2022年10月29日土曜日

2022.10.29 イーロン・マスクが Twitter 社を買収

● 右の記事は今日(10/29)の日経。イーロン・マスクが Twitter 社の買収を終了してたという記事。
 新聞記事を書く人って,どうも自分を神の位置に置きたがる癖があって,あれやこれや忠告しているが,その大半は愚にもつかないものだ。評論しないと記事にならないというものでもあるまい,と思うのだが。

● ツイート管理の効果には疑問もあるので,マスクの基本的な方向は間違っていないのじゃないかと,素人考えをしている。
 問題は Twitter をはじめとするSNSの終わりを想定しなければならなくなっていることだ。投稿の大半はノイズであり,SNSによる個対個のコミュニケーションは不可能であることが認知される結果,SNSが退潮に向かうこと。

● というか,もう向かっている。SNSにかつてのような夢を語る人はすでにいない。SNSは構造不況業種になった。
 そこでマスクがどんな踊りを踊るのか。踊り手が踊り手だけに,楽しみではないか。終わりの始まりという人もいて,実際にそうなるのかもしれないけれども。

● この買収劇で儲けた人は多いでしょうね。特に旧経営陣。1株あたり54ドル20セントは過去最高額なのだろう。日本から投資した人も,今は円安の絶頂期なんだから,手取りの円は随分と増えたことだろう。
 その分,マスクには高い買い物になった。が,だからこそ,これからが見ものなんですよね。

● 想像を超えたのは,従業員の75%を削減すること。半分にするとは思っていたが,これほどとは。
 高い買物になったのだから,徹底的にコストを刈り込んで,会社の関与をミニマムにしていく。それなら今の4分の1の社員(エンジニア)で充分ということか。


(追記 2022.11.06)

● イーロン・マスクは,早速,首切りに着手した。というか,半ば終了したのかもしれない。このスピード,躊躇のなさ。日本企業は真似ができない。
 したがって,市場で勝負すれば日本企業に勝ち目はない。サーキットでF1カーと軽自動車が競争するようなものだから。

● このスピードと果断は,間違っていれば深い痛手を負うけれども,すぐさま修正するのだろう。
 早く判断してもゆっくりと時間をかけても,百発百中間違えないなんてありえないわけだから,無駄な議論はやめて,ノイズは無視して,素早く判断し,結果を見て修正するのをたくさん繰り返した方が勝つとしたものだろう,たぶん。

● 6兆円もかけて,Twitterを非上場にし,自分の持ちものにしたのだから,無駄を省いて,新たな種をまいて,儲かるようにしなければならない。
 そうしたうえでもう一度上場するのかどうかは知らないけれど,元を取るどころではない結果になるのを見たいものだ。

● この目を剥くようなリストラに,Meta も追随するらしいし,Google や Microsoft も同じだろう。
 現時点ではイーロン・マスクは異端児ではなくて,先駆者のように見える。エンジニアは,残れた人も,死ぬほど大変だろうけどね。

2022年10月28日金曜日

2022.10.28 羽田空港に来た 2

● 京急品川駅の1番線ホーム。羽田空港行き。スーツケースを持った人でかなり混んでますよ。週末だからですか。海外に行く人は少ないと思うんですよね,この円安じゃね。沖縄か北海道か,国内旅行でしょう。旅行支援を受けて。
 行ける人は行った方がいいんですよ。航空会社,ホテル,飲食業界にお金を落として,経済を回していかないとね。

● で,ほくらも羽田空港に来てみた。前回は国内線のターミナルだったので,今回は国際線ターミナル(第3ターミナル)に。
 昔はどこかの田舎駅のような感じだったけどねぇ。立派になってました。もう巨大すぎて全体は把握できない。

● 出発ロビーはまぁまぁ静かだ。お客のメインは帰国する外国人だろうか。ぶっちゃけ,今の日本人には海外旅行はキツいでしょ。
 そうと気づかぬうちに,ぼくらは貧困化していた。そのことをジワーッと伝えてくる。かつて羽振
りが良かったのは,日本人の実力ではなくて,日本国が時流に乗ってたからにすぎない,と。

● 国際線ロビーは江戸情緒をウリにしようとしたらしい。深川江戸資料館が引っ越して来たのかと思った。
 日本橋まである。かなり忠実に再見しているのではないか。ただし,スケールは2分の1。
 伊東屋の出店もあったが,休業中。改造社書店も同じく休業中。

● 展望デッキ。気持ちがセイセイしますな。離陸した飛行機は右に旋回しながら高度を上げていく。
 乗ってみたいッス。が,飛行機は前途ある若い人たちに相応しいとも思います。

● 旅の充実度は物理的な移動距離に比例する。そういうことはたしかにあると思う。それでもぼくは東京(近郊)にしか興味がないっス。
 この先,飛行機に乗ることはひょっとするとないかもしれない。いや,台湾には行ってみたいかな。台湾も行ったことがないので。

● 展望デッキに日本人の若い母親がいた。が,子供たちはハーフ。父親の家にこれから向かうんだろうか。
 日本の男性も海外から女性を拐って来て,日本で子どもを生んでもらって,日本で育ててもらうといいんだがなぁ。日本人とは何かと問われれば,日本語を母語にする人だと答えればいいと思っている。肌や髪や瞳の色はどうでもよいのだ。
 そういう新日本人が日本を引っ張るようになるといい。そんな妄想に浸って,京急で品川に戻った。

2022年10月27日木曜日

2022.10.27 丸の内仲通り

● 洲崎から潮見に引き返してもよかったのけど,せっかく来たのだからというわけで,東京メトロで銀座に出た。といって,銀座に用があるわけではない。銀座の方もぼくなんぞに用のあるはずがない。
 ブラブラと歩いて八重洲に来た。東京駅から京葉線に乗って潮見のホテルに戻ろう。

● が,丸の内仲通りを歩いて行くかと思った。この通りに迷い込んだことはあるんだけど,起点から終点まで通してあるいたことは,たぶんない。
 丸の内仲通りとはそも何かというのは,千代田区観光協会のサイトに説明がある。「日比谷駅近くの晴海通りから,東京駅前の行幸通りを結ぶ丸の内のメインストリート」であり,「街路樹が美しい通り沿いには,有名ブランドの路面店やハイセンスなレストランやカフェ,オフィスビル,商業施設などが軒を連ねます」とある。

● では,まずは日比谷に出て,晴海通りとの接するところから歩こう。ペニンシュラホテルが建っている。なるほど,ペニンシュラも凄いところに建てたのだね。
 銀座以上のセレブ通り。でも,歩いている人やカフェしてる人たちは,いたって庶民。セレブ通りにセレブがいた試しがない。正確に言うと,ぼくらから見えるところにはいないんだよね。もっと正確に言うと,いてもぼくらには見えないのかもしれないね。

● 丸の内の地主は三菱。三菱は政商の最たるものだと思うが,国にとっても三菱は安心して使えたのだろう。
 三菱一号館美術館もこの通りから少し奥まったところにある。建物は復元されたものだが,当初の設計図に忠実に従っていると聞く。建物じたいが美術品だろう。
 入ったことはないし,今日も入らなかった。が,近いうちに拝観させていただこう。

● 東京駅からの行幸通りで仲通りは終わりになる。もちろん,道は行幸通りの向こう側まで続いているが,大手町のオフィス街に至る。
 写真からはわかりにくいが,結婚式後の写真撮影をしてる新郎新婦が3組いた。ここは結婚写真の聖地になっているらしい。背景は東京駅の赤レンガでインスタ映えもする。場所代もかからない。

● 末永くお幸せに。まぁ,末永くなるかどうかは運による。個人の努力よりも運の差配によるところが大きいと思う。
 しかし,運に好かれる努力はしなきゃしょうがない。それがどういう努力なのかはいまいちわからないんだけどね。

2022.10.27 東京散歩 また,洲崎

暁橋
● 宿泊中の潮見のホテルを出て,豊洲方面に向かう。久米設計という大きな設計会社がある角を右に曲がると,映画のロケに使えるんじゃないかと思う暁橋が目に入る。。手前が潮見,向うが枝川。
 暁橋からの光景。運河に京葉線の橋梁が架かっている。今どきの土木技術っていうのも大変なものなんだなと,今さら思わせる。
 今の東京は海を埋め立てたところにあるんだから,あたりまえなんだけども,水の都だよね。

● 正面に見えるしおかぜ橋を渡って,汐見運河を越えようとしてる。しおかぜ橋を渡って何をしようというのか。今日も洲崎に行こうとしてるわけです。
 といって,洲崎は昨日歩いているので,洲崎に行くことが目的なのではない。しおかぜ橋を渡るとだいぶ近そうなんで,その近さを体感しようとしている。着いたらすぐに帰ってくるつもりだ。

洲崎に至る大門通り
● しおかぜ橋を渡って少し歩くと,洲崎への大門通り。右手に見えるのが深川第8中学校。
 もちろん,遊郭があった頃は,この辺は海の底だった。こちら側が洲崎への入口のはずがない。大門は今の永代通り側,洲崎橋のたもとにあったらしい。
 なれど,今は今の地形があるわけだから,こちら側から往時の賑わいをイメージするのは勝手たるべし。

南開橋
● 中学校を過ぎるとすぐに南開橋。この橋で汐浜運河を渡れば洲崎。
 なるほど,潮見から洲崎は近いのだった。歩数にすると4千歩くらい。

● 洲崎は昨日歩いているから気はすんでいる。のだが,立ち去り難い気分にさせる。名状しがたい空気感がある。
 こちらの勝手な思い入れが作っている空気感かもしれないのだが。

2022年10月26日水曜日

2022.10.26 東京散歩 洲崎

新砂橋から
● 潮見にあるホテルに泊まっている。以前から気になっていたところに行ってみようと思う。洲崎遊郭のあった東陽1丁目だ。
 潮見から直線距離だとかなり近いのだけども,いったん明治通りに出て,コの字型に歩かなければならない。それでも大した距離ではないので,行ってみることにした。

正面の橋が東陽橋
● 新砂橋から見る汐浜運河。遊歩道に降りて,運河沿いを歩く。いやいや,今日は天気もいいし,この水辺を歩くのは気分がいい。
 東陽橋から一般道に戻ってさらに歩き,かつて洲崎遊郭に。

● 洲崎川は埋め立てられて緑道公園になっている。昼時だった。弁当をつかったり煙草を飲んでる勤め人がいた(と,池波正太郎ふうに書いてみる)。
 西洲崎橋から洲崎を眺めてみる。今はこの川が木場と洲崎(川の左側)の境界になっている。
 洲崎遊郭は空襲で焼け野原になり,戦後は “洲崎パラダイス” と呼ばれた赤線地帯になるのだが,規模は縮小されたらしい。写真に移っているエリアは戦後は住宅地だった。

西洲崎橋から
● 
ここが洲崎遊郭だったところかという感慨(?)には浸れない。現在の東陽1丁目に遊郭の遺構は残っていないからだ。
 こじつけようとすればこじつけられるものがなくはないが,こじつけても仕方がない。
 というより,そうだと知ったうえで歩いているからこじつけのカケラ程度は見えてくるのだが,予備知識なしで歩いたら何も感じないで通り過ぎるだろう。
 ここが遊郭だったのは明治21年から昭和33年までの70年。短い期間ではないが,それがこの土地のDNAになったわけではない。

緑道公園
● 遊郭の跡地と聞くと行ってみたくなるのだが,遊郭などない方がいいに決まっている。現在でも風俗街という遊郭はあって,将来もなくなることはないと思うのだが。
 昔の遊郭は永井荷風や吉行淳之介といった作家を作ったが,今の風俗街にはそこまでの “妊み” は感じられない。時代が求めていないのだろう。

洲崎神社
● 洲崎神社は木場にある。桂昌院が建立したらしい。
 八百屋の娘から将軍の実母になったのは「出世」なのか。随分とつまらん出世だと思う。玉の輿などに乗ったところで,いいことは何もあるまい。わざわざ人生を辛くするだけだ。そんなものに乗るのは,少なくとも賢さからは遠い。

● こうして歩いてみると,東京は江東区と墨田区が面白いですな。隅田川の東。
 ここからは,古石場文化センターが近い。小津安二郎の展示を再見するかとも思ったのだが,メトロ東西線の木場駅から表向きの東京(?)に出ることにした。日本橋→銀座→丸の内 と経巡ってみよう。
 平日の昼間でも東西線は混んでましたよ。いつもこんなものなんですか?

東京メトロ木場駅ホーム
● 洲崎についてはウィキペディアの他に,カベルナリア吉田「東京色街探訪」がネットで読める。洲崎の昔と今,さらには参考文献まで紹介されている。

2022年10月19日水曜日

2022.10.19 四半世紀ぶりに横浜中華街の菜香新館

● 川崎のホテルに泊まっているので,地の利を活かしてどこかに出かけよう。川崎の地の利を活かした行き先の第1は東京都心なのだが,それは昨日行った。今日は西に向かってみよう。
 さて,と。ではどこにするか。神奈川県の3大観光地は,箱根と鎌倉と横浜。これに異論を唱える人はいないと思うが,とは言っても,神奈川はそれだけではない。三浦半島,城ヶ島,横須賀があるのだし,茅ヶ崎や藤沢などいわゆる湘南地方がある。この川崎だって人口150万人を抱えるメガロポリスだ。小田原もありますよ。
 しかし,観光的には箱根・鎌倉・横浜以外はなきが如し。JTBの “るるぶ” もそうなっている。

● であれば,箱根・鎌倉・横浜以外にどこか行くところはないかとなるのだが,結局,横浜に来た。ひとえに近いから。横浜の向こう側まで行くのは,なにか具体的な用事なり目的がないと難しいかもしれないなぁ。
 石川町で根岸線を降りて中華街を散策。横浜で一番面白いのはやっぱり中華街ってことになりますか。ひと通り歩いてから,菜香新館に入ってみ
た。四半世紀ぶりになる。ちょうど昼時。ランチタイムのピークは過ぎた時刻。

● 朝食で1日分のカロリーを接種しているんだけど,飲茶コースを注文した。10品ほど出てくる。順番はメニューのとおりとは限らない。
 ドラゴンハイボールというのも注文。紹興酒を炭酸で割ったもの。強い酒を炭酸で割ると,まずまず飲める酒になるが,もう一度飲みたいかと問われれば,一度でいいかもしれん。勧められれば,たぶん何杯でも飲むと思うが。

● エビの春巻きは飲茶って気がしてくる。次に来たときには単品で頼もうね,エビ春巻きは4つ頼もうよ,というのが相方の意見。異議なし。
 隣の葉っぱも旨かったな。マレーシアソースがかかっているようなのだが,マレーシアソースって何よ? 実食したのによくわからなかったよ。
 最後は杏仁豆腐。いや,この杏仁豆腐はプリンのようになめらかで,旨かったです。

● こうしてみると,中華料理のメインの食材は肉(主には豚)なのかと思いた
ホタテの蒸しクレープ
くなる。ホタテだったりエビだったり,海鮮もあるわけだけども,肉を特に得意としているような気がする。
 他に気になったのが,五目焼きビーフン。広東料理の一方の雄(?)はビーフンだと思っております。次は焼きビーフンも注文していいよ
と,相方に許可をもらった。

● というわけで,次回がもしあれば,焼きビーフンをメインにして,エビの春巻きとホタテの蒸しクレープなどを食べることになりますなぁ。
 飲茶にはアルコールよりも普洱茶の方が食が進む。アルコールだと出てくる料理をアルコールを飲むための肴にしちゃうからね。呑み助はどうしたってそうしちゃう。
エビ春巻き








2022年10月18日火曜日

2022.10.18 外国人が戻ってきたか?

● 今月の11日から外国人を対象にした入国規制を大幅に緩和した。その結果,外国人は戻ってきてるんだろうか。確認してみることにした。サンプルは銀座。
 結論から言うと,外国人は増えた。コロナ以降,外国人はバタッと見なくなったが,今日は明らかに旅行者,日本に在住しているのではない外国人,が銀座の中央通りを歩いていた。

● が,思ったほどではない。コロナ以前の状態にはまだまだ遠い。
 日本は物価が安くて,しかも今は円安だ。あなたがたの国で稼いで,日本で遣えば,お金ってこんなに遣いでがあったのかと驚くことだろう。だから,もっとどんどん来てくらはい。

● ところが。G-SIXの蔦屋書店の文具売場に行ったら,外国人比率がかなり高い。そうか,今の外国人はこういうところに来るのか。いや,わかる気がする。日本文化の展示場だもんね,ここは。
 蔦屋書店のようなところは,対外的に観光資源にもなっているわけだ。国内で注目を集めているところは,外国人にもアピールするってことか。

● さらに,グランスタ丸の内の Neue にも外国人が多かった。一生懸命,商品を物色していた。
 Neue って,トラベラーズ・ファクトリーの隣にある文具店ね。日本の文具は吸引力があるんだよね。知識としては知っていたけれども,この光景を見てなるほどなぁと思った。

● 東京駅の丸の内広場にも外国人が戻ってきた。やはり,コロナ以前に比べるとまだまだ少ないが,東洋系の外国人がチラホラといたよ。
 東洋系といっても中国人ではない。中国人は中国の都合で国外に出られない。

● だから,どんどん外国人が増えたにしても,コロナ以前に見られた爆買いの再現はない。あの異様さはもう見なくてすむかもしれない。
 そのことを一番喜んでいるのは,じつは銀座のいろんな店で働いている人たちではないか。店の売上げが立つのは助かるとしても,あの光景を現場で見るのはキツかったろう。
 爆買いは点景として目立つから影響が大きそうに見えるけれども,多くの外国人が来てくれて,普通に買ってくれればね。爆買いなど,むしろない方がいい。

● 相方からの情報。銀座のシャネルの前に入店待ちの列ができていた。外国人の中年男性が何人もいたらしい。いずれも1人で来ている。
 転売ヤーじゃないかねぇ。日本で買って自国で売ると,利ザヤを取れるんだろう。シャネルも日本で買うと安いんでしょうねぇ。

2022年10月17日月曜日

2022.10.17 全国旅行支援,まずは川崎

● 川崎に来た。ミューザの隣のメトロポリタン川崎に今回は3泊。1泊朝食付き20,000円。3泊だから60,000円。それが全国旅行支援のおかげで36,000円になる。4割引き。2人で泊まってこの価格。
 でもって,18,000円分のクーポンが渡される。県民割のときは宿泊日の翌日までに使わなければいけなかったのが,チェックアウト日から1週間以内に使えばいいことになっていた。自由度が増えた。

● ただし,このクーポンは使えるところが意外に少ない。県民割のときからそうで,全国旅行支援になれば少しは増えるのかと思っていたのだけど,そういうわけでもない。
 この状況を見ると,全国旅行支援などに頼らずともうちは大丈夫だよと言っている飲食店が多い,したがって全国旅行支援を実施する必要性に乏しい,とも考えられる。

● あるいは手続きが煩瑣で,ギリギリの人数でやっている飲食店ではそんな事務処理に割いている余力はないのかもしれない。
 役人は煩瑣が大好きだからね。どうでもいいような重箱の隅の厳格性を要求するのが好きだ。そうしないと自分たちが要らなくなることを知っているのかもしれない。
 手続きを厳格にして,それが守られたかどうかを確認するくらいしか,自分たちにできることはないことは,さすがにわかっているわけだ。いずれはAIが取って代わってくれるでしょうけどね。

● ちなみに,県民割のときには宿泊費は半額の30,000円になった。クーポンが12,000円分。トータルでは同じといえば,同じ。
 けど,クーポンをたくさんもらうより,その分宿泊費を安くしてくれた方がありがたい。現金の負担が減る方が,使えるところが少ない金券をもらうより嬉しいわけよね。

● このホテルは東京五輪をあてこんで2020年5月に開業した。そういうホテルはいくつもあったが,コロナで散々な目に合わされたのは誰もが知るところ。
 ぼくらが初めてこのホテルに泊まったのは,2020年12月。以来,宿泊した日数でいえばダントツでこのホテルが多い。昨年の5月には15連泊した。15連泊できるということは住もうと思えば住めるということだ。

● 館内にコインランドリーがあるのが助かるし,複数のコンビニやショッピングセンターが至近距離にあるので,食事に困ることもない。
 高級ビジネスホテルと言えなくもないが,直営のレストランの他に,テナントとして入っている日本料理の店がある。日本料理の店には行ったことがないが,直営レストランの水準に文句を言う人はたぶんいないと思う。

● 浴室とトイレがセパレートになっていることを始めとして,部屋(ぼくらが泊まっているのは標準的な部屋。広さは30㎡)の居住性,ベッドの寝心地に問題はない。とりわけ,浴室の使い勝手は出色。テレビはインターネットに対応している。Amazonプライムビデオや Netflix も見ることができる。
 バスタオル等の補充についても,連絡すれば対応は速やかだ。このあたりは,外資系を含めたシティホテルにひけを取らない。
 以上を要するに,このホテルはコスパがいい。ぼくのような育ちの悪い人間は,どうしてもコスパを重視してしまうことになるのだが,このホテルは泊まらなきゃ損だと思っている。

● 住める理由の第一は,しかし,そういうことではなくて,3階に宿泊者専用のラウンジがあることだ。
 コインランドリーもここにあるのだが,電子レンジも2台置いてある。シューティングゲームのゲーム機もある。ノートパソコンも2台用意してあり,プリンターに接続されている。全方位対応というかね。
 それ以外に作業用の大テーブルがドンとあって,パソコン作業やノートや資料を広げての作業ができるようになっている。今どきだから,用意されたパソコンを使う人はほぼいない。自分のパソコンを持ち込む。コンセントとUSBの充電ポートもある。

● 客室にはデスクはない(頼めば持ってきてもらえると聞いたことはあるが,実際に持ってきてもらったことはない)。少し前まではシティホテルでもデスクがあるのがあたりまえだったが,新しいホテルはそうでもなくなっている。
 デスクが使えないと少々以上に不自由だったりする。どうしてもデスクがなければという人はビジネスホテルに泊まるのが間違いがないが,このホテルには3階の大テーブルがデスク以上の役割を果たす。

● 客室に1人でいると,どうしたって閉塞感を味わうことになる。ずっといるのは辛い。が,このホテルのラウンジは広い。南側は窓が大きく取ってあって,開放感がある。
 しかも,時期による例外はあるが,だいたい空いている。椅子が6つ置いてあるのだが(コロナが収束すれば8人で使えるようになると思う),6つとも埋まったことはぼくが記憶する限りではない。一番多かったのが4人。

● 要するに,たいてい空いている。これだけの広さの部屋が1つ,無駄に放置されているという見方もできなくはない。ほかに使い途はないのかという議論は,ひょっとすると運営側にはあるのかもしれない。
 しかし,この無駄が居心地の良さやゆとり,ある種のリッチ感を作ってもいる。高級ビジネスホテルにさせない要因のひとつは,このラウンジという名前のワークルームがあることだ。

● ぼくは,ここで過ごす時間が長い方の宿泊客の1人だと思うのだが,スマホをいじって遊んでいることが多い。
 パソコンは持ち歩かないし,持ち歩く必要にも迫られないが,スマホ持ち込んで1日の見聞をまとめてツイートするなんてことは,ここでやっている。

● というわけなので,このホテルに何をしに来たのかと言えば,第1に朝食を食べに。第2に入浴のため。第3に完全遮光でグッスリ眠るため。
 すぐに朝食にするわけにはいかないので,まずは風呂に入った。温泉の大浴場の良さは認めつつ,今どきのホテルは風呂(というより,水回り全体)が良くなってますよね。ここは近年のホントに顕著な変化でしょう。

● クラシックホテルという言葉があって,古くからあるホテルを珍重する気風があるけれども,実際にお客を泊めるのであれば,水回りだけは現代風に直しておかなければならないだろうし,直していると思う。
 ぼく一個は新しいホテルに泊まるのがいいと思う。2020年の五輪に間に合うように開業して,コロナの洗礼を受けることになったホテルは押し並べて狙い目ではないかと思っている。でなければ,五輪に備えて全面改装をしたホテル。その意味でも川崎のこのホテルは,ぼくらのお気に入りになっている。

● まだある。ホテルはどんなホテルでも,ホテル単体ではホテルとして完結できない。どの街に存在しているか。それが大きい。
 ホテルは街を背負うことになる。街に背負われることになると言ってもかまわない。舞台の魅力というか,ホテルがある場の魅力に助けられることもあるだろうし,その逆もあるかもしれない。ホテルによってはそのホテルがあることが,街の魅力になることもあるかもしれないが。

● そこで川崎の魅力はいかほどかということになる。川崎市は地形からして独特で,東西に極端に短く,南北(正確には,南東-北西)に長い。細長い市域に150万人が蝟集して暮らすメガロポリスだ。昔からの川崎はその南端に位置する。ぼくが知っている川崎も,その南端の川崎にすぎない。
 地形の然らしめるところだが,川崎市のどこにいても,東京や横浜に出るのは簡単だ。が,川崎を縦断するのは容易じゃない。新百合から南端の川崎に行かなければならないとなると,かなり億劫ではないか。

● その故か,川崎には内に向かうベクトルはないように思われる(あっても非常に微弱)。川崎市はあっても川崎市民はいないという状況が現出しやすいのではないか。
 しかし,内に向かっていないということは,よそ者によそ者と感じさせない開放感があるということであって,それがつまり都市性の核になるものだ。内に向かうベクトルはムラ意識を生みやすいが,それがないのを都市という。
 ひょっとすると,川崎は日本で最も都市度(?)の高い街かもしれない。東北や北関東からの移民が楽に呼吸できるだろうから,それらの移民がじつはかなり多いのではないかと愚察する。
 ちなみに言うと,横浜にはかすかに横浜村を感じることがある。

● トワイライトというのとはちょっと違うけど,夜の帳が降りてきたラゾーナ。整然とした人工的な都市空間。川崎で唯一,川崎らしからぬエリアというかね。
 こういうのがそこら中にできてしまうと,川崎が川崎でなくなってしまう。それはいけませんよ。

● アトレとラゾーナの食品売場を回って,肴の買出し。でもって,部屋飲み。
 以前は,こういうのに貧乏臭い趣がありましたか? コロナがそれを払拭した。実際,気安くていい。他者と関わらないですむ。酔ったら3歩歩いてベッドにひっくり返ればいい。

● 川崎駅東口のドンキに。ドンキにしか売っていない入浴剤があるんですよ。13包で398円の安いやつ。それがわが家のお気に入りなんですわ。
 ということで,川崎もホテルも良し。

2022年10月14日金曜日

2022.10.14 鉄道の日

● 今日は鉄道の日。150年前の今日,新橋~横浜間に日本初の鉄道が開業した。今年はアニバーサリーイヤー。
 先月から宇都宮駅ビルの書店にも専用コーナーができていた。まぁ,マニアの間でしか盛りあがらないのだろうけどさ。

● ところが,今朝起きたときには,鉄道の日だなんてぜんぜん頭になくてね。毎日が日曜日の身の上を今日も満喫だ,1日家で過ごそう,と思ってたんですよ。
 Twitterで暇つぶしをしていたら,今日は平日なのに「休日おでかけパス」が使えて,しかも券面が限定仕様だよ,っていうツイートを見てね。
 これは四の五の言ってる場合じゃない。このパスでどこかに出かけなければ,と思ってさ。

● ということで,だいぶ出遅れちゃったけど,昼に家を出てさ,自治医大駅で購入しましたよ。
 鉄道開業150年と印字されているのが,今回の独自なところなのね。あと,今日の日付も。
 いや,券面の独自性,あと2つあった。ひとつは,新橋を橋新,横浜を濱横と当時の表記を付け加えていること。もうひとつは,新橋〜横浜間を二重線で表記していること。いや,どうでもいいっちゃ,どうでもいいことですけどね。

● で,どこに行くか。大宮の鉄博で開業150年の展示を見て,次は東京駅ギャラリーの1 50年展示を見るか。そこまで律儀に付き合うと疲れ果てるな。
 まぁいい。とりあえず,上野に出てみるか。

● 用事があって上野に出たわけじゃないんで,特に何をするでもなし。Ecute の ANGERS を覗いて,駅前の「つるや」でそばを食べたくらい。
 イカ天そば,490円。そばに合うのは,かき揚げ的なものか,練りものですかねぇ。
 「富士そば」や「小諸そば」のようなチェーン店が勢力を伸ばし,独立系の立喰いそば屋は稀少性を増してきた。

● 上野駅の5,6番線ホーム。主には,高崎線と宇都宮線の下り列車が発着する。
 「ふるさとの訛なつかし停車場」の残り香が,かすかにではなく,濃厚に存在する。上野駅までは東北なのだと思う。上野から東京が始まる。北関東などという地域を措定する必要はない。というか,北関東は東北の一部だ。

● 鉄道開業150周年は物販の起爆剤にもなるか。こんな催事もある。66,000円の万年筆や55,000円の腕時計は変えないけれど,1,600円の “Suicaのペンギン 大人のお子さまランチ” は欲しいぞ。Ecute大宮で販売。
 浦和の蔦屋書店では「本と鉄道と」ブックフェアを開催する。帰りに覗いてみたんだけども,松本清張の『点と線』のような鉄道を舞台にした小説を数点並べているだけで,フェアというほどのものでもなかった。一応,形だけお付き合いしますかという感じ?

● 古河駅を北に向かって通過していったカシオペアを見ることができた。どこまで行くのか。
 上野~札幌間の定期運転が廃されて余生を静かに送っている,というふうではないけれども,まだまだフルタイムで働けるのにパートの仕事しか回ってこないというもどかしさのようなものは感じるよね。

● 「鉄道開業150年記念 JR東日本パス」も今日から使える。新幹線も含めて3日間乗り放題ですよ。混むでしょうなぁ。全国旅行支援で宿も混むでしょう。週末は避けたいところですなぁ。
 となると,毎日が日曜日の年寄りが平日に使うのに格好のパスとなりますな。ぼくは使いませんが。


(追記 2022.10.18)

● 新橋駅に来た。鉄道開業150年のポスターが多い。鉄道の起点になったのは新橋駅だもんな。
 「秋の乗り放題パス」というのがあるのを知った。ザックリ言うと,青春18のようなものですかね。使えるのは今月23日までの連続する3日間。使うとすれば,日帰りを3回重ねる感じかな。つーか,今となってはちょっとムリですかな。