2015年9月16日水曜日

2015.09.16 生活の質と都市集積

● あまりに都市集積が進むと,生活はかえって脅かされることになるのかもしれないけれども,そういうことは考えない。なにせ,栃木県の話だから。

● 栃木県は県のほぼ中央に宇都宮がある。ほとんどのところから日帰りが可能だ(公共交通機関で)。栃木県人はそんなのあたりまえだと思っている。県庁所在市に日帰りで往復できないところなんてあるの,ってなものだろう。
 いや,そんにはないと思うんだけど,たとえば青森はどうだろう。三沢や八戸に住んでいる大学生は,岩手大学には余裕で通えるだろうけれども,弘前大学に自宅から通学するのは難しいのじゃないか。まぁ,弘前は青森の県庁所在市ではないわけだが。
 長野県はどうだろう。飯田から長野まで日帰りで往復するには車が必要になるのではないか。
 愛媛はどうか。川之江から松山まで,あるいは西宇和から松山まで,日帰りで往復する気になるか。車でもけっこうハードではないか。

● いや,そういうことじゃなかった。
 県の中央にあるんだから宇都宮に行きやすい。地元に足りないものを宇都宮に求めやすい。
 でね,生活の質の話だ。生活の質って具体的なものでさ,たとえば休日にたまには旨いものを食べたいというときに,食べられるところがあるか。読みたいと思った本があるときに,それを買える書店があるか。そういうことになる。買いものなんてネットでいいじゃん。それはそうなのだが,ネットでは“ついで”がしにくい。
 やはりリアルに手に触れることのできるお店があったほうがいい。

● で,宇都宮に出かけることになるんだけど,栃木県の中にも一切宇都宮と関わりを持たずとも,持ったと同じ水準の生活の質を維持できるところがあるか。
 そんなことをフラフラと考えることがあってね。

● あるというのが答えなんですけどね。まず,小山はそうだろう。足利もそうかもしれない。
 ぼくが見るところ,かつての真岡もそうだった。今はどうなのかわからないけど。
 あと,現在では氏家がそうではないかと思う。4号バイパスの建設に合わせて区画整理が進み,今やこのエリアの中心は矢板ではなくはっきり氏家に移った。
 目立たないところにオヤッと思う店もあるし,宇都宮にあるような本だったらここにもあるだろうと思わせる書店もできた。かなり住みやすそうな街だと思える。

● これをミニ宇都宮のようだ,つまらないと思う人もいるかもしれない。本屋はチェーン店だし,オヤッと思うお店も,おそらくよそから来た人がやっている。
 区画整理をすると,どこも似たような風情が漂うのは避けられない。

● 変わらない(≒寂れた)ところもあったほうがいい。だけど,ミニ宇都宮であってもそこで生活を完結できるのは魅力だ。質を落とさないで完結させること。
 氏家のこの勢いがいつまで続くかはわからない。でも,今の氏家は住んでもいいなと思わせる魅力がある。

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