2014年7月5日土曜日

2014.07.05 高萩市まで車で走ってみた

● 7月某日。ゆえあって,豚児を乗せて茨城県の高萩まで走ってみた。わが家からだと,国道293号で馬頭にいたり,あとは461号をそのままなぞっていく感じになる。
 常陸大子を横断し,常陸太田をかすめて,高萩に達する。その向こうは太平洋。

● 八溝山地のただ中に分け入っていくことになる。馬頭に入ると,健武,大内,谷川,盛泉となかなかの風格を感じさせる集落を過ぎていく。かつては,それぞれが独立自尊を誇ったに違いない。農林業が主要な産業だった時代が長かったわけだから,住民のプライドの蓄積過程も長かったはずだ。
 その趣をかすかに今もたたえていると思えた。

● が,今は昔。農業は機械化が進み,一戸か二戸で集落全部の田んぼを耕せる時代になった。残りの人たちは,外に職を求めなければならない。
 こうして過疎化は進んでいく。過疎地が人を押しだす。都会の華やぎが誘蛾灯の役割を果たすってこともあるのかもしれないけれども,都会のプル作用より過疎地のプッシュ作用の方が,過疎化の要因としてはずっと大きいだろうね。

● 大子に入ると,「日本一お米の美味しい町」という看板が目につく。そういうコンクールがあって,大子町はそこで優勝したらしい。
 で,モノは試し,「道の駅 奥久慈だいご」でその米を食べてみた。「道の駅定食」というのがありましてね。普通にいうと天ぷら定食に吸物代わりの小うどんが付いたもの。1,050円だった。
 たしかに旨かった。ただし,まずい米って,最近は喰った記憶がない。他と比べて有意差があるかといえば,おそらくない。
 この看板は,地元住民に向けてのものだろう。

● ここまで来れば,袋田の滝にも立ち寄ることになる。この時期だから水量は多い。なかなかの迫力で大いに満足した。
 が,まだ夏休み前だし,観光客はさほどいない。テキトーに車を停めたら,出るときに爺さまがやってきて,有料駐車場だという。500円。
 チマチマと小銭を稼ぐのが悪いとはいわないけれど,たぶん,戦略を間違えている。リピートはさせないぞと言っているようなものだ。ぼくも,ここには二度と来ないだろう。たかが500円なんだけどね。

● ディズニーランドだったら,5,000円以上の入場料を取るのはわかる。あれはオリエンタルランドが作ったものだし,日々のメンテナンスに相当なお金がかかるだろうことも,即座に理解可能だから。
 が,袋田の滝はいうなら自然が作ったものだ。メンテナンスもほぼ不要だろう。それを近隣の住民が有料駐車場で取り囲んで,観光客から金を取るというのはどういうわけだ。
 そうした反感を持たれやすい。観光でメシを喰うことの難しさだな。よほど上手にやらないと,どこかに下卑た感じが出てしまうんだよな。

● 461号は途中,大型車通行禁止区間がある。山越えの区間で,対向車とのすれ違いも難しいほどの幅員になる。ありていにいえば普通に林道だ。
 ちなみに,普通はここを避けて,県道(北茨城大子線)を走ることになる。標識もそれを前提にしたものになっている。
 往きはその標識にしたがったのだが,復路は461号のこの区間を通ってみた。

● 拡幅すればいいと単純にはいえないところがある。だけど,地元住民は拡幅して欲しいだろうね。だからこそ,この区間に国道の網を被せたんだろうから。
 自然保護とか環境破壊とか言われてもピンと来ないよなぁ。地元にしてみれば自然はふんだんに(それこそ売るほどに)あるものだし,生活していくうえでの障害になっているのだし。
 田舎ほど,道路整備の要望が高いと聞く(実際,田舎ほどバイパスが建設されて,道路だらけになっているという印象がある)。都会の有識者がそれを短絡というのはけっこうだけれど,じゃ,おまえ,ここに3年ほども住んでみろよ。

● この区間を通過して,次の集落に出てしまえば,そこにはコンビニがある。現在の文明の象徴ってコンビニかもしれないね。コンビニさえあれば何とかなると思わせるもん。
 豚児が日本のインフラはすごいねとつぶやいた。どこにいっても電線が延びている。水道も来ているんだろう。ケータイだって,こんなところでLTEが使えるんだよ。

● ナビの不便さを感じたんですけど。要するに,案内が適切じゃない。理由は二つ。
 ひとつは地図が最新版ではないことからくる。これはナビのせいじゃなくて,こちらの怠慢によるものだけれども,地図の更新ってけっこうなお金がかかるからね。ついつい,更新しないままで使ってしまう。

● もうひとつは,ルートの設定だ。大雑把にしかできない。高速道路を優先するか,一般道で行くか,最短距離か,といったあたりの選択肢しかない。で,どれかを選んでやると,あとはナビにお任せください,と。
 ところが,これがどうも。どう考えたって,それ,最短じゃないだろ,と言いたくなるような案内をしてくれる。しかも,ナビ君が選択したルートにあくまで固執する。あと数キロで目的地に着くのに,選択ルートに復帰させるために30キロほどの距離を走行させようとする。
 ドライバーが実際に走ってきたルートを勘案して,それならこれが最短という再思考はできないようだ。

● で,肝心なところで豚児のiPhoneがナビとして役に立った。スマートフォンの地図は無料で更新されるから,常に最新の地図を使える。
 実際の走行ルートをフィードバックして,そこから先のルートを選択できるところまで行っているのかどうかはわからないけれど,今どきのスマートフォンはナビとして充分に実用になることを実地で知った。

● 従来のナビは不要ですね。スマートフォンを固定するためのホルダーを取り付ければ,スマホがそのままナビになるんだから。
 遠出のときはバッテリーが心配だから(遠出じゃないときは,そもそもナビなんて要らない),充電器も一緒に固定できるといい。そういう製品もとっくに出てるんでしょうね。

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