暖かく日差しもたっぷりあって,絶好の行楽日和。多くの人たちが花を散らせる桜の下で,思い思いに過ごしている。
● 見事な桜だ。この程度の密集度,連坦度は,東京では珍しくもないのかもしれないけれども(代表的な桜の名所として猿江恩賜公園が挙げられることはあまりないと思うから),ぼくにはすんげーものとして映る。ここまで桜で埋めるほどに,日本人は桜が好きなのか。
逆方向に見ると,スカイツリーを背にした桜の群舞。いやはや,絵になるものだ。
● 桜だけではない。チューリップなどいろんな花が植えられている。華やかが華やかの中に埋もれてしまって,それぞれの花が際立たない。
いや,そうではない。桜が圧倒的に強い。桜は本当に強力無比。花といえば桜。おそらく,日本人に限らず,アメリカ人もフランス人も同じなのではないかと思わせる。
● が,桜には狂気が宿るいう言われ方もある。そうかもしれないと思う。精神に病を抱える人はこの時期をやり過ごすのが大変だという話も聞く。
● 行楽を楽しんでいるかに見える人の中にも辛い思いを抱えた人がいるはずだ。この時期,辛い人,けっこういると思う。
クリスマス商戦の時期も,その浮き立つ感じについていけない,疎外されていると感じ
る人はいるだろうが,桜はクリスマスのような人工物ではない。ここの桜は人が植えたものではあるとしても,桜そのものは自然に属するものだ。
その自然がここまで浮き立つと,辛さがいや増す。桜は少しあればいいのかもしれない。
● ここに来る前に地元の図書館に立ち寄った。建物の前に一本桜がある。
こちらの花はまだ発展途上かに見受けられたが,その一本桜の方が風情があるようにも思える。こちらの襟を正さしめるのは一本桜の方かも。
猿江公園の桜も地元の図書館の一本桜も,文字どおり全く同じものであるわけで,そのことが何だか奇妙なことに思えてくる。
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