2020年5月22日金曜日

2020.05.22 老いても勢いを保つために75歳まで働く・・・・・・

● 年寄りにできる最大の社会貢献は健康でいることだ,と言われることがある。病気だ介護だとなると現役世代の負担を増やす。医療費も介護費も現役世代の人たちが負担してくれているのだ。
 とにかく健康でいること。それが年寄りにできる最大の社会貢献だよ,と。それ以外の年寄りの社会貢献願望は,たいていの場合,社会の迷惑だよ。

● では健康でいるためにはどうすればいいか。働くことだ。これは出口治明さんが著書で語っていたこと。
 60歳で定年になったからもう仕事はしないよ,もう65歳だからいいよ,っていうんではなくて,働ける間は働く。それが健康寿命を伸ばす一番の方法だ。

● 人生100年というのはさすがに少ないだろうけれども,90年はすでにリアルになりつつある。60歳で仕事を辞めてしまうと残り30年をどうするのだ?
 いや俺は75歳でいいよ,もうたくさんだよ,という人も多いと思うんだけれども,そういう人には,あんた,75歳になったら自殺するつもりですか,と問わなければならない。
 自殺なんてできる相談じゃないでしょう。なら,90歳までもたせなきゃいけない。好むと好まざるとにかかわらず(ぼくも90年は長すぎると思うけど)。

● 年金で生活できるかできないかという話ならば,たぶんできるだろう。田舎に住んでしかも持ち家だということならば,年金だけでもやっていけるはずだ。経済的にはどうにかなる。
 しかし,それでいいのか。30年も年金だけで暮らすことには,経済とは別の問題があるのではないか。お金的にはそうだとしても,お金の問題じゃないよね,もっと大事なことがあるよね,ということ。

● 何と言えばいいのか。“勢い”を保つという問題があるのじゃなかろうか。60歳で定年退職して,何もしなければ勢いはどんどんどんどん下がってしまう。その状態であと30年も生きるってのはどうなのよ。
 たとえば20代や30代の女性が,自分と酒を飲んでくれる,この人とだったら一緒に飲む時間を使ってもいいと思ってくれる。そのために一番必要なものは,おそらく勢いなのではないか(もちろん,女の人が一緒に飲んでくれるというのはあくまで1つのたとえだ。一番わかりやすいたとえだと思うので使ってみた)。
 年を重ねたからといって賢くなっているわけでもあるまい。勢いがなければタダの爺だ。タダの爺に他者への誘引力などあるわけがない。

● 勢いを自分に保ったままにしておくための,一番いい方法はおそらく仕事をしていることではないか。
 勢いを保つ(可能ならば増やす)ための方法は,仕事だけではない。それは当然だ。自分の好きなことや趣味にいそしむこと,さらには若い頃にやっておきたかったのに事情があってできなかったことを老いてからやるのも,勢いを生じさせるかもしれない。
 勢いを生む方法はいくつもある。が,多くの人にとっては仕事をするのが最も手っ取り早い方法かと思う。

● ので,健康寿命を延ばすために仕事をするという側面(あえて消極的な側面と言っておく)と勢いを保つために仕事をするという側面(積極的な側面)の2つがある。
 どちらが大事かと言うと,健康であればこそ勢いもあるわけなので,どちらも大事なんだけども,強いて言えば勢いの方かなぁ,と。

● 自分が現役だった頃から,いずれ年金は70歳が支給開始年齢になるだろうと言われていた。ざけんなよ,70歳まで働けっていうのかよ,と思ったものだ。
 しかし,実際に辞めてみると,ここから先が長いのだと実感する。よっぽど人間関係を苦手としていて,人嫌い,対人恐怖を抱えていたのであれば,定年までに散々苦労してきただろう。その先も同じ思いをすることはない。
 けれども,そうでもない限りは,75歳まで働くっていう構えを持っているべきかなと思う。実際に75歳まで働くか働かないかは別の問題だけども,人生90年がリアルになってしまった以上,そのように構えていた方が勢いを落とさずにすむ。勢いを保ったままあの世にジャンプできる。

● 75歳から後期高齢者になるわけだけども,その75歳までは働く,そこから先が老後だ。と,先日読んだ『老後の運命は54歳で決まる』で著者の櫻井秀勲さんは語っていた。それを思いだしたのだ。
 ま,ぼくも63歳で仕事を辞めてしまって,よくいえば悠々自適の暮らしを4月から始めたんだけど,それでいいのかと問われれば,正直よくわからない。

● ウチに来てくれないかって話があれば,また仕事をしてもいいかなと思う(そういうプロポーズはないと思うけどね)。
 一方で,自分は仕事から切り離されたところで勢いを作ってみせるぞ,という気持ちもあってね。っていうか,仕事よりも今のポジションの方が,自分にとっては勢いをつけやすい環境じゃないかとも思っていて。

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