● 若い頃は年に100万円は本題に充てていた。年収の4分の1を超えていたかもしれない。もう半世紀近い昔なので,サラリーマンであるぼくの年収など,そんなものだった。
どうです,すごいでしょ,と言いたいのではない。今から振り返ればアホなことをしていたなとも思えるのでね。
● しかし,もう本は図書館で借りて読むものになっている。本代なんて年に5万円も使っていないだろう。
なぜそうなったか。直接の原因は東日本大震災だ。本に限らず,モノを抱えていていいことなど何もないと教えてくれる出来事だったから。
が,それ以前に遡ることもできなくはない。結婚したことだ。相方が本が増えるのを嫌った。それを忖度したってのもある。結婚したのに自分の年収の数分の1を本代に充ててしまうのは,少し異常だと自分でも思ったからね。
● ま,そういうわけで,本代は劇的に減った。もっとも,それよりさらに減ったのもあって,それは酒代だ。本代に年間100万円を使っていた頃,酒代にはもっと使っていた。早い話が,職場を出て翌日出勤するまでの時間をどうしていたかといえば,飲んでるか読んでるかだった。
もちろん,かなりデフォルメして語っていますよ。正確にいえば,そうじゃない時間の過ごし方も大量にありましたよ。極論するとそういうことだ,ということですよ。
● ここで急転直下。コロナ給付金のことだ。何に使うか。貯金するってのはあり得ない。それでは給付の趣旨を殺してしまう。貯金するくらいなら,受給を辞退するか,どこぞに寄付すればいい。
もらって全額を使う,のが正解だ。可能ならば短時日のうちに使い切る。何に使ってもいいし,どこで使ってもいい。
ぼくは殊勝にも地元で使おうと思っているが,それにどれほどの意味があるのかは,われながらよくわからない。Amazonや楽天で使うのはダメなのかと問われれば,ダメな理由は1つも浮かんで来ない。
● その10万円は全部本代に充ててしまおう。久しぶりにゴソッとまとめて本を買ってみよう。
そう思った理由のひとつは,街の書店もコロナでかなりの打撃を受けていることだ。ここに来て緊急事態宣言が解除され,お客がだいぶ戻ってきているけれど,それまでは悲惨といっていい状態だった。
もちろん,もっと大きい打撃を被ったところが枚挙にいとまがないほどあるに違いない。まだ営業を再開していない飲食店だってあるのだし,旅館やホテルもできるサービスをさせてもらえない状況が続いている。
● それらの中には,コロナ以前にしばしばお世話になっていたところがある。そういうところにもないお金をかき集めて,訪ねていこうと思っているけれども,コロナ給付金はしばしば立ち読みをさせてもらっていた,地元の書店で使うことにしよう。
● で,そのコロナ給付金だけれども,29日に振り込まれることになっている。そしたら速攻で引き出して,その10万円を握りしめて・・・・・・ってわけなんだけど,29日を待たないで先行して使っちゃうことにした。
29日まで待っている理由がない。自分のお金で払っておいて,その分を給付金から補填する。
● で,まず宇都宮駅ビルの2階に入っている八重洲ブックセンター宇都宮店で次の4冊を買った。
①幡野広志『ぼくたちが選べなかったことを,選びなおすために。』(ポプラ社)
②幡野広志『なんで僕に聞くんだろう。』(幻冬舎)
③田中泰延『読みたいことを,書けばいい。』(ダイヤモンド社)
④堀江貴文『スマホ人生戦略』(学研プラス)
● 次は,駅東のうさぎや書店。
⑤⑥中村元編『原典訳 原始仏典 上』『下』(ちくま学芸文庫)
⑦パスカル(前田陽一・由木康 訳)『パンセ』(中公文庫)
⑧⑨宮崎市定『中国史 上』『下』
⑩⑪⑫井筒俊彦訳『コーラン 上』『中』『下』
⑬『文語訳 新約聖書』
⑭⑮『文語訳 旧約聖書Ⅰ 律法』『文語訳 旧約聖書Ⅲ 諸書』(以上,岩波文庫)
● さらに・・・・・・と行くつもりもあったんだけど,今日のところはここまで。以上で20,702円。あと,79,298円。この続きは,29日にコロナ給付金を受け取ってからになるかも。
言うも愚かだけれども,書店の助けになればと思ってやっているわけではない。自分が読んでみようと思っていたのを買っただけだ(⑤以降は読むかどうか怪しいものだが)。自分のためだ。
それを国がプレゼントしてくれたようなものだ。安倍晋三くん,どうもありがとう。とっても嬉しいよ。
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