2022年11月4日金曜日

2022.11.04 川崎市内観光

● ミューザの隣のホテルをチェックアウト。荷物を預かってもらって,相方を市内観光に案内する。
 駅東口のカオスを抜けて,まず向かったのは稲毛神社。川崎の大宮。たこ焼きや縁起物の屋台が出ていた。
 縁起物を買うことに対して,侮蔑感を持つサラリーマンが多いのではないかと思っている。かつての自分がそうだったから。商売人はこういうものをおろそかにしない。
 切実さか違うからだ。サラリーマンは毎月給料日になれば給与が振り込まれる。自分で商売をしている人にそんな保証はないのだ。

● 稲毛神社から堀之内を通って旧東海道に出る。ここはぼくも初めて歩く。大宮の隣に歓楽街があるのは洋の東西を問わず,人が集まる都市の約束事になっている。川崎もその例にもれないということ。
 今の歓楽街は昼間から営業しているが(店から出てきた若いニイチャンと出くわした),それでも昼間は砂漠感というか,乾ききった感じがする。歩くなら夜だ。客引きが煩いかもしれないが,それくらいのことは仕方がない。
 川崎の堀之内は,吉原に次いで関東で2番目に大きい歓楽街であるらしい。何事によらず,関東で2位はすごいよ。

● 脱線するんだけれども,北関東では群馬県の太田だ。川崎の場合は,わざわざ行こうとするのでなければそこを通らなくてすむのに対して,太田はそこを通らないとどこにも行けない。
 太田はあれをどうするつもりなのか。法令違反はないんだろうから,いかんともしがたいのか。あれある限り,太田市は両毛地方の雄であることを許されない。老いたりとはいえ,館林がその座に就くことになるだろう。

● 旧東海道に出て,六郷の渡しを見せる。相方は,さほど興味はないらしい。
 川崎宿に入ってすぐのところに万年屋があった。旅人に奈良茶飯を出してた旅籠。ハタゴって音の響きがいいよねぇ。本陣にしか泊まれない殿様も,一度でいいから旅籠に泊まってみたいと思ったんじゃないかなぁ。

● 吉原の隣に山谷があり,横浜の伊勢佐木町歓楽街の隣に寿町があり,大阪の飛田新地の隣には釜ヶ崎がある。歓楽街とドヤ街は隣り合っていることが多い。
 川崎でも堀之内の隣の旧東海道エリアは,ドヤ街ではないのだが,山谷の空気に近い。川崎市では旧東海道を観光資源の1つにするつもりで,交流館を建てたり掲示板や標識を設置しているのだが,なかなか難しいかもしれない。品川の旧東海道の方が,歩いていて気持ちが弾む感じになる。

● 旧東海道に「東照」という和菓子屋がある。トウショウと読みたくなるがトウテルという。
 初めて入ってみた。冷凍の奈良茶飯を商っている。買って帰ろうかと思ったんだけど,再来週,また来て同じホテルに泊まる予定だ。朝食で食べられる。結局,何も買わないで出てしまった。

2022年11月2日水曜日

2022.11.02 東京散歩 皇居周辺

● 朝の散歩。東京駅のホテルには何度か泊まっているけれども,丸の内広場から皇居の方に進んだことはあまりなかった。八重洲側に出たり,線路沿いに銀座まで歩いたりは何度もしたけど。
 今回は行幸通りを進んでみた。


● 最初に目に入って来るのがパレスホテル。ハワイか沖縄のリゾートホテルのような佇まい。バルコニーから海が見える的な。実際には皇居の緑が見えるんだろうけど。
 相方がこの外観を気に入ったようでね。皇居周りの景観を壊していない,これならパレスと名乗っても許せる,とね。君に許してもらわなくてもいいんだけどね。


● ぼくはそれでもこのあたり,何度か歩いているけれども,彼女はこの景観を見るのは初めてらしくてね。八重洲側がメインで,丸の内は発達の遅れたところだと思ってた,と言うんですよ。いますかね,こういうのが。
 その彼女がここは安心して歩けて素晴らしいと言う。ぼくらは人通りのない田舎住まいだ。けど,散歩のときは車に注
意しないといけないし,東京でも歩道を暴走する自転車に気をつけなきゃいけないエリアが多い。


● 特に,勝鬨橋あたりの晴海通りを歩くときには気をつけなきゃいけない。呆れることに,ロードバイクで歩道を走っているバカまでいる。怖くて車道は走れないと言うならロードバイクになど乗るな,このボケッ。
 このあたりのタワマンは貧乏人の住処なのだろうな。金を持ってる貧乏人。そうとしか思えないカオスが晴海通りを支配しているのだ。


● ところが,皇居から東京駅のここではそうした気を張る必要がない。ボーッとキョロキョロしながら歩くことができる。
 これほどリラックスして歩けるエリアは,ひょっとすると東京でもここだけかもしれない。地方にはたぶんない。よほどの山奥に行っても,山奥だからこそ車が狭い道路を走っている。

● ホテルをチェックアウトしてから,再び皇居前広場へ。坂下門あたりをウロウロした。
 江戸城はかなり破壊されてしまったが,内堀通りくらいは道路を廃して元の堀を再現できないのか。難しいんでしょうなぁ。


● スタバの和田倉噴水公園店。この店限定のアーモンドミルクフラペチーノ。相方はこの時期限定のストロベリー&ベルベット ブラウニー フラペチーノ。この場所にあるスタバで数十分を過ごすのは,それそのものが贅沢だ。
 この空間(皇居前)に身を置くだけならタダだ。タダで味わえる贅沢がある。

2022年11月1日火曜日

2022.11.01 夜の東京散歩

● ご飯を食べ,酒も飲んだので,夜の東京を歩いてみることにする。ホテルを出て,丸の内仲通り。赤いカラーコーンが動をに並んている。何の工事か。イルミネーションの設置を始めているんですかな。
 ハロウィンが終わればクリスマス。先手先手で飾り付けていかないと。11月に入ったばかりなんだけどね。結果的に忙しなさを後押しすることになるんだけども。

● 夜の数寄屋橋公園。岡本太郎の「若い時計台」。こんなふうにライトアップされているんだねぇ。

● 銀座並木通りには客待ちのタクシーの列。緊急事態宣言が出ている頃は,銀座にお客はいなかった。タクシーも1台も停まっていなかった。この光景だけ見ると,コロナ以前に戻っている。
 実際には,まだスカスカしているのかもしれない。タクシーも停まってはいるけれども,コロナ以前の回転には戻っていないのかもしれない。しかし,あの頃の寒々しさのようなものは消えた。

● 無駄に動いて,無駄に酒を飲み,無駄に排気ガスを撒き散らす。しかし,無駄こそ本質。人は何のために生きて働くのか。無駄なことをするためだ。
 ぼくは銀座で飲んだことなど一度もないし,これからもあるはずがないが,こういうところで飲める立場の人(つまり,ポエットマネーで飲むより,会社のお金で飲む人が圧倒的に多いんだろうから)はどんどん飲んだ方がいいのだ。脱コロナは夜の街から。

● 銀座で引き返すことにしよう。有楽町駅から東京駅までの線路脇の居酒屋は(例外があるにはあるが)気持ちがいいほどお客が入っている。至近距離で談笑しつつ,酒を飲み,唐揚げを頬張っている。
 アクリルの仕切板など置かれていない。ここでもコロナ以前の光景が普通になった。

● お客の多くはサラリーマンだ。男も女もいる。年齢も様々。夜の時間の過ごし方に関しては,昔は男女差がはっきりとあった。女子社員が酒場に行くことはもちろんあったが,お酌担当的なところがあった。それほど遠い過去の話ではない。
 今は彼女たちも自分で飲んで酔えるようになった。1986年に施行された男女雇用機会均等法が画期になった。男と同じように仕事をしているのだから,男と同じように飲むのは当然。

● しっかし。今夜はまだ火曜だぞ。そんなに飲んでで1週間保つのか,君たちは。
 いや,これが活力源か。自分の若い頃を思いだしても,飲んでたもんな。連チャンとか3連チャンとかやりましたよ。あの体力は何だったんだろうな。

● 新丸ビルの中の居酒屋。こういう告知を出してる店が増えた。昼飲みって,コッソリとやるものじゃなくなりましたよ。東京のような大都市だけじゃなくて,地方都市でもこれが普通になってきた。宇都宮のオリオン通りでも “昼飲み,できます” の店がいくつもある。
 昔は,アメ横の裏の方で,いかにも人生を諦めたといった風情の男たちが背中を丸めて飲んでいたものだが。

● しかし,諸君,昼間から飲んでていいのかね。ビール1本くらいなら問題ないですよってか。
 昭和50年代の前半までは昼食にビールを付ける人がけっこういたんでね。先祖返りしてるだけかもしれんのだが。

2022年10月29日土曜日

2022.10.29 イーロン・マスクが Twitter 社を買収

● 右の記事は今日(10/29)の日経。イーロン・マスクが Twitter 社の買収を終了してたという記事。
 新聞記事を書く人って,どうも自分を神の位置に置きたがる癖があって,あれやこれや忠告しているが,その大半は愚にもつかないものだ。評論しないと記事にならないというものでもあるまい,と思うのだが。

● ツイート管理の効果には疑問もあるので,マスクの基本的な方向は間違っていないのじゃないかと,素人考えをしている。
 問題は Twitter をはじめとするSNSの終わりを想定しなければならなくなっていることだ。投稿の大半はノイズであり,SNSによる個対個のコミュニケーションは不可能であることが認知される結果,SNSが退潮に向かうこと。

● というか,もう向かっている。SNSにかつてのような夢を語る人はすでにいない。SNSは構造不況業種になった。
 そこでマスクがどんな踊りを踊るのか。踊り手が踊り手だけに,楽しみではないか。終わりの始まりという人もいて,実際にそうなるのかもしれないけれども。

● この買収劇で儲けた人は多いでしょうね。特に旧経営陣。1株あたり54ドル20セントは過去最高額なのだろう。日本から投資した人も,今は円安の絶頂期なんだから,手取りの円は随分と増えたことだろう。
 その分,マスクには高い買い物になった。が,だからこそ,これからが見ものなんですよね。

● 想像を超えたのは,従業員の75%を削減すること。半分にするとは思っていたが,これほどとは。
 高い買物になったのだから,徹底的にコストを刈り込んで,会社の関与をミニマムにしていく。それなら今の4分の1の社員(エンジニア)で充分ということか。


(追記 2022.11.06)

● イーロン・マスクは,早速,首切りに着手した。というか,半ば終了したのかもしれない。このスピード,躊躇のなさ。日本企業は真似ができない。
 したがって,市場で勝負すれば日本企業に勝ち目はない。サーキットでF1カーと軽自動車が競争するようなものだから。

● このスピードと果断は,間違っていれば深い痛手を負うけれども,すぐさま修正するのだろう。
 早く判断してもゆっくりと時間をかけても,百発百中間違えないなんてありえないわけだから,無駄な議論はやめて,ノイズは無視して,素早く判断し,結果を見て修正するのをたくさん繰り返した方が勝つとしたものだろう,たぶん。

● 6兆円もかけて,Twitterを非上場にし,自分の持ちものにしたのだから,無駄を省いて,新たな種をまいて,儲かるようにしなければならない。
 そうしたうえでもう一度上場するのかどうかは知らないけれど,元を取るどころではない結果になるのを見たいものだ。

● この目を剥くようなリストラに,Meta も追随するらしいし,Google や Microsoft も同じだろう。
 現時点ではイーロン・マスクは異端児ではなくて,先駆者のように見える。エンジニアは,残れた人も,死ぬほど大変だろうけどね。

2022年10月28日金曜日

2022.10.28 羽田空港に来た 2

● 京急品川駅の1番線ホーム。羽田空港行き。スーツケースを持った人でかなり混んでますよ。週末だからですか。海外に行く人は少ないと思うんですよね,この円安じゃね。沖縄か北海道か,国内旅行でしょう。旅行支援を受けて。
 行ける人は行った方がいいんですよ。航空会社,ホテル,飲食業界にお金を落として,経済を回していかないとね。

● で,ほくらも羽田空港に来てみた。前回は国内線のターミナルだったので,今回は国際線ターミナル(第3ターミナル)に。
 昔はどこかの田舎駅のような感じだったけどねぇ。立派になってました。もう巨大すぎて全体は把握できない。

● 出発ロビーはまぁまぁ静かだ。お客のメインは帰国する外国人だろうか。ぶっちゃけ,今の日本人には海外旅行はキツいでしょ。
 そうと気づかぬうちに,ぼくらは貧困化していた。そのことをジワーッと伝えてくる。かつて羽振
りが良かったのは,日本人の実力ではなくて,日本国が時流に乗ってたからにすぎない,と。

● 国際線ロビーは江戸情緒をウリにしようとしたらしい。深川江戸資料館が引っ越して来たのかと思った。
 日本橋まである。かなり忠実に再見しているのではないか。ただし,スケールは2分の1。
 伊東屋の出店もあったが,休業中。改造社書店も同じく休業中。

● 展望デッキ。気持ちがセイセイしますな。離陸した飛行機は右に旋回しながら高度を上げていく。
 乗ってみたいッス。が,飛行機は前途ある若い人たちに相応しいとも思います。

● 旅の充実度は物理的な移動距離に比例する。そういうことはたしかにあると思う。それでもぼくは東京(近郊)にしか興味がないっス。
 この先,飛行機に乗ることはひょっとするとないかもしれない。いや,台湾には行ってみたいかな。台湾も行ったことがないので。

● 展望デッキに日本人の若い母親がいた。が,子供たちはハーフ。父親の家にこれから向かうんだろうか。
 日本の男性も海外から女性を拐って来て,日本で子どもを生んでもらって,日本で育ててもらうといいんだがなぁ。日本人とは何かと問われれば,日本語を母語にする人だと答えればいいと思っている。肌や髪や瞳の色はどうでもよいのだ。
 そういう新日本人が日本を引っ張るようになるといい。そんな妄想に浸って,京急で品川に戻った。

2022年10月27日木曜日

2022.10.27 丸の内仲通り

● 洲崎から潮見に引き返してもよかったのけど,せっかく来たのだからというわけで,東京メトロで銀座に出た。といって,銀座に用があるわけではない。銀座の方もぼくなんぞに用のあるはずがない。
 ブラブラと歩いて八重洲に来た。東京駅から京葉線に乗って潮見のホテルに戻ろう。

● が,丸の内仲通りを歩いて行くかと思った。この通りに迷い込んだことはあるんだけど,起点から終点まで通してあるいたことは,たぶんない。
 丸の内仲通りとはそも何かというのは,千代田区観光協会のサイトに説明がある。「日比谷駅近くの晴海通りから,東京駅前の行幸通りを結ぶ丸の内のメインストリート」であり,「街路樹が美しい通り沿いには,有名ブランドの路面店やハイセンスなレストランやカフェ,オフィスビル,商業施設などが軒を連ねます」とある。

● では,まずは日比谷に出て,晴海通りとの接するところから歩こう。ペニンシュラホテルが建っている。なるほど,ペニンシュラも凄いところに建てたのだね。
 銀座以上のセレブ通り。でも,歩いている人やカフェしてる人たちは,いたって庶民。セレブ通りにセレブがいた試しがない。正確に言うと,ぼくらから見えるところにはいないんだよね。もっと正確に言うと,いてもぼくらには見えないのかもしれないね。

● 丸の内の地主は三菱。三菱は政商の最たるものだと思うが,国にとっても三菱は安心して使えたのだろう。
 三菱一号館美術館もこの通りから少し奥まったところにある。建物は復元されたものだが,当初の設計図に忠実に従っていると聞く。建物じたいが美術品だろう。
 入ったことはないし,今日も入らなかった。が,近いうちに拝観させていただこう。

● 東京駅からの行幸通りで仲通りは終わりになる。もちろん,道は行幸通りの向こう側まで続いているが,大手町のオフィス街に至る。
 写真からはわかりにくいが,結婚式後の写真撮影をしてる新郎新婦が3組いた。ここは結婚写真の聖地になっているらしい。背景は東京駅の赤レンガでインスタ映えもする。場所代もかからない。

● 末永くお幸せに。まぁ,末永くなるかどうかは運による。個人の努力よりも運の差配によるところが大きいと思う。
 しかし,運に好かれる努力はしなきゃしょうがない。それがどういう努力なのかはいまいちわからないんだけどね。

2022.10.27 東京散歩 また,洲崎

暁橋
● 宿泊中の潮見のホテルを出て,豊洲方面に向かう。久米設計という大きな設計会社がある角を右に曲がると,映画のロケに使えるんじゃないかと思う暁橋が目に入る。。手前が潮見,向うが枝川。
 暁橋からの光景。運河に京葉線の橋梁が架かっている。今どきの土木技術っていうのも大変なものなんだなと,今さら思わせる。
 今の東京は海を埋め立てたところにあるんだから,あたりまえなんだけども,水の都だよね。

● 正面に見えるしおかぜ橋を渡って,汐見運河を越えようとしてる。しおかぜ橋を渡って何をしようというのか。今日も洲崎に行こうとしてるわけです。
 といって,洲崎は昨日歩いているので,洲崎に行くことが目的なのではない。しおかぜ橋を渡るとだいぶ近そうなんで,その近さを体感しようとしている。着いたらすぐに帰ってくるつもりだ。

洲崎に至る大門通り
● しおかぜ橋を渡って少し歩くと,洲崎への大門通り。右手に見えるのが深川第8中学校。
 もちろん,遊郭があった頃は,この辺は海の底だった。こちら側が洲崎への入口のはずがない。大門は今の永代通り側,洲崎橋のたもとにあったらしい。
 なれど,今は今の地形があるわけだから,こちら側から往時の賑わいをイメージするのは勝手たるべし。

南開橋
● 中学校を過ぎるとすぐに南開橋。この橋で汐浜運河を渡れば洲崎。
 なるほど,潮見から洲崎は近いのだった。歩数にすると4千歩くらい。

● 洲崎は昨日歩いているから気はすんでいる。のだが,立ち去り難い気分にさせる。名状しがたい空気感がある。
 こちらの勝手な思い入れが作っている空気感かもしれないのだが。

2022年10月26日水曜日

2022.10.26 東京散歩 洲崎

新砂橋から
● 潮見にあるホテルに泊まっている。以前から気になっていたところに行ってみようと思う。洲崎遊郭のあった東陽1丁目だ。
 潮見から直線距離だとかなり近いのだけども,いったん明治通りに出て,コの字型に歩かなければならない。それでも大した距離ではないので,行ってみることにした。

正面の橋が東陽橋
● 新砂橋から見る汐浜運河。遊歩道に降りて,運河沿いを歩く。いやいや,今日は天気もいいし,この水辺を歩くのは気分がいい。
 東陽橋から一般道に戻ってさらに歩き,かつて洲崎遊郭に。

● 洲崎川は埋め立てられて緑道公園になっている。昼時だった。弁当をつかったり煙草を飲んでる勤め人がいた(と,池波正太郎ふうに書いてみる)。
 西洲崎橋から洲崎を眺めてみる。今はこの川が木場と洲崎(川の左側)の境界になっている。
 洲崎遊郭は空襲で焼け野原になり,戦後は “洲崎パラダイス” と呼ばれた赤線地帯になるのだが,規模は縮小されたらしい。写真に移っているエリアは戦後は住宅地だった。

西洲崎橋から
● 
ここが洲崎遊郭だったところかという感慨(?)には浸れない。現在の東陽1丁目に遊郭の遺構は残っていないからだ。
 こじつけようとすればこじつけられるものがなくはないが,こじつけても仕方がない。
 というより,そうだと知ったうえで歩いているからこじつけのカケラ程度は見えてくるのだが,予備知識なしで歩いたら何も感じないで通り過ぎるだろう。
 ここが遊郭だったのは明治21年から昭和33年までの70年。短い期間ではないが,それがこの土地のDNAになったわけではない。

緑道公園
● 遊郭の跡地と聞くと行ってみたくなるのだが,遊郭などない方がいいに決まっている。現在でも風俗街という遊郭はあって,将来もなくなることはないと思うのだが。
 昔の遊郭は永井荷風や吉行淳之介といった作家を作ったが,今の風俗街にはそこまでの “妊み” は感じられない。時代が求めていないのだろう。

洲崎神社
● 洲崎神社は木場にある。桂昌院が建立したらしい。
 八百屋の娘から将軍の実母になったのは「出世」なのか。随分とつまらん出世だと思う。玉の輿などに乗ったところで,いいことは何もあるまい。わざわざ人生を辛くするだけだ。そんなものに乗るのは,少なくとも賢さからは遠い。

● こうして歩いてみると,東京は江東区と墨田区が面白いですな。隅田川の東。
 ここからは,古石場文化センターが近い。小津安二郎の展示を再見するかとも思ったのだが,メトロ東西線の木場駅から表向きの東京(?)に出ることにした。日本橋→銀座→丸の内 と経巡ってみよう。
 平日の昼間でも東西線は混んでましたよ。いつもこんなものなんですか?

東京メトロ木場駅ホーム
● 洲崎についてはウィキペディアの他に,カベルナリア吉田「東京色街探訪」がネットで読める。洲崎の昔と今,さらには参考文献まで紹介されている。

2022年10月19日水曜日

2022.10.19 四半世紀ぶりに横浜中華街の菜香新館

● 川崎のホテルに泊まっているので,地の利を活かしてどこかに出かけよう。川崎の地の利を活かした行き先の第1は東京都心なのだが,それは昨日行った。今日は西に向かってみよう。
 さて,と。ではどこにするか。神奈川県の3大観光地は,箱根と鎌倉と横浜。これに異論を唱える人はいないと思うが,とは言っても,神奈川はそれだけではない。三浦半島,城ヶ島,横須賀があるのだし,茅ヶ崎や藤沢などいわゆる湘南地方がある。この川崎だって人口150万人を抱えるメガロポリスだ。小田原もありますよ。
 しかし,観光的には箱根・鎌倉・横浜以外はなきが如し。JTBの “るるぶ” もそうなっている。

● であれば,箱根・鎌倉・横浜以外にどこか行くところはないかとなるのだが,結局,横浜に来た。ひとえに近いから。横浜の向こう側まで行くのは,なにか具体的な用事なり目的がないと難しいかもしれないなぁ。
 石川町で根岸線を降りて中華街を散策。横浜で一番面白いのはやっぱり中華街ってことになりますか。ひと通り歩いてから,菜香新館に入ってみ
た。四半世紀ぶりになる。ちょうど昼時。ランチタイムのピークは過ぎた時刻。

● 朝食で1日分のカロリーを接種しているんだけど,飲茶コースを注文した。10品ほど出てくる。順番はメニューのとおりとは限らない。
 ドラゴンハイボールというのも注文。紹興酒を炭酸で割ったもの。強い酒を炭酸で割ると,まずまず飲める酒になるが,もう一度飲みたいかと問われれば,一度でいいかもしれん。勧められれば,たぶん何杯でも飲むと思うが。

● エビの春巻きは飲茶って気がしてくる。次に来たときには単品で頼もうね,エビ春巻きは4つ頼もうよ,というのが相方の意見。異議なし。
 隣の葉っぱも旨かったな。マレーシアソースがかかっているようなのだが,マレーシアソースって何よ? 実食したのによくわからなかったよ。
 最後は杏仁豆腐。いや,この杏仁豆腐はプリンのようになめらかで,旨かったです。

● こうしてみると,中華料理のメインの食材は肉(主には豚)なのかと思いた
ホタテの蒸しクレープ
くなる。ホタテだったりエビだったり,海鮮もあるわけだけども,肉を特に得意としているような気がする。
 他に気になったのが,五目焼きビーフン。広東料理の一方の雄(?)はビーフンだと思っております。次は焼きビーフンも注文していいよ
と,相方に許可をもらった。

● というわけで,次回がもしあれば,焼きビーフンをメインにして,エビの春巻きとホタテの蒸しクレープなどを食べることになりますなぁ。
 飲茶にはアルコールよりも普洱茶の方が食が進む。アルコールだと出てくる料理をアルコールを飲むための肴にしちゃうからね。呑み助はどうしたってそうしちゃう。
エビ春巻き