秩父鉄道と西武秩父線に乗ろうと思う。これまた,乗らなきゃいけない理由なんかない。是が非でも乗りたいかというと,それほどでもない。でも,乗っておきましょ。
● 小金井始発の上野東京ライン平塚行き。栗橋か久喜まではガラガラのプラチナシート。
羽生から秩父鉄道。熊谷〜皆野間には若い頃に乗っている。もちろん,記憶は完全に消滅しているが,乗ったことだけは間違いない。
● 2両編成の電車。お客さんはけっこう多い。北関東の埃っぽい平地を走る。行田市を過ぎると登り勾配を体感できる。
熊谷でかなりの人が降り,同じくらいの人が乗ってきた。
ただ,インバウンド優位ではない。日本人が多い。家族連れと徒党を組んでるジジイたち。
長瀞でだいぶ空いた。秩父,御花畑でドッと降りるのかというと,意外にそうでもない。先まで乗り続ける人が多い。
● 一眼レフを抱えたジジイのグループが煩くてしょうがない。少しは大人しくしてられんのか。
そのジジイたちも1人,2人と降りていく。撮影現場のメボシはそれぞれつけているようだ。
ということは,このルートが昔からの往還ということですか。秩父の表玄関は長瀞であり,皆野であるよ,と。
ハイキングというのかトレッキングというのか,それをやろうとすると2泊はしたいかな。
秩父も暑い。東京と変わるまい。いつもこんなに暑いのですかと,オバチャンに訊くと,自分は寄居から来たのでよくはわからないのだが,と言う。熊谷に近いところだとも言っていたな。
まず言っておきたいのだが,秩父に秘境感はない。普通の地方都市だ。只者じゃない感はある。長い間の人の営みの堆積が感じられるというか。会津若松に感じるのと同じもの。
が,ここは秘境ではない。天空の街という感じでもない。秩父に特別な思い込みを持っちゃいけない。
秩父育ちで東京で仕事をしている人が,こう言っていた。ここまで言われては行かないわけにもいくまい。
店内の空気感は相当いい。音響機器を選ぶだけでこういう空気を作れるのなら苦労はない。店主の人間性がどうしたって出ちゃう。つまり,いい店です。
けど,ホットサンド,うーん,旨いは旨いんだが,これを最期の晩餐に,うーん・・・・・・
池袋から直結。特急だと80分で着いてしまう。特急券は900円。JR普通車のグリーン券と同額だ。
秩父鉄道と違って,西武線はトンネルだらけ。西武秩父駅を出るとすぐにトンネルに入る。その後も次々にトンネルを潜るのだが,芦ヶ久保駅を出ると長いトンネルに入る。
しかも,そのトンネル内は複線になってるっぽいんだな。トンネルを抜けると正丸駅。
● トンネルの合間に集落が見える。その集落を見やりながら,これは難所だったろうと思う。
秩父鉄道が羽生〜三峰口間を全通したのは1930年なのに対して,西武線の開業は1969年。だいぶ遅かった。土木技術の進歩を待つ必要があった。
● 西武線で入っていたら秩父に多少の秘境感を感じたかもしれないな,とも思った。
大雑把に言うと,秩父鉄道は荒川に沿い,西武線は高麗川に沿う。高麗川には流域というものがない。勝手に流れ下っていたのだろう。
● 吾野から秩父までを秩父線と言い,池袋から吾野までは池袋線らしいのだが,その合理性はよくわからない。
吾野を過ぎてもトンネルがある。トンネルが基準になっているわけではないらしい。
このエリアは路線名と運転系統に乖離があるのだが,八王子〜高麗川〜川越〜新宿と準環状線があるのだと思っておくのが最も自然かと思う。
● 東飯能で電車がなかなか来なくてね。しかも,ホームの屋根が太陽光を遮る役を果たしてなくて,容赦なく殺人光線が降り注ぐ。だいぶ消耗した。
大宮で宇都宮線に乗ったのだが,ちょうど線路内発煙騒ぎがあって,宇都宮線が運転見合せになった(高崎線で高崎に出て,両毛線経由で帰ろうかと思いましたよ)。2つのアクシデントを乗り越えて,無事に帰宅。
今日は朝もパンを食べてから出かけたし,出先で3回食べているから,明日の体重はまた増えていることだろう。
● 秩父に行って思うのは,秩父に温泉が出なくてよかったなということだ。温泉旅館がまったくないわけではない。皆野や小鹿野にはいくつかあるようだし,秩父市にもあるにはある。が,点在するに留まる。
もし,大々的に温泉が湧き出していたら,秩父は日本全国どこにでもあるようなつまらない温泉街になってしまったことだろう。
温泉街はどこも苦境に喘いでいる。廃墟がそこかしこにある。温泉が出なかった秩父はそれを免れた。そうして,これだけの風格を今に伝えることができた。
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