらにあてる時間を増やしたいかなと思う。あと10年ほどは。
 そのあたりが,ま,結論めいたところかなぁ。

● そうだ。家事見習い的なことに時間を割いている。料理をするようになった。調味料についても少しは詳しくなったよ。
 ただ,サラリーマン時代に仕事に費やしていた時間をそっくりそちらに振り向けているわけではないのでね。けっこうな時間が毎日消えていくのは変わらないんだ。

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