● 先月24日の人間ドックで糖尿病だよと言われてさ,近くの医院に行ってみて再検査をしてもらって。その結果の説明を聞きに行った。
当然ながら,血糖値の数値は人間ドックのときのものとあまり変わってない。じゃ,さっそく薬の服用を開始するんですか。できれば,このまま糖質制限を継続して,その結果を見てから治療に移ってもらいたいんですけどね。
● が,そういう話を切りだせる状況ではなかった。そこまで糖尿病が悪化していたということではない。糖尿病よりこっちの方が重大だよ,君,と言われてね。
それが何かといえば,肝臓ね。すでに肝硬変に至っているかもしれない数値らしいのだ。ので,肝臓がどれくらい生きているか調べなきゃという。さらに検査ね。1本分の検査用の血液を採取された。
● 酒はこれより以後,一滴たりともまかりならぬと言われた。毎日,グデングデンに酔っ払うまで飲んでたわけじゃない。正気を保っていたと思う。ゆえに,自分じゃそんなに飲んでいるつもりもなかったんだよね。
が,25度の焼酎だと900mlの瓶が2晩で空いてしまったりしてた。日本酒に換算すれば,1升を2日で空けていたということだ。休肝日? そんなものはない。
● たぶん,普通の人が一生の間に摂るアルコールの2倍か3倍,あるいは4倍か5倍のアルコールを,すでに摂取していると思う。
若い頃に,背中を押してくれた本もあった。山口瞳の『酒呑みの自己弁護』。帯のコピーを思いだすんですよ。
月月火水木金金 酒を呑みます 酒なくて なんで己が桜かな
● というわけなので,酒が飲めなくなっても思い残すことはないっちゃない。
それから,アルコール依存はさほどにないと思っている。たとえば,飲まないと眠れないということはない。
● かくかくしかじかこういう状況だから酒はやめなさい,と言われれば,造作なくやめることができる自信がある。空腹に耐えるよりは難しいかもしれないけれど。
っていうか,空腹感を散らすために酒量が増えていたってことがあるかもしれないんだけども,しかしやめなければならない必要性を理解できれば,酒なんかやめるのは何でもない。
● ということを先生に申しあげたところ,先生はエッという顔をされた。いろいろ話していくうちに,じつは先生も酒に手こずっているのではないかと思えてきた。
ひょっとすると,肝臓の薬を飲みながら酒も飲んでいるのではないか。だとすると,ぼくはいい先生に再検査を依頼したことになる。
● とにかく,酒はやめるように指示された。自己流で糖質制限を実行していることを話したら,炭水化物は摂ってもいいという。ただし,腹六分目に抑えること。あと,甘いものはやめておいた方がいいでしょうね,と。ここはまったく苦痛を感じないところだ。
ま,これはいい機会だと思ってもいる。毎晩,家飲みを続けているわけで,それをしていると帰宅してからは何もしないで翌朝を迎えることになってしまう。私的な時間が何もしないうちに消えていく。拙いなぁと思ってたのでね。思いながらも何となく飲んでしまっていたんだよね。
肝臓のためというより,時間の使い方の再構築のためにも,酒を禁じられたのはいいきっかけだ。
● とはいえ,こっそり言うんだけれども,酒量が増えたのはメンタルの弱さも一因だと思う。メンタルが弱いことが自分の肝臓にどれほどの負荷をかけてきたか。そこに思いを致す必要がある。
それもわかっているんですよ。だから,先にアルコール依存はないと言ってしまったんだけども,厳密にいえばちょっと違う。依存はある。しかし,抜け出せないほどのものではないと思っている。肝臓に謝りつつ,酒は当分やめてみよう。
● コレステロールと中性脂肪の高さも半端ないようで,炭水化物よりもむしろ脂肪がダメだと釘を刺された。魚卵などは甚だよろしからず。
脂肪がダメというのは,旨いものを食べてはダメだということだ。旨味は脂にあるんだものな。旨いものを喰ってはいけない,酒も飲んではいけない,炭水化物は少しならよろしい。そういうことね。
● そういう生活ではQOLはだだ下がりになる? ぼくはそうは思っていない。
なんだかんだ言って,ぼくは食に重きを置いて来なかった。食を軽んじるところがあった。そのお陰を蒙ることになりそうだ。食の制限が大きくなっても生活のQOLに及ぼす影響は限定的だ,ぼくの場合は。
● QOLはさほどに下がらないと思える理由には,相方の協力がある。今夜は具だくさんの味噌汁を作ってくれた。大根,もやし,豆腐,ワカメ,ジャガイモがどっさり入った味噌汁。
海鮮ものの炒めものも。これがあると酒を飲みたくなるわけだが(たいていの料理が酒の肴になるのが困る。肴として不適当なのは,饅頭とか羊羹とかケーキくらいのものだ),そこは自分の問題だ。
相方としては糖質を入れなくても空腹をごまかせるように工夫してくれている。これをありがたいと言わずして何という。
● ひとつ問題があるとすると,東京のホテルに泊まったときだ。判で押したように,ラウンジで3杯のハイボールを飲むのが慣わしになっていた。
それもやめなければならない。水かお茶で酒の肴になる料理を食べる。そんなことをするくらいだったらホテルになど泊まらない方がよいと思うか。それとも,そういうときは1杯だけ解禁するか。
11日から2泊の予約を入れている。自分がどう対応するかはそこで答えがでる。
● おそらく,水かお茶で肴を少しつまんでってことになるだろう。もうホテルに泊まるなんて贅沢はやめようとは言わないと思う。
それは,自分の都合で相方の楽しみまで奪うことになるからだ。そんなことはできない。その程度には大人であるつもりだ。
ということは,ホテルにおける振る舞いに品が出るってことじゃないか。がっつかなくなるんだからな。
● そもそも,酒を飲まなくなるということは,生活コストが下がるということでもある。家飲みが主になっていたから,コストといっても知れたものだけどね。
しかし,生活コストは下がる。煙草をやめると缶コーヒーも買わなくなった。煙草と缶コーヒーの相性は抜群なのだ。煙草なしで缶コーヒーだけ飲みたいとは思わないわけね。そうしたことが酒をやめることでも起こるかもしれない。
● でもさ,この数値って,すでに肝硬変に至っているかもしれない数値なのかねぇ。このあたりの数字の見方については,素人の勝手な見方よりも,専門家のそれを尊重すべきだと思うんだけどさ。
肝硬変から肝癌に移行してしまったら厄介きわまるし。このあたりで押し戻しておかないとねぇ。
● ともあれ,酒と脂は絶つ。炭水化物も相応に限定する。しかし,いつまでもそれでは困るぞ。少ぉしは緩められるときが来るように,なんと言うんだろうかね,精進しましょ。
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