● 宿泊しているホテルのある日本橋蛎殻町から東京駅を経て,銀座まで歩いた。散歩コースの定番になった。
今回は茅場橋で日本橋川を渡りました。少ぉし遠回り。
● 相方はコンビニやドラッグストアがあるたびに入って,マスクがあるかどうか確認する。当然,店頭からは消えている。そこまでしてマスクをする必要があるのかね。
しかし,早晩,旧に復するだろう。早晩だ。ここは日本だぞ。政府が買いあげるなんてことはしなくても大丈夫だ。で,そうなった暁にはコロナウィルスなんて,誰も見向きもしなくなっているかもしれない。
● そこここで工事が行われていた。昼間やるわけにはいかない工事が多いだろうから,これから明け方までの仕事になるのだろう。大変すぎるわ。この人たちにとっては,コロナなんてどうでもいいものじゃないのかね。
病院とか警察とか,深夜勤務の人はほんと大変だと思う。コンビニの店員もそうだな。良くも悪くも,街は眠らなくなった。しかし,人は眠らなければならない。昼間に寝ることも不可能ではないけれども,やはり寝るには夜が適しているだろう。
● 東京駅から延々と続くガード下の飲食店の列。というか,飲み屋の列。博多を名乗っている店,小樽を名乗っている店,など色々あるが,たいていのところはお客さんで埋まっている。喜ばしい。
居酒屋は混んでて活気がないといけない。ホテルのラウンジは空いてて静かである方がいいけれども,居酒屋がそうだと貧乏神に取りつかれている感じになるものね。
活気があることが,さらにお客を誘引できる最大要因になる。アルコールでコロナを吹き飛ばせ(るわけもないが,気分としてはさ)。
● 路上の酔ってる集団を見ると,人間も動物なんだなぁと思うよね。自分も散々飲んできた方だから,この種の動物性には寛容ですよ。っていうか,今でもけっこう動物になるからね。
要するにさ,人間ってそんなに高級にできちゃいないよね。糞も垂れればションベンもするわけで,まずそれがあっての人間だからさ。
● 銀座には中国人もいる。ひと頃ほど多くはないけれども,しかし,中国人はいる。中国でも日本からの渡航者は14日間隔離することにしたのではなかったか。そういう危険な国に来てていいのかと思うんだが,中国人はいる。
彼らはあたりを憚るという発想はないようで,大きな声で話している。彼らに罪はない。脱法的に入国したわけではない。日本では中国人の渡航を原則認めているのだから。
しかし,ちょっとイヤな気がしてしまうのは,ぼくの器が小さいからだろう。
● 東京を歩いていてオッと思うのは,1人で風切るように歩いている女性と出くわすことだ。颯爽以上だ。周囲に対して,ふん,何さ,と言っているかのごとくだ。
ファッション雑誌から抜け出たような恰好であることが多い。その風情をぼくは良しとする。
そういう女性が地方にいないわけではないのだが,東京が舞台だと映えるんだな。
● 万歩計の数字が増えて,相方は機嫌がいい。すなわち,世の中は平和。復りは銀座から地下鉄。
● 今日は新幹線に乗ることになりそうだ。新幹線に乗るなんて3年に1回か,それより少ない。贅沢なことなのだ。
つーか,1時間足らずで東京に着いてしまうから,乗った感を味わうことができない,つまらない乗り物なのだよね。
ともあれ,宇都宮駅前の金券ショップで,バラ売りされてる回数券を買った。4,290円だったかな。
● 夕方の宇都宮駅の新幹線ホーム。朝方買っておいた回数券に,指定券券売機で座席指定を受けて,乗車。ふーん,こんなことができるんだ。初めて知ったよ。これ,知らないというかできないで,自由席に乗る人もけっこういそうだな。
かなり空いていた。コロナのせい? 新幹線はやっぱり速くて,東京に着いたあとも,降りないでもっと乗っていたいと思った。
● 車内販売がなかったんだけど,このサービスはもうやめているんだろうか。それとも,これもコロナのために自粛してるんだろうか。
駅構内のコンビニ(New Days)が整っている。車内販売の高い缶ビールを買うより,コンビニで買って乗りこむでしょうね。熱いコーヒーは車内販売にアドバンテージがあるかもしれないけれども,これもセブンカフェ以後だいぶ状況が変わってきてるだろう。ぼくは缶コーヒー派なんだけど。
● というわけで,静かな車内だった。WALKMANで音楽を聴くのには最高だった。
● 今は忙しいからできないけれども,定年になって暇ができたらアレもやりたいコレもやりたい,やりたいことはたくさんある,という人がいるかもしれない。
しかし,忙しいからという程度の理由でやらないでいられるのなら,そのアレやコレは本当にやりたいことではないのではないか。つまり,定年になっても暇ができても,やらずに終わる公算が大きいのではあるまいか。
本当にやりたいのであれば,忙しくてもやれる範囲でやっているものだろう。我慢してやらないでいるなんてできないものだろう。
● だから,あと数年で定年とい50代の人が,仕事以外に何もしていないのだとしたら,それは危機的な状況だと思う。もしそうなら,危機感を持たなければいけない。
いや,立派なことをやっている必要はないと思う。自分が好きなもの,夢中になれるものなら,何でもいい。他人や世間様に評価してもらう必要など端からないわけで。
何でもいいんだけれども,何もないというのは,少し以上に困った事態になる。
● 定年後は長いのだ。残念ながら現役中にそれがわかるほど,人間は賢くない。いや,知ってるよ,現役時代の総労働時間を超える自由時間が定年後にはあるんだよね,会社のライフプランセミナーで教わったよ,と言う人もいるかもしれないが,それは頭で知っているだけだ。
頭でなら誰でも知っている。が,身体でそれを実感できるようになるのは,実際に辞めた後のことになる。
● できれば定年前に辞めたいよ,定年までやれば充分だよ,それ以上サラリーマンを続けるなんてとんでもないよ,それじゃ俺の人生何だったんだよ,と言いたい人もいるだろう。
残念ながら,それも現役だからこその発想だ。実際に定年を迎えて,その後の途方もない長さを実感した後に同じように考えることができるのなら,その人はある意味,人生の達人であるかもしれない。
● 会社や役所はお金もくれるがストレスもくれる。とりわけ,人間関係という煮ても焼いても喰えないストレス源を提供してくれる。人生はまさしく苦であることを思い知らせてくれるのだ。
しかし,50代のオッサンに20代の娘さんと話す機会も提供してくれていたのだ。会社に行けば自分の身の処し方を自分で考えなくていいという省エネ環境も与えてくれていたのだ。
朝起きなければならない理由も作ってくれて,決まった時刻に電車に乗って出かけるという規則正しい生活を保証してくれてもいた。同僚や取引先という交際相手まで用意してくれていた。
● 定年後は自由を手にすることができるんだけれども,それは会社が提供してくれていたものを手放すこととバーターだ。それらを失った跡を何かで埋める必要は必ずしもないだろうし,埋めないでいられるのが理想だと思うのだが,たいていの人は埋めずにはいられない,あるいは埋めるものだと思っているだろう。
だから,たとえば会社時代の同僚や後輩とFacebookでつながろうとしてみたり,同期生との飲み会を画策してみたり。
● やめておくがよい。組織を去った者に組織が冷たいのは,先輩諸氏を見ていてよくわかっているはずではないか。先輩諸氏にあなたが示した態度を,後輩があなたに示すのだ。それだけのことだ。
同期生と飲んだところで,出てくる話題は昔話だけだ。昔話のつまらなさもよく心得ているではないか。想像できてしまうではないか。同期生との話がそれなりに刺激になっていたとしても,それは互いが現役でいたからだ。
● ではどうするか。誰かと一緒にではなく,自分独りで,埋めるなら埋める,埋めないで空白を味わうなら味わう。それを基本にすべきだ。
自分独りが原則だ。独りで遊ぶ,独りで学ぶ,独りで作業する。できるのであれば,現役のうちからそう心がけておくのがいい。職場にあまり体重を預けてはいけないのだ。
● 定年になってからでは遅すぎる。たとえば,定年になったら本でも読もうかとしたって,そんなことはできはしない。本を読むには体力がいる。その体力がないのでは,意欲だけあってもどうにもならない。
かといって,その体力をつけるには定年後では遅すぎるのだ。結局,読書に進むことはしなくて終わる。ことは読書に限らない。
つまり,定年になった時点で勝負はついている。この冷徹な事実は受け容れるほかはないだろう。
● 本が読みたくて図書館に行くなら,堂々と行けばいい。弁当持参もいいだろうし,近くの店で昼食を摂るのもいいだろう。その程度なら支出もしれたものだ。
が,暇でやることがないから図書館に行って新聞でも読もうかというのはダメだ。ダメではないのかもしれないが,そこに楽しさはない。
● よく言われるような,会社の次は地域での付き合いに力を注げ,あなたの経験が役に立つ局面がある,ただし昔の自慢はするな,という助言を真に受けてはいけない。地域活動,自治会活動に自分を向かわせることにはまったく賛成できない。少なくとも,ぼくはそういうものをやる気はない。
理由は単純で,地域活動を是として現にそれをやっている人は善意の人だからだ。申しわけないが,善意は馬鹿と表裏なのだ。善意と善意が対立してしまうと,馬鹿なだけに,収拾がつかなくなっていたずらに消耗するばかりだ。
● ぼくもあとひと月で毎日が日曜日になる。ぼく一個に関していえば,インターネット(パソコンとスマホ)と図書館と少しのお金と歩ける足腰があれば,この先もやっていける。
趣味のひとつが音楽を生で聴くことなんだけど,4月からは東京まで聴きにいくことは経済的に厳しくなる。少しの預金はあるので4月早々からそうなるというわけではないが,基本的には地元に向かう。その代わり,地元開催分を取り落とすことはなくなるだろう。その方がPVも増えるかもしれない。
ストレスが減るので,自ずと禁酒にも至るのではないかと思う。いや,逆にストレスフリーの状況で酒も煙草も嗜みたいとも思うのだけど,さてさてどうなるか。そんなことを考えると,4月からが楽しみだ。
● 定年を迎えた時点での自分のポジションを同期生と比べて,自分は上手くやったとか,職業人としては失敗だったとか(ぼくはこれに該当),まぁこんなものかとか,色々と思うところがあるだろうけれども,そんなことはどうでもよい。「現役時代の総労働時間を超える自由時間が定年後にはある」ことを実感すると,これまでの人生はリハーサルで,本番はこれから始まるのだと自然に思えるようになる。
まだ始まっていないのだから,成功も失敗もないのだ。現役時代に受刑経験があったとしても,理屈は同じだ。そんなものはすべてチャラである。御破算で願いましては,だ。
● しかし。仕事以外にやっていたことがまったく何もないというのはダメだ。それだけはダメだ。膨大な自由時間を持て余すことになるだろう。そこには小さな喜び,小さな幸せがない。
独りで遊べるもの,たとえば詰将棋を解くというのでもよい,盆栽でも絵を描くのでも家庭菜園でも山芋掘りでも何でもよい,そうしたものを現役のときからひとつかふたつ,自分につないでおく必要がある。
● それから,これも大事だと思うのだけど,インターネットを自分の味方につけること。世界に向けて情報を発信するなどと力むことはない。ネット上の“絆”なんぞは基本的には絵空事だ。そういうものに期待してはいけない。
受信専用でかまわない。ネットは映画館であり,コンサートホールであり,図書館であり,美術館であり,ビジネスセンターであり,あなたの私書箱であり,場合によってはあなたの秘書にもなる。
電車の時刻や乗り継ぎも言いつければ調べてくれるし,航空券やホテルの予約もしてくれるし,そんなに時を経ないで暇つぶしのための話相手にもなってくれるだろう。
● ネットの恩恵は享受すべきだ。そのためには,自分には要らないなどと言ってないで,スマホを持つべきだ。初歩的なレベルでかまわないから,デジタルリテラシーを身につけておくこと。
もっとも,この部分は会社や役所に強制されて,否応もなく身につけている人が多いだろう。とすれば,それもまた会社のありがたいことのひとつだったことになる。
● 先週に続いて,またグランドプリンス高輪に泊まることにした。わが家のホテル奉行が決めたことではあるんだけれども,ぼくの意向もそれなりに反映されているだろう。先週の印象が良かったからってことね。
品川の街(港区なのだが)も含めて,の話。昨年,東京マリオットに泊まっているのだけど,マリオットには連続して泊まることはなかった。理由はひとつ。街から離れているからだ。
● しかし。1泊ごとにホテルを変えるのはいいことなのか。けっこう疲れるよ,これ。1つのホテルに連泊するのが正解だね。
今まではだいたいそうしてきたと思うんだけどね。ホテル奉行にお願いしてみよう。
● ラウンジで相方と落ち合うのは,いつものパターン。彼女が先にチェックインしているので,部屋には行けないんだよね。カードキーがないとエレベーターの操作ができないのが普通だからさ。
いきおい,ラウンジでってことになる。ホテルで落ち合うには,だから,ラウンジのあるホテルの方が都合がいい。
● 今夜はプリンスのラウンジも混んでいてね。ひとつ発見したことがある。
その前提として,ホテルはお客さんで決まるとする。客質がそのホテルのグレードを決定する最大要因であるということにする。
客室は同じでも,混んでるときと空いてるときでは,印象がかなり違ってくる。混んでるときのお客さんは大衆化する。空いてるときにはお客さんの演技が行き届いて脱大衆化する。どうも,そういうことがあるようだ。
● ところで,ここには高輪,新高輪,さくらタワーの3つが集結していて,そのいずれかの宿泊者は他の2つのラウンジも使うことができる。ので,今回落ち合った先は,自分たちが泊まっている高輪ではなくて,新高輪のラウンジだった。
三者三様というほどでもなく,共通性の方がはるかに多いように思う。つまり,どこでもいいとぼくなんぞは思っている。相方はそうではないらしい。小さい違いを全部味わいたいらしい。欲が深いともいう。もちろん,それが悪いとは思わない。健全性を維持しているという評価でいいかもしれない。
● 自分たちが泊まっているラウンジにも寄って,ぼくはハイボールを4杯も飲んでしまうことになった。3夜連続でかなり飲んでいるということね。
そうしてから品川の街に出た。品川っていうか,港区の品川駅周辺の街。
品川の書店にはお客がいない。品川人は本を読まないのか,困ったものだ。じゃなくて,閉店時間だったっぽい。蛍の光が終わったあたりか。
● 先週も2日連続で行った蒙古タンメン中本。今回も来てしまった。辛さのない魚豚濃恋つけ麺。しかも,麺大盛り。
俺,糖尿病。そういうのがどうでもよくなっちゃう。まぁ,ハメをはずしてもいいと
思ってるんだけど,飲みすぎと食べすぎを続けてはいけないなぁ。そろそろ,ネジを締め直さなければいけないかな。
でもね,このつけ麺,旨いですよ。やはり,品川に来るたびに,この麺を食べに来ちゃうかもしれないな。
● 今回の部屋は1480号室。前回の部屋よりだいぶ狭い。しかし,狭いのは苦にならない。上の階の物音がけっこう響くのが少し気になった。少しね。
持ちあげると鏡が付いている(鏡台になる)カウンターで,パソコン作業や読書もできる。ぼくはスマホと外付けのBTキーボードを持ってきているので,ちょこっと使ってTweetする程度だが,しごく快適にできる。
● 翌朝もラウンジで朝食。和食をメインにする。焼き魚は鮭と鰊,明太子,梅干し,こんにゃくと各種野菜の炊き合わせなど,品数に不足はない。早い話,ご飯と味噌汁。で,ご飯のうえに明太子を載せれば充分とも言える。
可能ならば,それだけでご飯を腹一杯喰ってみたいものだよ。そういうわけにもいかないから,洋ものも食べるんだよね。
あと,ここにはフルーツの中にリンゴがある。たいてい,グレープフルーツ,オレンジ,メロン,パイナップルが定番だと思うんだけど,リンゴがあるというのは,ぼく的にはかなり嬉しい。
● さくらタワーのサウナを使わせてもらった。水風呂がない。ので,シャワーで代用。その代わり,大きなジャグジーがある。腰にジェット水流(?)があたるようにすると,気持ちがいい。
サウナはついでで,ジャグジーをメインに使ってくれ,ということだろうか。ジムで汗を流した人には,その方がいいのかもしれないけどねぇ。
● ここに血圧計と体重計がある。まず血圧を測ってみた。ら。上が183ってどういうこと? サウナで血管が緩んで血圧は下がるもんなんじゃ? 3回測って,178,165,183という結果だったんですけどね。少ぉし寝不足かもしれない。そういうことが影響するのかどうか。
あと,アルコールが血圧を上げる作用をするのか。飲んだ直後は血管が広がるから血圧は下がるんだろうけどさ。中期的にはどうなんだろうか。
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さくらタワーの勝者の像 |
● 体重は1週間前と変わらず。この3日間に限れば,増えているはずだ。肝臓の数値も悪くなっているだろう。明日からまた節制じゃ。とはいってもさ,昨年の10月31日がピークとすると,ピーク時からは7㎏減っているからね。
ひょっとすると,筋肉も減ったのかもしれなけれども(運動をしないから),メインは脂肪でしょ。7㎏の脂肪塊を体外に放擲したってことだよね。
その効果は実感できてて,とにかく身体が軽くなった。歩くのが楽しいというか,まったく苦にならないというか。標準体重になるにはあと9㎏ほど減らさなければならないが,さて。
● 昨年7月にやむなく禁煙して,それから面白いようにデブった分はやはり落ちやすいんでしょうね。それが落ちた結果が7㎏減だと思うんですよ。そこから先は30年間かけて徐々に太った分だから,そう簡単に落とせるとは思っていない。しかし,7㎏減でこれだけ軽やかに感じられるのなら,あと9㎏落とした暁にはどういうことになるんだろう。
22歳のときには54㎏だった。30歳で60㎏を超えた。瞬間風速でいいから60㎏を切ってみたい。20代の50㎏台を味わってみたいものだ。そのためにはあと14㎏ほど落とさなければならないのだが。
● サウナにずいぶん長居してしまった。ラウンジでチェックアウト。スーツケースを宅配で自宅に送ることにした。その手続きはすべてラウンジですませることができる。
そうして,帰途についた。東京に3連泊。飲むのと食べるのと歩くのしかしなかったけれども,それでも東京は楽しい。
● つまらないことを考える。宇都宮から京都まで新幹線で行くと,片道17,260円かかる。2人で往復すれば69,040円だ。東京なら2人で往復しても8,000円ですむ(新幹線は使わない)。差額6万円を宿代や飲食費に充てれば,かなりの贅沢ができる。使いでがある。
こうして,ぼくは東京以外のところに行く気力を失った(相方は海外にまだ興味をもっている。健全だ)。東京にはリゾートを含めて何でもある。しかも,高水準である。何より賑わいがある。
● 22日にトラスティプレミアをチェックアウトしたあとは,スーツケースを引きずってロイヤルパークホテルに移動した。22日はここに泊まるのだ。すっかりわが家の定宿になった。15時までチェックインはできないので,荷物だけ預かってもらった。
● そのあとは,相方は相方の,ぼくはぼくの,それぞれの東京の楽しみ方をして,夕方,ラウンジで落ち合った。
初めてのトラスティプレミアも良かった。が,このホテルのこのラウンジに来ると,とても落ち着く。慣れているゆえの気安さなのだけど,その気安さは価値であると思う。
自分の身体の諸事情は依然として棚上げ。ハイボールを3杯飲んだ。いつもの席,いつもの景色。これも価値だ。
● 昨夜も今夜も,兎屋はガマン。食べたいんだけれども,ガマン。普段は「みやこ家」もガマンしてるんだからね。この種のガマンはもうガマンのうちに入らなくなっているようなものだけども,こうして東京にいると兎屋に行くのもイベントになるんだよね。
そのイベントを取りやめるのは,ちょっと寂しいことではあるんですね。
● 朝食。いつもの人形町定食。いつものことながら,この定食のかぶら漬けを食べると,京都には行く必要がないなと思うんですよね。何を大げさなと我ながら思わないでもないんだけどね。
京都の漬物って有名すぎるけれど,漬物はね,人形町で充分なんですよ。それから魚介の練り物も人形町産でよろしい。
● ところで,今年になってから,ラウンジで毎回お見かけする外国人の爺さまがいる(ひょっとすると,ぼくより若いのかもしれないが)。ぼくらもわりと頻繁にこのホテルに来ている方だと思うけど,その度に遇うということは,彼はここに住んでいるのか。長期宿泊者。そう考えるのが理に叶っているだろう。
なんだろ,リタイアして異国のホテルで暮らせるだけのお金を持っているんだろうか。あるいは,会社持ちで仕事に来ているんだろうか。にしては,優雅な仕事だな。こんなにゆっくりラウンジで朝食を食べていられるんだからね。
● 朝食後は日本橋を歩いた。で,12時にラウンジでチェックアウト。で,やっぱりここは落ち着く。ここから動きたくないなぁと思った。
が,そうもいかないので,このあとはまた相方とは別行動で,東京ならではの楽しみ方を味わいたいと思う。
● もう何度か歩いているんだけども,今日も泊まっている蛎殻町のホテルから,本家本元の日本橋界隈まで歩いてみた。どこからという区切りがあるわけではないんだけど,気がついたら今までとはまったく違う空気の街になっている。
これが不思議でね。何度歩いても飽きないんですよねぇ。
● このあたりは小舟町と本町との境。もう山手地区に入っていると思うんだけど,こんな大衆的な餃子屋があるざんす。
当然,まだ開店前。小伝馬町店っていうんだけど,このあたりは町境が入り組んでるところですか。
餃子屋というより,飲茶の店と言った方がいいような気も。いや,普通に中華料理店か。ま,ぼくらがこの店に入ることはなさそうだが。
● こんな魅惑的な路地もあってね。こういう佇まいは大好きでやんす。
路地といえば銀座ですか。タモリさんに教えてもらったことの重要なところがこれ。でも,銀座の路地のほとんどにはまだ足を踏み入れたことがない。老後の楽しみ。
路地というのはたいてい魅惑的なもので,なぜかといえば,路地には人の本音が棲んでいるからでしょう。そのうえで人目を気にしてとりすましている風情もあって,そこが何ともいいんですよね。
● で,日本橋三越本店。この界隈第1のシンボルマークでありましょうなぁ。昔の百貨店の趣を最も残しているところでもありましょうな。お洒落をして行くところだったんですよね,百貨店って。銀行もそうでしたけどねぇ。要するに,庶民には縁のないところだったんですよね。百貨店も銀行もね。
往時の百貨店の風情を最も残しているのが,こちらと銀座の三越ですかなぁ。悪くいえば時代が止まっているとも言える。いや,逆かもしれない。これから百貨店はどんどん減っていくのだと思うが,残る百貨店は昔のイメージで残るのかもしれない。
● このあたりがこの界隈きってのハイソなエリアでしょうか。三井の日本橋タワーや福徳神社があるあたり。 三井のお膝元。三越もそうですね。三井住友銀行,三井住友信託銀行もそうだ。三井の司令塔がここにあった。マンダリンオリエンタルもここにある。
ところで,どうでもいいことなんだけど,三井住友銀行って英語では住友三井なのね。Sumitomo-Mitsuiなんですよ。
● 桜が七分咲きになっている。ソメイヨシノではない。オカメザクラというらしい。
写真を撮っている人が何人もいた。ぼくもその中の1人でした。ぼくの地元にはまだ桜はないからね。東京は暖かいのかなぁとまずは思ってしまうんだけど,そういうことじゃなくて,品種が違うんでした。
● さて。ハイソもいいけれども,人形町に戻ってくるとホッとする。その人形町を通り越して浜町へ。笠間稲荷神社が御座ってね。東京は稲荷神社ばっかりだね。商業で生きてる人が多いからなんでしょうねぇ。
甘酒横丁を通って,宿泊中のホテルに帰還。ハイソから下町まで。日本橋は東京をギュッと圧縮したよう
なエリアでございます。飽きることのない街。今のところ,東京の中でも一番好きなところ。
● トラスティプレミアをチェックアウト。今夜は蛎殻町のロイヤルパークホテルに泊まるので,スーツケースを預かってもらおうと,フラフラと歩いて行った。
● 日本橋浜町の居酒屋。明日があるさセットって,TVのCMにもあったけどねぇ,オッと思わせるネーミングですわね。
● 荷物を預けた後は,T-CATに入っている百円ショップCaDoに用事がって行ってみた。
T-CAT内の観光案内,只今は箱根。
で,このコピー。“青春18きっぷ”のチラシを彷彿とさせるんだけど,これ,素人さんの仕事だよねぇ。あえて素人っぽくしたプロの仕事じゃないよねぇ。
CanDoにあったこちら
は,プロの仕事だと思う。
● ここから一気に夜になるんだけど,隅田川。先ほどまで降っていた小雨もあがった。気温が高くて無風。軽装で隅田川テラスを歩くことができた。気持ちがいい。
そして,都会の河川ならではのこの景観。ぼくはパリには一度しか行ったことがないんだけど,セーヌ川の印象なんてほとんどない。セーヌの川下りをしたんだから,セーヌ川じたいは見ているはずなんだが。ぼくはね,隅田川の方がずっと訴えかけてくるものがあると思っているんですよね。
● でね,日本橋エリアといっても,人形町だの浜町だの蛎殻町だのっていうのは,中央区ではあっても墨田区に近くてね。風情的には墨田区の延長なんですよね。
でもって,墨田区っていうのはマグマが対流しているっていうか,何かが生まれて来るならここからだと思わせるものがあってさ。中央区や千代田区や港区じゃなくて,次の胎動があるとすれば墨東から。っていうのも,日本橋の下町エリアの魅力ですわね。