2021年11月26日金曜日

2021.11.26 「なか卯」で朝食を食べながら,幸せについて考える

● 宇都宮のオリオン通りの入口のところにある「なか卯」。最近,何度か,朝食を食べさせてもらっている。今日は銀鮭朝食,370円を。
 もちろん,自分で作ればもっと安くできる。けれども,朝食を用意するって,中の人はなかなか大変でしょう。文明の利器を駆使しているのだろうし,昨夜のうちにあらかた用意はしておくのだろうけれど,それにしたって朝食を出すっていうのは大変だと思いますよ。

● 多くの人は,この370円の朝食で充足できると思うが,もしできなければ,3千円とか5千円を払って,たとえばホテルの朝食を食べることになる。
 それを当たり前にしてしまうと,3千円や5千円が見る間に色褪せて行く。それはつまらない。というより,方法論として稚拙だと思う。

● 使わなければ腐ってしまうほどの大金を持っているのでない限りは,この程度で充足できるようにしておいた方が,何かと幸せになりやすいやね。益体もないグルメなんて目指さないのが賢い。

● 千円を使って得られる楽しみ・快楽が,人様が1万円を使って得られるそれと同じなら,人様の10倍の収入を得ているのと同じことだよ。これを詭弁と片付けてしまうのは,少し待ってもらいたい。
 幸せとか満足とか喜びとか快楽って,客観的に厳然と存在するものじゃないでしょ。誰の目にもそれと明らかにわかる形で屹立しているものじゃないでしょ。

● 幸福って主観で決まるものでしょ。ならば,錯覚だろうと勘違いだろうと,自分で自分は幸せだと思ったもの勝ちでしょうよ。他人と比べてばかりいると,必ず不幸になるとしたものでしょ。
 幸福の要素は色々あると思うけれども,お金はやはり大きい要素になる。たくさん稼ぐか,お金の使いでを大きくするかだ。お金の使いでを大きくできれば,それはたくさん稼いでいるのと同じ。
 なら,「なか卯」の朝食で満足できる自分でいた方が断然お得ですよ。

2021年11月22日月曜日

2021.11.22 次のスマホも Zenfone Max Pro M2 でいいような気がする

● 使用中のスマホは,ASUS の Zenfone Max Pro M2。使い始めて2年と4ヶ月。バッテリーがもたなくなった感は以前からあったのだが,いよいよかなぁと思えてきた。
 以前はフルに使っても2日は大丈夫だったのだが,最近は1日が限度になった。1日もってくれれば文句はないっちゃないんだけど,さらにバッテリーは悪化するんだろうからさ。

● 次は Xperia10Ⅲあたりかと思ってたんだけど,ミドルレンジとは言いながら回線契約とセットで4万円台。単体だといくらになるんだろう。右から左に出せる額でもないっぽい。
 ちなみに申しあげれば,新しい iPhone13 Pro をポンと買える人って,ほんとすごいと思うわ。どんな仕事をしてる人なんだろ?

● Xperia の魅力は音楽再生プレーヤーとして使う場合なんですよね。カメラ機能は,撮る人が撮る人なんで,どうせ大した写真は撮らないから,どのスマホでもいいと思ってます。
 いや,待てよ。音楽はウォークマンで聴いてるんだから,Xperia にこだわることもないか。ではどうしようか。

● Zenfone をまた使えばいいじゃないか。今のスマホに別に不満はないんだから。
 といって,安いMaxシリーズはもう生産されていない。買うとすれば中古だ。ヤフオクを見たら15,000円からある。バッテリーはどうなんだろ?
 Maxはバッテリーは交換できない仕様だから,そこが問題だ。逆にそこがちゃんとしてるんだったら,あと2年間,同じ機種でいい。

● 大した使い方はしてないんで,CPU,RAM,カメラは現在のもので充分だ。ゲームをしなければそれほどのスペックはいらないでしょ。
 ぼくなんか,ちょっとニュースを見て,Twitterをメモ代わりに使って,スナップ写真を撮るくらいだもんな。あとは,You Tube と G-mail と,時々,GoogleMap と乗換案内。その程度のものだから。

2021年11月15日月曜日

2021.11.15 乃木坂46の東京メトロ24時間券が届いたよ 2

● “東京国立博物館で開催される「春夏秋冬/フォーシーズンズ 乃木坂46」展覧会に登場する 乃木坂46のメンバーを券面にデザインした オリジナル24時間券を限定発売!” というわけです。
 先月,届いている。6枚セットのうち,現在まで4枚使った。使用期限は来年の5月末日なので,余裕こいて使える。

● で,その第2弾があるんですね。6日にネットでたまたま知りました。当然,即購入ですよ。
 使用期限は来年6月末日。送料が650円なので,購入コストは4,250円。

● それが今日,届いた(13日に配達されたのだが,出かけていて受け取れなかった。
再配達してもらった)。右の写真のとおり。
 左側は上から,山下美月,星野みなみ,与田祐希。右側は上から,生田絵梨花,賀来遥香,齋藤飛鳥・生田絵梨花・梅澤美波。
 だと思います。にわかファンなので,まだよくわかりません。

● 東京国立博物館の展覧会にはまだ行っていない。28日までなので,行くなら急がなければ。
 20日は川越に出かける予定がある。川越での用事は夕方からなので,朝から出かけていって,この展覧会を見てくるかと思ったり思わなかったり。

2021年11月14日日曜日

2021.11.14 墨田区と葛飾区をウロウロする

● 東武電車で東京へ。今日は曳舟で下車。何度か降りたことはあるので,地理はだいたいわかったつもりになっている。
 西口を出ると,そこは東向島。玉ノ井的な空気がここにも濃厚にあるように感じる。東武の各駅停車に乗れば,ひと駅で東向島駅(旧 玉ノ井駅)なのだから,それも道理。

● こういうところがぼくは好きだ。嫌う人も多いだろう。好きと嫌いが極端に振れるはずだ。
 永井荷風や吉行淳之介のひそみに倣うつもりはないけれども(倣えるはずもない),近くに宿を取って,腰を据えて飲みたいものだよ。一度や二度,飲んだところで,その地の何がわかるわけでもないけれど。

● 東口に回って,京成の駅に移動。青砥に行こうとしている。墨田から葛飾へ。
 京成曳舟駅にはこんなフォトスポットが用意されている。隣に座って,彼女とツーショットで写真を撮れる。撮りたかったけど,撮ってくれる人がいない。

● 青砥駅に着いた。住居表示上の地名は青戸。よくあることね。駅名の方が由緒正しき感じがするのも,こういうときのお約束だよね。
 実際にはア・オ・トという音が大切なのであって,それにどんな漢字を当てるかはどうでもいいようなものだと思う。鮨を寿司と書き,最近は豆腐を豆富と書くこともあるようだけれども,そんなものは好きな漢字を当てたらよろしい。好きにしなさい。

● 率直に申しあげると,駅を出ると所在なさげな爺さんがタムロしてたりして,山谷的な雰囲気もないではない。ぼくは山谷も好きで,怖いもの見たさということではなく,わざわざ出かけて行ったことが何度もある。
 この空気にはどこか懐かしさにつながるものがあるのだ。昔の日本を湛えているような。昔はどこもこんなふうだったよね,という。

● 復りも曳舟で降りて,駅の中にある純正の駅そばを食べようと思っていたのだが,青砥から乗った電車がアクセス特急というやつだった。羽田空港まで行く。
 京成押上線は押上が終着なのだが,押上から都営浅草線に入り,さらに京急線に乗り入れて,京急蒲田から羽田空港まで行くわけだろう。この他社線への相互乗入れは活気的だよね(関西の方が早かったんだろうか)。
 東部の下町に住んでいる人も,羽田空港まで乗換えなしで行けるのだ。京成線なんだから成田空港も一本で行ける。便利じゃないか。今はコロナだからあまり空港に行くこともないかもしれないけれども,そろそろコロナも終わるからね。

● 特急ゆえ,青砥を出ると押上まで止まらない。ので,押上で下車。改札を出て,東京ソラマチへ。クリスマス商戦が始まっている。コロナが落ち着いているから,活気もある。
 外に出てもこんな感じでね。もうコロナを見る眼は半分閉じて,傷め続けられた経済復興をしっかと見ないとね。ワクチン接種率も70%を超えたんだしさ。
 クリスマス以外にも打てる手は打っている。狙いたいのは家族連れなんだろうかな。小さい子供がいるとその子にお金を使う。うちもそうだった。親と祖父母の財布が開くのだ。

● クリスマス商戦がコロナ以前に戻れば(といっても,コロナ以前も年々,クリスマスは盛りあがらなくなっていた印象があるんだけど),そうした華やかさに疎外感を感じる人も少なからず出てくる。コロナの方が良かったという人もいるかもな。っていうか,いるよな。
 しかし,その疎外感は自分で処理してもらうしかない。俺が疎外感を覚えるんだからクリスマスなんかやめろ,というのは無理筋だもんね。クリスマス商戦が完全復活した暁には,そういうところには近寄らないをモットーにするしかない。ぼくもそうすると思う。

● 東武にはこんな切符もあったのね。JRの都区内パスのようなものですかね。フリーエリアはだいぶ狭いけれども。台東区と墨田区の循環バスにも乗れるから,きめ細かく動けそうだ。2日券を買って,ディープなエリアに沈潜するのもいいですな。って,2日じゃ足りないだろうけど。
 京成にも都内エリアの1日乗車券がある(当然だね)。510円で葛飾を中心に東京東部の下町を経巡るのもいいですな。この切符は必ず使うことになるな。
 こういうのがあると,墨田区や下町を散策してみようという気になる。安くて使い勝手のいい道具のようなものだ。

● ところで。朝方,JR宇都宮駅で振袖姿のお嬢さん2人を見かけた。オリオン通りまで歩いている間にも4人見かけた。うち1人は美容院から出てくるところだった。
 さらに,オリオン通りでも2人。今日,何かあるんだろうか。コロナで成人式が延期になったとか。

● で,帰り,夜のオリオン通りと日野町通りの飲み屋の前に,そうした若い人の残党と思われる子たちがタムロしていた。やはり,今日は成人式だったようだ。
 成人,おめでとう。人生で最も辛い時期はもう過ぎた。今までに比べれば,これからは楽だ。今までに比べれば,だけどね。

2021年11月7日日曜日

2021.11.07 日曜,夜のオリオン通り

● コロナ以前から外で飲むのは激減していたし,年齢的にもそれが自然だと思っているんだけども,宇都宮のオリオン通りを歩いていて,オープン席でジョッキを傾けている人たちを見ると,羨ましくなるねぇ。
 肴も旨そうで,飲むだけではなく食べたくもなる。焼き鳥であったり,メンチのようなものであったり。

● しかも,酒はホテルのレストランやラウンジよりも,ザワザワしている(活気のある)居酒屋で飲んだ方が旨いと来ている。酒が同じものなら,圧倒的に居酒屋で飲む方が旨い。
 レストランのようなところだと,構えを作るのに注意を割かなければいけないからだろう。

● ともかく,そういう店がずっと続くのだから,オリオン通りは誘惑通りにもなるわけだ。昔だったらどこかの店に入っていたろう。
 今はそうすることもなくなった。家で飲めばいいと考えてしまう。

● おかげで翌朝,バカな金を使ってしまった・・・・・・と後悔することもなくなった。
 が,生きるとは後悔することなりと言えるかもしれず,であれば,後悔しないということは生きていないということか。老いたってことだよね。

● こちらはオリオン通りではなく,大通りのJR駅に近いところにある居酒屋。この電飾を見るのは久しぶりだ(店は1階だけ)。自粛中は当然,点けていないもんね。このまま,コロナが落ち着いてくれればね。
 ま,ぼくは帰宅してから魚肉ソーセージのごま油焼きでハイボールを飲んだ。3杯でグラグラと酔う。

● ちなみに,ぼくは何もかもを作業テーブルですませる。この1畳のスペースが,ぼくの居場所。
 テーブルに置いてある ThinkPad はパソコンとしても使うが,もの置き台としてもしばしば使われる。有効活用されている。

2021年11月1日月曜日

2021.11.01 東京シティエアターミナル

● 東京シティエアターミナルを覗いてみた。久しぶりだ。コロナの世になってからは初めてってことでもないと思うんだけど。
 旅行者としてこの施設を利用したことはもちろんない。近くのホテルに泊まることがあった。そのホテルから隅田川まで歩く途中にあるので,ふらっと中を覗くというのをよくやっていた。

● 以前は,羽田に向かうバスは1階から,成田に向かうバスは3階から発車した。が,現在はバスの発着所としては使われていないらしい。成田行きのバスも1階から出る。
 なぜそうなったかといえば,発着する便数が減ったからだろう。なぜ減ったのかといえば,利用客が減ったからだ。それはなぜかといえば,コロナが発生したからだ。

● コロナの影響を最も先鋭に受ける位置にいる。そのせいか,オープンスペースが増えているようだった。誰でも自由にお使い下さいの休憩コーナーが充実している。
 座ってスマホをいじったり,タブレットやパソコンで仕事をしたり,本を読んだり,居眠りしたり,自由に使えばいい。東京のこの場所にこういうスペースがあるのはちょっとすごい。ここは図書館じゃないんだから。

● って,苦肉の策であるわけだ。この施設にはセブンイレブン,Can☆Do,マックの他に,いくつかの飲食店や歯科医院などが入っている。今のところはセブンイレブンも Can☆Do も営業を継続している。
 東京シティエアターミナルからすれば,これらの店からのテナント料は確実に見込める売上だ。

● 率直に申さば,コロナ以前からくすんでいる印象だった。入っているテナントを見れば,ここを利用する人たちの所得が高くないことはすぐにわかる。
 そういう層が最も厚く,したがってその層に受け入れられる商売が最も手堅いのだろうけれども,それでも各テナントともコロナ以前には黒字を出せていたんだろうか。
 夜行バスターミナルの雰囲気だ。ぼくには親しい空気で,ホッとするところがあるけれど。

● 東京シティエアターミナルができたのは成田空港の開業と同時。成田と都心が離れているために,首都高のすぐそばに旅客輸送の拠点を作れば需要があると踏んだのだろうが,実際はどうだったのだろう。
 ここはれっきとした株式会社だ。公益のためだからと赤字を続けてもいい公共セクターではない。

● ここは国内旅行のPR拠点でもあるようで,「毎日が旅行博」と看板をだしているイベントスペースで,各県が月替りで観光キャンペーンをやっている。
 今はどこがやっているんだろう。中の椅子はすべて埋まっていたから,どこかの県か市がやっているのは間違いないと思うのだが。

● 「Adventure JAPAN」というフリペーパーがあったのでもらってきた。豪華な紙としっかりした写真,日本語・英語・中国語の併記。
 中身は観光への誘いがなのだが,宣伝臭は感じさせない作りになっている。前から置いてあったんだろうかな,気がつかなかったよ。

● 特集は箱根。「箱根フリーパスで伝統とアートの旅へ」。箱根には大昔に来たことがある。二度ほど来てるんじゃないかと思う。彫刻の森に行ったことは憶えているのだが,その印象は完全に記憶にない。観光にはまったく興味がなかったし,用がすんだらさっさと帰りたいとしか思っていなかったもんなぁ。
 今だと旧東海道の箱根越えはやってみたい。日本橋から神奈川宿の外れまでは歩いているので,その先から箱根を越えるところまでは行きたい。

2021.11.01 代わり映えしないけど,東京散歩

● 川崎から東海道線で新橋。新橋からメトロ銀座線で三越前。今日はここを起点にして銀座線を行ったり来たりしようと思う。

● まずは,地下のタロー書房を覗くことから。老後の遊びとして外国語を勉強するのはありでしょ。英語とかフランス語とか中国語のようなメジャーな言語じゃなくて,超マイナーなやつ。書店に教本があるようなのはマイナー度が足りない。けど,ここから選ぶならビルマ語だな。
 NHKの語学講座はもちろん,外語大学にコースがあるような言語は外した方がよさそうだが,そうなると他にどんな言語があるのかわからない。どうやって勉強すればいいのかもわからないな。

● 地上に出る。古河市兵衛の胸像がある。このあたり,何度か歩いていると思うのだけども気づかなかった。
 行商から身を興し云々。明治の時代にはジャパニーズドリームがあったんですかねぇ。青雲の志という言葉が似合う時代だったのかなぁ。
 古河グループという言葉もあるのだが,ググってみたら富士通がその1つなのだった。今でもグループとしての実態はあるんだろうか。

● 久しぶりに福徳神社。小さい神社だけれども,これあるために空間の質が上がっているのは間違いない。小さいながら地価を計算すればビックリするような額になるだろうところに,これだけの言うなら空き地を作りだしているのだから,大したものなのだ。
 日本の場合はこういうところに神社があって,“憩い” を作る。ヨーロッパではとにかく広場を作る。教会を神社と対比しては間違うことになる。

● 日本橋でも最もハイソなこのエリアから神田が近い。江戸時代には日本橋は下町だったらしいのだが,人形町や浜町はともかく,このあたりはとっくに企業町になっている。っていうか,三井町だな。
日本橋のハイソなエリア
 そこから神田まで歩いて数分というのが不思議な気がする。銀座と新橋の例があるじゃないかと言われれば,まったくもってそのとおりなのだし,わずかの移動でガラッと空気が変わるのが,東京を含む都市の魅力なのだと思うのだが,そうであっても不思議な気がする。

● ので,中央通り(国道17号)を神田まで歩いてみた。逆に辿れば日本橋から銀座を経て第一京浜になるわけだから,中央通りは文字どおりに中央通りなのだが,国道17号が中央通りなのは神田までで,ここから中央通りは17号と別れて上野広小路に至る。国道17号は本郷通り,白山通りとなって,霧の彼方に消えていく。
 用があって神田に来たわけではないから,ここからまた銀座線に乗って銀座に戻ることにする。

● 銀座で何をしたかというと,G-SIXに行った。銀座にはわりと来る。伊東屋があるし,銀座LoFtがあるし,無印の旗艦店がある。多少とも文具好きなら,銀座はやはり特別な場所だ。
 しかし,G-SIXに入ることは,ぼくはあまりない。特別すぎるからだ。特別すぎて気後れがする。よほどテンションが高いときでないと入っていく気力が湧いて来ない。
 そのテンションは,たとえば着ている洋服,履いている靴,持っている鞄などによって影響される。今日はどうにかマトモな格好をしていたので,勇を舞して入ってみたのだ。

● 行くところは蔦屋書店しかない。ここはそのまま美術館だと思いたくなる。そういう形態でモノを商っている。
 まず,文具がそうだ。万年筆が多いのだが,プラチナのキュリダスもあるものの,蒔絵や漆を施した,あるいは浮彫をあしらった工芸品とおぶしかないようなものが多く展示されている。
 実用を満たせばいいという人はお呼びじゃないところだ。ここはおまえのような者が来るところではないと,商品が語っているのだ。臆してしまう。テンションを高めないと行けないところだというのは,そういうことだ。店が人を選ぶのだ。

● 常にいくつかの展覧会を行っている。今は,「京都のものづくり-KYOTO another story」が開催されている。「京都のこれからを担う,次世代の職人やアーティストが生み出す品々」を展示している。もちろん,売り物でもある。
 漆塗りの自転車やサーフボードがある。待ちな,これは乗らないで飾っておくためのものか,と言いたくなるところだが,実際に乗りだすことができるのだろう。
 
● 上野裕⼆郎 新作個展「Surge/渦動」というのも開催されている。「私は主として生物をモチーフに,それらが持つ内在的な気や外界との揺らぎ,あるいは生成と消滅を繰り返しながら続いていく時間と物質の流れといったものに迫ることを自身の表現の主題としている」人なのだが,これもやはり人を選ぶだろう。
 「ステンドグラスアーティスト・ひらのまり作品展示」も開催中。“クリームソーダ~不純喫茶ドープ” や “ゼリーポンチ~喫茶ソワレ” といった作品が展示されているのだが,それらがどんなものなのか。蔦屋書店のサイトを見ていただきたい。

銀座の一番
● この場所でこれだけの広さを占めるのだから,テナント料を支払って黒字を残すためには,文庫本を1冊しか買わない人を相手にしているわけにはいかない。文庫本1冊のお客様も大事にしたいから,しっかり稼がなければならないのです,と言うのだろうけど。
 たまに目の保養をさせてもらいたいものだが,かなり敷居が高いな。

● 銀座線を日本橋まで乗る。日本橋の丸善でボールペンを2本買った。
 次は,二度目の三越前。ただし,すぐに半蔵門線に乗換えて水天宮前。やはりね,隅田川を見たくなるんですよ。30分ほどボーッと川面を眺めた。
 絶対,パリのセーヌ川よりいいっしょ。って,セーヌ川ははるかな昔に一度見ただけで,ほとんど記憶にはないんだけど。

● もうひとつ,東京シティエアターミナルを覗いてみたが,これは別途,記録しておく。
 半蔵門線をひと駅乗って,清澄白河。深川になる。ここも何だかんだでけっこうな回数,来ていると思う。
 隅田川を挟んで日本橋人形町,浜町とこちら側の深川。空気感はあまり変わらないと思う。下町的風情と言ってしまえばそれまでなんだけども,シャキっとした感じというか,眼を伏せない感じというか。

● ここから門前仲町までフラフラと歩いて,ユックリと,しかしガッツリと飲食いして,宿に帰って寝る。ということをやってみたいものだが,やりはしないと自分でわかっているのが,情けない。
 高橋から小名木川を眺めて,少し歩いただけで帰ってきたけれど,この街はそういう対応の仕方をしてはいけない。腰を据えてかかるべし。

● どうしてこんなにマメに下車したのかというと,メトロ24時間券のモトを取ろうという発想から。身も蓋もないんだけど,それがある。動機が不純というか貧困というか。
 が,そういう動機であっても,ともかく動くわけで,動いていれば瓢箪から駒が出ることもあるのではないか。動かないよりはいいだろう。

● 押上では東京ソラマチには寄らず,まっすぐ東武の南栗橋行きに乗りました。駅のホームにリンゴの自販機があって,売り方は色々あるものだなぁと感心した。売れているんだろうかな。
 東武宇都宮駅に着いた。平日のオリオン通りを歩くことはまずないので,月曜19時のオ
リオン通りはどんなものかと思いきや,日曜の方が活気がある。月曜から飲む人はそんなに多くないのかね。

2021.11.01 メトロポリタン川崎に宿泊

● 8月7日以来の外泊。コロナ禍でホテルの宿泊料が安くなっている。安くなるその度合が尋常ではない。これでよくやれるなと思うほどだ。というか,これではやれないだろう。そろそろ終わりにしないといかな大ホテルでももたなくなる。
 しかし,一方では,こういう状況下でも生き残るためのノウハウの蓄積もできているんだろうか。従業員に血を吐くような努力をさせなければ実行できないノウハウはすなわちノウハウではないわけだが,そうではない真っ当なノウハウが生みだされているんだろうか。

● という状況なので,GoToが実施されるかされないかなどはどうでもいい問題だ。昨年からずっと宿泊するに恰好な状態が続いているのだ。しかも,それはコロナによる一時的なものだ。
 なら,コロナはこちらには追い風だ。そうそうできない体験が今ならできるぞ。というわけで,去年と今年は泊まれるだけ泊まろうというイケイケドンドン方針を実行してきた(できる範囲で)。
 コロナで痛撃を受けている宿泊業や観光業に従事してご飯を食べている人たちを応援しようという殊勝な心がけからではなく,自分たちの得だけを考えたエゴ丸出しの発想からだ。

● 8月7日までに今年は64泊している。緊急事態宣言もまん延防止も何するものかは。緊急事態宣言はまさにこちらには追い風だ。このまま走るつもりだったのだけれども,3ヶ月近く止まってしまったのは,第1に家庭の事情。ので,詳細は略。
 もうひとつ。ぼくも相方もワクチンを接種していなかったことだ。予約が取れる状態になってすぐに予約したのだが,2回目が終わったのは10月3日だった(相方は10月17日)。
 デルタ株が猛威をふるう状態でもよほどのバカをやらなければ感染はしないと思っているが,とはいえ,その状態で宿泊してしまっては,ホテル側には迷惑かもしれない。ので,日帰りでは何度も東京にも川崎にも来ているのだけども,宿泊はしなかった。

● が,ワクチンも摂取して,今はバリバリに効いているはずだ。泊まっても迷惑をかけることはあるまい。しかし,家庭の事情はそのままなので,連泊はできない。1泊だけ。
 となると,その1泊が貴重になる。1泊しかできないことを正当化しようとする心理の機序も動きだす。貪らないことが大事だな,楽しみを貪らないこと,貪ってしまうと楽しみを殺すことになるからな,などと。

● ホテルに着いたのは22時を過ぎていた。まず部屋飲み。酒はセブンイレブンで買い,肴は相方がラゾーナで買っておいてくれた。いや,充分なる贅沢感がありますよ。
 同じことを自宅でやってもこれほどは高揚しない。非日常空間なればこそとまとめてしまいたくなるが,そうなのだろうか。別な理由があるのかも知れないな。
 酔って駅東口のカオス度の高い旧市街を歩いて,倒れるように寝ました。

● で,今日。ホテルの朝食。奈良茶飯にありつけた。川崎といえば奈良茶飯と刷り込まれてしまったいるので,ガッツリいただきましたよ。
 これだけのものを朝から用意するのは,相当な負担だろう。朝食の黒字化はそもそもが不可能だろうに,その朝食にここまで注力するかね。

● こういう比較をするには細心の注意が必要だと思うのだが,こと朝食に関しては,虎ノ門のホテルOよりこちらの方が良いと思う。王侯貴族の気分を味わいたいならOだろうけど,気分より実を取るなら,リーズナブルな料金のこちら。
 ことさらに褒めているつもりはない。いいものはいいという,それだけのことだ。いい朝食は毎日でも飽きない。品数を今の半分に絞られても飽きることはないと思う。

● 選択肢が多すぎて途方に暮れることもないし,価格もかなり良心的。というか,この内実でこの価格はあり得ないほどに安い。すでに知る人ぞ知るの存在になっているんだろうけど,未体験の人は是非とも,と云々。
 ちなみに,選択肢が多すぎて途方に暮れる思いをするのは,東京ステーションホテルの朝食だ。いや,どれを取っても一級品であることはわかっている。ハズレはないはずだ。が,あの品数には圧倒されてしばし呆然となる。気を取り直すまでに少し時間がかかる。

● 昨夜は歯も磨かずに寝てしまった。風呂にも入っていない。ので,食後の朝風呂を決めよう。
 相方が入浴剤をたくさん持ってきた。1泊しかしないのにどうしてこんなに,と思ってはいけない。彼女とすれば,ホテルの部屋で入浴することが,宿泊する理由の大きな部分を占めているのだろう。楽しみたいという気持ちの現れだと共感的に理解しないとね。
 さて,どれにしようかな,神さまの言うとおり。で,嵐山にした(嵐山に温泉があったのか)。

● 足を伸ばせて,深さもある浴槽なら,温泉じゃなくても全然いい。今のホテルは入浴まわりも高水準。ジャパニーズスタイルをクリアしてるもんね。洗い場があるのがあたりまえになった。
 バスタオルで身体を拭いて,浴室を出ればそこにベッドがあるのだから,エアコンを低めに設定して身体の粗熱を取るときの快感を寝転びながら味わえる。温泉でなければならない理由はないな。

● 11時過ぎにチェックアウト。今回は川崎にはとどまらず,そのまま東京に向かった。