● 餃子購入額は宇都宮と浜松が首位争いを繰り広げていると思っていたのだが,宮崎市が首位に立った。総務省の家計調査の結果。 この調査では餃子の皮と具材を買ってきて,自分で餃子を作るというのはカウントされないだろうから,厳密に言えば曖昧さは残る。が,自分で作る人が宇都宮にはベラボウにたくさんいて,宮崎と浜松には極端に少ないということでもない限り,実態をほぼ正確に反映しているものだろう。
● 宇都宮には強力なコンペティターが現れた。浜松と宇都宮のデッドヒートも面白かったのだが,宮崎が入ってくるとさらに盛りあがるかもしれない。三強の方が形としては安定するでしょ。
餃子の街・宇都宮は街おこしの際立った成功例で,この種の成功は最初にやったものが成果のすべてを得る。二番手,三番手では,なかなか盛りあがるまい。
という意味では,宇都宮にとっては餃子はもう用済みというところもある。あえてトップを狙う必要はないところに来ている。が,旗を振って盛りあげていくのだろうし,その方が面白い。
● でも,浜松と宮崎の皆さん,皆さんのところには餃子以外にも旨いものがたくさんあるでしょう。そこが宇都宮とは違うところなんですよ。
流通網や技術が発達しているから,海なし県だからといって新鮮な魚が食べられないというわけではないんだけれども,これというものが栃木県にはない。郷土料理的なものがね。
浜松の鰻は別格としても,宮崎には冷や汁がある。それに相当するものが宇都宮にはないと思うんだよね。
● 「しもつかれ」は悪くはないけれども,あの料理は下野(栃木県)だけではなく,群馬,埼玉,茨城,福島にわたるエリアで見られるものだ。しょっちゅう食べたいものでもないわけでね。
蕎麦でもラーメンでも旨い店のいくつかをぼくも知ってはいるけれども,蕎麦もラーメンも全国一区の国民食だから,地域の代表にはなりにくい。佐野ラーメンが健闘しているけど。
● 納豆といえば水戸だ。が,“納豆の水戸,購入額の日本一は奪還ならず またしても東北勢に苦杯” という。水戸市が最後に1位をとったのは16年で,それ以後は福島市,山形市の東北勢に首位を明け渡したまま。 であっても,「納豆といえば水戸」は微動だにしない。逆にいえば,首位の福島が納豆を使って何かしようとしても,なかなか難しかろう。
● でも,ここでも思うんですよねぇ。福島や山形で納豆がたくさん食べられているのはわかる。生産にも適するんだろうと思う。
けど,水戸は納豆以外に旨いものに事欠かないんじゃないか。むしろ,何で水戸が納豆なんだ? 納豆購入額で水戸が首位に返り咲けないのは,むしろ当然でしょ。そんな必要,ないもん。
● しかし,これも煽った方が面白いのはたしかでね。納豆喰えや,というのをエンタテインメントにした方が,幸せ度があがりますわね。