● ぼくにとって新宿は鬼門。あまりに大きすぎて,それに変化を止めないので,新宿の概要図が頭の中にできあがらない。迷子になる。JRから私鉄への乗換えにとまどう。
こういうところをスッスと歩ける東京人は,それだけで大したものだと思ってしまう。
● ところが,相方にとっては,新宿は学生時代の遊び場だったらしい。しばしばでかけていたようだ。
もちろん,ゴールデン街や歌舞伎町は彼女のフィールドではない。二丁目には興味があったかもしれないけれども,やはり足を踏み入れたことはないだろう。
いや,それどころか,新宿御苑にも入ったことはないようだ。
● では何をしていたのかといえば,高島屋や伊勢丹で見るだけショッピングを楽しんでいたに違いない。
そうではあっても,今でも新宿を避ける気配がないのはなかなか見上げたものだ。新宿をものともしない勢いはぼくにはないものだから。
繰り返すけれども,ぼくは中央線から山手線に乗り換えるときでも,各駅停車の黄色い電車に乗って,代々木で乗り換えたいと思うタイプだ。
● その相方と新宿を歩いてみた。正確にいうと,高島屋の地階と13,14回の食堂街を歩いた。
デパ地下を見るのは好きだ。和洋中にとどまらず,インド,タイ,韓国,ベトナムなど,食に関してはここに世界がそっくり入っている。
たぶん,インドやタイで食べるより,ここで食べた方が旨いのじゃないかとも思う。現地で食べる感激というのを別にすれば(それが大きいわけだが)。
● お値段もなかなかだ。ここで日常的に買い物できる人は,それだけで富裕層に数えていいんでしょうね。でも,ぼくらだって年に1回か2回は,こういうところでメンチカツを買って,焼酎の炭酸割りの肴にする程度のことはやったっていいんじゃないかね。
とは思うものの,万華鏡の中に入ったような気分だ。いろいろあって選べない。
● 自分が田舎者であることを認識する。って,田舎者だから選べないわけではないね。優柔不断なのと,自分が何を食べたいのかわからないからなんだよ。
結果,何も買えないで終わる。イートインスペースがあると違うかもしれないね。
● 食堂街はね,3千円もするとあっては,退散するしかない。お客さんも大半は地方からのお上りさんだと見た。無理してここで食べんでもいいんでないの,と思った。
吉野家でいいじゃないかと言ったら,相方は,吉野家はイヤ,と返してきた。せっかくお江戸にいるんだから,っていうのはわからんでもないんだが,よりによってデパートの食堂で喰わんでもよかろうよ,と負け惜しみを言いたくなった。
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