西口を出ると,そこは東向島。玉ノ井的な空気がここにも濃厚にあるように感じる。東武の各駅停車に乗れば,ひと駅で東向島駅(旧 玉ノ井駅)なのだから,それも道理。
永井荷風や吉行淳之介のひそみに倣うつもりはないけれども(倣えるはずもない),近くに宿を取って,腰を据えて飲みたいものだよ。一度や二度,飲んだところで,その地の何がわかるわけでもないけれど。
実際にはア・オ・トという音が大切なのであって,それにどんな漢字を当てるかはどうでもいいようなものだと思う。鮨を寿司と書き,最近は豆腐を豆富と書くこともあるようだけれども,そんなものは好きな漢字を当てたらよろしい。好きにしなさい。
● 率直に申しあげると,駅を出ると所在なさげな爺さんがタムロしてたりして,山谷的な雰囲気もないではない。ぼくは山谷も好きで,怖いもの見たさということではなく,わざわざ出かけて行ったことが何度もある。
この空気にはどこか懐かしさにつながるものがあるのだ。昔の日本を湛えているような。昔はどこもこんなふうだったよね,という。
京成押上線は押上が終着なのだが,押上から都営浅草線に入り,さらに京急線に乗り入れて,京急蒲田から羽田空港まで行くわけだろう。この他社線への相互乗入れは活気的だよね(関西の方が早かったんだろうか)。
東部の下町に住んでいる人も,羽田空港まで乗換えなしで行けるのだ。京成線なんだから成田空港も一本で行ける。便利じゃないか。今はコロナだからあまり空港に行くこともないかもしれないけれども,そろそろコロナも終わるからね。
● クリスマス商戦がコロナ以前に戻れば(といっても,コロナ以前も年々,クリスマスは盛りあがらなくなっていた印象があるんだけど),そうした華やかさに疎外感を感じる人も少なからず出てくる。コロナの方が良かったという人もいるかもな。っていうか,いるよな。
しかし,その疎外感は自分で処理してもらうしかない。俺が疎外感を覚えるんだからクリスマスなんかやめろ,というのは無理筋だもんね。クリスマス商戦が完全復活した暁には,そういうところには近寄らないをモットーにするしかない。ぼくもそうすると思う。
● 東武にはこんな切符もあったのね。JRの都区内パスのようなものですかね。フリーエリアはだいぶ狭いけれども。台東区と墨田区の循環バスにも乗れるから,きめ細かく動けそうだ。2日券を買って,ディープなエリアに沈潜するのもいいですな。って,2日じゃ足りないだろうけど。
こういうのがあると,墨田区や下町を散策してみようという気になる。安くて使い勝手のいい道具のようなものだ。
● ところで。朝方,JR宇都宮駅で振袖姿のお嬢さん2人を見かけた。オリオン通りまで歩いている間にも4人見かけた。うち1人は美容院から出てくるところだった。
さらに,オリオン通りでも2人。今日,何かあるんだろうか。コロナで成人式が延期になったとか。
● で,帰り,夜のオリオン通りと日野町通りの飲み屋の前に,そうした若い人の残党と思われる子たちがタムロしていた。やはり,今日は成人式だったようだ。
成人,おめでとう。人生で最も辛い時期はもう過ぎた。今までに比べれば,これからは楽だ。今までに比べれば,だけどね。
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