2020年11月3日火曜日

2020.11.03 宇都宮市立南図書館で

● 宇都宮市の図書館のうち,中央,東,南の3館には宇都宮市民じゃないのにお世話になっている。ありがたい。
 宇都宮市民でもないぼくがなぜ宇都宮市の図書館を利用できるのかといえば,広域利用協定の恩恵を受けているからだ。「栃木県央6市4町にお住まいの方であればどなたでも,各市や町の図書館等を利用できます」というわけだ。宇都宮市,鹿沼市,日光市,真岡市,さくら市,下野市,上三川町,芳賀町,壬生町,高根沢町のいずれかの住民は,この10市町の図書館を利用できる(借りるためには,それぞれの館の利用者カードが必要)。
 実際には市町相互というよりも,中核になる都市の住民サービスを周辺に拡大するものだろう。宇都宮市周辺の住民が宇都宮市立図書館を利用することはあっても,その逆はほとんどないのではないか。

● CDでいえば,宇都宮市立図書館は落語が充実している。西洋のクラシック音楽に関しては,県立図書館が最初にチェックすべきところかと思うのだが,落語は欠落しているのではないか。そこを宇都宮市立図書館が補ってくれる。
 今日,気がついたのだが,南図書館にはグレン・グールドのバッハ全集もあった(ただし,全部が揃っているわけではないっぽい)。
 人が一生の間に聴けるCDは限られるので,何にどれだけ時間を割くかは考えどころだ。たくさん聴けばいいというものでもあるまいし。が,グレン・グールドのバッハ全集はちょっと惹かれるでしょ。

● 今どきの図書館は図書館単体ではなく,多用途施設になっているのが普通だ。南図書館はその典型であって,絵画などの展示スペースがあり,会議室も備えるから集会センター的な利用も可能だし,多目的ホール(サザンクロスホール)もある。図書館の主催事業として,往年の名画上映や演奏会を催行している。
 その分,静謐さは損なわれることになるかもしれないのだが,基本,この方向で良いと思う。良いというより,よほどの特徴を持つ図書館でもない限り,ついで利用を掘り起こさなければ利用者が増えない。ジリ貧を続けていては存在意義を問われることにもなる。

● 宇都宮市立図書館では東館と南館で無料の名作映画会をずっと開催してきた。今年はコロナ禍で中止が続いていたが,ここに来て開催されるようになったようだ。
 ぼくも2018年までは上映予定をチェックして,わりと観に行っていた方だと思うのだが,2019年になってからバタッと行かなくなってしまった。
 理由はAmazonのプライム会員になったことだ。プライムビデオを見るためにプライム会員になったわけなので,映画は自宅でパソコンの画面で観るものになった。
 加えて,映画会が開催される土・日には家にいないことが増えた。東京に遊びに行ってしまう。いよいよ,この種の催しからは遠ざかることになる。

● が,東京に遊びに行くなんてことができるのも来年3月までだ。ぼくは今年の4月から隠居生活に入り,相方にたかるヒモのような生活をしてきた。その相方も定年に6年残して来年3月に辞めるからだ。
 そうなると,老夫婦2人,ぼくのささやかな年金で暮らしていかなければならない。やって行けなくはあるまいと思う。お金がなければないなりに貧乏を楽しむ術は持ち合わせているつもりだ。
 それができないのでは,お金に負けてることになる。お金がないのは恥ずかしいことではないけれども,お金に負けるのはかなり恥ずかしい。

● というわけなので,好むと好まざるとに係わらず,来年4月からは地元密着。移動距離はうんと短くなると思われる。
 聴きに行く演奏会ももっぱら地元で開催されるものに限定されるだろうし,こうした映画会にも復帰することになるかも。Amazonプライムビデオもいいけれども,大勢で観る映画もいいものだよねっていうわけで。

● 来るのはGGIとBBAばかりで,さながら老人ホームごと出張してきたような感じになるのだけれども,大勢で観るということにはそれだけで価値がある。
 っていうか,1人で選べるとなると“往年の名画” なんてまず観なくなるのだ。そういうものを観るためには何らかの強制装置が必要だ。

● つまり,こうした公共施設への依存度を今よりも高めるという方向に動くことになる。いやいやどうぞよろしくお願いしますよ,というわけなのだ。

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