● 年末年始の休み。海外に行く気はしなくなった。理由はいくつかある。1つには長時間飛行機に乗ることが億劫になってきたこと。もうひとつは,日本の物価安,海外の物価高。日本で稼いで海外で使ったのでは,お金がとんでもなく軽いものになる。
言っちゃなんだけど,この時期にハワイに行く人は,とんでもないお金持ちがとんでもないバカか,どちらかに該当するはずだ。不味いものに何でと思うほどのお金を払って,さらにチップまで置いて来なきゃいけない。いやだ,いやだ。
● ハワイと言わず,シンガポールも香港も,もはやぼくの稼ぎで住めるところではなくなっている。訪日外国人がとんでもない数になっているのも,日本に行くとお金の使いでが増すことにあると思う(加えて,円安)。
外国人が日本に押し寄せるのは,かつて,ぼくらが香港や東南アジアに向かったのと同じ理由によるものだろう。日本は物価が安く,何かとお得な国になっているのだ。
いや,本当にね,吉野屋の牛丼なんて,あんなに旨いものが380円で食べられるところなんて,日本以外のどこにあるのだと言いたくなるもんね。こんな旨いものをこんなに安い値段で食べられるのは,日本くらいのもの。ことは吉野家に限らない。
● というわけなので,海外旅行はとんでもないお金持ちがとんでもないバカに任せて,ぼくらは国内で年末年始を過ごしましょう。
コスパだけの人生は淋しいかもしれないけれど,コスパをことさらに無視するのは無理がある。例外はありつつも,原則はコスパに則るのがいいと思う。
ので,28~31日と2~5日は東京のホテルで過ごすことにしている。まずは,ロイヤルパークホテルに3泊。
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水天宮 |
● 今回は東京駅からホテルまで歩いてみた。一度,兜町経由のルートで歩いているんだけど(最短コースを行こうとするとそうなる),どうもスムーズに歩けない。Waaaaayを何度も見た。方向音痴であることはわかっている。地図を読めない男なのだ。
都内はだいぶ人が減ってる感じがする。帰省する人は帰省して,海外に行く人はすでに行ったんだろう。
● 28日。ラウンジで相方と落ち合う。いつもの如し。カードキーがないとエレベーターに止まる階を指示できないので,ラウンジで落ち合う以外に方法がない。到着は17時半。
で,ラウンジに行けばカクテルタイムが待っているわけなんですけどね。24日の人間ドッグで真っ赤っ赤の糖尿病と診断されたゆえ,炭水化物は排除。が,完全にそれをするのは難しい。
● 約30分で3杯のハイボールを飲んだ。ぼくには普通のことなんだけど,ちょっとピッチが早いんだろうか。
人間ドッグの結果によれば酒も控えなくてはいけないのだが,それよりは空腹を我慢する方がたやすい。
● ホテルの正月飾り。正月飾りって,こうしたところでしか見られな
くなった。玄関に門松を飾る家は少なくなったし,ナンバープレートの上に飾りを付けている車があったけれども,これも見かけなくなった。
おそらく,年末の大掃除をやるご家庭も少なくなっているのでは? わが家もそうだけど。
● このホテルに泊まったときは,人形町の兎屋でラーメンかつけ麺を食べるのが慣わしだったんだけど,それもなし。糖尿病とあってはねぇ。
街を歩いてると最も目につくのが飲食店。そのすべてが自分には無縁なものになった。それが寂しいというのではないんだけどね。
まぁ,あまりストイックになることもあるまいと思うんだけどね。再検査はすんでいるんで,その結果で先生に脅されれば,ストイックに走ってしまうんだろうなぁとも思うん
ですよね。
● 29日。ホテルラウンジでの朝食。地元人形町産の蒲鉾,海苔,漬物があるんだから,それらにご飯と味噌汁を付ければ,“朝食 The 人形町”になるわけで,今まではそうしていた。
ぼくは京都に呼ばれなかった人間なので,こうしたものの京の味は知らないんだけど,
で,知らないままに言ってしまうんだけど,これを東京で食べられるんだったら別に京都になんか行かなくたっていいんじゃん,と思ってるんだよね。
● けれども,めでたく糖尿病とあいなったので,炭水化物はやめておこうか,と。とりあえず。
で,上の写真のような次第に。が,これ,全然ダメ。ソーセージの半分は脂。コーン(甘くて旨かった)もバターまみれ。
結局,“朝食 The 人形町”にして,お代わりをしないのが最も低カロリーですみそうだ。が,ソーセージなんぞを喰った後にこれを食べてしまっては,さらによろしくないですな。
● はい,あっという間に夜になって。ラウンジでハイボール3杯。何だかノルマのように3杯飲んでいる。肴はビーフシチュー。いくら炭水化物ではないといっても,これでエーんだろうか。
兎屋の麺,喰いてー,喰いたいよー。これは我慢できるんだけどねぇ。
● 30日。代わり映えのしない朝食。する必要もない。
結局,炭水化物を摂取することになってしまうんだけど。ホテルは朝食が一番の楽しみなので,ちょっとくらいの弛みは許してもらおう。
ほかに,ヨーグルトとトマトシチュー。脂ギラギラのベーコンを付けたのは,いかがなものか。
● 食後の散歩は隅田川テラス。今日は天気,どうなんだろうね。保ってくれるといいんだが。
隅田川の帰りはT−CATに寄る。何の用事もない。ないんだけれども,何だかこれが定番になってしまった。
下の写真はT−CATに入っているキャンドゥのコピー。内部向けの,スタッフのモチベーションを高めるためのコピーですかねぇ。
でもさ,百均の品揃えって半端ないからねぇ。暮らしを便利に楽しくするものがいくつもありそうではあるんだよね。
● そしてまた,あっという間に夜になって。ホテルラウンジでハイボール。今夜も3杯。
オニオンリングを食べてしまった。何も付けないで食べる。タマネギの旨味。
野菜スティックではニンジンの旨さがわかってきた。噛みしめるとニンジンは旨い。兎になったつもりにならなくても,旨い。
● 31日。今日で前半戦は終わり。
ホテルでの朝食。この日はラウンジではなく,1階の「シンフォニー」で。ラウンジでの朝食券に1,500円(+税)を追加すればいい。
何でもないものが素敵に旨い。湯豆腐とかヨーグルトとかポテトサラダとか。お客の過半は東洋系外国人。
● まず,こちら。左奥はもずく酢。ご飯に載せた明太子がもう旨くて困る。どうしたって,ご飯が進んじゃうわけで。
で,禁断のご飯お代わり。ちょびっとだけど,海苔の佃
煮とシラスを載っけて,醤油をたらして。
● 湯豆腐。チューブじゃない生姜の旨いことねぇ。豆腐を煮るときの昆布1枚の働きの凄さ。ぼく,自分で作るときは,豆腐をたんに水で煮るだけだもんなぁ。要は,“餌”しか作っていないってことなんだよねぇ。
● 温泉玉子。体によくないんじゃない,とか相方に言われながら。
● ヨーグルトに6種のフルーツソース。6種とも全部載せた。
● シラスだけ。大根おろしをたっぷり載せてね。が,納豆と同じで,それだけを食べるより,ご飯に載せた方がずっと旨いんですよね。
● ポテトサラダとトマト。余計なドレッシングをかけてしまった。トマトは塩がよろしいのに。
● ニンジンのジュース。1日生き延びるには充分すぎる栄養を朝のうちに摂ってしまったかね。
砂糖なしのコーヒーで,ではきょうも頑張んべぇ。まずは朝寝でもするか。
● では,食後の散歩。隅田川を上流に向かって歩く。清洲橋,新大橋と橋2つ分を往復。
暖かいですなぁ。ジョギングしてる人も汗だくのようですわ。
● ラウンジではなくフロントでチェックアウト。スーツケースを1個,預ける必要もあったので。
3泊で66,000円。今日の朝食で追加料金が3,600円。それでこれだけ安楽な休暇を過ごすことができるんだから,まことにコスパ最高。
● しかし,このコスパの問題は(当然だけど)客側から見た話であって,ホテルで働く側から見た場合はどういうことになるのか。
うまく想像できないのだが,ひとつだけ確信を持って言えることがある。ぼくにはホテルの仕事は務まらない。
傍目には大変な仕事に映る。少なくとも,フロントやレストラン,ラウンジなどお客の眼前で仕事をするスタッフは,舞台で演じる俳優のような気分になれなければ,継続するのが難しいのではないか。
● ちなみに,今夜泊まると1泊で64,000円。大晦日でこの料金なら安いと思うけれども,ぼくらは泊まらずに帰る。
あ,今夜はぼくひとりで宇都宮のカプセルホテルに泊まるんだった。3,000円ほど。
● 夜も相方と東京駅まで歩く。さすがに今度は曲がるべきところを曲がらないでまっすぐ行ってしまうことはない。朝のうちに現地で確認してるんだから。
● 東京駅八重洲口に近づいたあたりで,ネオンに惹かれて路地に入ってみると,どの酒
場もお客さんで一杯でね。今日が仕事納めの会社もあったんですかね。活気があるっていいよねぇ。カフェは静かでないといけないが,酒場は静かじゃどうしようもないもんね。
● 大丸に入っている花屋。花は福を呼びますかね。呼ぶといいね。
● 東京駅の構内で1日過ごせそうな気がする。地下街は文字どおりにひとつの街だ。
東京ラーメンストリート。入るとすればどの店にしようか。「六厘舎」のつけ麺にしますか。
って,俺,糖尿病だったんだ。食べるわけにいかないや。少ぉし不自由さを感じてきた。
● 帰りは日本橋経由で。ちょっと遠回りになるけれども,歩いてて楽しいのはこっちかもしれない。
東京はどこを歩いても,つまらないということはあまりないんですけどね。
● 昨夜のリベンジ? ホテルから東京駅まで約30分の徒歩旅行。
鎧橋で日本橋川を渡ると,東京証券取引所前。このあたりは昨夜も間違えなかったわけね。
● 茅場町交差点を直進してしまったのがいけなかった。ここは右折して,以後は永代通りを外堀通りと交差するまで直進すればよろしいのでした。
● せっかくだから,東京駅八重洲口前のヤマダを覗いていくことにする。欲しいものはまったく何もないんだけど。
場所がらか,ゆったりした陳列。商品を見ているところに店員が寄って来ない。
● PCの比重は下がってますなぁ。2階がAppleフロアになってる他は,9階にWindowsのPCやタブレットが,周辺機器と一緒にひっそりと並べられている。
今は1階にあるスマホもそうなる運命でしょうね。
● こうしてみると,WindowsよりもAppleの方が優遇されていることが明らかだ。それなりの理由があってそうなっているのだろう。
パソコンでいえば,都市部ではWindowsよりMacの方が優位なんだろうか。SurfaceよりiPadを使う人が多いんだろうか(これは田舎でもiPadが多いやね)。
● 高所得者はAppleユーザーが多いという印象は正直あるんだけどね。AndroidよりiPhone,WindowsよりMac。
ただし,逆は真ではないので,間違えないように。あなたがiPhoneやMacを使っているからといって,高所得者とは限らない。っていうか,まったくそうではないだろう。
ちなみに,ぼくはAndroid+Windowsでとっても幸せ。
● 東京駅前にも富士そばはある。が,入ることはもはやない。糖尿病の悲しさよ。
● 夜,相方が運動がてら東京駅まで歩いて往復するという。万歩計の数字を2万の大台に乗せたいらしい。
付き合うことにした。昨日,東京駅からホテルまで歩いているので,そこを逆に辿ればいいだけだ。
が,こんなに遠かったかなと思ううち,新富町に来ていた。途中で右折すべきところ,ずっと直進で来てしまったんだね。
● ここまで来れば,すぐそこが銀座。せっかくなので,銀座三越の食品売場を覗いてみたら,ビックラこいた。
大間産の本マグロ,明石産のタコなど,見たこともないのが売られている。値段も見たことない。ひと桁違うというレベルではない。ぼくが普段利用している地元のスーパーとは別世界ね。
それが売れていくのだ。東京には想像を絶するお金持ちがいるんだなぁと思ったことでした。
● いや,まぁ,銀座三越の食品売場に来るのはこれが初めてではないし,売られているモノが違うのは知ってはいましたよ。
知ってはいたけれども,何だか今夜は痛烈にそれを感じた。で,思った。こういうものを買える人にはどんどん買ってほしい。それで経済が動く。経済が動いていることが福祉の源泉だ。
● 帰りは銀座から地下鉄に乗った。銀座線で三越前まで。半蔵門線に乗り換えてひと駅でホテルに帰着。めでたく,2万の大台には乗ったらしい。
● 水天宮前から半蔵門線,千代田線を乗り継いで,代々木公園駅で下車。代々木公園に来た。
東京のランドマーク的なこの公園に来るのは,今回が初めて。都立の施設であることも知らなかった。
● この場所にこれだけの緑地があるのもすごいことだ。東京は緑が多い都市だ。
アミューズメントも,文化教養的なものも,ファッションや流行も,背筋を伸ばしてくれる刺激も,圧倒的に東京に集中している。のみならず,じつは自然も東京にはある。人工の手が入った自然ではあるけれども,そうした自然はひょっとすると東京に最も多いかもしれない。
● 手つかずの自然なんてぼくらの手に負えるものではない。ぼくらを癒やしてくれる自然は,人工的な自然に限られる。お気軽で近づきやすく,不気味さを剥ぎ取られた自然。
ということはつまり,自然もまた東京の密度が最も濃いといえるかもしれないのだ。
● 数年前,蚊の問題で脚光を浴びたことがあったけれども,ごく短期間で収束した。あの問題はこの代々木公園のどのあたりだったのか。
ま,どうでもいいんだけどさ。
● ジョギングする人,犬を散歩させてる人,自転車をゆっくり走らせる人,ブルーシートを敷いて瞑想修行中の人,半ズボンで落葉と戯れているホームレスの人など,多士済々。
ジョギングするならここより隅田川テラスがいいなぁと思うんだけど,住んでる場所の問題もあるし,好みの問題もある。
● とにもかくにも,この思い思いの感じがとてもいい。支配者がいない感ね。
吾輩,WALKMANのイヤホンを耳に突っこんで,モーツァルトなんぞを聴きながら,ゆっくり歩いておる。優雅なもんじゃろ。
公園で最も楽しいのは人を見ることだったりする。そういう過ごし方ももちろんできるわけだ。
● 川崎に来た。「カルッツかわさき」で開催される演奏会を聴きに来たのだけれども,例によって時間にはかなりの余裕を見ている。
まず,まず行ったのは,ダイソーのラゾーナ川崎プラザ店。それと丸善の文具売場を見た。
● 川崎といえば老舗の政令指定都市であって,首都圏を代表する大都会だ。その昔は日本4大工業地帯の筆頭,京浜工業地帯の中核都市として,小学校の社会科の教科書にもその名があったはずだ。
その工業地帯はどこかに消えたのだが,その後も川崎はやはり大都会の光と影をわりとわかりやすく孕んだ都市であり続けている。というのが,ぼくのイメージね。
● が,ぼくが川崎というときには,川崎駅周辺しか頭に入っていない。区名でいうと,川崎区と幸区。
もちろん,それが川崎市のすべてではない。中原区,高津区,宮前区,麻生区,多摩区と川崎って意外に広いのだ。
で,川崎区がそれらの区を統べることができているかといえば,とてもとても。それぞれの区が向いた方を向いているという感じが,部外者から見ると,ある。
● 川崎区は川崎市の南端にあるが,川崎市内の移動は南北より東西の方がずっと便利だ。市内を南北に貫くのはJRの南武線くらいのものではないか。私鉄各線は東西に走っている。
川崎区以外の各区は新宿であったり渋谷であったり,もはや東京に忠誠を尽くしているだろう。川崎区? 行ったことないよ。そんなものじゃないかと思う。
● 「カルッツかわさき」っていうのは文教施設のようなんだよね。で,道路の対面には競輪場がある。このギャップがとてもいいよね。
いや,日本ではこれはギャップにならないのかもしれないね。この混合性が日本の良さというかさ。それが活気の源になっているのかもしれない。ゾーニングをきっちりやると活気が削がれてつまらなくなりがちなのかも。
宇都宮だって,競輪場は県庁の隣にあるっちゃあるわけでね。群馬県の太田なんか,風俗街を通らないと高校生が通学できないようになってるもんね。太田に来ると,それにしたって限度ってものがあるんじゃないかと思わぬでもないのだが。
● 川崎駅から「カルッツかわさき」に向かう途中にある稲毛神社。年末参拝をしてきた。初詣客を迎える準備も整っている。境内に子神社と大鷲神社もおはします。
川崎には川崎大師があって,こちらの方がずっと集客力があるのだろうが,ぼくはわりと小さい神社が好きかな。新橋の烏森神社なんかじつに好ましい。
● 200円を払って神籤を引いたら大吉だった。印刷されている紙片なのだから,大吉だらけのはずなのだが,悪い気分ではない。
200円は喜捨したものだしね。印刷されたその他大勢の大吉でけっこうだ。けっこうじゃないと言うのなら,神籤など引かなくてもよいのだから,無視すればよろしい。
● 年末年始の休みの初日。気分は上々。こういう気分で歩くと,自然と川崎に好印象を持つってところがありますな。
ぼくは4月から毎日が日曜日になるんだけれ
ど,そうなるとこういう浮き立つような気分になれることもなくなるんですかねぇ。毎日が日曜日って,たぶん平坦な気分が続くことになるんだろうかなぁ。あるいは逆に,今なら気にもならないようなことで,気分が上下することになるのかなぁ。