2021年10月31日日曜日

2021.10.31 東武でゆっくりと新宿,初台

● 死ぬ思いで7時起床。何やかんやで8時15分に家を出て,9時20分に東武宇都宮駅に着いた。9:19発にわずかに間に合わず,9:52発の南栗橋行きに乗ることになった。
 ここまでで1時間半が経過するわけだ。沿線に住んでない人間が東武で東京に出るとはそういうこと。それもこれも安さに惹かれた結果ね。

東武日光線 南栗橋駅
● 
11時15分,南栗橋着。家を出てから3時間が経っている。JRならもう目的地(初台に行こうとしてるんですが)に着いているかな。
 でも,乗ってて面白いのは東武。否応なく,メトロに乗り継ぐから,東京に来たなと実感できるのも,こっちの方かも。

● 時間をかけた移動そのものを娯楽にできるなら(宇都宮市内の徒歩移動も含めて),断然,こっちの方がいいわけね。圧倒的に安いんだしね。
 時間がかかるということは長く乗っていられるってことでもあって,安いうえに長く乗っていられるんだから,こんなにいいものはないとも言えば言えるのでね。鉄分が多めの人にはわかってもらえる理屈だと思うんだけどね。

● 曳舟で乗換えて浅草。銀座線に乗ると何となく気分が華やぐ気がする。銀座線に何があるわけでもないのだが。
 対面のシートに座った40歳前後と思しき男性が,パソコンを開いて作業を始めた。そのパソコンがMacだった。
 Macのシェアは10%あるかないかだと思うのだが,スタバなどではMac比率がかなり高い。これ見よがしという言葉を思いだしてしまうほどなのだが,電車の中でパソコンを開いているのはオッサンが多い。そのオッサンがMacを使っているのはかなり珍しい。珍獣を見るような目で彼を見てしまった。

● 赤坂見附で銀座線から丸ノ内線に乗換え。銀座駅でも乗換えはできるが,丸ノ内線で赤坂見附より先に行くのなら,必ず赤坂見附で乗換えるべし。
 なぜなら,銀座で乗換えてしまうと,延々と歩かされるからだ。赤坂見附なら降りたホームの反対側に丸ノ内線の電車がやってくる。全然ラクチンだ。
 万歩計の歩数を稼ぎたいという人でもない限りは,赤坂見附まで銀座線に乗っていること,肝要なり。

● 丸ノ内線で新宿。京王新線で初台。この乗換えでは,新宿駅構内を延々と歩かされる。案内板は本当に合ってるのかと疑いたくなるほどに。
 13時20分に無事,初台着。文字どおりの半日行。東武宇都宮駅からだと3時間半。わが家から東武宇都宮駅までがけっこうかかる。それと,待合せ時間がバカにならない。

● ところで,初台に出るならば,浅草から(メトロではなく)都営地下鉄に乗ってしまった方が話が早いと思うのだが,都営にはあまり乗りたくない。
 都営に乗ると気分が沈む感じがするのはどうしてか。別に都営に恨みがあるわけではないのだが。

東京オペラシティ
● 初台に何のために来たかというと,東京オペラシティで青山学院管弦楽団の定演を聴くためだ。それ以上に,女子奏者の修道女コスチュームを見に来たんですよね。その感想はここには記さない。
 復りも同じ行程。京王新線で新宿。延々と歩いて,丸ノ内線に乗車。荻窪まで乗る。

● 新宿駅構内では,反ワク集団が,ワクチンなど打つな,皆さんは政府に洗脳されている,政府の言うことを真に受けている,とアジっていた。鬱陶しいことだ。自分が打たないのは構わないが,騒音を吐きだすな,騒音を。
 別の場所で別の団体も怒鳴っている。ワクチンやマスクの裏にはユダヤ教があるんですよぉぉぉ。いい年こいたオトッツァンだ。物理的にひたすらやかましいのだが,バカにも生存権はあるからねぇ。

● 荻窪。ここに用事があるわけじゃない。三鷹まで行きたいのだが,メトロがここまでしか来ないから,ここで降りた。
 駅前の富士そばでラーメンを食べようと思った。が,ここにラーメンはなかったんだ。で,カレーそば。460円+大盛券。うどんにしておくのが無難でしたか。
 カレーそばだけは自分でも作れる。味は少し負けるかもしれないが,まぁそこそこには。ので,別なのにすればよかったかなぁと注文してから思った。

● 荻窪からJR中央線で三鷹。雨脚が強くなった。駅構内のコンビニでビニール傘を買った。一番買いたくないものが傘なんだが(持ってるだけで鬱陶しいモノをお金を払って買うんだから),仕方がない。濡れたくもないわけで。
 駅から歩いて,三鷹市芸術文化センター。M管弦楽団の定演を聴きに来た。これも感想はここには記さない。

メトロ24時間券
● 終演は20時30分。外に出たら雨があがっていた。傘をどうせい言うねん。家まで持って帰れってか。どこぞに忘れていく可能性が格段に高くなるな,雨があがってしまうと。
 復りも同じ行程。三鷹から荻窪まではJR中央線。荻窪でメトロ丸ノ内線に乗換え,赤坂見附で銀座線に乗換え,新橋でJR東海道線に乗換えて,川崎。今夜は川崎に宿泊する(だから,夜の部の演奏会も聴けた)。

● メトロの24時間券を活かしたいからなのだけど,三鷹から川崎までの全区間をJRに乗ったとしても,180円しか違わない。
 川崎に着いたのが22:10だったから,けっこう時間がかかったわけだ。180円のために時間を湯水のごとく使ったよ,ってことね。
 でもさ,早くホテルに着いても,その後に際立った時間の使い方をするわけじゃないからさ。どっちにしても似たようなもんなのさ。

2021年10月28日木曜日

2021.10.28 氏家の「魚べい」

● 久しぶりだった。「魚べい」がというより,回転寿司が。イカとマグロから入って,真鯛,サンマ,軍艦ものを2つ。
 サンマのみ154円で,あとは110円。サンマは生で食べるより塩焼きの方が旨いですかねぇ。

● 回転寿司は鮨にあらずという意見があって,それはそうなのかもしれないのだが,回らない鮨屋には何年も行っていないので,何とも発言が難しい。
 回転寿司のおかげで,寿司と名の付くものを食べられるようになったクチなので,「魚べい」はありがたい存在だ。それは間違いない。

● 生命力の多寡は何で測れるか。食に対するこだわりはモノサシになるかもしれないと思うことがある。こだわる人は生命力が多い。何やら活動的だし,長生きしそうな気がする。
 堀江貴文さんなんかは和牛を仕事の1つにしていることもあってか,自ら肉磨きのパフォーマンスを披露している。

● ぼくなんかは衣食住に対する訴求点はあまり高くない(と自分では思っている)。粗衣粗食でけっこうだ。何だっていいと思っている。
 普段,食べているものもよく言えば質素,普通に言えばおざなりだ。一汁一菜で何の問題もなし。一菜は毎日同じものでもいい。栄養学的には問題だらけなのだろうが,人は栄養学で生きているわけではない。

● 衣食住の訴求点が低いというのは,よく言えば欲がないということであり,普通に言えば向上心がないということでもある。
 ということは,衣食住にとどまらず,人生万般にわたって “どうでもいい” が支配する恐れなしとしない。恐れなしとしないどころか,60有余年 “どうでもいい” でやってきたような気がする。もう治るまい。

● 鮨の鑑賞能力も上がらない。鮨飯のうえにネタが載ってれば,それがすなわち鮨だと思っている。そういう人間に食べさせるのでは,作る方も作りがいがなかろう。
 そういうこともわかるので,回らない鮨屋は敷居が高い。自分にとっての鮨屋は回転寿司店だと思っている。回転寿司は鮨とは言えないとしても。

● その回転寿司店にも足が遠のくようになった。たまにご馳走を食べに行くところになった。

2021年10月27日水曜日

2021.10.27 宇都宮のホテル事情

東武ホテルグランデ
● ホテルに泊まるときは,泊まるために泊まる。何かの用事があって,その用事を果たすためには宿泊しなければならない,だから泊まる,ということはあまりない。
 ホテルで過ごすことが宿泊の目的になる。ホテルの外よりホテルにいる時間の方が長い。風呂に入ったりウトウトしたりお茶を飲んだりしている。
 どうせ寝るだけなんだからホテルなんてどこでもいい,ということにはならない。まずは財布との相談になるけれども,どのホテルに泊まるかはけっこう考える。

● しかし,一方で,だったら,東京まで行かずとも,地元のホテルに泊まっても同じことじゃないか。地元にいいホテルがあれば,そこでゆっくりすればいいではないか。交通費もかからない。
もうひとつの雄 ニューイタヤ
 と,相方に提案したら,即座に強く拒否された。そりゃそうだ。いくらホテルから出ないと言ってもね。自宅の庭でキャンプしてるようなものだもんな。
 ので,宇都宮のホテルには泊まる機会がないわけだ。若い頃は,終電に乗り遅れて,駅前のビジネスホテルに泊まることが時々あったけど。

● 地元にいいホテルがあれば,という前提が満たされるかどうか。もちろん,宿泊料が高いのがいいホテルなのではない。
 宇都宮のホテルの代表格というと,東武ホテルグランデとホテル東日本宇都宮の2つかと思うのだけど,さてこれがどの程度のものなのか。風呂・トイレはユニットバスだったりしないのか。できたのはけっこう前だからなぁ。ユニットバスでは他がどうであってもビジネスホテルと見做すぞ。
 もっと古いホテルもあるが,ホテルは古きがゆえに貴からずであって,ざっくり言えば新しい方が期待が持てる。ということなら,駅ビルにあるホテルメッツの方がいいかもしれないなぁ。

● ソフト面つまりスタッフの練度においても,東京水準とはいかないだろう。東京ほどの競争には晒されていないだろうから,これは致し方がない。
 チェーンのビジネスホテルなら均一化されているのかもしれない。宇都宮にもアパはあるが,アパなら全国どこのアパでも差はないのだろう。そもそもセルフ化が進んでいて,差など出ようがないと思うが。

コンテナホテル
● 宇都宮にもコンテナホテルなんてのがある。「HOTEL R9 The Yard」という。可動式のホテルなんでしょうね。どこへでも運んでいける。お客も車で乗り付けて,ひと晩泊まって次の目的地に向かうという感じだろうか。まったりするためのホテルではないっぽい。ビジネスホテル並みの設備は整えているようだが,糞尿の処理はどうしているんだろうか。
 宇都宮だけではなく,栃木県を中心に全国展開をしている。事業会社は㈱デベロップだが,栃木県の会社かと思いきや,千葉県市川市に本社がある。

● 1年後には駅東の再開発が終了して,新しいホテルができているはずだ。カンデオホテルができる。高級ビジネスホテルといった趣になるのだろう。
 タイの五つ星ホテルのデュシタニも進出するはずだったが,白紙になったらしい。「国内外の富裕層並びにVIPなどをメインターゲットとし」と言っても,国内外の富裕層やVIPが宇都宮に何しに来るの?
 宇都宮でそんな高級ホテルが成立するはずがない。デュシタニは正しい選択をしたと思うが,後釜はないから計画はその分縮小することになる。

● といったあたりが宇都宮のホテル事情だ。駅東の再開発はできあがりを楽しみにしているけれども,旧市街の空洞化はいっそう進むなぁ。JR駅と東武駅が綱引きをしていたようなものだが,さらにJR駅の東側に引っぱる力が加わるわけだから,駅西地区はズルズルと衰退する。
 しかし,変化を続けていられる間は,まだ元気な証とも言える。

● あえて宇都宮のホテルに泊まってみるという酔狂をやってみようと思わないわけではないが,駅東再開発の終了後だな。

2021年10月24日日曜日

2021.10.24 久しぶりにJRで東京日帰り

自治医大駅
● 久しぶりにJRで東京に向かっている。夏の “青春18” 以来ではないか。ずっと東武を使っていた。なぜなら,東武の方が安いから。
 JRにしたのは,東武疲れ(?)もなくはないんだけど,家を出るのがちょっと遅くなってしまったからだ。

● 自治医大駅でいったん降りて「休日おでかけパス」を買った。それでも都内を動くだけなら,東武で行く方が断然安い。その代わり,自治医大駅でいったん降りても,JRの方が早く着く。
 自治医大駅発10:23の平塚行きに乗った。車内はこんな感じ。貸切状態。小山で何人か乗ってきて,立つ人が出るのは久喜あたりからなのだが,今日は大宮でも立つ人はなく,赤羽でやっと(?)つり革につかまる人が現れた。

● 古河駅を出たところで緊急停車。具合が悪くなった乗客がいて,救護活動を行っているという。
 救護された人は列車を止めてしまったわけだから,後で損害賠償請求が来ちゃったりするの? こういうときには,それはなし? ないんでしょうね。それをやったらJRは鬼畜だと思われちゃうもんね。

● 正午頃,上野着。特急ひたちが停まっていて,窓際の席で弁当を食べている女性が見えた。
 激しく羨ましい。特急電車に乗って,駅弁のおかずを肴にして缶ビールか缶ハイボールを飲みたい。

● 上野からは京浜東北で蒲田。再び,京浜東北をひと駅乗って川崎。
 川崎の富士そばでラーメンを食べようと思った。富士そばはラーメン店なのだ。流行りのコッテリ系でないラーメンを食べたければ,富士そばに行くのが間違いのない選択だ。
 が,あらら,ラーメンは売切れでした。では,というわけで,大盛りそば,420円。

● 復りは東海道線で新橋まで乗って,銀座並木通りを歩いてみた。クラブの灯がまばゆい。銀座の灯は緊急事態宣言中も消えたことはない。ずっと点いていた。ただし,営業していなかったところも多かったのではないか。
 が,今ははれて営業も再開しているのだろう。お客はどの程度戻っているのか。自分には縁のない世界だが,頑張れ,銀座の夜の花。

● だってね,銀座が百貨店とブランドショップと専門店とカフェ・レストランしかない商業街になってごらんなさいな。それらの店が閉まったあとは誰もいなくなる。つまらなくなるよぉ。
 夜の顔を持たない街は街として半人前だよね。たとえ自分は行けそうにない高級酒場だとしても,銀座の夜の顔はなきゃいけないよ。

2021年10月14日木曜日

2021.10.14 東武線にひと駅乗る

● 東武で東京に出ることが多くなったので,JR宇都宮駅から東武宇都宮駅まで歩くことが増えた。散歩にちょうどいい距離。ウォークマンのイヤホンを耳に突っこんで,大通りを避けて1本入った道路を歩くのが好きになった。
 今日は東京には行かないんだけども,東武駅まで歩いてみた。

● 東武からどうしたかというと,ひと駅乗って南宇都宮へ。運賃は150円。JR駅からバスに乗れば220円。だったらバスに乗れば,っていう話ではあるわけだよね。
 東武役にあったポスター。東武博物館ではこういう展示をやってるよ,と。浅草って,
かつては東京きっての繁華街。今は銀座,渋谷,六本木にその座を譲っているけれども,その残り香は街のソチコチにあるんでしょ。かつて栄華を誇って,今は静まっているところって,だいたい面白いんだよね。

● 東武駅に置いてある観光案内パンフ。JR駅では見かけないもの。沿線が異なるからじゃなくて,JR駅にはJRが噛んだパンフしかないのに対して,ここには(東武が作ったものではなく)自治体や観光協会が作ったものが並んでいる。
 東武には安く東京まで行くために乗るから,途中で降りることはまぁない。特に壬生で降りるというのはあまり考えたことがない。もちろん用事があって行ったことは数回あるんだけどね。
 けれども,馴染みのないところこそ,観光パンフを見るのは面白いものではある。っていうか,馴染んでるところはすでに知っているわけで,観光パンフを見てもアラ探しに走ってしまいがちになる。

● 南宇都宮駅。人っ子一人いないというか,静かというか,平和というか。ひとが住んでいるんだから,喜怒哀楽の一揃いはそちこちにあるはずなんだが。
 宇都宮に戻った。14時半のオリオン通り。昼から飲んでる人がいる。こういう光景って,昔は上野のアメ横とか,限られたところでしか目にしないものだったが,今は地方都市でも普通にあるようになった。コロナ明けなので尚更か。
 念のために訊きたいんだが,毎日じゃないよね。毎日,昼間から飲んでるわけじゃないよね。

2021.10.14 「いろり庵きらく」で勉強した

● 宇都宮駅構内の「いろり庵きらく」でミニソースかつ丼セット。660円。丼ものって,ご飯が旨いことが第1条件。ご飯が旨いとバクバク行ける。
 で,ご飯が旨いんですよね。ここの丼ものはね。といっても,ここで注文する丼はミニ豚丼セットと今回のミニソースかつ丼セットのどちらかになることが多いです。

● ソースかつ丼,自分で作れないかと思うんですよね。ご飯に千切りキャベツを載せて,カツを乗っけて,味噌ダレをかけるだけなんで。
 しかし,なかなか簡単には行きませんかね。味噌ダレが問題かぁ。

● あと,これも自分で作れないかと思ってね。胡麻坦々肉つけそば。旨そうじゃないですか。肉汁つけ麺は普通に作るんだけど,これは少々手間がかかりそうですかねぇ。
 あ,ぼくが作る肉汁つけ麺っていうのは,豚ひき肉と長ネギを炒めて,そこに市販の麺つゆを希釈して,白だしを少し加えて,煮立てるだけのものです。あとは,うどんかそばを茹でて,冷たい麺を熱いつけ汁で食べる。それだけのものです。

● 今日はけっこういい光景に出会えたので,記録しておこうと思うんですがね。
 爺様が「ご馳走さん」と言いながら食器を戻した。ここまでは普通にある話。ぼくも言ってますよ。しかし,この爺様には先があったんでした。
 店のスタッフは「ありがとうございました,またお越しくださいませ」と声をかけるわけですよね。マニュアルどおりに。普通,それは聞き流すじゃないですか。店を出てから聞こえてくることもあるし。
 けれども,この爺さまは,それに対して,明るくハキハキと「ハイッ」と答えたんですよ。何と可愛らしい。

● これ,いいな,と思って。この天真爛漫は素晴らしいぞ,と。歳を取ると子供に戻ると言われるけれども,この戻り方はもって範とするに足るな,と。
 ぼくも真似しようと思った。が,言えなかった。達人の境地に一足飛びには行けないものだよ。

2021.10.14 GoTo の是非論

● コロナが事実上のゼロコロナ状態になった。となると,さっさと制限を前面解除しろ,GoToを再開しろ,という意見が出るし,逆にそれは性急だという意見も出る。
 経済評論家を名乗る門倉貴史さんが,次のような意見をネットに表明したらしい。
Go Toキャンペーンで恩恵を受けるのは,観光・旅行に行くだけの経済的・時間的余裕のある層が中心となる。経済的・時間的余裕のない低所得層は恩恵を受けることができないわけで,このような政策は新内閣が掲げる「成長と分配の好循環の実現」の方針と矛盾することになるのではないか。再分配と消費の増加を同時に実現しようとするのであれば,消費の選択が左右されず,低所得層のほうが経済的な恩恵を大きく受けられる消費税率の引き下げのほうが,効果が大きいのではないか。
● これに対して,永江一石さんはTwitterで次のように反論している。
GoToでもっとも恩恵を受けるのはちょっと足してあげるからあなたはお金を使いなさいといわれて浪費する旅行者ではなく,コロナの過剰対策で苦しんだ地方の観光や農業、漁業まで全ての産業なんだが
これで経済評論家ならワシでも名乗れるわ
低所得者の大半は年金暮らしの高齢者。コロナの影響なんてない
● この反論を受けて,次のように言う人もいる。
経済学者の言とは思えない
GOTOの目的は,事業者と関連業界のテコ入れだと素人でもわかるのですが....
年金暮らしの『資産家』から埋蔵金を吐き出させる経済効果もあるのです
令和元年度「高齢者の経済生活に関する調査」(内閣府)の結果では,60歳以上の人の約4分の3が心配なく暮らしている
● これに関する自分の意見をまとめておきたい。と言っても,永江さんの意見に賛成ということで終わってしまうのだが。
 門倉さんは何のためのGoToかを見ていない。低所得層が云々という話がどうしてここで出てきてしまうのか。
 言論人,知識人のすべてがそうだとは言わないが,政策全般の前提に格差の是正や弱者への福祉的視点,もっと言うと社会主義的な視点がなければならないと考えているようだ。だから,最初から結論は決まっている。何も考えていないし,考えるということをしたことがないのかもしれないとすら思えてくる。

● たしかに「GOTOの目的は,事業者と関連業界のテコ入れ」なのであって,GoToで旅行をする人ではない。彼らは「事業者と関連業界のテコ入れ」をするための道具だ。
 GoToではなく,その予算額をそっくり,関係事業者に現金補助すればいいではないかという意見も,いまだに野党から出る始末なのだが,これはいくつかの意味で論外。
 第1に,必ず不正が行われる。第2に,不正がなくても,結果において間違いが起きる。出すべきところに出すべき額を出さずに,出すべきでないところに出すべきでない額を出してしまう。誰がどれだけ凹んだかを間違いなく把握する方法などないからだ。

● そして第3に,そのやり方では予算額だけの経済効果で終わってしまう。乗数効果が見込めない。
 旅行する人にお金を出すことによって,予算の何倍ものお金が動く。自分のお金にGoTo補助分を上乗せして旅行するからだ。
 旅行者はホテルに籠もっているわけではない。動いてくれる。街に出て,食事もするし,お茶も飲む。買い物もする。その前に交通機関を利用する。電車か飛行機か夜行バスか,それは色々だろうが,ピンポイントではなく広い範囲にお金が落ちる。
 どの業者にどれだけのお金を落とすかは旅行者が差配するから,事業者や役人が鉛筆をなめる余地がない。なめなければならないシチュエイションを惹起しない。

● ただし,今だってGoToは実施されている。ホテルや旅館が自己負担でGoToをやっている。首都圏に多い。東京五輪をあてこんで開業したホテルは軒並みそうだろう。
 コロナ以前に比べれば,宿泊費が半額になっているところもある。銀座のビジネスホテルの宿泊費が地方都市よりも安いという逆転現象も起きている。
 これで適正利潤が出るわけがないから,サッサと国がGoToを実施して,当事者の負担を減らせという話になるのだ。

● GoToをやれば事業者が自己負担していた分がなくなる。その分,元々の価格が上がる。その何割かをGoToが負担することになるので,消費者が自身で負担する最終価格は今とさほど変わるまい。
 唯一,今,予約して,宿泊するまでにGoToが実施されるとそこからさらに何割か減額になるけれども,GoToが決まってから予約しても遅いよ,と。

● ので,埋蔵金を吐き出す人(上の意見では,低所得者=高齢者=年金生活者=資産家)は,もうとっくに吐きだし始めているのじゃないか。お上の政策に関係なく,使うなら今だ,と。何せ,高齢者は毎日が日曜日なのだから,安値を選びやすいのだ。
 GoToが実施されたからといって,これまで使わずにいた高齢者層がドッと使いだすとは考えにくい。

● 使いだすのは,高齢者層ではなく,現役層,特に子育て中の人たちだ。子供を連れて出かけることになるだろう。
 客層が転換する。かつ,トータルで需要が増えることは間違いないだろう。

● しかし,だ。GoToの効果をあまり過大に見積もらない方がいいと思う。というか,GoToなどどうでもいいではないか。GoToなど待っていないで,今,行ったらいい。
 コロナ対策のしわ寄せを一身に受けていたこの業界の人たちに手を差し伸べることには,一も二もなく賛成する。
 この時期に低所得層がどうのこうのと言うのは,些末にかまけているという印象になる。そういう議論は平時にやればよい。

● わが家では今年はすでに60泊以上している。ワクチン摂取前に緊急事態宣言が出ている東京や神奈川に泊まった。良い時期にお金を使えたと満足している。
 9月以降は家庭の事情もあって,泊まりで外出するのは困難になってしまったが,それがなければ,二度目のワクチン摂取もすんだことだし,チョンチョン跳ねで首都圏のホテルでプチバカンスを決めこんでいるだろう。

● ちなみに,ぼくのオススメは東京五輪をあてこんで開業した新しいホテルだ。新しいとは使い勝手がいいということだ。既存ホテルと客室の面積が同じならば,新しいホテルの方が狭さを感じない。空間の使い方,レイアウトの取り方に感心させられる。
 加えて,風呂,トイレ,洗面といった水回りが快適だ。トイレと風呂が同じ場所というのはまずない。トイレだけで個室を確保している。浴槽も大きい。男性でも足を伸ばせるところが多いだろう。深さもある。

● ぼくなんぞは,もう温泉宿には行かなくていいなと思うほどだ。ホテルのお風呂で充分。
 今の時期なら湯を熱めにしてゆっくり浸かる。しっかり汗もかく。バスタオルで体をふけば,すぐそこにベッドがあるのだから寝そべることができる。弱冷房にして身体の粗熱を取るのは気持ちがいいものでしょ。
 また入りたくなったら,新しい湯を満たして,もう一度浸かればいい。贅沢なものだ。サウナがあるなら,部屋の風呂は遠慮して,1日に何度でも好きなだけサウナを楽しめばいい。
 入浴も含めて,首都圏のホテルを推奨。リゾートはアーバンリゾートに限る。

● 自然派もいるだろう。そういう人は好んで地方に向かうだろうから,ぼくは安心して都市がいいよと言うことができる。
 普段は田んぼしかないところに住んでいるから,非日常を過ごすところは都市がいいとなるのもある。

2021.10.14 芸能界の元気な人たち

● 73歳,現役,まだまだ稼ぎます。それだけの能力があり,努力もしてます。
 奥さんが和由布子だもんねぇ。絶世の美女で11歳年下。それだけの魅力があったんでしょうなぁ。過去形にしてはいけないのかもしれないんだけど。
 しかも,子供を3人も育てあげている。偉い。立派。それだけでも大したものなのに,73歳でなお稼げる。オスとして最高品種。

● ほかには,郷ひろみとさだまさしが毎年,全国ツァーをやってますな。女性ではこの人が目立つ。
 歳を重ねてもキーがブレない人たちでしょうね。要するに実力派。郷ひろみはデビューしてからの努力の仕方がハンパなかったですもんね。
 実力派というと,松田聖子は全国ツァーをしない。ホテルのディナーショーを戦場に選んでいるんだろうか。

● この業界はスター歌手1人にたくさんの人がぶら下がっているんだろうから,スターである彼(彼女)がその人たちを食べさせなくてはいけない。疲れたからもう辞めるよ,とはなかなかいかない事情もあるんでしょうね。
 けど,それだけのはずもない。辞めたくないという思いが前提にあるだろう。本当にイヤなら,どんな事情があっても辞めるはずだからだ。

● こっちはもっと凄い。御年88歳ですよ。怪物くんと呼びたくなるでしょう。これはチケットを買うね。来年1月に聴きに行くね。
 ま,渡辺さんは芸能界の人間ではないけれども,ジャズやクラシック音楽の世界でも怪物はけっこういる。おそらく,どの世界にもいるのだと思う。芸能界は目立つというだけで。

● 人生100年時代と言われても,100年も生きなければならないとなると,長生き地獄を目の当たりにすることになるかもしれない。文字どおりの意味で,人生長きがゆえに尊からず。
 これ以上に平均寿命が伸びても仕方がない。寿命が延びることの限界効用は,下手すると0を下回ってマイナスになるかもしれない。
 が,健康寿命を延ばす算段は重要だ。こういった人たちを見ていると,そのために一番いいのは仕事を辞めないことだと思えるが,それができる人は一部の選民に限られるようだ。

2021年10月10日日曜日

2021.10.10 今日も今日とて,東武電車で東京に

● 今日も今日とて,東武電車で東京に行く。江東区の「ティアラこうとう」で行われる演奏会を聴きにいくのだが,半ば以上,それを口実に東京をフラフラするためだ。
 今日は浅草ではなく,曳舟で乗換えずに押上。押上から半蔵門線でふた駅乗って,住吉。ここが「ティアラこうとう」の最寄駅。

● 南栗橋から先は東武線がメトロ半蔵門線,東急田園都市線へ乗り入れて,中央林間まで走る。東武沿線に住んでいる人は乗換なしで渋谷,二子玉川に出ることができるわけだ。渋谷の先まで通して乗る人はあまりいないかと思うが,便利なんだよねぇ。
 半蔵門線は日本橋,大手町を経て,永田町から表参道を経て渋谷へと至るのだから,天下の大道を行くようなものだ。墨田区から都心は近いのだよね。

● 江東区大島。本村橋から横十間川を眺める。川というより運河だと思うが。おそらく,このあたりは埋立地なのだと思う。ベタッと埋め立てないで運河を残したのは,水運の便を考えてのことでもあろうし,火災の類焼を抑えるためでもあるのだろうが,景観的にも正解だった。
 今の東京は海を埋め立ててできた都市だ。ウォーターフロントを先に先にと延ばすことによって成立してきた。必然的に水の都でもあるはずだ。水のある景色は近しいものだ。

● 大手町に出てみた。丸善の丸の内本店を覗いてみたが,『宮沢賢治万華鏡』はここにもなかった。新潮文庫の目録があったので確認してみた。目録にも載っていない。いったん発刊されたものの,いまは廃番になっているんだろうか。
 どこの書店だったかは忘れたが,現物を見た記憶がある。目録にないのが解せないのだが,丸善本店にもないんじゃ本当にないのだろうなと思うしかない。

● 東京駅。東京は東京駅があるから東京なのだという気がする。正面を進んでいくと皇居があるわけで,それこそが東京のヘソであることは間違いないのだが。
 観光資源として外国人に人気がある。日本人にも人気がある。東京の顔だということの他に,丸の内側の広場の開放感が大きい。スコーンと抜けて頭の上が軽くなったような感じ。

● グランスタ地下のトラベラーズファクトリーに行くとか,KITTE の ANGERS を覗くとか,そういうことはせずに,丸ノ内線,半蔵門線で水天宮前。
 今日は隅田川とは逆方向に歩いて人形町を散策。今日は何も食べていなかったので,兎屋でラーメンを食べようと思った,ら。ぼくの前にグループさんがお入りになって,満席に。カウンターだけの10人も入れば満席になる店だ。
 で,引き返して吉野家。461円でこんな旨いものが食べられる。何て素敵なの? しかし,これでは日本人の給料は上がらないはずだよね。年金生活者には天国なんだが。

● 通りではれいわ新選組の候補者が演説中だ。教育無償化を訴えていた。未来への投資だという。学級の生徒数を24人以下にするとも。教師の目が届くように,キメの細かい指導ができるように,と。教師の目が隈なく届いてしまったら,児童・生徒の立つ瀬がなくなると思うけどね。
 そもそも財源はどうするのか。消費税は廃止するんだったよな。今,最も金を喰っているのは土木ではない。教育だぞ。たとえば大学は全部私立にして高負担化することとバーターでなければ,どこから金を引っぱってくるのかという話になる。
 れいわ新選組は日本愚民党と名を変えたらどうかと,個人的には思っている。演説していた候補者は,アメリカの金融機関で働いていたとPRしていたから,頭のいい人なんだろうけどね。

● 日比谷線で銀座に。銀座は今日も賑わっている。こうじゃないとなぁ,銀座はね。お金持ちが集って高額商品がどんどん売れる。それが銀座じゃないですか。なのに何でお前がウロウロしてんだよ,って話だけどさ。
 伊東屋に行って,昨日見れなかったものを見ておこうかとか,その種の発想はなし。街の人出を確認しただけ。
 結局,メトロの24時間券のモトを取るために乗降を繰り返したという感じ。銀座線で浅草に出て,東武線で帰宅の途につく。

● 東武宇都宮駅着,21時半。この時間帯でも活気があるぞ,オリオン通り。コロナにまけない うつのみや とはどういう意味かわからんがな。
 昨夜のローソンパブに続いて,今夜はセブンパブ。アルコール分9%のストロングはちょっとキツくなってきた。レギュラー缶1本飲むのがさ。周りを気にして,サッサと飲んでしまおうとするのがいけないのか。

● JR宇都宮線は13時頃の変電所火災による停電で,東京〜大宮間で運転を取りやめているらしい。高崎線,京浜東北線も。埼京線と湘南新宿ラインは動いているんだろうか。
 大変でも東武に振替える手はあると思う。東武で久喜まで出るとかね。こちらは東武だったから影響はなかったのだが。

● ところが。東武駅からJR宇都宮駅まで徒歩移動して,22:10発の黒磯行きを待ったのだが,23時を過ぎても来ない。だいぶ遅れている。構内放送もない。静かなもんだ。ずっとゴタゴタが続いて,駅員も疲れてしまったのか。
 22:39発の烏山線烏山行きの方が先に発車した。それに乗車して帰れたけれど,氏家や矢板,黒磯まで乗る人は,さらに待ったことだろう。最終の黒磯行きは,ひょっとして運転中止になっただろうか。


(追記 2021.10.11)

 『宮沢賢治万華鏡』はAmazonでポチった。やはり廃番になっているのかもしれない。Amazonにも中古品しかなかったから。
 その中古品を買った。価格は1円で郵送料が380円。

2021年10月9日土曜日

2021.10.09 宇都宮のオリオン通りにも活気が戻ってきた

● 宇都宮市オリオン通り。9月までとはまったく違う。宇都宮市で最大の飲屋街になったこの通りのどの店にもお客が入っている。
 やっと飲めるようになったか,待ちかねたぞ,という感じ。

● 店で働いているのはバイトばかりだと思う。店への忠誠心なんてないだろう。
 が,接客は嫌いじゃないという人はけっこういるのじゃないか。暇で手持ち無沙汰にしているよりは,忙しく立ち働いている方が身体が喜ぶということはあるのかもしれない,と思ってみる。

● 活気がある。こうじゃなくちゃね。
 何のために仕事してるのかといえば,楽しいムダを味わうためでしょ。最も良質な楽しいムダは,気心の知れた友人と安酒を酌み交わすこと。

● 自分もその輪の中に入ってみたいとも思うのだけど(先週,2回目のワクチンを打っているし,今は3密やソーシャルディスタンスを無視して動いても,感染の可能性はほぼない。感染源になる人がいないのだから),さすがに1人ではねぇ。
 グループで来ている人たちが大半で,あとはカップルが少し。1人で来ている人はいるのかいないのか。いないはずはないだろうが,その中の1人になるほどの気力はない。

● ぼくには友だちがいないので,“最も良質な楽しいムダ” は味わえない。そういう楽しみはぼくの年齢になるまでに味わい尽くしておけってこと。
 歳を取るということは,そうした楽しみも手放していくということでもある。そこはそういうものだと思っている。

● 若い頃から友だちというのはいなかったし,欲しいとも思わなかった。気心の知れた友人と安酒を酌み交わすのが最上の酒場の楽しみ方だと思っているけれども,経験からくる実感ではなくて,たぶんそうだろうと考えているに過ぎない。
 昔は1人で酒場に出かけることが多かった。中年を過ぎてからは,外で飲むより家で飲むことが多くなった。

● 活気のある飲み屋街を歩くのは好きだが,1人で飲み屋に入ろうとはもう考えない。
 だから,ローソンパブだ。コンビニで酒とつまみを買って,駅のホームのベンチとかで飲むってやつ。こういうのを寂しいと感じる感覚を持ち合わせていない。
 緊急事態宣言中もやってたよ。コロナの影響を受けないスタイルだもんね。
 でも,緊急事態宣言中はコソコソとやってましたから。宣言が解除されて,堂々とできるようになった感じはあるよ。
 9%のストロング系はけっこう効くよね。帰宅後もハイボールを1杯飲んだ。たぶん,飲みすぎた。

● JR宇都宮駅前のキャバクラの看板にも灯が入っていた。もちこたえていたんだなぁ。
 今なら密着してもコロナ感染はあるまい。いざ出陣じゃ,戦人よ。

● 東武宇都宮駅にドカンと出てる広告板。相席ラウンジって何よ? 新たなキャバクラ?
 ググってみましたよ。居酒屋の新業態っぽい。ぼくのようなロートルには無縁かもしれん。だとすると,逆に一度は行ってみたくなるわけだが,ま,その機会はあるまいね。

2021.10.09 東武線で川崎,銀座を巡る

新栃木駅
● 普段は昼夜逆転。今日は死ぬ思いで7時起床。最寄駅(JR宇都宮線)から8:10発の上野行きに乗った。そのまま乗っていれば,上野で乗換えて,10時半には川崎に着いているのかもしれないが,宇都宮で下車。
 東武駅まで宇都宮の旧市街を歩いて,東武線の南栗橋行きに乗った。今日は川崎まで行く。9月19日以来の県外移動だ。

● 東武電車の中吊り。門脇麦のポスター,外して持って帰りたい。

● 曳舟で乗換えた浅草行きに,小さな男の子を連れたママさんが多いんだが。浅草で何かやってるだろうか。
 東武伊勢崎線は北千住を過ぎてから,隅田川を渡りそうで渡らない。荒川(放水路)と隅田川の間の中洲を走って,浅草に着く直前にようやっと隅田川を渡る。その渡橋のときの風景が東武線の白眉ですかねぇ。

● 東京の地下鉄ほど面白い乗物はないと思うようになった。以前の田舎者にはありがちなJR中心主義は過去のものにできた。やれやれ。
 特に面白いのが銀座線。次に丸ノ内線。その次が半蔵門線。何で銀座線なのかと訊かれても困る。答えられない。何となく,だ。
 最初にできた地下鉄なので地下の浅いところを走っているから,あまり下に潜って行かなくてもホームに到達できるのが理由の1つかもしれない。都営大江戸線のように深く潜っていく必要があるところでは,かすかに気分が沈んでくるのを感じる。
 ただ,そういうことになると半蔵門線もだいぶ深く潜るのだが,半蔵門線はまったくOKなんだよねぇ。

● 乃木坂46のメトロ24時間券の使い初め。まずは齋藤飛鳥から。
 新橋で銀座線を降りて,JR東海道線に乗換え。やってきた電車は品川行きだったが,構わずに乗って,
品川駅12番線ホーム

品川でまた乗換え。常磐線から来るのは品川止まりが多いような気がする。

● ミューザでオーケストラ・ゾルキーの演奏を聴いた。そのために来たのだが,ここでは感想は述べない。
 富士そば川崎東口店。自分的には定番になった「ラーメン+大盛券」。富士そばって,蕎麦屋じゃなくて,ラーメン店だというになっている。

● 帰りは新橋から銀座を歩く。並木通りは緊急事態宣言が解除されても人出はさほど増えていない
並木通り
ように見えたので,アレアレと思ったが,中央通りに出てみると,おぉぉ,増えてるじゃないですか。生き返れるか,銀座。
 いやいや,銀座は死んでいない。生き返るんじゃなくて,盛り返すと言うのが正確だ。でもって,盛り返すに決まっている。
 ぼくは銀座でも通行人に過ぎないのだけども,銀座を自在
中央通り
に泳げる人がいるはずだ。しかも,大勢。そういう人たちがコロナ以前のように銀座を泳ぎ始めるに違いないのだ。

● 伊東屋を覗いて,銀座駅から銀座線に乗って,三越前で降りた。メトロの駅で一番好きなのが三越前。なぜかというに,改札を出るとタロー書房があるからだ。
 タロー書房には由緒正しい貴婦人のイメージがある。昭和の書店の趣を湛えつつ,凛としてそこにあるという風情。
 新潮文庫の『宮沢賢治万華鏡』があったら買おうと思っているのだが,宇都宮の書店にはない。タロー書房にもなかった。

● 半蔵門線をひと駅乗って,水天宮前。ちょっと歩くと隅田川。隅田川の風に吹かれてみたくなった。ロイヤルパークホテルを定宿にしていたときには,必ずここに来て,癒やしというか救いというか,隅田川の風景に助けてもらったという思いがある。
 久しく泊まっていないロイヤルパークも見てみたかった。JR中心主義を脱することができたのも,このホテルが半蔵門
線の駅に直結しているからだ。否応なくメトロを使うことになり,メトロの路線図が頭に入るようになった。
 東武線に注目するようになったのも,人形町に馴染むようになったのも,このホテルからだ。

● 気持ちがいいものだ。川の流れを見るとこれほどの快を感じるのはなぜなのか。このまま泊まってしまえればいいのだが,そういうわけにも行かない。帰るとしよう。