2021年1月31日日曜日

2021.01.31 武蔵野線の旅

● 今日は武蔵小金井に行く予定。まずはガラ空きの宇都宮線に乗るわけだが,どういう行程を辿ろうか。
 上野で山手線に乗り換えて神田から中央線に乗るか。東京まで行ってしまって同じく中央線に乗るか。赤羽から埼京線に乗り換えて新宿で中央線に乗るか。まぁ,この3つが候補になるわけだ。
 が,今回は浦和で京浜東北線に乗り換えてひと駅,南浦和から武蔵野線で西国分寺まで行き,中央線で武蔵小金井に行ってみようと思う。南浦和で乗換えるのは20年ぶりくらい。

● 昔,南浦和で武蔵野線に乗り換えて武蔵浦和に行ったことがあるのだけども,なぜそんなことをしたのかは憶えていない。大宮で埼京線に乗り換えればすむものを。
 ひょっとすると,ないことをあることとして記憶してしまっているだけなのかもしれない。今日はそういうことではなく,ちゃんと意味のある(?)南浦和での乗換だ。

● で,武蔵野線の人になった。西浦和を出発すると,荒川と荒川の支川を何本か渡って,北朝霞に着く。この間,同じ埼玉県なんだけど,違う国に入った感があって,何だかワクワクする。
 陸路で国境を越えた,みたいな。パスポートのチェックがないぞ,ここはEU方式を採用しているのか,みたいな。

● 新秋津を出るとかなり長いトンネル。首都圏にこんなに長いトンネルがあったのか。そのトンネルを出ると新小平。また,違う国に来た。
 と思ったら,再び長いトンネルに入った。出たところが西国分寺。
 わりとあっけなかった。宇都宮からだと,東京や新宿で乗り換えるよりもこのルートを辿った方が速いですかね。

● ここでミス。武蔵小金井に行くには東京方面に向かうべきところ,立川方面行きのホームに行ってしまったのだ。
 いったんは東京方面行きのホームに立ったにもかかわらず,わざわざ間違ったホームに移動したのだ。何やってんだかな。

● それで1本遅い電車になってしまったのだが,次の電車を30分も待つわけではないからね。次の電車がすぐに来る。ここは栃木じゃないんでした。
 武蔵小金井で不思議だと思うのは,駅が本町にあることだ。駅の北も南も本町。線路が敷かれたときには何もなくて,駅を中心に人が集まって街ができたんだろうか。このあたりは,古代には武蔵国の中央に近かったんだろうけどね。

● 武蔵小金井駅北口を出たところにある吉野家。お客さんは減っちゃってますなぁ。
 卵かけ牛丼が462円。こんなに旨いのをこんなに安く食べられるのは,日本くらいのものでしょうよ。もう,東南アジアでもないんじゃない? 日本は物価の安い国になりました。
 コロナで人の流れを遮断しているから,物価の安さを日本人が独占できている。これはこれで結構なこと。

● 往きと同じルートで引返す。西国分寺から府中本町に出て,川崎経由で帰るのも考えたんだけど,今回はやめておく。
 昔,JR線の全線完乗なんてのを目指していた頃に,この路線も乗っている。記憶からは脱落しているのだが,乗っているのは間違いない。もう一度乗ってももちろんいいんだけども(“休日おでかけパス” のメリットを活かせるし),今日じゃなくてもいいか,と。

● 武蔵野線の空気は宇都宮線とほぼ同じ。ローカル色が濃いですなぁ。気持ちが安らぎますわ。
 っていうかさ,日本の大半は田舎なんだよね。首都圏も同じ。基本は田舎なの。日本橋や銀座,六本木は,特殊中の特殊なんですよ。

● 浦和で下車。新幹線こそ停まらないけど,新幹線なんか乗らない自分には関係ない。浦和はけっこう交通のハブとして使える。ぼく的には,ですけど。東京ではなく新橋がホームになってるのと同じ。
 高崎線も宇都宮線も京浜東北線も,湘南新宿ラインも上野東京ラインも,停車する。大宮駅ほどだだっ広くない。その分,かえって使い勝手がいい。大宮から浦和にシフトすると思う。

● だってね,浦和には蔦屋書店もあるんですよ。電車の待合せ時間が楽しくなります。
 さすがに,銀座のような尖った特徴は出しにくく,普通の書店的な品揃えですが,そこは蔦屋書店のことゆえ,ここだけで小さな街になっておりますよ。

2021年1月30日土曜日

2021.01.30 赤塚~光が丘~渋谷~新橋

● 今週末も2日間とも東京に出かける予定。今日は用あって練馬の光が丘に行く。
 宇都宮線の車中。車内の広告で一番多いのは脱毛のやつ。色々ある。男性宛てのもある。どういうこと? 流行っているのか,流行っていたのにこのコロナ禍でカモが激減しちゃってるのか。
 週刊誌の中吊りなんて,まったく見かけない。中吊りを見れば読む必要なし,と言われた時代は遠くへ去った(念のために申さば,完全に消えたわけではない。残っているものもある)。









● 自治医大駅で下車して,「休日おでかけパス」を購入。明日の分も買った。今日よりも明日の方が,休日パスが活きるはずだけども,JRで首都圏を移動するにはこれは便利。自治医大駅で降りるんだから1本遅れるわけだけど,これはそうしてでも買っておいた方がいいでしょう。
 自治医大駅のホームから冬の空を眺めてみる。寒いけど,確実に春を孕み始めている。

● 湘南新宿ラインで池袋。ここからメトロ副都心線に乗り換えて,地下鉄赤塚駅で降りる。板橋区と練馬区の区境にある。東京都下でもいたって地味なエリアと言ってよろしかろう。
 光が丘の最寄駅は都営大江戸線なのだが(光が丘駅は大江戸線の終着駅),今回は赤塚から約2キロを歩いてみようと思う。

● 赤塚駅を上がって地上に出ると,川越街道。そこを渡って次の細い道を東に向かう。と,いたってスムーズに動けたように書いているけれども,これは後から地図を見ているわけで,現地では行きつ戻りつがあったのは言うまでもない。ぼくは方向音痴を辞任している。現地でどっちが東かなんてのはわからない。
 とにかく東に行くと,“ゆりの木” という団地群が現れる。ゆりの木商店街があり,ゆりの木児童館があり,ゆりの木保育園がある。小さい子を連れた母親がゆっくり歩いていたりする。

● が,商店街(道の両側に商店が並んでいるのではないのだが)にさほどの活気は感じなかった。20年後,30年後にはこのあたりはどうなっているだろう。高島平や多摩ニュータウンを見るにつけ,人工的に拵えた住宅街はあまり長い寿命を持たないものであることがわかる。
 いや,奈良の飛鳥をはじめ,かつて栄華を誇ったであろうところが,今は何もないただの田舎になっている例はさほどに珍しいものではない。栄枯は移るのであるけれども,人工度が高いところは短期間で移り変わる。

● ということをツラツラ思いながら,歩いていると,光が丘公園に至る。景観も都会成分が濃くなってくる。何より,一気に人が増える。
 代々木公園には及ばないけれども,かなり広い公園だ。公園内に野球場もテニスコートも陸上競技場もある。
 老若男女が思い思いに繰りだしている。コロナの緊急事態宣言が出ていることを忘れさせる。
 銀座や日本橋は,そこに住んでいる人はそんなに多くはなく,よそからやって来た人たちが賑わいを作りだす。したがって,緊急事態宣言が出ると,その賑わいが面白いように消失する。
 が,ここはそうではない。ここに住んでいる人たちが集まっているのだ。緊急事態宣言が出ようがどうしようが,他に行くところはない。ここに来るしかない。でなければ,本当に家の中から出ないでいるほかはない。

● 光が丘公園を横断というのか縦断というのか,要するに横切って南に出ると,そこが光が丘の中心部。都営大江戸線の光が丘駅があり,大きな病院があり,ショッピングモール(光が丘IMA)がある。高層住宅の建物がニョキニョキと生えている。
 そのショッピングモールにも人が多い。食堂やレストラン,ファストフード店にも行列ができていたりする。銀座や日本橋とはやはり様相を異にする。

● 大江戸線に乗って東中野でJR線に乗り換えた。大江戸線は新宿まで行くので,新宿で乗り換えればいいようなものだが,新宿で乗り換えるのは億劫だ。
 新宿から山手線に乗り継いで渋谷に行って見ようと思っているので,どっちにしたって新宿で乗り換えるんだけども,JR駅の中ですむのと,地下鉄の新宿駅からJRの新宿駅まで動くのとでは,田舎者にしたらかなり違うのだ。

● なぜ渋谷に行こうと思ったかというと,渋谷LoFtを覗いてみたくなったからだ。渋谷LoFtには過去に二度来ているし,それ以外でも渋谷には何度も訪れている。いくらぼくでも,さすがに。
 しかし,東京で最も苦手な場所は渋谷だ(新宿には慣れてきた)。とにかく人が多い。今日も普段よりは少ないのだろうけど,それでも人酔いする。
 もうひとつ,地理が飲みこめない。道玄坂とセンター街と文化村通り。そりゃ,地図で見ればなるほどこっちが道玄坂でここがセンター街かとわかるけれど,現地にその地図をあてはめるのに難渋する。だから渋谷という。

● ハチ公口を出て,ニッチもサッチも行かなくなるのだ。たとえば,ここから渋谷LoFtはわずかの距離だ。それでも,行くときは最短距離で行けたのに,帰りに迷ってとんでもなく遠回りを強いられたことがある。
 そういう思いをしたのだから,次からはパッと行けるかというと,そういうふうにならない。

● ハチ公前で,マスクはするなと街頭演説をやってるグループがいた。しかも,若い人たち。
 歳を取るとバカが先鋭化するから,ジジイやババアがやってるならまだわかるんだけどね。
 若いんだから,人のことなんか構ってないで,自分の人生に集中しなよ,と思ったことであったよ。

● どうしてそんな余計なことをするのかといえば,暇だからだよねぇ。小人閑居して不善を為す,の類なんだよね。
 バカには忙しくさせといた方がいいんだよ。暇なんて贅沢なものを与えちゃいけないんだわ。・・・・・・あぁ,忙しい,忙しい!!

● 渋谷から山手線に乗って,品川まで来るとホッとする。池袋~新宿~渋谷の湘南新宿ライン文化圏から上野東京ライン文化圏に出たからだ。
 「ふるさとの訛なつかし停車場」の趣を湛えているのは上野東京ラインの方だ。宇都宮からJRで東京に出る場合,ついこの間までは必ず上野で乗り換えることになっていた。東北や北関東から上京するときは,上野がターミナル駅だった。「くじけちゃいけない,人生は」と励ましてくれる「おいらの心の駅」であり続けたのだ。湘南新宿ラインはアウェイなのだ。

● 上野東京ラインの開通以来,それまで上野駅が持っていたターミナル機能は新橋駅にそのまま移行された。ぼくの場合は,だけど。
 東京駅のように大きすぎない。銀座にも近い。メトロ銀座線に乗り換えられるのだから,ここからどこに向かうにしてもまずもって不便はない。港区の下町は田舎者にも居心地がいい。
 その新橋駅構内の「かのや」。天丼セット,700円。今日初めての食事。中国人(たぶん)のお姉さん,今日は元気に働いていた。この人がいるとなんかホッとする。この店の看板娘だよね,もう。

2021年1月24日日曜日

2021.01.24 栃木県のチベットにある運転免許センターへ

● 銀座のビジネスホテルに泊まったのは,今日の正午に開演される演奏会に行くためだった。ゆっくり朝風呂に浸かって温まってからチェックアウトすればいいな,と思ってた。
 しかぁし。目論見は狂ってしまった。明日は早々に帰らなければならない。なぜ? 明日までに運転免許を更新しなければいけないからだ。すっかり忘れてた。昨日は家に帰っているべきだったのだ。
 そうしなかったのは,気がついたのが一昨日だったから。ホテルのキャンセルがきかなくなっていたのだ。

● ので,朝早くにホテルを出て,栃木県のチベットにある運転免許センターまで行かなければならない(栃木じたいがチベットじゃないか,という意見もあるかもしれないが)。日曜日は警察署では取扱わないから。億劫すぎるにも程があるぞ。
 コロナで期限延長できるのかもしれないけど,どうせやらなければならないのだから,今日やってしまおう。
 次回更新したら,免許を返納しようと思っている。その時点でぼくは74歳になっているから。

● で,今朝は6時半に起床。しかも,目覚ましなしで。やればできるものですな。
 昼夜逆転の身には,堪えますけどね。6時半って,寝入ってそんなに経ってない時間だもんなぁ。去年の3月までは毎日6時起きだったのが信じられん。遠い昔のようだ。

● ホテルをチェックアウトして,地下鉄の銀座駅に向かう。都心でも積雪という予報ははずれたようだ。が,昨日に引き続いて,冷えこみは厳しい。
 銀座線,半蔵門線を乗り継いで,押上。押上発7:48の南栗橋行きに乗らないと,免許更新に間にあわない。

● 30分ほど時間があったので,開いててよかった,のコンビニでパンとコーヒーの朝食。こんな時間から働いてる人がいてくれるおかげだ。誰かの不幸がないと誰かの幸せはないんだなと思ってしまうよ。これって,Win-Winじゃねーぞ。
 と思ってしまうのは,働くことが幸せだとは見えないからだ。見えないっていうか,自分がそうだったからだ。

● 南栗橋で東武宇都宮行きに接続。新栃木駅で日光線に乗換。東武日光線に乗ることは滅多にない。この沿線に用なんかないもんね。この沿線の人たちも栃木県の宇都宮以北に用なんかないだろう。
 で,楡木駅で下車。この駅で降りるのは,生まれて初めて。おそらく,この先もないと思う。文字どおりの一期一会だ。
 ちなみに,東武の株主優待乗車証を金券ショップで買ってある。770円だ。メトロの運賃を含めて,銀座からここまで970円ということになる。安っ。

● ここから関東バスに乗って運転免許センターに行くのだが,駅前までバスが来るわけではない。バス停まで歩かなくてはいけない。けっこうな距離があるんだよね。
 晴れててくれればいいんだけど,雨が降ってやがる。バス停に着いてからも30分ばかり雨に打たれて待つ,と。寒いんだよ,かなり。しかし,このバスしかないわけでね。

● やっとチベットに着いたよ。バス代は360円だった。チベットに運転免許の更新に来るときは,車で来るのが基本というもの。こんなことになったのは誰のせいだ?(→ おまえだよ)
 午前中の手続きには間にあわない。午後の受付は13時から。この寒々としたところで2時間も待たなければならない。誰のせいだよ(→ おまえだよ)。
 予定ではさ,今頃はホテルでヌクヌクと朝風呂に浸かっているはずなんだが。何でこんなことになってんだよ。誰のせいだよ(→ おまえだよ)。

● 運転免許更新は恙なく終了。1日仕事になってしまった。ま,東京なんかに泊まってるのがいけないんだが。こういうものは,通知を受けたらすぐにやってしまった方がいいやね。っていうことをこの歳になって言ってるようじゃしょうがないんだけどさ。
 コロナの緊急事態宣言が出ていて,飲食業者には営業時間の短縮を要請している。のに,こういうものは従前と同じようにやっている。大丈夫なのかね,これで。無条件で(つまり,一切の手続きなしで)3ヶ月延長するといった措置をした方がいいのじゃないかと思わぬでもない。

● 免許更新時に交通安全協会費を払っている人はどれくらいいるんだろう。けっこう払っている人が多いようなのだが。
 ぼくも払うことが多かったが,いつからかこの支払は拒否している。自治会で事実上の強制徴収をされてるからだ。免許更新時にも払わせようとは,ボッタクリも甚だしい。それ以前に,交通事故防止は税金でやるべきではないのか。
 と思っていたからなのだが,申しわけない,これはぼくの勘違いだった。自治会では徴収していない。どうしてそう思い込んでしまったのか。

● 運転免許センターから宇都宮駅までのバス代は600円。楡木駅から宇都宮駅までが,銀座から楡木駅までよりも高い。文句を言うつもりはないんですよ。田舎のバスなんだから,電車より高いのは当然で。
 ただ,地方で自家用車なしで生活するのはかなり高コストになるとは言える。車って,税金,車検,車庫代,ガソリン代を含めると,維持コストがとんでもない,その都度タクシーを使った方が安くつく,と言われることがあるんだけど,地方にいたんじゃ車なしではすまない。自家用車を代替できるだけの交通インフラは,タクシーを含めてもないような気がする。

2021年1月23日土曜日

2021.01.23 ホテルグレイスリー銀座に投宿

● 今日は埼玉で,明日は東京で室内楽を聴く予定。しかも,明日は正午開演。
 だったら,今夜は東京に泊まってしまえというわけで,ホテルグレイスリー銀座に投宿。ビジネスホテルであります。ワシントンホテルを展開する藤田観光が運営している。

● フロントは3階にある。客室は4~13階。チェックインをしたあとは,1階から直接部屋階に行くことができる。
 ぼくの部屋は9階の920号室。17㎡のシングル。一休から予約したのだが,銀座なのに,GoTo停止なのに,4,200円なのだ。デフレが進行しているんでしょうかなぁ。つーか,コロナのせいでしょうねぇ。

● 狭いし,デスクもないんだけど(上の写真の左に見えるのは,デスクとしては使えない),何か感じがいい。
 製氷機は各階にあり。冷蔵庫にはペットボトルの水が1本入っている(無料)。あとはご自由にお使いくださいというスタイル。これだとチェックアウトのときに面倒がなくていい。
 窓からはフェラガモのビルが見える(ビルビューということね。銀座だから)。フロントの対応はさすがは銀座の洗練ぶり。
● せっかくの銀座だけど雨が降ってるんで,コンビニで買っておいた缶チューハイで部屋飲み。ぼくにはこれで充分。この17㎡が龍宮城。銀座で飲んだんだぜ,と言いふらしたい。
 22時過ぎに中央通りに出てみた。あいにくの天気もあるのだろうが,歩いている人はいない。開いているのはコンビニだけだ。これじゃ銀座といえども,そぞろ歩きの楽しみはないね。

● 外に出るときに,入口のところでヒシと抱き合っているカップルがいてね。男は60歳に近い50代,女は40歳に近い30代。
 どんな関係なんだろと思ってしまうゲスさ加減はぼくも持ち合わせていて,この2人,何なんだろと考えました。パパ活女子とそのパパ? にしては,女はホテルに入っていって,男はそれを見届けてから外に歩いていったんだよなぁ。

● この時期にホテルにいることのありがたさといえば,薄着でいられることだ。お湯を惜しげもなく入れ替えて,何度も風呂に入れることだ。
 避寒の場所としてホテルに勝るものはない。春夏秋冬,ホテルに泊まってダラダラするのはいいものだが,特に酷暑の夏と酷寒の冬は,ホテルに限る。

● 軽井沢の別荘に避暑に行っておりましたの,とのたまうオババは豚のエサになりやがれ。いや,軽井沢が悪いんじゃなくて,夏の間,軽井沢のホテルで暮らせばいいじゃないか。
 別荘を持つ手はないだろう。別荘を持つというのは,どこかに品下れる感があるんだがなぁ。ま,持てない者の僻みなんだろうけどさ。

2021年1月21日木曜日

2021.01.21 Amazonのプライム会員になって丸2年

● その間,Amazonで買物したのは片手で数えられる程度。ゆえに,送料無料の恩恵は無視してもいいほどに少ない。
 もっぱら,プライムビデオを見るために年会費を払っている。2年間で424本,直近の1年では272本の映画を見ている。1本あたり18円。

● 数年前までレンタルショップで1本200円で借りてたんですよ。その頃の1割以下になってますよ。しかも,借りに返しに,ショップまで車を走らせる必要がない。延滞金が発生する余地もない。Amazon様々ですよ。
 ぼくの地元にはハーマンというレンタルショップがあったが,今はレンタルの店は閉めて,リサイクルショップになっている。あのTSUTAYAもだいぶ店舗数を減らしている。

● 往年の名画的なものは,洋ものであれ和ものであれ,地元の公立図書館でDVDを借りて見ることもできる。が,“大切に扱ってください。もし毀損した場合は弁償していただく場合があります” なんぞと書いてある。
 公共物を意図的に毀損するバカはよほどの例外だ。毀損はほぼ百パーセント過失による。DVDというブツがあるから毀損も起こる。Amazonプライムビデオならそのブツがない。

● 問題はコンテンツであって媒体ではないのだから,動画や音楽はデジタル化と親和性が高い。レンタルショップが成立していたのは,インターネットの回線が細くて大容量の動画を送ることが難しかった期間に限られた。
 ぼくのような素人がこんなことを言えるのも,結果が出ているからだ。映画がここまで安くなるとは,それが現実のものになるまで,ぼくは考えたことがなかった。

● 昔の話をしても仕方がないけれども,その昔は映画なんて滅多に見られないものだったからね。隣町に映画館がひとつあって,バスに乗って見に行くものだった。
 夏休みに1回,冬休みに1回,くらいのものでしたよ。もっと少なかったか。テレビに押されて,映画界が沈滞期にあったのも影響しているかもしれないけどね。

● もっと早くプライム会員になっときゃよかったよ。逸失利益はけっこう大きいかもだね。
 おそらく,Amazonは年会費を上げてくるでしょ。欧米に比べて日本だけ安いから。といっても,Hulu や Netflix と競合するので限度はあるけれど,1万円までは上げてきますよね。でも,1万円なら問題なく許容範囲だと思っている。

● 自分の老後を安寧ならしめてくれる要因の1つ,しかもその最右翼がインターネットだ。GoogleとAmazonだ。
 両社とも今後の安泰が保証されているわけではないが,どうか頑張ってもらいたい。

2021年1月17日日曜日

2021.01.17 富士そばをハシゴ

● 富士そばのハシゴ? どうしてそんなことをするか,そんなことになるのか,といえば,生来内気な性格で,1人のときは立食いそばか吉野家にしか入れないからだ。
 もちろん,多少は誇張して言っているわけで,たとえば松屋とかなか卯にも入ることはできる。けど,まぁ,そんなところだ。サブウェイになるとダメだ。注文の仕方がわからないからだ。
 まして,夜に知らない酒場に1人で入るなんて,コロナに関係なく,とても無理だ。若い頃からそうだ。

● ま,そういうことはさておいて。池袋に来たので,駅西口の富士そば。特盛り,530円。100円しか違わないんだから富士山盛りにしとけばよかった,と思ってしまうケチ根性,どうにかならんかな。

● 冷たい蕎麦を食べるときに大事なのは,蕎麦をきちんと冷やすこと。真冬でも氷水で冷やした方がいい。これさえやっておけば,麺はスーパーで売っている乾麺で,汁は “創味のつゆ” でいいわけだ。あとはネギを刻む手間だけかければいい。
 と思うんだけれども,自分でやるとそれだけのことがなかなかできないんですよ。

● 浅草に移動。浅草がかつては銀座を凌ぐ繁華街だったことは,知識としては知っている。今だって雷門通りや仲見世通りをはじめ,賑わっている。
 コロナで緊急事態宣言が出されている今でも,それなりの人出がある。日本橋や銀座より凹みは少ないかもしれない。
 が,東武線で来れば浅草が東京の玄関口になるわけだが,だいたいはそそくさと銀座線に乗ってしまうな。浅草について実地に知るところはかなり少ない。

● 唯一の例外は駅前の富士そば。でもって,本日2度目の富士そば。ミニかつ丼セット,580円。
 でも,飽きることはないからね。人生には飽きても,富士そばには飽きない。

2021.01.17 池袋~日本橋~浅草

● 緊急事態宣言が出ている栃木県から,同じく緊急事態宣言が出ている埼玉県を経て,やはり緊急事態宣言が出ている東京都に向かっている。
 もちろん,今日も不要不急の用事で出かけるのだ。急を要する用事というのは,些かなりとも緊張を強いられる。場合によっては胃が痛くなるような状況になる。そんなものには遭遇したくないものだ。不要不急だからこそ,日々が潤うのだ。

● 自分がコロナに感染するはずがないという根拠のない思い込みに支配されていないか,というところは点検してみる必要がある。生来,お調子者のところがあると自覚しているから。
 そんなことはないと断言することはできないのが正直なところだけれども,密閉・密集・密接を避け,盛りあがっている集団に近づかないようにしていれば,まずもってコロナ感染を気にする必要はないのではないか。

東武 南栗橋駅
● 緊急事態宣言が出た8日以降,電車も空いているし,街を歩いている人も減っているのだから,感染リスクはむしろ減少している。ならば,街に出て,わずかでもお金を使って,経済の回転に貢献するのが人の道(?)というものではないか。
 みんながお金を使っているときに,自分も同じことをしても仕方がない。みんながしないときにするのが肝心としたものだ。

● 今日は東武で。東武は時間はかかるけど,安い。金はないけど時間はある,という人間にはありがたいや。
丸ノ内線大手町駅ホーム
 押上から半蔵門線で大手町,大手町で丸ノ内線に乗り換えて池袋に向かう。JRよりメトロの方が都内を移動してる感が強くなるのは,地下鉄なんか走っていない地方に住んでいるからかねぇ。

● 左の写真はJRが作った池袋駅西口の観光案内。立教大学観光学部の学生が関わったというんだけども,圧倒的な観光リソースは立教大学それ自体ってことね(観光学部は池袋ではなく,埼玉県新座市にあるらしい)。
 しかし,コロナでいろんな流れが反転してしまった。立教大学観光学部は前身の社会学部観光学科を含めると半世紀にわたって存続しているわけだが,コロナで観光は急速に萎んでしまった。コロナ以前の状態に戻れるかどうかは,現時点で確言できる人はいないだろう。

半蔵門線 三越前
● ま,そうした大きな話はともかく,池袋西口だと旧江戸川乱歩邸と自由学園明日館には行ってみたいかな。
 が,それ以上に行ってみたいのは,東武百貨店7階に入っている伊東屋であり,息子が小さいときには東口のサンシャイン水族館だった。
 しかし,今日は伊東屋も覗かず,次に向かうことにする。

● 半蔵門線で三越前駅で下車。三越に直結しているのだけど,地下の三越入口は閑散としている。三越の中には入ってみなかったので,確たることは言えないが,ここには人の気配がない。
 ここだけではなく,池袋にはそれなりに人がいたんだけども,日本橋に来ると様子が異なる。緊急事態宣言に痛撃を受けているという印象になる。

● 福徳神社。この一帯を「福徳の森」というらしい。そう呼ぶなら,森を再定義する必要がある。平地に植樹をしただけだからだ。
 将来はこの一帯が鬱蒼としてくるのかもしれないけれど(しないと思うが),現時点では緑地帯と言うのが,日常語としての日本語に叶う。この場所にこれだけの緑地帯があることが凄いことではあるのだが。

● お賽銭をあげて詣でて参りました。この年になれば,神様にお願いすることは特にない。長く生きれば,誰でもこれ以上はないだろうと思える痛撃を受ける。が,そういうことも畢竟,自分の問題であって,神様には関係のないことだ。
 ので,柏手だけ打って頭を下げてきましたよ。

タロー書房
● 日本橋(三越前)のタロー書房。店の題字は岡本太郎に書いてもらったとあるけれども,店名自体が岡本太郎にあやかったものなんでしょうね。ぼくが言うのも何だけど,立ち寄りやすいし,場所がらかいいお客さんが多いような気がする。時々,ぼくみたいなヤツも来るんだけどね。
誠品生活
 COREDO室町テラス 2F の誠品生活日本橋。取扱商品のメインは日本の書籍だけれども,雑貨や食品で台湾が発色している。これが心地よい刺激になる。目が外に向くというか,頭の凝りをほぐされるような気分になる。

● 銀座線で浅草。東武線で帰途につく。
 緊急事態宣言で東京は沈んでいる。しかし,そうであっても,東京は面白い。気持ちを上向かせてくれる。

2021年1月10日日曜日

2021.01.10 今日は川崎へ

● 本日も不要不急の外出。緊急事態宣言が出ている神奈川県は川崎に行こうとしている。不要不急の用事があってね。しょうがないんだ,人生は不要不急の積み重ねだから。
 宇都宮発10:29の小田原行き。最後尾の車両。昨日はぼく以外に誰もいなかったけど,今日はもう1人乗っている。

ガラガラの宇都宮線
● 古河で湘南新宿ラインの快速に乗換え。浦和で高崎から来る上野東京ラインに乗換える算段だったのだけど,寸でのところで間に合わず。OK,Google。今行った電車を引き戻して。
 次に来たのは上野止まり。結局,古河で乗り捨てた電車に乗ることになった。チョコマカ動いても骨折り損ってことだね。

● 浦和や大宮で乗り換えるとホームを渡らなければならない。だから,そういうことが起こる。さいたま新都心で乗り換えれば,降りたホームで待てばいいから,これからはさいたま新都心で乗り換えるようにしなさい。
 って,これはダメ。なぜなら,湘南新宿ラインはさいたま新都心駅には停車しないから。

● ついでに。JR駅の案内放送,英語の。ヤローラインっていうじゃないですか。何だ,ヤローって? イエローのことだと気づくのにしばらく時間がかかったんだよね。黄色い線の内側まで下がって待て,と言っているわけですよね。
 Yellowをヤローって発音するようになったのか。訛ってねーか,アメリカ人。以前の放送はイエローと聞こえてたよなぁ。

● 昨年末,1週間ばかり住んでいた(?)川崎に到着。昨日の東京に比べると,人出の少なさはクッキリとしていない。クッキリとはしていないけれども,減ってはいる。昨年末の半分には達していないように見えた。
 ラゾーナでは野外映画祭でもやるんだろうか。ちょっと寒すぎないか。寒いけれども野外なら3密を避けることができるということだろうか。
 それとも,このスクリーンは常設だったか。まるで憶えていないや。

● 川崎駅構内の「いろり庵きらく」でミニ豚丼セット,620円。今日初めてのご飯。この豚丼が旨い。食べる醤油というのがね。

● ラゾーナ川崎の口福堂で栗きんとんのイチゴ大福を4つ買ってきた。相方のお気に入り。3つしか写ってないのは,相方が電光石火で1個食べてしまったからだ。1個250円(+税)。
 イチゴ大福の旨さは,イチゴではなくて,大福で決まりますよね。イチゴのショートケーキの旨さが,クリームと生地で決まるのと同じ。

2021年1月9日土曜日

2021.01.09 銀座 蔦屋書店

● 銀座に来ても G-SIX に立ち寄ることは少ない。自分には縁のないものしか売っていないし,何と言うんだろうか,ぼくに買えるものもほぼないからだ。
 唯一,6階の蔦屋書店だけは疎外感から解放される場所ではある。

● 今日は久しぶりに G-SIX に入ってみた。1階のROLEX店の前を “しまむらルックのオレ様が通りますよ” とつぶやきながら,エスカレーターで6階まで上がっていく。

● 蔦屋書店に来ると心地よい敗北感に酔いしれることができる。デザイン,建築,写真,旅行,音楽などの分野における品揃えが他にはない独特
なもので,毛ほども知らなかった本が並んでいる。世の中にはこういうのまで知ってる人がいるのかという,小さくも峰の高い驚き。
 やはり,時々はここに来て,日本水準と自分の落差を噛みしめた方がいいのだ。

● プラチナの100万円万年筆「Century THE PRIME」はまだあった。いや,売れたので次のを仕入れたのかもしれないけどね。それとも,ぼくに買われるのを待っててくれてるのかなぁ。
 いやいやいや,この万年筆を買うのはどんな人なのだろう。能率手帳ゴールドは未だ何者でもない人もけっこう使っているようなのだが,100万円もする万年筆となると,そうした何者でもない人ではさすがに手が出ないだろう。
 今どきは軽自動車だって100万円じゃ買えないんだから,100万円ならってんでパッと買っちゃう人がいるんだろうかなぁ。

● といって,いわゆるエグゼクティブが買うものでもないだろう。コレクターや好事家ということになるのか。
 ちなみに,この100万円万年筆はボディまでプラチナ仕様で限定100本。他にシルバー仕様(10万円)があり,こちらは限定2,000本。
 限定100本でも右から左に売れるわけではない。それはそうか。

● Twitter内を検索すると,入荷したという販売店のツイートはいくつかあるんだけど,字幅についての記載がない。FかMかBか。
 使わないで飾っておくという前提? 万年筆なんだから,100万円だろうと200万円だろうと,使ってナンボだ。使わないで眺めているんじゃ,たかが100万円に負けてるってことだぞ。かく申す俺様には買えませんがね。

● ぼくが使っている万年筆は同じプラチナでも千円のPlaisirだ。99万9千円ほど負けているけど,大した違いはない。つまり,品質の方は(たぶん)。100万円でも千円でも,それを使ってできることは同じわけだし。
 かつ,それを使ってできあがる文章の価値を決めるのは,万年筆の価格では当然なく,書き手の力量だ。ここでは,弘法筆を選ばずという格言を思いだすべきだろう。

 ちなみに,ヤフオクを見てみると,129万円のデュポンの限定品が60万円で落とされている。けっこう入札者がいるのだが,偽物かもしれないとは考えなかったんだろうか。それとも,出品者の自作自演か。
 結局,安物好きのケチ根性は治らないな。このままPlaisirを使っていくだろう。CURIDASも買わないかもなぁ。
 そもそもが,昨年10月から激的に手書きをしなくなっているんだから,筆記具は要らないってか。

● 小さい美術展を開催しているのも,蔦屋書店の特徴。店内の展示スペース GINZA ATRIUM で「STORIES -collaboration with Essential Store-」と題する伊藤彩さんの作品が展示されている。
 ジオラマを制作し,それを撮影した写真をもとに絵画制作を行う「フォトドローイング」という独自手法で作品を制作していると紹介されており,そのジオラマも展示されてたりする。
 だが,しかし,ぼくがこれらの作品群を見るのは,あたかも馬に念仏を聞かせるか,猫に小判を与えるようなものであろうかと思われる。縁なき衆生から出られない。

● もうひとつ,西中千人さんの「ガラス呼継 ―叩き壊して生まれ変わる」。割れていた器を継ぐことによって,割れる以前よりも美しくなることがある。ならばというわけで,わざと器を割ってつなぎ直したり,欠けた部分に別の器の破片を組み合わせたりするようになり,それを「呼継ぎ(よびつぎ)」というらしい。
 展示即売会という形であるようだ。自分の審美眼を信じられる人御用達ということになる。

● こうした展覧会はともかく,書籍と文具だけでも,時々はここにやってきて本物が醸す雰囲気に触れた方がいいかもしれないねぇ。
 下手な美術館に行くよりも,蔦屋書店の売場を見た方が目の肥やしになるんじゃないかと思った。