丸の内北口の近くに専用エントランスがあるんだけども,ここを通過するには部屋のカードキーが必要。最初は南にある入口から。
● 相方が先に着いていて,チェックインをすませていた。何しろ,彼女が契約当事者なのだ。ぼくは彼女の言うがままに動く,ほとんどロボットだ。
部屋は3016号室(3階)。天井が高いっす。丸の内北口の様子が窓から見える。
● 宿泊費は朝食付きで58,000円。わが家史上,最高料金。
いわゆるエグゼクティブラウンジはない。したがって,ラウンジを使わない料金であっても,わが家史上最高ということ。
● 部屋の特徴は天井が高いこと。天井が高いからシャンデリアが映える。
シャンデリアが吊り下げられている部屋に泊まったことは過去にもあるけれども,そのシャンデリアが邪魔に思えたり,威圧感しか感じないことが多い。要するに,シャンデリアなどない方がいいのではないかと思うわけだ。今回はそれがない。
外国人スタッフを見かけない。掃除スタッフは日本人のおばちゃん。しかも,品のいい人が多い。日本人スタッフしかいないんだろうか。まだよくわからんが。
相方によると,部屋をチェックして掃除をやり直したくなることが全くなかった初めてのホテル,ということになる。それだけでかなり得点が高くなるらしい。
● 東京駅の2階と3階が客室。北口から南口まで,延々と廊下が続く。ただただ長い。外から見た感じでは,2階はさらに天井が高いのではないか。
松本清張が好んだのは2階のホームが見える部屋だったらしいが,現在は駅のホームが見える部屋はなくなったようだ。
● ホテルのB1階にスパとフイットネスジムがある。3階から直通するエレベーターはない。1階まで行って別のエレベーターに乗換。悪くいえば不便だが,良くいえば雅びだ。
1階のラウンジやレストランとB1階のスパは誰でも利用できる。客室階との間をブロックしているわけだ。
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スパの入口 |
東京のガイドブックを子細に見れば,たぶん掲載されているんだろうけど,知る人ぞ知るの印象がある。むしろ,それ以外の人たちに邪魔されないように隠しているのではないかと思える。
ところで,スパ。ここは東京駅なんだよな。東京駅の地下にこんな施設があったのかと,不思議な気分になった。海の底に来たかと思えるほどに照明を絞っている。ヒーリング効果がいや増すように思われるが,実際のところはどうなんだろ。
● 大丸でローストビーフと缶ハイボールを買ってきた。夜は丸の内北口の人の行き来を眺めながらハイボールを飲む。が,意外につまらないんだな,これが。
土曜の丸の内北口は行き来自体があまりないのと,ざわめきが一切聞こえてこないからだ。ホームが見えれば感興がまるで違うんだろうけど,それは望めなくなっている。
● 夜,東京駅の周りを歩いてみる。この時間帯,宇都宮の大通りは真っ暗で歩いてる人なんていないんだけどね,さすがに世界の東京はそんなことにはならんのですなぁ。
シャングリラがあったので,次はこちらにするかというと,東京ステーションホテルの倍以上するらしい。話にならん。
● 一夜明けて(よく眠れた),ホテルの朝食。場所は4階の“アトリウム”。屋根裏空間に位置するらしい。
全部を確認したわけじゃないけれど,これほど品数の多いビュッフェスタイルの朝食は初めてだ(相方によると,品川のマリオットがここより多かったというのだが)。朝からお造りまであるのだ。どうすれば朝食開始時刻までにこれだけのものを用意することができるのか。
別料金になるが,朝から日本酒を飲むこともできる。肴も充分だ。JALのラウンジを思いだしたが,たぶん,トータルクオリティはこちらが(圧倒的に)上かと思う。カレーはないけどね。
● すでに食事中のお客さんを見て,なんだ普通の人じゃんと思ったんだけど,どうも普通の人じゃないようなのだ。
まず,ガッツかない。もし,今まで泊まったホテルのラウンジの朝食にお造りがあったら,あっという間になくなりそうな気がする。ここではそういう現象が起きない。
皆さん,鷹揚で品がいい。金持ち喧嘩せずとはこういうことか。
● 和食をメインにしたのだけど,注目は赤だし味噌のキノコ汁。味噌のほかに醤油を加えていたかもしれない。長芋のトロロもあった。ご飯が進んで困る。
お粥にシラスをどっさり載せて,削りたての花鰹を載せて醤油をかけてガーッと食べた。困るのだ。炭水化物を際限なく食べてしまうのだ。
トラフグの焼売なんてのもあったので,ひとつ食べてみた。メロンのほかにスイカもあったんだけど,どこから手に入れてくるのかね。
● ホテルの廊下に飾ってあったポスター。朝鮮半島の京釜線,満州鉄道から,シベリア鉄道に入って,パリまでの2週間に及ぶ旅。旅というか冒険でもあったのかもしれない。
ごく一部とも言えないほどのわずかなお金持ちしか縁のなかった旅行ではあったろうけど,こういうことができたんですな。

ベートーヴェンの第9交響曲第3楽章をWALKMANで聴きながらここに座っていると,ぼくもまたこの空気に溶けこんでいきそうだ。そのとき,この空気ではなく,WALKMANというブツに感謝したくなったのは,われながら不思議というものだ。
が,こちらには八重洲ブックセンターがあるし(丸の内には丸善があるんだが),京橋も近い。シャングリラもフォシーズンズもこちら側にある。
● 丸の内側に戻ってくる。南口のさらに南側ははとバスエリア。ここはここで幸せ感に溢れている。はとバスには20年前に一度乗っただけなのだが,愉快な仲間と一緒で楽しかったな。
快を提供する企業として,はとバスは吉本興業を凌いでナンバーワンの位置にいるかもしれぬ。もっとも,東京あってのはとバスであるわけだが。
● さらに腹ごなし。海の底にあるようなスパで“サウナ+水風呂”を4セット。37度の風呂で整えて終了。
奥様はずっと部屋で過ごした。お姫様になったみたい,と。58,000円で姫気分が買えるなら,安いかもなぁ。どうせお金は墓場には持って行けないんだから。生きてるうちに使ってこそ,初めてお金になるっていうかさ。
すでに次の予約を入れてるらしい(年末)。ドームサイドにこだわる必要はなし。ビューはどうでもいい。
● 今まで泊まったホテルの中で最もコンサバというか,カジュアルじゃないというか,人手が多いというか,つまり高級だ。それは感じた。
その高級さ,決して冷たいものではないんだけれども,迂闊に手を出すとピシャッと叩かれそうな,何となく畏れ多いもののように思われた。
● 正直,弾かれてる感じがある。ここはおまえのような者が来るところじゃないと,ホテルから言われているような。
もちろん,こちらが勝手に幻影を作っているのだ。それはわかっているのだけれども,ここで浮くことなく違和感を覚えることなく動き回れるようになるには,少々の時間を要するかもしれない。
わが家の東京の定宿は,ロイヤルパーク→ウェスティン→インターコンチネンタル東京ベイ→シェラトン都→ロイヤルパークと変遷してきてるんだが,こういう気分になったのは初めてだ。帝国ホテルはどんな感じなんだろうね。
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