● 右は今日の読売新聞の記事。喰えない弁護士が出ているという現状では,3年間という時間と高額な授業料を支払ってまで,法曹になりたいと考える人が減るのは当然。
● しかも,法科大学院を出たからといって,司法試験に合格できるとは限らない。当初は7割程度の合格率を想定していたのではないか。それが2割になってしまった。
実際,法科大学院を修了したものの,規定の受験回数内に合格できずに諦めた人が,ぼくの知り合いの中にもいる。
● 法科大学院=簡単に弁護士になれる,と思ってしまった人が多数いたはずだ。
以前の司法試験に対しては批判も多かった。法律しか知らない人ばかり採用していいのかという,わりとありがちな。
そこを改善するための法科大学院だったのだから,改善した結果,従来よりは合格しやすくなる,と思うのは当然でもあるのだが。
● 日本でも法的処理を要するトラブルが増えて,法曹人口を増やさなければならないってのが前提にあったんだと思うんだけど,日本人は賢かった。アメリカとは違う。訴訟などしてみたところで失うものの方が多い,ということくらいわかっている。訴訟は主には法人のものだ。
もう一点,既存の法曹が新規参入者が増えすぎることを嫌ったってのもあるんだろうな。質が下がるからとか何とか理屈をつけて,合格者を抑制するように動いたでしょうね。
● 言いにくいけれども,実際に合格者の基礎学力は下がったのではないか。となると,優秀な学生にとっては,法科大学院など無駄な迂回路にしか見えなくなる。法学部だけで充分,あとは自分でやりますよ,と。
そういう優秀な学生は,法科大学院などパスして予備試験を選択する。上の記事にもあるけれど,予備試験組の方が優秀というのは,業界の常識になっているのではないか。
● むしろ,法科大学院を出て弁護士になってしまった人たちのその後に興味がある。彼ら彼女らを取材して,リアルな彼らの声を報道してくれないだろうか。
上記の知り合いも,司法試験に合格できなくて法曹の道を諦めたのは,かえって幸運だったのかもしれない。
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