2022年6月2日木曜日

2022.06.02 江ノ島半日観光

● ホテルで江ノ電の1日乗車券を買った。ホテルでも扱っているんですね。もちろん,江ノ島に行ってみるかというわけだ。
 平日の正午を過ぎたところ。かなり乗車率はいいんですよね。観光客ばかりじゃないと思うんですよね。鎌倉って,車の運転はしずらそうだ。運転を避けて江ノ電で移動しようとする人もいるんだろうか。
 スマホいじり中のお婆ちゃんがけっこう目立つ。お婆ちゃんの識字率,じゃなくてITリテラシー,わりと高め?

江ノ電 藤沢駅
● 藤沢まで乗って,駅の周辺をウロウロした。湘南の中心地なんでしょ。大きな街だ。藤沢駅はJRと小田急の結節駅でもある。飲屋街もそちこちにありそうだ。
 が,今回は藤沢でやりたいことがあるわけでもない。やりたいことなどなくても街中をブラブラすれば良さそうなものだが,今日のところは引き返すことにする。

● 江ノ島駅から江ノ島に歩く途中に,スマートボール・射的の店があった。こういうのって,昔は温泉場には必ずあったものだが,ほぼ消えた。江ノ島だから残っている。観光地,行楽地として,お客を呼べる吸引力が落ちていないからだ。
小田急 片瀬江ノ島駅
 が,江ノ島といえでもいつまで残れるか。店主が生きている間は,たぶん・・・・・・。

● 小田急の片瀬江ノ島駅を過ぎて,着いたところが「カプリチョーザ」。江ノ島まて来てカプリチョーザか。さよう,然り。カプリチョーザなんでありますよ。
 昼間からビール。昼間からアルコールを飲
むってのは,非日常感を演出する最も簡便にして効果的な手段だ。昨日といい,

今日といい,非日常感の中に漂ってい
る。

● 江ノ島に渡る手前にマンション群が現れる。週末だけ滞在するセカンドハウスとして購入してる人もいるのかね。週末,ここに来てみっちりサーフィンを楽しんで,日曜の遅くか月曜の早朝に東京に戻るみたいな。
 ホテルに泊まるより,自分の部屋を持っちゃった方が話が早いよ,サーフボード抱えてホテルをウロウロしたくねーわ,と。
 もしそういう人がいるなら,羨ましいっちゃ羨ましい。それだけの財力があるということにではなく,そうまでしてやりたい趣味というか娯楽があるということに。
 江ノ島に行くと民宿も多いのだが,まだハイシーズンではないので,ガランとしている。

● 江島神社。まったく憶えてないのだが,相方によれば一度来ているらしい。
 竜宮城を模したという瑞心門。模したって,君は竜宮城を見たことがあるのかね,と突っこみたくなるよね。ま,竜宮城の想像画は大昔からあって,それに従ったものであるわけだけど。
 参道の両側には食べもの屋や土産物屋がびっしりと並んでいる。江島神社も島民に雇用を作ってきた。今は島外から通ってきてる人が多いのだろうけど。
 加齢による体力の衰退と先ほど飲んだビールのせいで,頂上に着く頃には息が切れた。歳をとるとこうなるのかと思い知らされることが多くなった。

● 下に降りて,海辺に出てみた。決してキレイとは言い難い湘南の海。ここには飛び込みたくないな。バッチィもん。
 いやいや,それ以前にぼくは泳げないのでね,飛び込めないんだけどね。そんな人間が何で江ノ島に来ているのかね。
 ちなみに,自分の人生を振り返って,やっときゃよかったなと思うことが2つあってね。ひとつは,泳げるようになっておくこと。もうひとつは,茶道を習っておくこと。この2つができていれば,少し人生が変わったかもしれない。

● そのキレイとは言えない海辺で,10代の女の子3人が,キャッキャッと言いながら遊んでいた。かけがえのないものの典型例として思いつくのは,この光景だ。10代の女の子が意味もなく言葉と体力を発散して,自分を開放している様。
 ぼくらが市民として守るべき第一が,この光景ではないかと思う。それさえ確保できていれば,あとはその彼女たちがたいていのことはどうにかしてくれるのではないだろうか。

● 江ノ島はコロナ前の人出に戻っている。焼きイカもだいぶ売れているようだ。
 日に焼けた人はかなりの割合でマスクをしていない。よしよし,さすがに活動レベルの高い人は,自ずと合理に基づいた行動になるものですな。
 っていうか,この暑さでマスクをするのは普通に辛い。マスクをするにも体力がいることが痛感される。しかし,そんなことで体力を使いたくはない。

● 紀州鉄道だとか紀伊國屋だとか,江ノ島には紀州絡みの屋号がけっこうあるんだが,和歌山県と何か関係があるんだろうか。和歌山県からの漂流者が拓いたとこなんですか。

● 江ノ島駅からは特等席に座ることができた。じつは最後尾なので,遠くに去っていく光景なんだけども,いやそれでもこれはね,何だか嬉しい。
 こんなところもあってね。車の運転にも相当気を遣うよ,これは。ドライバーにとって,江ノ電は呪いたくなるほど邪魔な存在でしょうよ。
 とはいえ,アンタの車より江ノ電の方が価値が高いってことでねぇ。江ノ電は4両がユニットになっている。JRの車両
に比べれば,同じ1両でもだいぶ小さいんだけれども,それでもこれだけの人が乗っていて,それを1人の運転士が運んでいるわけでね。

● 電車から眺める分には,きれいな海だ。いわゆる1つの絶景です。そうこするうちに極楽寺に着いた。特に行きたいところがあったわけではないんだけれども,降りてみた。
 けっこう秘境感がある。栃木県でいうと,栗山にこんな感じのところがあったような気がする。が,この秘境は文字どおりのスポットであって,少し移動すれば秘境は終わることがわかっている。栗山とはそこが違う。

● 極楽寺は16:30で営業終了。いわゆる観光寺院ではないのかもしれないが,観光客に媚びない感じが清々しい。
 それよりも,こんな地蔵堂が残っている。導地蔵という。地元で残してきたのか,市役所が管理しているのか。こういうものにこそ価値があると,ぼくは思う。
導地蔵


2022.06.02 鎌倉に初めて泊まった-メトロポリタン鎌倉

● 初の鎌倉泊。ホテルはメトロポリタン鎌倉。外観は横浜のピア8に似ている。5階建て。それ以上高い建物は許されないのだろう。
 随所に和の設え。1階のエントランス
には幽幻の演出。エレベ
ーター前にも。さらには客室トイレの個室にも。
 中庭がある。パティオというより,中庭という呼称が合う。

● 開業は2年前。開業そうそう,コロナの大陸弾道ミサイルの攻撃を受けてしまったわけだ。
 今どきのホテルはレイアウト設計が進歩してるんだろうか。実面積より広く感じる。
 リビングスペースを一段高くしているのも特徴。ここで靴を脱ぎたくなる。これも和を取り入れたってこと?

● フロントは2階。オープンスペースが充実。
 コーヒーの無料サービスがあるので,テラスのテーブル席で語るも良し,ノートを開いて何事かを書くのも良し。
 今,そのテラス席にいるのだけど,なかなか腰が上がらない。朝までここにいたいくらいだ。

● 1階には無印良品が入っている。朝食もMUJI食堂で摂ることになる。
 2階から上にはMUJI色はないので(ひょっとすると,客室をどうするかについてもMUJIの意見を聞いているのかもしれない。木材の使用が多い),コアすぎる無印ファンにはアピールしないだろう。
 銀座のMUJIホテルとこちらのホテルのどちらがいいかは,まさしく各人の好みによる。

● さて,1泊して朝になった。フロントの横に無料のコーヒーサーバーを用意してある。テラス席での無料コーヒーは癖になりそうだ。
 鎌倉観光はやめて,ずっとここに座っていたい。居心地が良すぎる空間だ。動こうという欲望(?)を奪ってくれる。
 鎌倉に来たら鎌倉に泊まりましょうね,皆さん。横浜まで引返さないでさ。

● このホテルにはこんなものも部屋に用意されている。入浴剤,アイマスク,足ひんやりシート。
 もちろん,女性に宛てたものだ。家人も喜んでいた。女性客を掴めば男性もくっついて来るのだから,女性客にアピールすれば大成功だ。

● ホテルはこのくらいが程が良くて,ちょうどいい。これ以上のいわゆるラグジュアリーはかえって邪魔かも。
 というか,1人あたりの購買力で韓国にも抜かれ,貧しくなった今の日本では,1泊するのに5万も6万も出せるのは,ほんのひと握りだ。ツインなら朝食付きでも2万円が目安になる。それで料金以上と思ってもらう工夫を施すのに知恵を絞っている。その答をこのホテルで見ることができる。

● インバウンドの全面解禁も間もなくだが,中国人は中国の事情で来ることができない。従って,爆買いの再現はない。
一方,3年にも及ぶコロナ禍の引きこもり生活で,大方の日本人は引きこもりのノウハウを身につけた。
 では,宿泊業界はまだまだ大変か? そうではなくて,個々のホテル間の格差が広がると見る。抜け出すところと沈むところにくっきり分かれて,新たなバランスが生まれる。
 今までだってそうだったではないか? そのとおりだが,速度が速くなる。

● 今の逆境下でも,利益を増やして伸びて行くところが出る。たとえば,スタート時点でコロナに見舞われたところから,次代のヒーローが出る可能性もあると思う。

2022年6月1日水曜日

2022.06.01 また,鎌倉散歩

● また,鎌倉にやって来た。わが家の最寄駅から鎌倉まで,電車賃は3,080円。
 セコいことを言って申しわけないけど,川崎で切ると200円ほど安くなるんだよね。もちろん,そんなことはしないで湘南新宿ラインで直行しましたよ。

● 小町通り。修学旅行の小中学生が沢山いてね,大変な賑わい。彼らにしてみれば,鶴岡八幡宮より小町通りの方がずっと楽しいよなぁ。

● 鎌倉といえばシラス丼と鳩サブレしか思い浮かばない,鎌倉初心者。そのシラス丼を食べてみようか。
 が,小町通りで食べるのは避けたい気分。賑わっている観光地の空気を感じながら食べたいと思う人もいるのだろう。お客さん,入っているようだから。でも,ここは小中学生にお任せしよう。

● このあたり,相方が研究熱心だ。彼女がササッと目星をつけた御成通りの「山助」さん。「まかない丼」というのを注文した。1,500円。
 これを見たら飲みたくなるでしょ。ハイボールを頼みましたよ。380円。良心的な価格です。2杯飲んだ。いやぁ,鎌倉はいいとこだぁ。

● 生シラス丼は売切れていた。10時半に店を開けるそうだから,明日は10時半に来て,遅い朝食を生シラス丼にしてもいいよな。
 ところで。地元の人はシラス丼って食べるんですかね。ラーメンとか海老フライ定食を食べてるんじゃないかなぁ。京都人だって京野菜なんて滅多に食べないのと同じでね。
 でも,シラス丼はね,自分でも作って食べるけどさ。大葉を散らしてね。あれは贅沢な一品ですよ。鰯を稚魚のまま大量に喰っちゃうんだからさ。

● 先週(5月27日),鎌倉駅から銭洗弁財天に歩く途中にあったスタバに来た。帰りに寄ってみようと思ってたんだけども,高徳院に回ったので,寄らずじまいになった。
 市役所の前にある。緑に包まれた西洋の山小屋風。

● ぼくはコーヒーフラペチーノ。相方は今日から登場のメロンのフラペチーノ。
 満席なのはメロンフラペチーノが理由だと相方は言う。みんな,これを飲みに来たのよ。
 たしかに,それを注文している人が多いんだけどね。昨日来ても満席だったんじゃないか,とも思いますよ。

● 夜の鎌倉はどんなだろう。20時の小町通りは人っ子一人いない。とまでは行かないけれど,昼間の喧騒は幻だったのかと思わせる程度には段差がある。場末の温泉街にこんな通りがあるよな。御成通りも同様だった。
 鎌倉駅も夜はただの田舎駅になる。夜の駅前風景が川崎とは対照的。普遍性があるのは川崎の方でしょう。あの程度の猥雑さがないと生きていくのが苦しくなりませんか。

鎌倉駅
● 飲屋街がない。鎌倉の人は仕事帰りに1杯ひっかけることをしないんだろうか。って,そんなはずはないよねぇ。一見の観光客にはわからない場所にひっそりとあるんだろうか。
 駅前から若宮大路が延びるから,法律か条例かで規制がかかっているのだろうが,その分,どっかで弾けているんでしょうねぇ。そう考えないと辻褄が合わない。

● 鎌倉に観光に来た人たちの多くは,鎌倉には宿泊しないで,横浜に泊まってしまうんだろうか。あるいは日帰り。
 ぼくも鎌倉には何度か来ているが,泊まるのは今回が初めてだ。と考えると,小町通りの昼夜の違いも納得できるというものだが。

● 夜の鎌倉を唯一,彩ってくれたのがこれ。鎌倉駅の東西改札口を結ぶ地下通路にかかっている,横山隆一さんの「鎌倉カーニバル」。
 “かかっている” と書いてしまったけれども,実際にはタイルに直接描かれている。原画は別にあるのだろう。「市制50周年記念事業 鎌倉古都展 1989.11.3」とある。

2022年5月29日日曜日

2022.05.29 川崎がひどい言われようで

● 有隣堂が You Tube で発信している「有隣堂しか知らない世界」は,小咄を聞いているようで面白く,時間も短いので,だいたいは見ている。複数回見ているのもある。
 MCのブッコローが丸めようとしないところがいい。そういう方針で作っている。有隣堂の社員が話者として登場するのだが,業界や会社側に立つんじゃなくて,あなた個人を出してくださいという感じて作成しているようだ。
 とはいっても,カットされるところもけっこう大量にあるっぽいのだが。まぁ,そりゃそうだろうね,と。

● で,今回は「神奈川あるあるの世界」。有隣堂の社員ではなく,「神奈川のあるあるを題材にしたコミック『#神奈川に住んでるエルフ』の著者である,鎧田(よろいだ)氏が登場」。
 鎧田さん,若い(30代か)女性。職業は漫画家。

● この中で川崎がひどい言われようだ。ブッコローが,川崎は日本有数の工業都市で,駅周辺には商業施設もできて栄えているし,休日も大変賑わってますよねぇ,まぁ,だいぶ変わってきたんじゃないですかぁ,とジャブをかます。
 鎧田さんに至っては,初めて川崎に来たときは地面が汚いと感じたとか,東急東横線では英語の本を持った人を見かけたが,南武線で本を持っている人を見たことがないとか,川崎に住むのは嫌だ,ラッパーがいそうで怖いとか,じつにストレートだ。

● それにブッコローが追い打ちをかける。幸せな人生とは南武線にどれだけ乗らずにすむかだ,と言いだす。
 武蔵小杉や登戸など人口稠密なところを走るのに,短い6両編成。19~20時の乗車率は198%に達することもあるんだそうだ。
 南武線は川崎市民のための路線だろうから,川崎市民である以上,幸せな人生は送れない。

● 小気味いいほどにこき下ろしている。ぼくは田舎も田舎,栃木の在に住んでいる者だから,はっきり他人事だ。
 アハハハと笑ってみているのだが,川崎市民もそれを楽しんでいるのだろうな。その程度には成熟してますよ,と。
 有隣堂だってそう踏んでこの動画を流している。だって,川崎にも有隣堂の店舗はあるんだからね。

● ちなみに,川崎との接点はミューザだった。何度かミューザに行くうちに,ミューザの隣に新しいホテルができて,そのホテルに泊まるようになった。
 横浜は取り澄ました感じがするが,川崎はサッと入っていける。駅にしたって,横浜駅は巨大すぎる。川崎駅くらいでいいのだ。

● 横浜は誇り高き独立国だ。何に対して独立しているかというと東京に対してだが,横浜人は東京を一格下に見ているのではないかと思うことがある。
 川崎はそんなプライドは持っていない。そもそも,行政区域としての川崎市はあるが,川崎市民はいない。川崎在住の新宿区民,渋谷区民,品川区民がいるだけだ。川崎市を縦断するのは難しいのだ。麻生区の住民にしたら,川崎区に行くよりは新宿に出る方がよっぽど世話なしだ。
 これを別の言い方で表現すれば,川崎は開放的だ。外に対して開いている。閉じようがないのだ。そういうところは居心地がいい。

● かつては公害のイメージがあった。川崎病という言葉は,川崎にだいぶダメージを与えたろう。
 現在にいたるも,風俗の街,ドヤ街,酔っ払いが多い,治安が悪い・・・・・・と思っている人が多いのではないか。駅西側が再開発で垢抜けたといっても,そこはそれ,川崎だからねぇ,と。
 たしかに,川崎駅の東口を出ると,それっぽい印象を受ける。そして,そこが川崎の中心街なのだ。やっぱりと思ってしまうのだが,そういうエリアは大都市ならば必ずある。川崎の場合は,それが駅から見えるところにあるというだけだ。
 風俗街である堀之内や南町も旧東海道から見えてしまう。もうちょっと奥まったところにあるとイメージはかなり違ってくるはずだ。しかし,よその大都市も奥まったところにあるだけのことで,あるのは同じだ。

● ただ,それだけのことなので,さほどに構える必要はない。川崎の開放的な雑踏を楽しめばよいと思う。
 川崎に泊まって東京見物するのに何の支障もないし,川崎駅周辺には書店が多いことも知っておいた方がいいだろう。

2022年5月27日金曜日

2022.05.27 鎌倉半日旅行

● 川崎のホテルに泊まっている。明日,帰るのだけども,神奈川県にいるんだから鎌倉に行ってみようか。前回行ったのは5年ほども前だろうか。
 鶴岡八幡宮に参って,シラス丼を食べて,あとは何をしたのだったか,よく憶えていない。

大船駅
● 今日は午後から晴れた。気温も初夏という言い方では足りないほどに上がってきた。
 では行ってみるか。川崎から東海道線に乗って大船。堂々たる大規模駅の佇まい。駅っていうのは,こうでなきゃね。常磐線の松戸駅にも似た趣を感じたことを思い出した。

● 不意に脈絡のないことを言いたくなった。鎌倉女子大学っていうのがあるんですよね。で,みんな,鎌倉まで行っちゃうの。そうじゃなくて,鎌倉女子大学は大船にあるんですよ。大船駅で降りなきゃダメなの。
 大船にあるのに何で鎌倉女子大学なんだよと思いたくなってしまうけれども,大船は鎌倉市なんですよね,行政区域としては。

● 大船っていうと,交通(特に鉄道)の要衝。鉄道は東海道線の他に,横須賀線が通るし,根岸線の終着駅でもある。さらに,湘南モノレール(江ノ島線)もある。
 鎌倉はひとつ奥に引っ込んだところというイメージがあるのに対して,大船は表街道の結節点なので,大船が鎌倉市であることがどうもピンと来ないのが,神奈川県外に住む者の普通の感覚なのではないか。ぼくも最近まで,大船は独立した市なのだと思っていた。

鎌倉駅
● ともあれ,大船で横須賀線に乗り換えて,鎌倉に着いた。川崎からだと意外に遠いな。乗り換えがあるから,いっそうそう感じるのかもしれないけど。電車賃は570円。
 銭洗弁財天に行ってみようかとなった。鎌倉駅から片道1.2km。チンタラと歩いていった。修学旅行の女子中学生に追い越されてね。

● 着きましたよ。洞窟のようなところを入って行く。一度来たことがあるつもりでいたんだけど,まったく記憶がない。
 独特の境内。修験道と関係があるのかないのか。七福神社,下之水神宮。これらは比較的最近の製造ですかな。宇賀福神社という名称も古くからのものなのか,そうではないのか。

● これを維持していくのは大変だろう。何が大変かといえば,お金がかかるという意味で大変だ。といって,決まった参拝料を取っているわけではない。
 その代わり,銭を洗うためのザルを用意していて有料で使わせるし(使わなくてもいい。それ以前に,銭など洗わなくたって別にいいわけだ),御籤や何やらお金を任意で出してもらうための用意は豊富にある。

七福神社
● ここに来る途中に,お洒落なスタバがあったので,帰りはそこに寄って駅に戻るつもりでいたのだけど,鎌倉大仏はこちらという標識があって。せっかくだから行ってみるか,となって。
下之水神宮
 鎌倉だとわかって見るからか,風情ありげな道路を歩いてね。が,住宅街の側溝から人糞の臭いが漂ってるところがあってね。鎌倉でもこれがあるかと思いましたよ。
 そんなことをするのは,昔から住んでる人に決まっている。新参者はそういうことはしない
からな。

● ともあれ,高徳院に着いた。ここには間違いなく来ている。社会人になってからなんだけど,さて,どんな人と来たのだったか。
 雨ざらしの大仏様。形はピタリと決っている。大船観音と比べちゃいけないのだ。
 長きにわたって人々の祈りを受けとめてきたという事実がそうさせるのだろうけれども,もっと下世話な理由がある。大仏様の後ろに広がる山の曲線と緑が,借景として優れているからだ。

● ここも修学旅行の中学生たちがメインのお客さま。青春を絵に描いたような行動中の男女生徒がいてね。女子生徒が,大仏様を掌に載せるような構図なんだろうか,そういうポーズを作って,男子生徒が写真に収める。いい思い出になるだろう。
 幸せって,畢竟,こういうことの多寡で決まるんだよね。そんなもんなんだよ。人生なんて。高尚なものじゃないのさ。些細なエピソードの積み重ねでしょ。

● 大仏様がおわす奥に,観月堂なるお堂がある。観音像を収めてある。大仏様はこれを守っておられるのでは。
 が,ここまで来る人はいなさそうだ。中学生も大仏を見て満足するようだ。こちら側にも土産物屋があるんだけど,人が来ないんだから売れない道理だ。お気の毒。

● 一応,念のために申しあげれば,高徳院の本尊は大仏様ですからね。
13世紀に造られ,大仏殿も建てられたが,14世紀に損壊。おそらく,それ以後はずっと雨ざらしのまま衆生のために祈っておられる。雨ざらしの国宝はこれだけではあるまいか。
 意外なことに,鎌倉にある国宝はこの鎌倉大仏が唯一であるらしい。

● ここまで来れば,長谷寺。紫陽花には少し早いのだろうけど,その分,さほどに混んでもおらず,暑からず。
 なるほど,ここは女性の好みに沿うものが,紫陽花以外にもいくつもある。その1つが,海の見える風景。そこに休憩スペースがあるのも
グッド。今日のように天気が良くて野外にいるのが辛くない気温のときには,ベンチに座って風に愛撫してもらう快感が味わえる。

● 端正な聖観音像もアピールするかも。あと,胎道潜り的なのも,女性はわりと好きなんじゃないか,と。
 真言宗のお寺かと思ったのだが,そうではなく,浄土宗系
であるらしい。

● これだけ回れれば充分だ。帰りは長谷駅から江ノ電。けっこう充実の半日旅行でしたよ。午前中は雨と風で,これはホテルに閉じこもっているしかないなと思いましたが。
 まぁ,それでも全然かまわないんだけども,久しぶりの鎌倉,良かったです。

● ところで。
 頼朝はどうしてこんな狭い鎌倉に幕府を開いたんだろう。占い師に鎌倉がいいって言われたからじゃないの? そうなのかぁ。
 というわけで,頼朝は占い師に訊いて開府の地を鎌倉に決めたのだということに,わが家では決した。