2024年9月28日土曜日

2024.09.28 盛岡市内を散策

● ホテルの朝食。ダイワロイネットは東北各県の郷土料理を並べるのを掟にしているようで,ここも盛岡に特化しているわけではなかった。
 白い皿の右端は “いぶりがっこ”。宮澤賢治も食べていたのだろう。謹んでいただきました。タクアンなんだけど,製法が普通のとちょっと違う? てか,“いぶりがっこ” は秋田でしたね。でも,宮澤賢治も食べていたでしょう。

● 盛岡だから冷麺がある。汁を少しにするのが “オレ流” です。冷麺は昨夜も食べているんだけども,正直に言っていいですか。冷麺とはそもそもがさほどに旨いものではないのだ,と理解していいですか。
 といっても,椀子そば風の冷麺を5杯食べましたけどね。写真は2杯分です。

● これは何か。Binどん と書いてある。イクラ,シャケ,とろろ,めかぶ が詰まってて,それをご飯にかけて食べるらしい。
 ご飯にかけると,こんなふうになる。ツレがかなり気に入った様子でした。阿呆なぼくは,納豆もトッピングして食感を台なしにしちまいました。どうしても納豆を加えたいなら,ひきわりにする方がいい。
 〆はヨーグルトとカットフルーツ。オレンジとグレープフルーツが予想を超える甘さでした。

● 今日はいったん帰宅する予定だった。土曜日だからホテルの宿泊費が高くなるのでね。今夜は自宅に泊まって,明日は信州に出るつもりでいた。
 が,ツレは青森が相当気に入ってるようで,明日また青森で泊まりたいと言う。なら,帰らない方がいい。安く泊まれるホテルはないか。

● ありました。盛岡のリッチモンド。というわけで,盛岡に連泊となったんでした。
 「大人の休日倶楽部パス」で来てるんだから,動かないともったいないんだけど,今日は電車には乗らず,1日を盛岡散策に費やすことにする,と昨日のうちに決めた。

● 開運橋を渡って,盛岡の中心部に。駅前から延びる大通りを行くと,それがそのまま商店街になる。昔からここにあったのであろう “街の書店” やはんこ屋が健在。レトロ感を濃厚に残す。
 東京の下町を歩いていると,昭和の典型を目にすることがある。昭和は大都市にしか残らない,地方では静かに朽ちていく,と思っていたのだが,浅はかだった。

● 昭和が街ごと残っている。だから遅れているとか,時代に沿っていないという印象は受けない。これは風格というものだ。欧州の諸都市はすべてこうなのではないか。盛岡も建物の内部は現代化されているはずだからね。
 いや,青森も基本色は昭和だし,会津若松もそうだった。しかし,言葉を選ばずに言ってしまうと,青森には寂れた印象があるのに対して,盛岡にそれは感じない。広大な南部藩の藩都として歩んできた矜持が滲みているように見える。プライドの高さのようなものも,街の佇まいから感じた。会津若松もそうだった。弘前もそうなんだろうかな。

● 大通り商店街が終わると,盛岡城に至る。城はないが(明治新政府≒薩長の貧乏地侍 が廃城令を出したんだから),石垣はしっかりと残っている。敷地の一部では遺跡調査が行われていた。
 上ものが残っていたら,と思っても詮ないことだが,現在でも盛岡城跡が盛岡のセンターのようだ。城跡がどれだけ盛岡を引き締めているか。意識はしなくても市民の拠り所であり続けているのだろうと,こちらは勝手に思う。単なるランドマークではない。昨日今日できた◯◯タワーでは城址の代わりにはならない。

● 北上川と雫石川の合流点の近くにある。北上川の西側は川向うで化外の地だったのだろうか。あるいは,穢いものを捨てる場所。
 駅は西側にできたが,駅西に市街化が進展する勢いはあまり感じない。行政は旗を振っているのかもしれないが。

● 遠藤周作が “盛岡はきれいな街,長崎は美味しい街” という言い方をしていたのを憶えている。長崎は彼にとっては別格だったはずだから,盛岡が殊の外,お気に召したらしい。
 今の盛岡を見ても同じことを言うだろうか。言うんじゃないかな。

● さて,次は北上川と雫石川の合流点を見に行こう。城址から近いのだが,気分としては開運橋を起点にしたい。
 ので,いったん,大通りを引き返す。歩くこと,しばし。
 ここはどこか? ぼくの背後は盛南大橋ですよ。この道を行けば合流点に行けるようなのだが。

● 写真に写っているのは雫石川。手前は新幹線の,その向こうが在来線の線路。このちょっと先が合流点のはず。
 が,この先はこんなふうになってましてね。ここから先は立入禁止。写真の左側の白い部分が北上川。
 このハシゴを登って新幹線の線路に出れば,合流点が見えるんじゃないか。登ってみたい。間違いなく,通報されるでしょうねぇ。ということで,合流点はしかとは確認できませなんだ。

● 盛岡駅周辺にはマンションが林立している。インフレに転換して不動産価格も上がっているようなのだが(東京の不動産の値上がりは凄まじい),これだけのマンションが満室になっているとは,さすがに考えづらい。
 ぼくが心配するようなことでもないんだが,中国の “鬼城” のようなことにならなければいいんだけどね。

● 上述のとおり,今夜のホテルはリッチモンド盛岡駅前。14時からチェックインできる。その後はまた盛岡市街に。
 「賢治の大地館」なる物産館(Seria も入っている)にあるカウンター席の麺処で,680円の “中華そば”。同じ具材(メンマやチャーシューも)を販売している。買って帰って自分で作ると半額ですむが,これで680円はお安いこと。
 近くのパン屋で豆パンを買って,ホテルの部屋で食べた。

● リッチモンドの2階はラウンジになっている。ドリンクバーが付いている。宿泊者はもいろん利用できるが,ここで勉強したい高校生にも開放しているらしい。
 開放といってもタダではなく,500円か1000円は取っているのかもしれないが,合理的だと思う。どうせ日中は利用者はいない。ドリンクバー付きで,ホテルクオリティーのトイレも使える。高校生もリッチな気分で勉強できるだろう。

● 写真は誰もいないところを狙って撮っているが,けっこうな数の高校生が勉強していた。もちろん,昼寝してる高校生もいた。ぼくも彼らに混じって,手帳の整理を。
 利用時間は12:00〜20:00。朝はここが朝食会場になる。

● 夜,また市街を歩いてみる。土曜日の夜でも,満席の居酒屋がいくつもあった。お元気ですな,盛岡の皆さん。
 大通り商店街から1本奥に入ると,その筋の歓楽街になるようだ。「無料案内所」もあった。何人かの粋筋のお姉さんとすれ違った。が,この分野においては,盛岡はだいぶ大人しいんじゃないか。
 いや,その方がいいんでしょうけどね。こんなところでハメを外しても,そんなにいいことはないだろうからね。
 ま,今となっては,ぼくには無関係の世界ではありますよ。まったくの無関係。

● 盛岡駅ビルで惣菜なんぞ買って,ツレが青森のさくら野百貨店で買った「豊盃」の純米吟醸を飲んだ。
 あんまり息は上がらなかった。酒は飲める口を持った人と酒場で飲むのがいいですな。その場合,酒は極上である必要はない。

● エアコンのスイッチを切って,窓を少し開けて寝た。

0 件のコメント:

コメントを投稿