2020年4月23日木曜日

2020.04.23 身土不二だの地産地消だの

● 今月から隠居の身になった。現役時代と変わったことのひとつは,毎日朝食を作って食べるようになったことだ。
 油揚げや豆腐で味噌汁を作り,あとは納豆くらいのものだけど,とにかく朝食を食べるようになった。
 ゆえに,退職してからは米の消費量が増えている。朝食以外の要因もある。何せ,ずっと家にいるのだからね。外食が減った分,自宅で食べるようになっているわけで。

● 自宅で食べるのはご飯ばかりではないけれども,結局,ご飯が最も簡便なのだ。炊きたてのご飯があれば,おかずは作る必要がないから。
 おかずなんて保存食でいいのだ。納豆以外でもフリカケか蒲鉾でもあれば,それでひとつのご馳走たりうるのだ。

● 身土不二とか地産地消なんてのはイデオロギーだと思っている。ぼくらはアフリカで生まれて,長きにわたるグレートジャーニーを経て世界に散っていったホモ・サピエンスの子孫なのだ。地産地消などと言っていたのでは,ご先祖様に申しわけがない。

● とはいえ,米から離れることはなかなかできないもの。米の代わりにパンやナンでいいかとなると,そういうわけにはいかない。
 ま,あまり大きな口をきくものではないな。

● 米といえば,新潟は魚沼郡のコシヒカリが一番旨くて,北海道の米は不味いというのが,通説だった時期が長く続いた。ところが,年々暑くなっているせいか,かつてとは様変わりしている。
 ぼくは北海道産の米が旨いと感じる。“ななつぼし”とか“ゆめぴりか”とか。新潟の米が不味くなったとは思わないけど。

● でも,ま,ここのところは地元産のコシヒカリを買っている。今日も地元産米を買った。
 日本の米はどれも旨いことはわかっている。新潟といい,北海道といっても,微差の世界の話だ。
 地産地消にこだわることはないと思うが,地産地消はダメというわけではもちろんない。

● ところで。味噌汁には油揚げや豆腐を入れ,納豆まで付けるんだから,じつに日本食は大豆とともにあったし,タンパク質の摂取は大豆に頼ってきた。
 ガンモや湯葉もある。日本食における大豆製品のバラエティーは世界に冠たるものではあるまいか。

● が,だからといって,日本食が食として他国に勝っているわけではないだろう。
 日本食が日本人を長寿たらしめているとするのは贔屓の引き倒しだ。日本が長寿国になったのは戦後もだいぶ経ってからなのだし,欧州にもアジアにも日本以上の長寿国はある。
 長寿の理由は医療体制と公衆衛生の整備だろう。とりわけ,乳幼児の死亡率の低下による。日本食の優位性を言うのは,それを飯の種にしている人たちだけでよろしい。

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