この機を逃してなるかと,ミューザの隣のホテルに,入りびたるところまでは行かなかったが,けっこう頻繁に通うことになった。宿泊中に神奈川に緊急事態宣言が出るなんてこともあったが,緊急事態宣言を意に介した記憶もあまりない。
そうは言っても,二度目のワクチン接種を終えたときにはホッとしたけどね。
● このホテルは2020年に開業して,開業早々,コロナにぶつかってしまったが,2020年は五輪が開催されるはずだったのだから,同じようなホテルはけっこうな数,あったはずだ。
できたばかりの新しいホテルに安く泊まれたわけで,あのとき思いきって散財しておいて良かったと,今でも自分の判断を褒めてやりたい。
● 川崎に行き始めた当初は,わりと川崎について勉強したと言うかね,旧東海道を歩いてみたり,「東海道かわさき宿交流館」にも何度か行った。
そこで知ったのが奈良茶飯というやつ。六郷川(多摩川)を渡しで渡って川崎宿に入ると,万年屋という旅籠(元は一膳飯屋)があり,そこで旅人に供されたのが奈良茶飯。小豆や大豆,栗を炊き込んだ炊き込みご飯だったらしいのだが,これが評判を呼んだらしい。
● それがどんなものだったかは学究(?)が微細に調べていると思う。再現しようとすればできるはすだと思っているが,それは見たことも食べたこともない。
ぼくが持つ疑問は,川崎で出していたのに,なぜ奈良という名前が付いたのか,ということくらいだ。
● 奈良茶飯の忠実な再現ではないけれども,現代風に洗練させた「奈良茶飯風おこわ」が川崎の名物のひとつになってるらしい。
江戸時代のものそのままでは現代人の口には合わないどころか,食欲をそそらないだろうし,稗や粟など原材料の手当も難しかろう。価格も洒落にならないものになるかもしれない。
そういうホテルは他にもあるのだろうと思うが,ミューザの隣のホテルに来れば確実に奈良茶飯にありつける。なので,何度も食べている。
江戸時代の栗は野趣に富んだものだったろうが,今様の奈良茶飯は砂糖漬けのお菓子のような栗を使っているほんのりと甘みがある。
● ところが,その奈良茶飯,かつては毎日供されていたのに,2日に1回になり,3日に1回になり,ついには3連泊しても出て来ないことがあるようになった。原価もけっこうかかりそうだから,間遠くなったのもわかるんですけどね。
今回も3連泊で,今日が3回目の朝食になるのだが,出て来ないだろうなと諦めてたんですけどね。
奈良茶飯のときは蜆の味噌汁もセットになる。これらを食べて,江戸時代の旅籠に泊まった旅人の気分に浸るのはさすがに無理だけれども,妄想(よく言えば,思いを馳せる)の資にすることはできる。
何より,単純に旨いのでね。餅米だから食べすぎると後が辛い。大人なんだから,そのあたりは弁えてほどほどに。
あと,焼きそばもあってね。これも不定期なんですかね。麺はかなり柔らかめ。けど,これも旨くてね。
野菜は大きめにザックリと切ってある。これがいいんですかね。味付けはオイスターソースを使っているようなんだけれども,それ以外はわかりません。
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