● 銀座の無印良品には何度か来ているが,ぼくの場合は3階と4階で完結。他のフロアはほぼ素通り。たまに1階の食品売場でレトルト食品を物色するくらい。
ちなみに,3階は文具売場で4階は MUJI BOOKS。
● MUJI BOOKS は普通の書店じゃなくて,無印がこしらえた本,無印について書かれた本が中心。もちろん,それ以外の本もあるが,かなり絞っている。もとより,ビジネス書なんぞという無粋なものはない。
アカデミックではなく,スタイリッシュというのでもなく,適度に軽く,適度にポップで,しかし垢抜けている感じといいますか。
これを参考に棚を作っている書店は少ないかもしれないが,本も扱っている雑貨店的なところでは,無印を調査対象にしているのではないか。
● 今日はまっすぐ6階に来た。このフロアにはギャラリーがある。見ている途中で休憩できるカフェがあり,「MUJI HOTEL GINZA」のフロントもこの階にある。
このホテルは無印良品の世界にどっぷりと浸るには格好のものだろう。無印に囲まれた衣食住の風合いを体験してみたいとぼくも思わなくもなく,一度は泊まってみたいと思っていた。のだが,その機を得ず,今に至る。
● ちなみに,一番狭い14㎡の部屋に1人で泊まる朝・夕食付のプランが20,400円。もちろん,GoTo適用後の料金。
夕食というのが,前菜5品,お造り(真鯛と甘えび),焼き物盛り(鰆の味噌幽庵焼き),煮物(ふぐ小鍋),羽釜ご飯(赤出汁付き),甘味(自家製WA三盆プリンと最中アイス),お茶,という和食のフルコースといった感じ。
これを銀座で食べられて2万円で泊まれるとは安い。GoToの恩恵,受けざるべからず。と,とりあえずは思うのだけども,この部屋にシャワーはあるがバスタブはない。
部屋でマッタリしたいという過ごし方には向かない。活動的な人がエネルギーを充填するための部屋という感じがするね。
「優れたデザイナーが関わっているからこそ,卓越したアノニマスも誕生する」と案内リーフレットにも書かれているが,それはそのとおりなのだろう。
● 「会場には年代,作者名,メーカー名などは記載せず,モノは並列に配置されます。名前が消え,モノの機能とかたちを無意識の眼で見るとき,私たちの対象との関係性はどのように変わるのでしょうか」というのが問題意識。
と言われても,ぼくなんかはそんなことを考えてモノに向き合ったことなどないから,そもそも関係性を作れていない。
15の動詞が何かというのは下の写真のとおりなのだが,「引く・省く」や「飾らない」は無印っぽいと思うわけだが,「見立てる」や「受けつぐ」も言われてみればなるほどな,と。
詳しく知りたければ『MUJI IS 無印良品アーカイブ』を読んでください,というわけだが,もちろん4階で販売中でしょう。
● 無印は自分で工場を持っているわけではない。仕様を決めてメーカーに発注する。無印がやっているのは,大きくデザインということになるのだろうが,そのデザインに関しては創業以来の試行錯誤の積み重ねがある。他のメーカーが無印の後を追おうとしても,追いつくのは容易ではない。まして追い抜くのは,仮にあるとしても,はるか先のことになるだろう。
しかし,コロナでアメリカの店舗が壊滅するなどして,厳しい打撃を受けた。株価も大きく下げた。だいぶ持ち直してはきたが,これからどう立て直していくのか,商品開発力ではなく経営力が試される時期がしばらく続くのだろう。
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