2022年1月31日月曜日

2022.01.31 インターコンチネンタル東京ベイには宿泊しないと決めた件

● 昨日から夫婦で竹芝のインターコンチネンタル東京ベイ,1430号室に宿泊している。2泊で,明日にはチェックアウトする。
 帰ったらメッセージありのランプが付いていた。何事かと思ってフロントに電話をした。

● 客室でタバコを吸うなと言う。客室を清掃したときにアイコスが見つかったのだ,と。
 アイコス? 加熱式タバコの喫煙具のひとつらしい。

● そんなことのあるわけがない。まずもって,当方,煙草は吸わない。相方には喘息の気があって,喫煙どころではない。ぼくも禁煙してだいぶ経つ。加熱式の器具など買ったことも触ったこともない。
 ちなみに申せば,電子タバコにも興味がない。もし禁煙を破ってタバコに手を出すことがあるとしたら,加熱でも電子でもない,鼻の穴から煙を出す普通のタバコにする。
 しかし,よしんば吸うとしても,客室で吸うほど不心得者ではない。

● ともあれ,こちらが触ったこともないアイコスなるものが,ぼくらのいる1430号室で発見されたからと難詰を受けている。あるはずのないものがあるという摩訶不思議な現象が起きた。
 何かの手違いによるのではないか。たとえば,ぼくらの前に泊まった人のものだとか。

● 前の人のが残っているなどということはあり得ません,と断言する。まぁ,それはそうだ。ぼくらもそんなものをこの客室で見かけたことはないのだから。
 とにかく。アイコスを持ち込むのは規則で禁止されている,こういうことは二度としないでもらいたい,と,まず言われた。

● ぼくらは非喫煙者である旨を伝えたのだが,どうにも埒が明かない。清掃担当からそういう報告があがっているから,と繰り返されるばかりだ。
 しかし,冤罪は晴らしておきたい。だから,ここまで述べ来たったわけだが,こちらに真偽を確認せず,吸ったという前提で話を始められたのが,こちらの心象を甚だしく害している。今どき,警察でもそれはやるまい。

● 後刻,彼女の上司と思しき男性から電話があった。どういう電話だったかというと,私の責任で(アイコスは)なかったことにしておきます,と。
 日本語の使い方に神経が届いていない。なかったことにするというのは,本当はあったのだがということを前提にしている。
 こちらはなかったと言っているのであって,本当はやってしまったんだけれども,俺は客だ,なかったことにしてくれ,とゴネているのではない。

● 職制の問題で清掃部門が「あった」と言っていることを,それは間違いだとは言えないのかもしれないけれども(現場に立ち合っていないのだから),そんなことはこちらは与り知らぬ。
 さらに,もっと広い部屋に移ってもらうこともできる,チェックアウトを遅らせることもできる,と言うのだが,そういうことではないのだ。申し込んだとおりの部屋を用意してもらっているのだから,それ以上を要求するつもりなどない。

 何ゆえ,なかったことにできるだの,広い部屋に移ってもらえるだの,本筋を外した話を延々とするのか。
 申しわけなかった,こちらのミスだった,と謝ってもらえばそれですむ話なのだ,こんなものは。
 それをしないで,利益誘導して丸めこもうとするだけでは,なかった事実を捏造して,宿泊客を嬲るのか,このホテルは,ということになってしまうではないか。

● ネットでアイコスの画像を見て,ひょっとするとと思い当たったことがある。思い当たると,それに違いないと思われるのだが。
 客室の棚に自宅から持ってきた手帳やこちらで買った文房具を置いている。上の写真のとおりだ。写真の一番上に写っているものをアイコスだと思ったのではないか。

● 一応,教えておく。これはボールペンといって,文字を書くときに使う道具だ。タバコを吸うためのものではない。
 しかし,ボールペンは誰がどう見てもボールペンにしか見えないはずだ。サインペンやシャープペンだと思うことはあるかもしれないが,これをアイコスだと思ったのなら注意散漫というほかはない。

● それを過失と呼ぶなら呼んでもいいが,いささか以上に粗忽な過失になるだろう。
 粗忽さが出発点で,そこからまっすぐに「アイコスを持ち込むのは規則で禁止されている。こういうことは二度としないでもらいたい」に到り,さらには「なかったことにできます」にまで登ってしまったのだとすれば,論外の沙汰と言う他はない。
 ただなぁ,このホテルの清掃部門はホテル内の組織の一部ではなく,外部委託(または請負)だろう。実際に清掃を担当している人間は,時給いくらのアルバイトで,ひょっとすると外国人かもしれない。このボールペンをアイコスだと思ってしまうのはやむを得ないのかね。

● 言うまでもないが,今回の宿泊料は契約どおり全額を支払う。つまり,明日のチェックアウトまでは通常の利用を継続する。憤然として席を蹴ることはしない。そんなことをしたら,今夜は野宿をしなければならなくなるからね。
 ただし,二度と来ない。根に持ってしまうことになりそうだ。が,こういう扱いを受けて根に持てないようでは,人としてどうなのかとも思っている。

2022.01.31 お台場の Venus Fort

● 夜のお台場に来てみた。青海で “ゆりかもめ” を降りて,Venus Fort に。
 3月27日で営業を終了するというので,その前に見ておこうかという気になった。

● 息子が小さかった頃には何度も来たのだが,息子が親離れをするとバッタリと来なくなった。かすかに,そういえばこんなところがあったという記憶はある。
 銀座,渋谷,新宿,池袋とは対照的に人が少ない。どうしてこうなったのか。

● Venus Fort って,舞浜のイクスピアリを大きくしたような感じですか。これがもうすぐなくなるわけか(すでにレストランの多くは店を閉めている)。
 もったいないと素人は思ってしまう。しかし,人が来ないんだからしょうがない。兵どもが夢の跡,の趣はすでにある。







● 大観覧車も8月いっぱいで営業を終わる。この観覧車が光を消すんですよ。お台場のシンボルが1つ消える。
 といって,ぼくは一度も乗ったことがないし,今日も乗ることはなかった。

● トヨタのメガウェブは昨年で終了している。22年間の命だったのか。息子と来たのは主にここだった。
 コロナで終焉が早まったのかもしれないが,お台場はできたときがピークだったのだろうな。

● Venus Fort のスタバ。これだけ空いてるスタバも珍しい。
 が,スタッフのスタバスピリッツというか,接客の際に醸す空気感は他の繁盛店と同じ。弛緩は1mmもない。
 若い男女の2人で対応している。アルバイトだと思うのだが,アルバイトをここまで仕上げる仕組みはどうなっている
のか。不思議だ。それとも,そういう才のある人を選んでいるのか。そんなことはないだろうと思うのだが。
 エスプレッソ アフォガート フラペチーノ をテイクアウトして,宿泊しているホテルの部屋に持ち帰った。

● お台場に住んでる人がいる。学校もある。
 そうした人たちは,観光客が来なくなって静かになったと喜んでいるんだろうか。それとも,今まであった店が虫食い状態になって淋しいと思っているんだろうか。

● それ以前に,地価はどうなっているのか。分譲マンションを買った人が多いと思うのだが。
 バブル崩壊後にバブル期の5分の1まで下げたものの,2002年頃がボトムで,ここのところは持ち直しているようだ(ただし,バブル期にははるかに及ばない)。

2022.01.31 新橋から銀座を歩く

● 昨日から竹芝のホテルに泊まっている。2泊なので,今日は丸1日自由に使える。何をして過ごそうか。
 格別のアイディアもあるわけじゃない。今日は月曜日なので,美術館や博物館はあらかた休館日だろう。じゃないとしても,コロナでマンボーが出ているのだから,臨時休館になっているだろう。浜離宮恩賜庭園も絶賛臨時休園中だ。

● ゆりかもめ の竹芝駅で1日乗車券を買った。まずは新橋に出て,銀座を歩いてみることにしよう。
 並木通りを8丁目から歩く。左の写真のような物件を出している不動産屋がある。バー,クラブ,美容室の居抜き物件が多いのだが,コロナで店を閉めたところが多いのか,通常期でもこの程度の入替えはあるのか。
 30坪で120万円の賃料ですか。1年間で1,440万円。他に保証金が賃料の14ヶ月分。安いのか高いのか,わかりません。

● そこから少し行くと,バニーガールのブロンズ像がある。並木通りはもう数え切れないほど歩いているんだけども,バニーガールには気がつかなかったな。
 ガニーガールといえばアメリカの雑誌「PLAY BOY」のアイコンのようなものだが,その「PLAY BOY」も紙媒体では発刊をやめて久しい。日本版も消えた。創刊者ヒュー・ヘフナーはスティーブ・ジョブズ並みにアメリカ史に残るだろうが。

● というわけで,バニーガールが輝いていた幼稚な時代がたしかにありましたよ。というより,個々の男たちが幼稚な時代を通過して来る。今まさに幼稚な時代にいる男たちもいるはずだ。
 が,昔に比べれば,幼稚さの総量は大きく減っているような気がする。社会が幼稚でいることに不寛容になっているようにも感じる。なんだ,いい年してそんなことをしているのか,というふうな見方が勢力を伸ばしているように感じる。

● G-SIXの蔦屋書店と伊東屋を覗いて,新橋に戻った。
 新橋駅SL広場の「小諸そば」で2枚盛りイカ天付き,470円。新橋に来ると「小諸そば」,のパターン。

● 新橋駅のポスター。こういうの,増えて来るんでしょうね。てか,増えてますよ。高齢化社会になって,若い人が少なくなり,オジちゃんとオバちゃん,ジイちゃんとバァちゃんばかりになった。
 年寄りたちのノスタルジアを刺激して財布の紐を緩めてもらう商法。くだらない方向(後ろ向きだもんね)だけど,仕方ない。ただ,これ,どの程度に効いてるの,とは思う。

● もう1つ。「ひみつの平日パス」のポスター。また「ひみつの平日パス」が出るんですか。いや,もう出てるんですか。
 ググったところでは,利用期間が2月1日~3月4日で,夏に続いて販売するらしい。毎日が日曜日のロートルにはありがたい。普通乗車券で動くよりずっと安あがりになるんだから,その分,腰が軽くなる。土日は避けて,平日にヒッソリと動きたいからね。ロートルのたしなみってもの。
 ところが,意外にこれができない。たとえば,コンサートは土日祝日にしか開催されないから。

2022年1月16日日曜日

2022.01.16 品川にて

● コロナで状況に変化ありといえども,品川のターミナル機能に揺らぎはない。東海道新幹線は品川に停車する。京急で羽田空港は指呼の間。移動を前提にするなら,品川は絶好の位置にある。
 国際便が成田から羽田にシフトするのは,今後も止まるまい。ああいう農村に国際空港を作るのが間違っていた。羽田へのアクセスが全てで,成田からは遠くてかまわない。したがって,品川の優位性が揺らぐことはあり得ない。

● コロナは,人と人が交流すること,集まってワイワイ騒ぐこと,を制限している。この状況がこれから永遠に続くのなら,天上天下,唯我独尊,を決め込んで,自室に閉じこもって自分の内面を深く掘り下げることにいそしめばよろしいのだが,ヒトは群生動物だ。群れなければ生存を確保できない。
 思春期後期からひとりで山にこもって,誰とも会わない生活を送った人が過去にいたのかどうか知らないが,その場合,長くは生きられないだろうと思う。

● 姥捨てならわかる。そういう事実があったことは確認されていないのだが,仮に姥捨てがあったとしても,あれは年寄りたちが集団で山に入って,外界とは切り離された生活を営むのだから,群生していることになる。
 もしあったとしたら,深沢七郎著『楢山節考』に描かれているような悲惨なものではなく,むしろ年寄りはお山に行くことを楽しみにしていたのではないか。娑婆のしがらみを全部捨てて,自由に暮らせるのだ。
 山は豊かだったはずだ。水に困ることもなかったろうし,獣を捕らえて動物性タンパク質を摂ることもできた。下界より元気になれたのじゃないかと思う。
 おそらく,爺婆が春を取り戻すこともあったろう。そういう世界が悲惨であるはずがない。

● 話がそれた。人は群れるのが好きだ。群れに馴染めない人も一定数はいるだろうが,群れなければ生きられないからこそ,人は社会というものを作ってきた。
 人は交流し,交易するのが自然なのだ。コロナとて,いつまでもそれを抑えていられるはずもない。コロナの収束は近いはずだが,そうなれば新幹線も空港も以前と同じ活況を取り戻すのは,あたりまえのことだ。
 とすれば,品川は時代の追い風を受け続ける。まぁ,おそらく家賃が高すぎるだろうから,なかなか品川には住めないというだけだ。蒲田か川崎に住んで,世界を窺うのがよろしからん。

● 品川プリンスホテルにフラフラとやってきた。ここはとにかくひとつの街のように大きなホテルで,全体をホテルというのはちょっと無理だと思えるほどだ。
 客室数が日本最大で,レストラン,宴会場,ボーリング場,シネコン,水族館,多目的ホールなどなど,全容を把握するのは容易じゃない。そこに加えて,諸々のテナントが入ったショッピングセンターの感も呈している。
 1985年に関西にできた「つかしん」も西武が耕起している(現在は西武は全面撤退)。今では往時の活況はなくなっているらしい。大きすぎる問題があるかもしれない。品川プリンスは1978年に開業しているのだが,これほどのマンモスはひょっとすると時代にそぐわなくなっているかもしれない。

● 義弟がここで結婚式をあげたので,そのときに一度宿泊している。その後,一度だけ泊まったことがあるが,泊まるだけなら隣の高輪の方が年寄りの好みには合う。
 息子が小さかった頃に,水族館には何度か来ている。が,今はこのホテルに用事があって来ることはまったくなくなった。散歩がてらとりとめのなさを味わいに来るところだ。

● パパ活女子がここを待ち合わせ場所にしているのを見かけることがある。そういう使われ方をされないホテルはダメなホテルね。
 客室もそう。ラブホ的な使われ方をされないホテルには泊まらないと決めてしまうのが大吉。どういう関係なんだといぶかしがれるカップルがひと組もいないホテルのレストランというのはあり得ない。
 いいホテルってのは,必ずそうしたカップルがいるものだ。品行方正な,換言すれば,標準偏差がゼロの宿泊客しかいないようなホテルに,魅力を感じるだろうか。
 ただし,そうしたカップルがいれば必ずいいホテルかというと,それはそうとは限らないところが厄介だ。

● 品川は旧東海道が残っているところでもある。日本橋から歩いてきて,初めてホッとできる旧道が残っている。江戸時代は街道のすぐそこまで海が迫っていたのだろうから,沿線の風景はまるで違うものになっているとしても,東海道を歩いている気分に浸れる最初のところだ。
 しかし,品川についてぼくが知るのはそれくらいのものだ。正直,交通の要衝という以外に何があるのか,よくわからない。ないはずはないと思うのだが。