ぼくの狭い体験からすると,東京ステーションホテルではないかと思う。あの時間帯になぜあれだけの品数をあの水準で用意することができるのか。現代の奇跡のひとつに数えてもいいような気がする。
プリンス高輪の「パテオ」で供される朝食も好きだ。日本庭園の借景がテンションを上げてくれる。今だと,宿泊客の過半はインバウンドの外国人だが,彼らが嬉しそうにパンを頬ばるのを眺めるのも味わい深いものだ。
● が,一番好きなのをひとつ挙げろと言われれば,ミューザの隣のホテルの朝食ということになる。
ぼくは和食党なので,朝食も基本,白米主体になる。バイキング方式なので,移り気な気分によって選ぶのだが,東京ステーションホテルとは違って,選べなくて呆然と佇むといったことにはならない。品数がべら棒に多いわけではない。
どうです? 普通でしょ。
● ところが,これらの何の変哲もない料理の一つひとつが,何と言うのか,ほどがいいのだ。“ほどがいい” という言い方が適当かどうか。染み染みと旨いと感じるのだ。
鮭の切り身を焼いたのなんか,どこで食べてもそうそう変わるまいと思うのだが,塩味といい焼き上がりの火の通り方といい,ほどがいいのだ(ま,ぼくはちょっとだけ醤油をつけてしまうんだけどね)。
だし巻き卵,然り。フワフワすぎず,しっかりしすぎず,誠にどうもほどがいい。
● 王者の朝食とはかくもあらん,と食べるたびに思う。ぼくのような者が食べていいのか。
ダメだと言われても食べるけれども,ミューザの隣のホテルに泊まる大きな楽しみにこの朝食がある。
● 結局,温泉(?)と朝食だね。このふたつ。朝食だけが良くて,他はダメということは通常はない。
ビジネスホテルだと,飲食部門は他業者に委託しているところがあって,飲食はいいのに他はどうも,と感じることが皆無ではないにしても,そういうことはまぁまぁない。
その海苔を千切ってご飯に敷き,そこに漬けマグロととろろを載せて,丼にするのもここでの慣わしになっている。つまりは,食べすぎることになる。1日2食を厳守しないと,エラいことになりそうだ。
いちいち断るのも野暮天だけど,こんなことをしてもモテませんからね。ね。西に黄色で金運アップというのを信じる人はいないと思うんだけども,時々,例外がいるんじゃないかと思ってさ。
パイナップルも甘くて旨い。基本,手抜きがないと感じる。
ラゾーナの近くにある女躰神社。女躰大神って,御神体を拝観したくなるね。
かつての日本人はおおらかで,余計な思考操作を加えなかったのだと考えるのが一番シックリ来ますか? 女躰は即ち神になり得るもの。
祀り上げた後でも,神って人間の都合で無実の罪を着せられたり,いいように使われたりするからな。
結局,昨日と同じカプリチョーザ。昨日は白だったので,今日は赤ワインを飲みましたよ。九条ネギのペペロンチーノ。
正直に言うと,自分にはサイゼリヤで充分だなと思いながら美味しくいただきましたよ。
● お客さんの中には,若い男女もいる。ある程度まで親しくなった仲なんでしょうね。初デートじゃカプリには来ないでしょ。こなれた仲になってから来るところじゃないですか。そうは言っても,高校生にとってはそれなりにハレの場ではあるんだと思う。
君たちの仲は結婚に発展することはないだろうけど(あってしまったら,むしろ不幸につながりやすいぞ),何だか羨ましいわ。一度しか通れない道だから。
がんばれ,若者。今の楽しさも不甲斐なさも,後になれば笑える話になるぞ。今しかできないことを一所懸命にやっておけ。
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