● 定年退職組の中には大学(院)で勉強したいと考えて,実行している人がけっこういるのかもしれない。通信制や放送大学なら費用も安くてすむ。
が,ぼくはやめておけという意見。理由は2つ。
● 第1は,自分にはまだまだ知らないことがある,だから勉強しなければ,と思うのだろうが,いくら書斎の勉強を続けてみたところで,知らないことは減らないということ。
いや,減ることは減るだろうけれども,それは中禅寺湖の湖水がバケツ1杯分だけ減ったようなもので,総体としては不変といっていいものかと思う。書斎の勉強で知れることなど,それこそしれたものだろう。
● 第2はインターネットの普及だ。インターネットが大学を不要にしたとまで言うつもりはないけれども,少なくとも中高年の学び(学び直し)の場として大学は最適とは言い難くなった。
インターネットを使った独学が大学に勝るだろう。
● これまで,遠隔教育の限界が説かれることが多かった。しかし,その情報はそれによって利益を得ている側によって説かれていたのだろう。
今回のコロナ禍によって明らかになったことは色々あるが,その中のひとつがこれだろう。遠隔ではすまないことももちろんあろうけれども,しかし,たいていのことは遠隔で対応できることが証明されたのではないか。
● 社会人大学(院)などというのは,社会人側にそういう需要があったというよりも,少子化による学生数の減少で,定員を確保することが難しくなり,経営難に見舞われることが明らかになった大学側が,事態を打開するために言いだしたのではないか。メディアと一部の勉強好きがそれに乗ったというだけのことではないか。
還暦まで生きてきた人間が,時代に対応できない経営体を助けるために,自らの残り少ない時間とお金を費やすのは馬鹿げたことだ。潰れて然るべきものを潰さないで残存させてしまうのは,悪事に手を貸すようなものだ。
● どうしてもと言うなら,NHKの各種講座でいいのではないか。語学なら専門学校に通うよりずっといいだろうし,語学以外でも「100分で名著」は大学の授業よりレベルが高い。理系の番組がないのが困るんだが。
しかし,NHKの講座ももうなくてもいいんじゃないかと思う。教材も教授法もネットにある。
● まぁ,しかし。自分の時間と自分のお金を何に使おうと,それは完全にその人の自由だ。そこは動かないところだけれども。
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