2015年9月19日土曜日

2015.09.18 虚業がいよいよ優勢の時代

● 汗水たらして稼ぐというのは,だんだん時代遅れになるのかもしれない。汗水たらして稼ぐことしかできない人は,先細りになるんじゃないかなぁ。
 世の中の職業を実業と虚業に分ければ,実業の雇用吸収力は減る一方のはずだ。なぜなら生産性があがるからだ。機械化,自動化,IT化によって,どんどん生産性があがるんだから,単純に,少しの人の労働で多くの人を養うことができる。
 農業が典型的にそうだ。一家総出,子どもにも手伝わせて,親戚まで呼んで田植えや稲刈りをした時代ははるか昔に終わっている。

● だから,これからは虚業がメインストリームになる。作家,漫画家,画家,演奏家,落語家など,家のつく職業は昔からあって,これらはすべて虚業といっていいだろう。なくなってしまっても,誰かが飢え死にすることはないし,誰かが途方にくれて膝を抱えることもない。
 虚業はたぶん,人類発生とともに存在していたはずだが,時代とともにその比重を増してきて,今後はいっそうそうなるのだろう。

● 問題は汗水たらして働くことはたいていの人ができるけれども,虚業でやっていくのは誰でもできることではない。才能が問題だ。のめり込めるという才能も含めて。
 誰にでもできることではない方がより多くの報酬を得るのも当然のことだ。

● 今までもそうだったと思うんだけど,その才能を持たない人が虚業に行くと,喰うや喰わずの生活を強いられることになる。
 それを覚悟してなおその道に行く人はこれまでにもいたし,これからはいっそう増えるのだろう。

● 汗水をたらす稼ぎ方しかできない人は,カツカツの暮らししかできなくなるんじゃないかっていうことのほうが心配だ。
 機械化,自動化,ロボット化,IT化がさらに進むだろうことと,外国人労働者と競合することになるだろうからだ。労働市場も世界が単一化されれば(その方向に動くのだろう),途上国の労働者には有利,先進国の労働者には不利だ。
 稼ぎ先を汗水以外に確保できない人には,けっこう辛い時代になるのじゃなかろうか。つまり,多数派にとっては辛い時代になるということだ。

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