● JRの宇都宮駅から東武駅まで大通りではない道を歩いてみようと思って,実行に及んだ。宮の橋を渡ってから,大通りを南に折れてみる。
とはいっても,まったく初めての道に遭遇するかというと,なかなかそういうわけには行かない。
● かつて,自分が最も詳しいエリアは泉町だった。給料の大半を飲んじゃってた頃。もう,そんなことはしたくでもできない。
馴染みの店もすべてなくなっている。泉町に関しては,ぼくはもはや浦島太郎だ。釜川は変わりなく流れているし,建物自体は昔のままだいぶ残っているんだけれども,人は儚いものだなぁと思う。
● よく,人が死んだあとも,残された人たちが自分を憶えていてくれる限り,その人の中で自分は生き続けるのだ,ということが言われるけれども,その人たちもいずれ死ぬ。
自分が死んだときがすなわち死なのか,自分を憶えてくれている人たちが死に絶えたときに自分も死ぬのか。いずれであっても,さしたる違いはないように思われる。
● そんなことを思いながら,裏通りを歩いている。こちらの感性の問題もあるのかもしれないけれども,特に何を感じるでもない。
大昔には,このあたりはオカマの娼婦(?)が出没したとか,そういう話を聞かされたことを思いだすんだけど,当時の面影が残っているわけではない。
今のパルコがあるあたりは,かつては映画館が軒を連ね,屋台が出ててね,などという話も聞くのだけれど,つまるところは年寄りの昔話にすぎぬ。だからどうしたという話だ。でも,場にはそれぞれの力があって,それぞれに相応しい様相を呈するものだという人もいる。
● 三番町,二番町,中河原町,中央本町,宮園町を経由して宇都宮東武百貨店に到着した。
噂に聞く焼きそばの「石田屋」はここにあったのか,っていうような発見もあった。その発見に何の価値があるのっていうのは,言いっこなしってことで。
● 復路はオリオン通りから大通りを通ってみた。夜の10時。
数年前は幽霊が出そうなほどにガランとしていたと記憶してるんだけど,いやいやいや,今は賑わっているんでした。しかも,若者が多い。飲み屋にもお客さんがちゃんと入っている。活気がある。景気が良くなっているんですかねぇ。けっこうなことだ。
大通りは依然として人通りがなく,ひどく暗い。ひょっとすると,オリオン通りの印象も大通りのそれとこっちゃになっていたかもしれない。
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