● 昔は好きだったんですよ,駅の立喰いそば。上野から青森まで各駅のそばを食べ比べてみようかと思ったほど。
とりわけ,宇都宮駅のそばは旨いと思っていた。駅そばを食べるために宇都宮に行くってこともあったり。
● アナウンスや電車が発着するときにはきだす音を聞きながら,そばを食べるのは,かすかな非日常感もあって,なかなかいいものだと思っていた。
そば粉がほとんど入っていないそばなんだけど,これでいいよなぁ,と。
● それがすっかり遠のいたのはなぜか。前回食べたのがいつだったか思いだせないくらいだ。
駅ビルの中に吉野家ができたことか。駅そばより安い値段で牛丼が食べられる。丸亀製麺ができたせいか。同じ値段で揚げ玉とネギを好きなだけ載せて,うどんを喰える。
でも,そうじゃないと思うんですよねぇ。
● こちらの舌が肥えた? そんなことはあり得ない。
いつの頃か,食券制になった。これはいい。事前に自動販売機で食券を買ってもらうようにすれば,スタッフの負担が減る。機械にやってもらえることは,機械にやってもらえばいい。ときたまあるだろう食い逃げも防止できる。
● メニューが増えた。昔は,かけと天ぷらと月見くらいしかなかったと思うんだけど,きつねだのコロッケそばだの,選択肢が増えてしまった。夏には冷たいそばも出すようになった。
さらに,大盛りも売るようになった。これが良くない。ぼくなんかはつい大盛りにしてしまうんだけど,駅そばはたくさん食べるもんじゃない。高校生じゃないんだから。
何だか,そのあたりから不味くなったような気がしててね。
● 宇都宮駅でも駅そばを商うスタンドはひとつになってしまった。お客さんが減っているんだろう。ぼくもだいたい素通りしている。
フラッと寄ることがなくなった。事前に,よし,今日は駅そばを食べるぞ,と決めておかないと,向かえない場所になった。
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