2023年7月10日月曜日

2023.07.10 日本人が国内旅行からも締め出される

● Twitter を見ていたら,エミン・ユルマズ氏がこんな Tweet をしていた。彼はトルコ系日本人ということになるんだろうか。投資界では名を知られた人のようだ。
 その氏がアメリカに行ったようなのだが,アメリカでの朝食を紹介した Tweet だ。

● かなりおざなりな肉と卵とパンのワンプレート。これで5,000円(35ドルだそうだから,1ドル=140円で計算)。プラス,チップが1,400円。
 となると,アメリカ人はこぞって日本に来るよねぇ。値段が一桁違うもん。アメリカで稼いで日本で仕えば,アメリカ人にとって日本は竜宮城のはずだ。インバウンドが減ることはないね。

● 八重洲に開業したブルガリホテル,一番安い部屋でも50万円程度はするんじゃなかったけ。自分のお金で泊まれる日本人はそうそういない。泊まれるのは会社の経費で落とせる人だけだ。
 ブルガリホテルもそんなことはわかっている。つまり,日本人なんか眼中にないんだろうね。来日した欧米人に泊まってもらうための開業だ。欧米人は日本人の10倍近い所得があるのだから。

● やつらは日本で甘い汁を吸いたいだけ吸って帰国する(そしてまた来る)んだから,ふんだくれるだけふんだくってくれよ。
 日本人の50万円は,やつらには5万円程度の感覚だろうから,全然高くはないんだ。もっとふんだくってやれよ。って,ブルガリも外資系か。まぁいいや。

● 帝国ホテルもずいぶん高くなって5万円くらいは出さないと泊まれなくなっているけれども,ブルガリとの価格差ほどに両者に違いはあるのか。ないのであれば,帝国ホテルは格安のまま放置されていると外国人には映る。
 ので,彼らが殺到して5万円が10万円になる。それでも客は来るのだから,それが正当な価格だ。

● 10万円でも日本人にはきつすぎる。かくして,日本の宿泊施設の料金は玉突きのごとく上昇していく。
 日本国内のホテルはお金持ち(外国人)に占拠され,貧乏人(日本人)は締め出される。日本人は国内旅行もままならないことになる。

● 彼らとて,本国では日本人が日本でやっている程度の生活を維持するのがやっとだろうけれども(それほどに物価が高い),日本に来れば豪遊できるのだ。
 かつて日本人が韓国や東南アジアでやってきたことだ。それが攻守所を変えて行われるのだ。
 それゆえ,日本の方々よ,まだ安い今のうちに国内旅行を楽しんでおけ。早晩,できなくなるぞ。

● 問題は,日本がいつまでチープ国でいるかだけだ。日本人が日本の国内旅行から弾かれることを避けようとすれば,日本も高物価高賃金の国になるしかない。おそらく,そうなるだろう。
 政治だの権力だのが竿させるような話ではない。日本の特に左巻きは妙にお上万能論を信奉しているようで,政治で何でもできると思っているようなのだが,メカニカルな変化を止めることなどできるはずがない。

● 本格的なインフレはこれから始まる。貨幣価値は大きく下落する。
 だから,なおのこと,今のうちに国内旅行にお金を使ってしまえ。貯めておくと泣きを見るぞ。

2023年6月8日木曜日

2023.06.08 鳴虫山登頂のリベンジに成功した

● 日光に来た。コンビニで水と非常用食料(?)を買って,この前(5月18日)失敗した鳴虫山登頂のリベンジに挑もうと思う。
 前回の失敗は,前の晩の飲み過ぎにあると自己分析。今回はと言うと,白ワインに赤ワイン,日本酒にハイボールまで勧められるままに飲み続け,やはり飲みすぎている。しかし,睡眠はけっこうまともに取れたと思うので,前回よりは体調がよろしい。

● 登り始めてすぐのところにお堂がある。山岳仏教の名残りかね。名残りというより,現代でもそうなんでしょうね。
 仏教も神道も,自然との相性がいい。日本的な現象なのか世界的にそうなのかは知らないけれども,おそらく後者であろうと思う。アニミズムというやつですか。

● たしか前回はこのあたりまで来て引き返した。何度も休憩したあげくに。
 今回は休憩も少なくてすんでるぞ。この先に進めそうだ。ゼイゼイと息はあがってますがね。この時点で,今回は頂上まで辿り着けると確信しました。

● 神主山に到着。前回はここまでも来ることができなかったのだ。
 鳴虫山までは今まで歩いた分の倍の距離があるのだけど,高度は半分ほど稼いでいる。ということは,ここからは平均勾配が緩くなるのか。
 いや,山には(というか自然には)平均という概念はないからね。登っては降り,また登るの繰り返しだから。ここまでは登りのみだったけど。
 神主山からの眺望はこんな感じね。これが眺望と言えるかというのは,別の話だけど。

● ここまで来る間に,ごみは1個しか見かけなかった。ティッシュが1枚落ちていただけ。皆さん,マナーはよろしいようだ。
 ビニールや紙は自然界にはないものだから,そういうものは持ち帰って,ゴミステーションに出さんとね。この点では,富士山とエベレストの登頂者は世間に対して恥じるがよい。
 放尿くらいはよろしかろうけどね。ぼくの糖分たっぷりの小便を栄養にして,スクスクと育ってくれたまえ,山の神よ。

● ここからはアップダウンがいくつも登場。頂上に着いたかと思いきや,その先があり,いったん降ってそれ以上に登るという。
 こんなところを登っていく。しかし,総じて言うと,神主山から先は造作もないとまでは言わないけれども,けっこう楽ではあった。体が慣れるのかもしれない。あと,水が減るので荷物が軽くなるせいもある。

● これはハイキングなのか。ハイキングのイメージからはだいぶ遠いんだが。
 といっても,これを登山というのは全く当たらないから,ハイキングでいいんでしょうな。けっこう難易度の高いハイキングではあるけどね。

● そうこうするうちに鳴虫山頂に到着。リベンジ成功。眺望はこんな感じ。
 
こんなに低い山なんだけど,頂上に着くのに3時間を要した。だいぶ遅い方だと思う。所要時間は歩行速度ではなく休憩の多寡で決まるから,頻繁に休憩したわけですね。
 山頂では20分ほどグズグズした。包み紙に包まれたままのキャンディーが1個と若干のゴミがあったので,拾ってきた。

● 鳴虫山の頂上付近も杉や檜が植林されている。よくやったねぇ。金のためという動機は発奮力が強いんだな。
 しかし,山が荒れるというか腐るというか。そういうことは感じた。だから植林は悪だというのではないんだけど。杉の根っこが地表に張っていて,おかげで歩きやすくなっているってこともあるし。

● 帰りはいま来た道を引っ返すのではなく,憾満ヶ淵の方に降りることにする。これは当然ね。誰でもそうすると思いますわ。
 ところが,いきなり急勾配なんですよ。かなり本格的な階段が設置されている箇所もある。行くほどに思いましたよ。憾満ヶ淵の方から登っていたら,途中で引き返していたに違いない。ぼくほどのヘタレがこの道を逆に登って来れたはずがない。

● 合峰。これはどういう意味? 読んで字のごとしかね。分峰としてもいい?

 山岳修行地でもあったんでしょうかねぇ。修行地というより修行後の寝ぐらがあったのかなぁ。


● “独標” を過ぎてしばらくしたところで,どうやらハイキング道から外れてしまったらしい。外れようがないところを外れてしまったわけで,どうしてなのかわからない。ハイキング道を示すテープを巻かれた樹木が倒れてあらぬ方向を示していた?
 道なき尾根を降っていくことになった。なかなかにワイルドな。

● ほうほうの体で降ると沢に出る。沢に沿って行けばいい。沢には人が入っている。獣道のようなものだが,歩けるスペースがある。
 麓に近いし,遭難などどいう大げさなことになる可能性はないけれども,道を外れたことにどれだけ早く気づいて修正できるかが大切ね。

● まともな道に出たときにはホッとしましたよ。これがハイキング道。
 はい,憾満ヶ淵に降りてきました。やれやれだ。
 降りにも1時間半を要した。道なき道を行くなんて場面があったしね。
 途中,誰にも合わなかった。熊にも猿にも合わなかった。
 憾満ヶ淵には今回も外国人しかいなかった。ここには外国人を惹きつける何かがあるんでしょう。化け地蔵なんか,彼らには興味津々の対象なんだろうねぇ。

● 憾満ヶ淵側の登山口はこんな感じ。日光市街側からはすぐに登りになるが,こちらは最初は平坦だけれども,この平坦さはごく短いからね。こっちから登るのはシンドいよ。

● 街歩きの格好で登ったんだけど,靴だけはね,トレッキングシューズというのか登山靴というのか,山登り用の靴を履いた方がいいね。ガレ場がけっこうあってスニーカーだと足首を捻りやすいのでね。道なき道を降るときに二度捻ってしまって,けっこうヒヤッとしたよ。
 初めての山行きは単独行じゃない方がいいかもしれない。山登りが好きな人の多くは分裂気質で,孤独を愛する(あるいは孤独を苦にしない)のだと思うんだけど。孤独になれるから山はいいんじゃないか,と言われそうなんだけど。

2023年5月18日木曜日

2023.05.18 鳴虫山登頂に失敗

● 日光市街から簡単にアクセスできる鳴虫山に登ってみるかと思ってね。サンダル履きじゃさすがに無理だろうけど,散歩気分で行けるだろうと軽く考えてたんですよ。
 標高1,103.5mで,登山口の標高が540mだからね。標高差は600mもない。スカイツリーより低いわけですよ。

● で,こんなところから登り始めた。ところが,10分も歩かないうちに1回目の休憩。数分歩いちゃまた休み。3回目の休憩を取ったところで,Googleマップを確認したら,途中の神主山までまだ半分も来ていない。神主山から鳴虫山までは相当な距離がある。
 これは無理だ。引返すことにしましたよ。

● 下界は真夏のごとく暑いんだけど,山に入ってしまえば,基本,日がささないから涼しいんですけどねぇ。脳内で名探偵コナンのメインテーマを鳴らしてみても,ダメでしたよ。
 二晩連続で(自分的には)大酒を飲んでいるのが効いているかなぁ。深酒の結果,睡眠も浅いのかもしれん。体調を整えて捲土重来を期すことにしますわ。それでもダメなら人間も引退すべきかね。
 2リットルの水を持ってきたんだけど,この時点で半分消費。飲むそばから喉が渇く。腹に力が入らないんすよ。情ない。

● 地面に落ちている青い花びらは藤の花ですかねぇ。ぼくらが考えているより山は豊かなところで,水も獣肉も山菜も薬もある。
 姥捨山の暮らしは深沢七郎が描くような悲惨な世界ではなく,むしろ当時の娑婆より楽だったんじゃないかと思うんだよね。年寄はお山に登れる日を指折り数えて待ったんじゃないか。
 もちろん,姥捨てが実在したという証拠はありませんよ。念のためね。

● 近いうちにリベンジしたいです。酒を飲まずにたっぷり寝てね。
 加齢による体力の減退だとは思いたくないし,実際にそうではないことを証明しないとねぇ。

2023年4月19日水曜日

2023.04.19 東京の飲み屋街を歩いて

● 夜,東京駅から有楽町駅まで,ガード下の飲み屋街を歩いてみる。毎度のことながら,平日の中日なのに活気がある。どの店もギューギューの満員。コロナは遠くなりにけり。
 こうして飲むのでないと劇場性が満たされない。リアルにならない。

● ポツンと立っている女性もいる。マッチ売りの少女だろうか。
 ここでこういう女性を見かけたことは,今まではなかった。これもコロナ禍で逼塞を余儀なくされていた営業形態なんだろうかね。蠢けるようになったのなら,慶賀に耐えない。
 職業に貴賤はないのでね。もしぼくに娘がいて,娘がそういう仕事に就いたら受け容れられるかというと,まったく自信はないのだけれども,それでも職業に貴賤はない。

● 店内の様子が外から見えるようになっているところが大半だ。店内で談笑しつつ飲み食いしている人たち,酔って大きな声で話しながら道路を歩いている人たち。
 ほとんどは会社の同じセクションのグループかと思われるのだけど,そうじゃないのもいる。手を繋いで歩いている男女。同じ会社でデキちゃったらしいのだけどね。社内結婚は止めた方がいいぞ。社内の女に捕まるな。と,ぼくなんぞは思うのだが,君の場合はもう遅いね。
 というわけで,いろんな人生がそこに転がっている。と思えるのは,錯覚か?

● さらに歩いて銀座並木通り。クラブ密集地の8丁目にかかると,何回か声をかけられた。飲みに行くの,ワタシ,ママさんね,と言う(たぶん)韓国人の女性。ここは上野か。
 今の銀座はキャバクラ化が進んでいる? あるいは高級居酒屋化が進行中なんだろうかね。
 コロナ禍で黒服が道路に出るようにはなっていたけど,黒服以外にもいろんなのが道路に出るようになった。夜の銀座も息を吹き返していると思うのだが,そうなればなったで新規参入や出戻りが増えるんだろうか。

● 客層はガード下とは違う。経営者や得体の知れない若手実業家だったりするのだろうが,やってることは同じ。
 所詮は貧乏人の金持ちゴッコだ。接待も含めて,その域を出ないものでしょ。ゴッコに至っていない分だけ,ガード下の方が高貴かもしれないよ。
 というわけで,銀座に落ちてる人生も大部分は悲しさに満ちている。これが基本色で,コロナがどうなろうと関係ないようだ。

● 新橋。新橋が最も元気な時間帯ですかなぁ。新橋は昼間もすごいが,この時間帯も喧騒に満ちている。こいつら,明朝,起きれるのか。って,自分も通ってきた道ではありますよ。何とかなるんですよ。
 日本人サラリーマンの多くは,何だかんだ言って会社が好きなんですかねぇ。つーか,会社しかないわけですかねぇ。

● こうして酔っ払っている勤め人の男女を見ていると,それを見ている自分は社会の当事者を降りてるんだなぁと実感できる。当事者を降りた自分は,至って気楽。
 そのことを痛感しましたよ。隠居って悪くないなぁと思うんでした。

2023年4月18日火曜日

2023.04.18 東京駅周辺を散策

● 東京に来た。まずは用事をすませようというわけで,銀座7丁目のRIMOWA。スーツケース3つの修理依頼。車輪の自由度が制限されるようになったのと,取っ手の上げ下げがでなくなくなったのと。
 3つとも短時間で直った。プロは凄いね。文具店以外に銀座の店に入るなんてまずないから,貴重な経験をしましたよ。

● 銀座でランチというやつを初体験 。G-SIXの6階の「Grill & PUB The NICK STOCK」。このフロアで最もカジュアル(安価)な食事どころ。
 雰囲気はアメリカの西部。ステーキというのは牛の肉を焼いて喰らうというワイルドな料理であることを思いださせる。銀座で2,000円だとこうなるかな。

● というかね,銀座LIONでハンバーグを肴に黒ラベルの生を飲めば良かったと思った。2,000円未満でもっと高い満足を得られたかもしれない。
 ただし,ビールが入ったんじゃ,ハンバーグだけではすまなくなっていたかもしれないな。

● 外国人(たぶん,アメリカ)のカップルがいた。彼らにしたら,ステーキランチが2,000円ですむなんて,日本こそ地上の楽園と思ったことだろう。
 あと,こういうことを言うと人種差別だと叱られるのかもだけど,彼らにはけっこう美味だったのではないかと思うんだよね。
 店を出るときに料理を褒めていたからね。こういうふうにちゃんと伝えるのが彼らのいいところだ。ぼくもできるだけそうすることにしているんだけども,これがなかなかできないんだ。

● 一気に夜。東京ミッドタウン八重洲に来てみた。天を仰ぐようにして見上げるわけです。最高層の40〜45階がブルガリホテル。ぼくも貴方も,ここに足を踏み入れることはないでありましょう。
 B1から2階はサラリーマンのオアシス。チェーンの居酒屋などが入ってる。したがって,どこにでもある光景になる。
 こういう大衆相手の店でバイトするのは割に合わないと思うが,ここはそれを語るところではないので,以下略。

● まぁ,丸の内側のガード脇の店に行きたくなりますな。昭和原人としてはどうしてもそうなる。
 でも,地下に沖縄の「ポーたま」がある。沖縄のホットサンドのようなものでしたっけ。

● 丸の内側に回って,KITTEのスタバでメロンフラペチーノ。何ていうのか,メロン以上にメロンだ。
 本物のメロンと合成メロンの混合で,合成メロンがいい仕事をしているんでしょ。

● マスクをしてない人がだいぶ増えた。この動きも東京が先行。地方ではここまで行っていない。地方でも時間の問題だけどさ。
 いいことです。というか,あたりまえのことなんだけれども,こういう軌道修正に遅れを取るのが,日本人の特徴(のひとつ)かもしれない。
 昨年10月からわんさとやって来るようになった外国人の啓蒙効果もあるのかもしれない。彼らは羹に懲りて膾を吹く的なことはあまりやらない。郷に入っては郷に従えを実行している人もいるけれど。

2023年4月13日木曜日

2023.04.13 宇都宮スパ屋で今日はニントマ

● 中1日でまた宇都宮スパ屋へ。今日はニントマ。1,080円(税抜)。初めて大盛りを食べてみた。200円増し。
 けど,年寄りが調子こいて大盛りなんか食べるもんじゃないな。“美味しい” を最後まで持続したいなら,普通盛りに限る。

● 一昨日食べたのは “宇都宮で一番濃厚なミートソース”。こちらも1,080円。2つとも最安価(最安値なのは他にもあるけど)。パスタとピザは安いものほど旨い。
 ウニだのフォアグラだのキャビアだのを載せるのは,ほとんどの場合,味的に不可(だと思う)。食べたことがないから確言はできないんだけどさ。

● プラス80円でデザートとコーヒーが付く。注文しないと損。これで自販機で缶コーヒーを買うより安いんだからね。
 平日でもランチは混む。食べ終えたらスマホなんかいじってないで,サッサと席を立つべし。食後のお茶を楽しみながらお喋りを堪能したいだろうと,重々拝察申しあげるけど。

● ただ,ぼくは酒のないところでは長居するのが嫌いなのでどこでもそうしているけれども,こういうところで食べ終えたらそそくさと席を立つのは,ちょっと違うだろうと言われれば,返す言葉がない。
 むしろメイン料理は食事後のお喋りであるのかもしれない。それが文化というものかもしれない。京都の人はどれだけ待ち人が並んでいても気にしない,と聞いたことがある。待ってる方もそういうものだと思っている,と。

● ぼくのやり方はいささか短兵急かもしれないのだが,今さらこのやり方を変えられない。ずっとこれで来ちゃっているからね。

2023年4月3日月曜日

2023.04.03 花の命は短くて

● 地元の公園の桜。この公園は交番の後ろにあって,だからというわけでもあるまいが,利用者がほとんどいない。ここの桜は貸切状態で眺めることができる。
 その桜も散りだしている。爛熟の極み。

● これを年増美人に例えることがあるけれども,桜は散っても来年また咲く。人間はそうは行かない。
 一方で,咲いてる人は,咲いてる期間が桜よりはるかに長い。もって瞑すべし。

● ちなみに,桜のように死と再生を繰り返す人生と,動物のように誕生から死に向けて直線的に進む人生と,どちらが楽かといえば,圧倒的に後者だ。
 桜じゃなくて良かった。輪廻転生などあっては困る。ないと思うが。

● 同じソメイヨシノでも,公園からちょっと離れたこちらは,散りの開始が遅い。日照もあまり変わらないのだが。桜にも早熟と奥手があるんだろうか。
 ただ,こいつは雷に打たれて,幹が途中でなくなっている。そんなのが関係するんだろうかな。

● 春は桜だけではない。桜の後はこういうやつが咲く。春の地上は華やかだね。
 写真だと似た色に見えるが,肉眼ではハッキリ違う。一方はピンク,他方は赤。

2023年3月31日金曜日

2023.03.31 日光散策:憾満ヶ淵・銭沢不動尊

アカヤシオ
● 日光も温かくなってきた。これから観光客も増えてくる。というか,増えている。春休みの時期だしね。
 4月になると登山客も増えだすのだろう。1月末に初めて日光に泊まるという経験をして味をしめたというか,以後,同じことを何度か繰り返しているのだけれども,そろそろ身を引く時期かもしれない。次は11月頃となるか。
 実際には,黄金週間は避けるとしても,6月くらいまではホテルの予約を入れることになる。いや,すでに入れている。

● ホテルから稲荷川左岸の山を下って来た。小杉放菴記念日光美術館の庭園。咲いているのはアカヤシオ(というらしい)。

● その稲荷川はこの先で大谷川と合流する。そして鬼怒川となり,最後は利根川となって太平洋に注ぐ。
 大谷川の交流点を見ておきたかった。市街から近いから造作なく到着する。左の写真で奥の方から落ちてるのが稲荷川。

● 大谷川の土手(降りられない)に咲く,楚々とした佳人にも出合った。

● 今度は大谷川を遡ってみようと思う。神橋から大谷川を遡る。しばらく歩くと,古い民家が残っているエリアに出る。その佇まいに日光の底力を感じる。
 暮らしがラクだとは限らないだろう。生きていれば色々ある。まさかという坂も経験しているだろう。にも拘わらず,この佇まいを維持しているのは大変なことだ。それ自体が社会貢献だと言っていいだろうし,何て言うんだろ,公共意識をきちんと持っている人たちだなと思った。

● 神橋のひとつ上流に架かる橋を渡って,大谷川の右岸に出る。
 しばらく行くと,慈雲寺の寺域に入ったんだろうか。こんなポールた建っている。照らそうと思わないでやっていることが,結果として照らしているというのがあらまほしい。
 照らそうと意図して何かをやると,たいていの場合,何がしかの迷惑になる。

● 慈雲寺の山門をくぐる。地蔵が80体ほどだろうか,座って瞑想にふけっている(立ってるのもいるけど)。化け地蔵と呼ばれている。
 このあたり,まだ静かだ。来ているのは外国人ばかりで,日本人には出食わさなかった。彼らが感に堪えないように地蔵にカメラを近づけていた。

● 地蔵たちの目線の先が憾満ヶ淵。この流れを見やりながら,彼らはひたすら瞑想三昧を続けているわけね。もう300年以上になる?
 じつは,ここ,初めて来ました。ひょっとしたら,小学校の遠足で来たかもしれないけど。

● クマが出ることがあるらしい。この地蔵もクマに食いちぎられたのかね。バチあたりなクマもいたものだな。


● 憾満ヶ淵から市街に戻る途中に,銭沢不動尊への案内標識があった。ついでだから行ってみるかと思ってね。行ってみることにした。ゼニっていうのは銭という字を当てたけれども,元々はどんな意味を持ってたんだろ。意味なんかないんだろうか。
 日光宇都宮道路の下をくぐらされる。忌々しいが仕方がない。

● クマが出るとは思わなかったが,先ほどの標識が頭を掠めて,あまりいい気分じゃない。
 途中,一度だけ休憩した。若い人にはさしたることもあるまいが,老体にはけっこうな山道だった。
 不動尊はお堂に収められていて,見ることは叶わない。

● 銭沢不動尊は地元の人たちがお世話している。参道(?)沿いの木々にピンクの紐を結わえて,迷わないようにしてある。観光客で来る人はいないのだろう。誰にも合わなかった。
 次に来たときには,この上まで行ってやろうと思った。つまり,鳴虫山に登ろうと思う。登ると言うと大げさだけど。男体山や女峰山に登るのも登山と言ってはいけない気がする。ハイキングの範疇だと思う。
 ただ,けっこう何度の高いハイキングなので,ぼくは遠慮しておきたい。鳴虫山なら何とかなるだろう。