2021年9月28日火曜日

2021.09.28 秋田内陸縦貫鉄道

● かつての国鉄阿仁合線(鷹巣ー比立内)と角館線(角館-松葉)を前身とし,1989年に比立内-松葉 間が開通し,縦貫が完成した。縦貫してから一度だけ乗りに行った。
 ただし,文字どおり乗っただけなので,沿線の諸々はすべて見逃している。 

● マタギの里としてアピールしたり,温泉や食事を整えたりと,努力はしているのだろうが,経営は厳しい。人がいないのだから当然だ。お金が落ちる道理がない。
 お金を落としてもらうためには,よそから人に来てもらうしかない。観光客の誘致。

● しかし。地元在住者の目線と観光客の目線は同じではないとしても,地元に魅力がないから若い人が都会に出ていくのだ。一方通行で戻ってこない。
 おそらくだが,地元に働く場所ができたとしても,それだけでは都会暮らしを知った彼らが戻ってくることはないと思う。

● 過疎地はすべてそうだと思うのだが,そういうところに魅力を感じてよそからやってくる人が多くいるとは,やはり思えない。
 人がいない=豊かな自然=玲瓏な空気と水=兎追いしかの山・小鮒釣りしかの川=日本の原風景。それでは人は来ない。静かな自然より人工的な雑踏に人はより惹かれるものだ。

● 田舎から都会に出てもすぐに慣れる。しかし,都会に慣れた人が田舎に順応するのは生半なことではない。
 それは住む場合の話だが,どこに旅行に行こうかと考えるときに,その視点が水面下で決定に影響を与えることはあるような気がする。
 田舎の人が田舎に旅行に行くことは考えにくいし,東京の人はといえば,京都とか大阪とか福岡とか札幌とか,ある程度の人口集積があって東京と違った空気を湛えているところに行くのではないか。“何もない” 田舎を志向することはあまりないのじゃないか。

● 宮脇俊三さんは,この沿線は秋田美人の産地だと紹介していたのを記憶している。主には角館のことだと思うのだが。
 では,秋田美人の里として売り出すのはどうか。うぅぅむ,美人も偏在から遍在に変わってきているからね(?)。日本のどこにも美人はいる。
 となれば,美人の数も人口に比例する。今,美人が最もたくさんいるところはどこかといえば,断言する,東京だ。美人に会いたいのだったら,東京に行って銀座線や半蔵門線に乗ってみるのが,最も確実な方法だ。

● というわけで,観光客誘致も難しいとなれば,いつまであるかわからない路線だ。廃止が決まってから騒ぐのではなくて,今のうちに乗りに行ったらどうか。
 ぼくももう一度行ってみようか。そのためには “時間はあるけどお金がない問題” を何とかしないとな。

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