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2022年6月2日木曜日

2022.06.02 川崎の雑多感が心地いい

● 川崎に移動。鎌倉を発って川崎駅に降り立った瞬間,帰ってきたという気分になった。ぼくの家は栃木の在で,川崎じゃないんだけども。
 雑多感が心地いい。自分がここにいてもいいんだと思わせてくれる。身体が寛ぎだすのがわかるというか。

● 鎌倉人はわりと気位が高いかな。神奈川県民の間でも,鎌倉のヤツらは,ってのがあるんだろうな,たぶん。
 で,その場合の鎌倉人には大船人は含まれないのだとも思う。昔から鎌倉と呼ばれたところの住民のみで,おまえらは鎌倉人じゃねーよ,気にすんなよ,ということになっているだろう。

● ぼくは京都をほぼ知らないので,まったくの想像でしかないのだが,京都市の中京区,上京区,下京区は,近隣住民から同じように見られているのではないか。同様に,京都市は近隣の市町民からそのように見られており,京都府は他県民からそのように見られがちだろう。
 ということは,そういう固定観念が昔から存在していて,見る側がその固定観念に絡められて,勝手に転んでいるという見方もできるかもしれない。ぼくが鎌倉に感じた印象も同じかもしれないな。

● しかし,そういうこととは別に,川崎の雑多感は心地いい。それぞれ勝手にやっていて,それを縛ろうとする空気が薄いというかな。
 川崎駅東口。ストリート演奏家が何組か出ているのだが,客を呼べているバンドがあった。トランペットをしばらく聴いたが,なるほど巧いのだった。
 川崎駅東口の仲見世通りのアーケード入口に乗っかってる男。バーボンを瓶から直接飲んでる(バーボンということにしておきたい)。それとも,こいつ,ラッパーなのか。
 生身の男じゃないんだけど,こういう意匠も雑多感に溶け込んでいて,なかなかいいなと思ってしまうのだ。

● ホテルもメトロポリタン鎌倉からメトロポリタン川崎に平行移動。
 同じメトロポリタンでもだいぶ様子が違う。鎌倉にはとりすました感じがある。干渉しないで放っておく,という感じに近い。あるいは,ちょっと違うのだが,慇懃無礼。
 鎌倉に合う演出をすると,とりすまし感は避けがたいのだろう。川崎の方はフレンドリー。
 どちらが好ましいか。受けとめる人の好みによるとしか言いようがない。

 “とりすまし感” は,いわゆるラグジュアリーホテルにはわりと普通にあるもののような気がする。常連客になるとこの “とりすまし感” は消失するのであろうから,大袈裟に言うと宿泊客に階層を作る契機になっているかもしれない。
 そもそも,高級感の中には  “とりすまし感” が含まれることが多い。仏像でいうと,地蔵は親しみやすいが,観音はやや近づきがたい。高級なのは観音の方だ。

● メトロポリタン鎌倉はラグジュアリーに分類されるホテルではないが,鎌倉を背負っている。
 “とりすまし感” を纏った方が,ホテル側としては無難なのだろうと思う。それを好む宿泊客が多いのでもあるだろう。

● では,お前はどうなのか。鎌倉は今回が初の1泊目なのに対して,川崎には何度か泊まっているので,こっちが基準になってしまっているところがあってね。
 が,フレンドリーな方に希少性があるのは確かで,その分,川崎の方がいいかなと今は思っている。

2022.06.02 鎌倉に初めて泊まった-メトロポリタン鎌倉

● 初の鎌倉泊。ホテルはメトロポリタン鎌倉。外観は横浜のピア8に似ている。5階建て。それ以上高い建物は許されないのだろう。
 随所に和の設え。1階のエントランス
には幽幻の演出。エレベ
ーター前にも。さらには客室トイレの個室にも。
 中庭がある。パティオというより,中庭という呼称が合う。

● 開業は2年前。開業そうそう,コロナの大陸弾道ミサイルの攻撃を受けてしまったわけだ。
 今どきのホテルはレイアウト設計が進歩してるんだろうか。実面積より広く感じる。
 リビングスペースを一段高くしているのも特徴。ここで靴を脱ぎたくなる。これも和を取り入れたってこと?

● フロントは2階。オープンスペースが充実。
 コーヒーの無料サービスがあるので,テラスのテーブル席で語るも良し,ノートを開いて何事かを書くのも良し。
 今,そのテラス席にいるのだけど,なかなか腰が上がらない。朝までここにいたいくらいだ。

● 1階には無印良品が入っている。朝食もMUJI食堂で摂ることになる。
 2階から上にはMUJI色はないので(ひょっとすると,客室をどうするかについてもMUJIの意見を聞いているのかもしれない。木材の使用が多い),コアすぎる無印ファンにはアピールしないだろう。
 銀座のMUJIホテルとこちらのホテルのどちらがいいかは,まさしく各人の好みによる。

● さて,1泊して朝になった。フロントの横に無料のコーヒーサーバーを用意してある。テラス席での無料コーヒーは癖になりそうだ。
 鎌倉観光はやめて,ずっとここに座っていたい。居心地が良すぎる空間だ。動こうという欲望(?)を奪ってくれる。
 鎌倉に来たら鎌倉に泊まりましょうね,皆さん。横浜まで引返さないでさ。

● このホテルにはこんなものも部屋に用意されている。入浴剤,アイマスク,足ひんやりシート。
 もちろん,女性に宛てたものだ。家人も喜んでいた。女性客を掴めば男性もくっついて来るのだから,女性客にアピールすれば大成功だ。

● ホテルはこのくらいが程が良くて,ちょうどいい。これ以上のいわゆるラグジュアリーはかえって邪魔かも。
 というか,1人あたりの購買力で韓国にも抜かれ,貧しくなった今の日本では,1泊するのに5万も6万も出せるのは,ほんのひと握りだ。ツインなら朝食付きでも2万円が目安になる。それで料金以上と思ってもらう工夫を施すのに知恵を絞っている。その答をこのホテルで見ることができる。

● インバウンドの全面解禁も間もなくだが,中国人は中国の事情で来ることができない。従って,爆買いの再現はない。
一方,3年にも及ぶコロナ禍の引きこもり生活で,大方の日本人は引きこもりのノウハウを身につけた。
 では,宿泊業界はまだまだ大変か? そうではなくて,個々のホテル間の格差が広がると見る。抜け出すところと沈むところにくっきり分かれて,新たなバランスが生まれる。
 今までだってそうだったではないか? そのとおりだが,速度が速くなる。

● 今の逆境下でも,利益を増やして伸びて行くところが出る。たとえば,スタート時点でコロナに見舞われたところから,次代のヒーローが出る可能性もあると思う。

2022年6月1日水曜日

2022.06.01 また,鎌倉散歩

● また,鎌倉にやって来た。わが家の最寄駅から鎌倉まで,電車賃は3,080円。
 セコいことを言って申しわけないけど,川崎で切ると200円ほど安くなるんだよね。もちろん,そんなことはしないで湘南新宿ラインで直行しましたよ。

● 小町通り。修学旅行の小中学生が沢山いてね,大変な賑わい。彼らにしてみれば,鶴岡八幡宮より小町通りの方がずっと楽しいよなぁ。

● 鎌倉といえばシラス丼と鳩サブレしか思い浮かばない,鎌倉初心者。そのシラス丼を食べてみようか。
 が,小町通りで食べるのは避けたい気分。賑わっている観光地の空気を感じながら食べたいと思う人もいるのだろう。お客さん,入っているようだから。でも,ここは小中学生にお任せしよう。

● このあたり,相方が研究熱心だ。彼女がササッと目星をつけた御成通りの「山助」さん。「まかない丼」というのを注文した。1,500円。
 これを見たら飲みたくなるでしょ。ハイボールを頼みましたよ。380円。良心的な価格です。2杯飲んだ。いやぁ,鎌倉はいいとこだぁ。

● 生シラス丼は売切れていた。10時半に店を開けるそうだから,明日は10時半に来て,遅い朝食を生シラス丼にしてもいいよな。
 ところで。地元の人はシラス丼って食べるんですかね。ラーメンとか海老フライ定食を食べてるんじゃないかなぁ。京都人だって京野菜なんて滅多に食べないのと同じでね。
 でも,シラス丼はね,自分でも作って食べるけどさ。大葉を散らしてね。あれは贅沢な一品ですよ。鰯を稚魚のまま大量に喰っちゃうんだからさ。

● 先週(5月27日),鎌倉駅から銭洗弁財天に歩く途中にあったスタバに来た。帰りに寄ってみようと思ってたんだけども,高徳院に回ったので,寄らずじまいになった。
 市役所の前にある。緑に包まれた西洋の山小屋風。

● ぼくはコーヒーフラペチーノ。相方は今日から登場のメロンのフラペチーノ。
 満席なのはメロンフラペチーノが理由だと相方は言う。みんな,これを飲みに来たのよ。
 たしかに,それを注文している人が多いんだけどね。昨日来ても満席だったんじゃないか,とも思いますよ。

● 夜の鎌倉はどんなだろう。20時の小町通りは人っ子一人いない。とまでは行かないけれど,昼間の喧騒は幻だったのかと思わせる程度には段差がある。場末の温泉街にこんな通りがあるよな。御成通りも同様だった。
 鎌倉駅も夜はただの田舎駅になる。夜の駅前風景が川崎とは対照的。普遍性があるのは川崎の方でしょう。あの程度の猥雑さがないと生きていくのが苦しくなりませんか。

鎌倉駅
● 飲屋街がない。鎌倉の人は仕事帰りに1杯ひっかけることをしないんだろうか。って,そんなはずはないよねぇ。一見の観光客にはわからない場所にひっそりとあるんだろうか。
 駅前から若宮大路が延びるから,法律か条例かで規制がかかっているのだろうが,その分,どっかで弾けているんでしょうねぇ。そう考えないと辻褄が合わない。

● 鎌倉に観光に来た人たちの多くは,鎌倉には宿泊しないで,横浜に泊まってしまうんだろうか。あるいは日帰り。
 ぼくも鎌倉には何度か来ているが,泊まるのは今回が初めてだ。と考えると,小町通りの昼夜の違いも納得できるというものだが。

● 夜の鎌倉を唯一,彩ってくれたのがこれ。鎌倉駅の東西改札口を結ぶ地下通路にかかっている,横山隆一さんの「鎌倉カーニバル」。
 “かかっている” と書いてしまったけれども,実際にはタイルに直接描かれている。原画は別にあるのだろう。「市制50周年記念事業 鎌倉古都展 1989.11.3」とある。

2022年5月27日金曜日

2022.05.27 鎌倉半日旅行

● 川崎のホテルに泊まっている。明日,帰るのだけども,神奈川県にいるんだから鎌倉に行ってみようか。前回行ったのは5年ほども前だろうか。
 鶴岡八幡宮に参って,シラス丼を食べて,あとは何をしたのだったか,よく憶えていない。

大船駅
● 今日は午後から晴れた。気温も初夏という言い方では足りないほどに上がってきた。
 では行ってみるか。川崎から東海道線に乗って大船。堂々たる大規模駅の佇まい。駅っていうのは,こうでなきゃね。常磐線の松戸駅にも似た趣を感じたことを思い出した。

● 不意に脈絡のないことを言いたくなった。鎌倉女子大学っていうのがあるんですよね。で,みんな,鎌倉まで行っちゃうの。そうじゃなくて,鎌倉女子大学は大船にあるんですよ。大船駅で降りなきゃダメなの。
 大船にあるのに何で鎌倉女子大学なんだよと思いたくなってしまうけれども,大船は鎌倉市なんですよね,行政区域としては。

● 大船っていうと,交通(特に鉄道)の要衝。鉄道は東海道線の他に,横須賀線が通るし,根岸線の終着駅でもある。さらに,湘南モノレール(江ノ島線)もある。
 鎌倉はひとつ奥に引っ込んだところというイメージがあるのに対して,大船は表街道の結節点なので,大船が鎌倉市であることがどうもピンと来ないのが,神奈川県外に住む者の普通の感覚なのではないか。ぼくも最近まで,大船は独立した市なのだと思っていた。

鎌倉駅
● ともあれ,大船で横須賀線に乗り換えて,鎌倉に着いた。川崎からだと意外に遠いな。乗り換えがあるから,いっそうそう感じるのかもしれないけど。電車賃は570円。
 銭洗弁財天に行ってみようかとなった。鎌倉駅から片道1.2km。チンタラと歩いていった。修学旅行の女子中学生に追い越されてね。

● 着きましたよ。洞窟のようなところを入って行く。一度来たことがあるつもりでいたんだけど,まったく記憶がない。
 独特の境内。修験道と関係があるのかないのか。七福神社,下之水神宮。これらは比較的最近の製造ですかな。宇賀福神社という名称も古くからのものなのか,そうではないのか。

● これを維持していくのは大変だろう。何が大変かといえば,お金がかかるという意味で大変だ。といって,決まった参拝料を取っているわけではない。
 その代わり,銭を洗うためのザルを用意していて有料で使わせるし(使わなくてもいい。それ以前に,銭など洗わなくたって別にいいわけだ),御籤や何やらお金を任意で出してもらうための用意は豊富にある。

七福神社
● ここに来る途中に,お洒落なスタバがあったので,帰りはそこに寄って駅に戻るつもりでいたのだけど,鎌倉大仏はこちらという標識があって。せっかくだから行ってみるか,となって。
下之水神宮
 鎌倉だとわかって見るからか,風情ありげな道路を歩いてね。が,住宅街の側溝から人糞の臭いが漂ってるところがあってね。鎌倉でもこれがあるかと思いましたよ。
 そんなことをするのは,昔から住んでる人に決まっている。新参者はそういうことはしない
からな。

● ともあれ,高徳院に着いた。ここには間違いなく来ている。社会人になってからなんだけど,さて,どんな人と来たのだったか。
 雨ざらしの大仏様。形はピタリと決っている。大船観音と比べちゃいけないのだ。
 長きにわたって人々の祈りを受けとめてきたという事実がそうさせるのだろうけれども,もっと下世話な理由がある。大仏様の後ろに広がる山の曲線と緑が,借景として優れているからだ。

● ここも修学旅行の中学生たちがメインのお客さま。青春を絵に描いたような行動中の男女生徒がいてね。女子生徒が,大仏様を掌に載せるような構図なんだろうか,そういうポーズを作って,男子生徒が写真に収める。いい思い出になるだろう。
 幸せって,畢竟,こういうことの多寡で決まるんだよね。そんなもんなんだよ。人生なんて。高尚なものじゃないのさ。些細なエピソードの積み重ねでしょ。

● 大仏様がおわす奥に,観月堂なるお堂がある。観音像を収めてある。大仏様はこれを守っておられるのでは。
 が,ここまで来る人はいなさそうだ。中学生も大仏を見て満足するようだ。こちら側にも土産物屋があるんだけど,人が来ないんだから売れない道理だ。お気の毒。

● 一応,念のために申しあげれば,高徳院の本尊は大仏様ですからね。
13世紀に造られ,大仏殿も建てられたが,14世紀に損壊。おそらく,それ以後はずっと雨ざらしのまま衆生のために祈っておられる。雨ざらしの国宝はこれだけではあるまいか。
 意外なことに,鎌倉にある国宝はこの鎌倉大仏が唯一であるらしい。

● ここまで来れば,長谷寺。紫陽花には少し早いのだろうけど,その分,さほどに混んでもおらず,暑からず。
 なるほど,ここは女性の好みに沿うものが,紫陽花以外にもいくつもある。その1つが,海の見える風景。そこに休憩スペースがあるのも
グッド。今日のように天気が良くて野外にいるのが辛くない気温のときには,ベンチに座って風に愛撫してもらう快感が味わえる。

● 端正な聖観音像もアピールするかも。あと,胎道潜り的なのも,女性はわりと好きなんじゃないか,と。
 真言宗のお寺かと思ったのだが,そうではなく,浄土宗系
であるらしい。

● これだけ回れれば充分だ。帰りは長谷駅から江ノ電。けっこう充実の半日旅行でしたよ。午前中は雨と風で,これはホテルに閉じこもっているしかないなと思いましたが。
 まぁ,それでも全然かまわないんだけども,久しぶりの鎌倉,良かったです。

● ところで。
 頼朝はどうしてこんな狭い鎌倉に幕府を開いたんだろう。占い師に鎌倉がいいって言われたからじゃないの? そうなのかぁ。
 というわけで,頼朝は占い師に訊いて開府の地を鎌倉に決めたのだということに,わが家では決した。