● 交通費をかけて遠くへ行くより,その分を近場で使った方が賢いじゃん,と思ってきた。交通費分を宿泊費や食費に上乗せして,東京(首都圏)で使うのがいい。
ホテルの水準はやはり東京がナンバーワンだろう。競争激甚な分だけ水準が底上げされている。東京のホテルに籠もって,アーバンリゾート満喫だぜ。
● いや,ホテルはホテル単体で完結するものではない。場が大切だ。たとえば,帝国ホテルは日比谷のあの場所にあるから帝国ホテルでいることができるのであって,他の場所だったらこんなに長く帝国ホテルを続けることはできなかったろう。
浅草にあるのと日本橋にあるのと銀座にあるのと六本木にあるのとでは,たとえ同系列のホテルであってもだいぶ違った様相を呈することになるのではあるまいか。ホテルは客が作る側面もある。街が違えば客種も違ってくるといったところも理由のひとつかもしれない。
● 浅草も日本橋も銀座も六本木も,それぞれに面白い。他に,上野,品川,御茶ノ水,渋谷,池袋,両国,向島などなど,いずれもとんでもない観光資源を抱えている。そこが東京の凄みでもある。
しかも,東京ならわが家からだとJRで片道2千円で行ける。これが京都となると,さすがに新幹線という話になるだろうから,1万7千円ほどの運賃になる。往復で3万円の差。
これを交通費ではなく宿泊費や食費に使ったら,さてさてどれほどの贅沢ができるだろうか。いや,贅沢などしないで滞在期間を延ばすこともできる。
発行が2018年と少し古い。コロナ以後は改訂もままならなかった? が,細かな部分の最新情報が欲しいわけではない。たとえば,食堂やレストランの最新情報は要らない。
● 長崎,行ったことはある。行くには行った。今はなき寝台特急「さくら」にも乗った。
オランダ坂だけは歩いてきた。駅前の食堂でチャンポンを食べた(ちなみに,皿うどんは諫早駅前の店で食べた)。が,それだけ。
● チャンポンや皿うどんは「リンガーハット」で充分だと思っているのだが,可能なら1週間くらい滞在して,ランダムに長崎の街を歩いてみたい。独特の空気がありそうじゃないですか。出島とか,大浦天主堂とか。
路面電車にも乗っておきたい。もちろん,全線に乗る。オランダ坂をもう一度歩き,中華街をひやかしてみる。グラバー園も話の種に。丸山の風情はいかほどなのだろうか。
● ところが。ガイドブックをガーッと見ていったら,気がすんじゃった。長崎についていくらでも語れそうな気分になっちまった。
これ,最悪のパターンですよね。活字で知った長崎のあれやこれやについて,同じ色で延々と語ってしまうって,どうしようもないですもんね。
ところで,この「地球の歩き方」って,ダイヤモンド社から学研に身売りされたんですか。若者が激しく減っているんだから,激しく売れなくなっているとは思うんだけど。
● 京都はやはり特別な場所だという思いがある。さらに,京都は人を選ぶ街だ。京都に呼ばれる人と呼ばれない人がいる。呼ばれないのに近づいてみても,冷たくされて後味の悪い思いをするだけだ。
ぼくは呼ばれなかった口なので,どうも京都とは関係を持てていないというか,ツルツルしている表面をちょっと撫でてみただけのような感じだな。
● だが,京都は特別という感覚は依然としてある。揉み手をして近づいてみようか。