有楽町で下車。東京ミッドタウン日比谷にやって来た。ミッドタウンに用があるわけではなく,要は宿泊予定のホテルまで行く通り道にあたるだけだ。
● 「添好運」という中華料理店があってさ。その店に行列を作る人々がいてね。もしこの中にコロナ感染者がいたら,君たち全員,濃厚接触者だかんな。好運に添えるどころか,肩身の狭い思いをするよ。
行政は罹患者の個人名は公表しないけど,どういうわけか割れちゃうものでしょ。ウィルスをばらまいてくるといって,そちこち歩いてしまった爺さんは身がすくむような思いだろうよ。自分独りじゃすまないからね。子供や孫にも迷惑をかけまくりだろうからな。
ま,老人とはそういうものだと,ぼくは思っているけど。なぜなら,自分が老人だからだ。
● ミッドタウン日比谷の隣は重々しい感じのする帝国ホテル。警備が厳重な感じ。VIPが泊まっているいないに関わらず,宿泊者の安全を守るというハンパない決意が形になって出ているような。帝国ホテルはやっぱ特別なところなのかなぁと思わせるに充分な光景だ。
そこからパンジーの花壇が作られている道路を歩いて,新橋へ。今夜はブラッサム日比谷に2回目の投宿。ぼくらには帝国ホテル
よりこちらの方が相応しい。いや,帝国ホテルにも泊まってみたいけどさ。
● 部屋は2709号室。前回と同じ25㎡のスタンダードツイン。大都会の眺望,絶佳。
今回は朝食込みで23,500円。前回よりちょっと高い。しかし,この場所でしっかりした朝食が付いてこの料金は,充分にリーズナブルだと思う。
● まずは,冷蔵庫のビールをゴチになる。その後は,銀座まで歩く。少し雨模様だったけどね。
三越で酒の肴になりそうなものを物色。今日はかなり売行きがいいようで,タイムサービスが始まる前に品薄状態になっているようだった。こういうところで買って帰って,
外食を避けようとしているのかねぇ,と相方に話してみたんだけど,ここの混雑と外食先の混雑では,おそらくこちらの方が混雑の度合いは高いように思われる。ここに来るのを避けて,外食先に行くべきではないか。
● ともあれ,銀座三越で“綾鶏”のとり天を買ってきて,ホテルの部屋でハイボールを飲んじゃう。“綾鶏”のとり天,とても美味しいです。鶏ってこんなに旨かったんだなと再発見させてもらえるような。おまえ,普段どんな鶏肉を喰ってんだよ,と言われますかなぁ。
そういうわけなので,酒を飲んではいけない身体であることは,ここ10日間ほど(いや,もっとか)忘れっぱなしになっている。
● ホテルの部屋ですっかり酔っ払ってから,新橋を歩いてみた。夜も遅くなると,客引きもけっこう堂々と声をかけてくる。
コロナ騒ぎで閑古鳥が鳴く飲食店という図式は,どうもここでは成立していないように見える。これでも普段よりはお客が少ないんだろうか。
いつもと変わらない人出だとすると,人間は飲む動物なのだな。ホモ・ドリンクスとでも命名した方がいいな。
客引きに何度か遭遇して,相方は少し引いてた感じ。もう,新橋を一緒に歩くことはないのじゃないかと思う。
● 飲食店街の人通りは普段と同じようにぼくには映ったのだけど,烏森神社とSL広場には人影は少ない。が,烏森神社もSL広場もこの時間帯に来るのは初めてなので,いつもと同じなのか違うのかはわからない。
この後は日比谷通りに出て,帝国ホテルの横を通って,銀座との際を辿ってホテルに戻った。この狭いエリアの中で街は何度も表情を変える。そこが東京の面白いところだと思うが,これほど劇的に変わるところは東京でも少ないんじゃないか。
● さて,一夜が明けて。ブラッサム日比谷の朝食。会場はホテルで唯一のレストラン「十十六(そとろく)」。
ブッフェ形式はトングなんかを多くの人が触るのでよろしからず。というわけで,予め小鉢に取り分けてあるオカズはお客が自分で取るのだが,それ以外はスタッフに取って
もらうようになっていた。ジュースもヨーグルトもスタッフにお願いする。
スタッフの負担は増えるが,お客が減っているから,それでも回していけている。
● もれ聞くところによると,東京ステーションホテルでは朝食の提供を取りやめているらしい。あの品数でブッフェ形式を廃するのは困難と判断したのだろう。朝食が楽しみでステーションホテルに泊まるお客さんが多いだろうに。
じつにもって苦渋の決断のはず。朝食会場に入る際に必ず消毒液を使ってもらって,あとは通常のブッフェ形式を維持するというやり方ではダメなのかね。
● 朝風呂。昨夜は酔って歩いて,そのまま寝ちゃったのでね。浴槽が深い。ここもブラッサム日比谷のいいところのひとつ。日本人のリフレッシュ手段は何と言っても入浴でしょ。浴槽が深いとリフレッシュ効果が高い。
シャンプーなどは福岡県遠賀町の㈱フィードの製品なのだが,口径がやや大きめで,サッと出てくるところもセッカチにはありがたい。
これも贅沢だな。ちょっとしたラウンジでしょうね。
● ちなみに,「十十六」の昼食メニューがこちらこの中のけっこうな部分は朝から食べられる。特に朝蕎麦,旨いです。天ぷらも朝からある。今日は食べなかったんだけど。
昼食をここで食べる宿泊客はあまりいないと思う。宿泊客以外の人がここに食べに来るのも少し考えづらい。なにせ,ここは銀座を背負っているのだ。お金持ちは銀座のレストランに出かけるだろう。新橋も背負っているのだ。お金持ちじゃない人は,新橋にあまたあるラーメン屋をめざすだろう。
● ので,ここで昼食を食べる人はどんな人なのだろうと想像してみる。連泊する宿泊者のはずだが,外に出るのを躊躇うほどに,忙しく何ごとかをしている人だろうか。その何ごとかは仕事かもしれないし,仕事以外の何ごとであるかもしれない。
ラブホ的な使われ方もしているか。もっというと売買春もあるかもしれない。ジムで汗を流して昼のご飯を食べてる間に,部屋を掃除してもらって,掃除が終わる頃に部屋に戻る。
そういう使い方をまったくされないホテルは,ダメなホテルだ。ぼくはそう思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿