2017年3月3日金曜日

2017.03.03 烏山線の「キハ40」

● JR烏山線の「キハ40」が今日を限りに姿を消す。関東圏に残った最後の「キハ40」だった。
 明日からすべて「アキュム」に置き換わる。

● JRにとっては燃料費が安くなるだろうし,整備も楽になるだろう。乗客にとっても振動が少なくなって静かになり,乗り心地が格段に向上する。加速も「キハ40」よりずっといい。
 環境への負荷も少なくなる。JRにとっても乗客にとっても環境(自然)にとっても,いいことずくめだ。

● が,自分は高校の3年間,社会人になってからも数年間,毎日,烏山線の気動車にお世話になったので,一抹の淋しさは当然ある。そういうノスタルジーに過度に浸るのは,禁断の悦楽にしておかなくてはいけないのだが。

● 烏山線は特に大金-鴻野山が遅い。地盤の関係でスピードを出せないんだろうけど,若い頃は,飛び降りて走った方が速いなとよく思った。
 下野花岡-仁井田の間には五行川の支川が何本も流れていて,ちょっと雨が降ると線路が冠水する。なかなか厄介な路線ではある。

● 沿線は農村地帯だ。終点の烏山は特に人口減少がきつい。
 道路がどんどん良くなった。良くなってしまった。沿線の住民のほとんどは,車で宇都宮に出るだろう。
 烏山線に乗ったことがない那須烏山市民もさほどに珍しくはないのではないか。つまり,地元側に乗客増の要因はない。

● かといって,仮に烏山線がなくなってしまったら,沿線はさらに火が消えたようになるだろう。そうなってから地元民は騒ぎだす。
 だったら普段から乗れよってことになるんだけど,やはり車が便利だから。

● 宝積寺-大金の縁起切符が流行ったのはまだ国鉄の時代だった。国鉄の職員が面倒くさそうに切符を売っていた。国鉄だからね,儲けようなんて発想はない。仕事が増えるのは困るというだけだ。
 JRになってからは,烏山線の振興策はいくつも打たれている。トロッコ気動車「風っこ号」には,小さかった息子と乗ったことがある。
 ミステリー列車「銀河鉄道999号」ってのもあった。上野から烏山まで直通したやつ。今でも臨時快速「山あげまつり号」は運転されている(去年の山あげのときは走っていた)。

● 烏山線七福神というのもあった。っていうか,今でもある。七福神巡りってかつて流行りかけたことがあった。その波に乗ったものかと思われる。各駅に七福神のそれぞれを割りあててというわけなんだけど,その後がないのが辛いところだ。
 人為のみで沿線の魅力を作りだすのは不可能に近いんだと思う。行政があまりバタバタすると夕張の二の舞になりかねない。

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