駅東口のカオスを抜けて,まず向かったのは稲毛神社。川崎の大宮。たこ焼きや縁起物の屋台が出ていた。
縁起物を買うことに対して,侮蔑感を持つサラリーマンが多いのではないかと思っている。かつての自分がそうだったから。商売人はこういうものをおろそかにしない。
● 稲毛神社から堀之内を通って旧東海道に出る。ここはぼくも初めて歩く。大宮の隣に歓楽街があるのは洋の東西を問わず,人が集まる都市の約束事になっている。川崎もその例にもれないということ。
今の歓楽街は昼間から営業しているが(店から出てきた若いニイチャンと出くわした),それでも昼間は砂漠感というか,乾ききった感じがする。歩くなら夜だ。客引きが煩いかもしれないが,それくらいのことは仕方がない。
川崎の堀之内は,吉原に次いで関東で2番目に大きい歓楽街であるらしい。何事によらず,関東で2位はすごいよ。
● 脱線するんだけれども,北関東では群馬県の太田だ。川崎の場合は,わざわざ行こうとするのでなければそこを通らなくてすむのに対して,太田はそこを通らないとどこにも行けない。
太田はあれをどうするつもりなのか。法令違反はないんだろうから,いかんともしがたいのか。あれある限り,太田市は両毛地方の雄であることを許されない。老いたりとはいえ,館林がその座に就くことになるだろう。
● 旧東海道に出て,六郷の渡しを見せる。相方は,さほど興味はないらしい。
川崎宿に入ってすぐのところに万年屋があった。旅人に奈良茶飯を出してた旅籠。ハタゴって音の響きがいいよねぇ。本陣にしか泊まれない殿様も,一度でいいから旅籠に泊まってみたいと思ったんじゃないかなぁ。
● 吉原の隣に山谷があり,横浜の伊勢佐木町歓楽街の隣に寿町があり,大阪の飛田新地の隣には釜ヶ崎がある。歓楽街とドヤ街は隣り合っていることが多い。
川崎でも堀之内の隣の旧東海道エリアは,ドヤ街ではないのだが,山谷の空気に近い。川崎市では旧東海道を観光資源の1つにするつもりで,交流館を建てたり掲示板や標識を設置しているのだが,なかなか難しいかもしれない。品川の旧東海道の方が,歩いていて気持ちが弾む感じになる。
● 旧東海道に「東照」という和菓子屋がある。トウショウと読みたくなるがトウテルという。
初めて入ってみた。冷凍の奈良茶飯を商っている。買って帰ろうかと思ったんだけど,再来週,また来て同じホテルに泊まる予定だ。朝食で食べられる。結局,何も買わないで出てしまった。