2018年2月3日土曜日

2018.02.03 日本のスタバは安い

● スタバは日本のコーヒー文化を変えたと思うんだけど,その筆頭はフラペチーノを持ちこんだことだ。アイスコーヒーではなくて,フラペチーノ。しかも,それを夏だけじゃなくて通年で提供していること。
 ほかにも,コーヒーカクテルとでもいうべき,コーヒーベースの飲料を開発して,それを商品という形で見せてくれたこと。

● 昔の「純喫茶」もコーヒーだけではなかった。レモンスカッシュや,オレンジジュースや,何やらかにやらがあった。それらは,今スーパーで売られているものとどっこいどっこいの味だったのではないかと思うのだが,スタバはここでもそういう間に合わせじゃないものを提供している(ように思われる)。
 で,宇都宮はベルモールのスタバ。マンゴー&パッションフルーツティーフラペチーノのグランデサイズをば。

● その日本のスタバは安い。1月に香港のスタバに入ってみて,そのことを痛感した。これじゃ従業員の給料を上げるどころじゃない。
 かといって,値上げできる環境にはない。デフレとはそういうこと。

● 英国や米国ではもっと高い。スタバに限らないが,ワンコインで外食できるのは日本くらいのものではないか。いわゆる先進国ではという限定をとりあえず付しておくけれど,東南アジアでもそれは難しくなりつつあると聞く。
 で,その英米の状態を知った人が,日本の状況を批判するわけだ。不当に人件費を抑制している,つまるところ,われわれは不当な抑制の恩恵を受けて,安い食事を享受しているのだ,と。
 が,これに関しては日本が先頭ランナーだ。いずれ英米も日本のようになる。日本並みの価格に下がるということではなく,値上げなどしたくてもできなくなるということね。

● それに,だ。日本の賃金は世界一高いといっても,物価も高いので実質購買力は韓国並みだ,と言われていたのは,そんなに昔のことではないぞ。つい最近までそう言われていたのだ。でもって,高賃金の負担に耐えかねた日本企業はどんどん海外に拠点を求めて日本を出て行ったのだ。
 今だって“1ドル=78円”でドル換算すれば,日本の賃金は相当な水準になると思うんだが。

● 労働者には辛い環境だが,経営者はもっと辛いだろう。飲食店が原材料の高騰を受けて,相次いで値上げを発表しているが,戦々恐々のはず。
 この動きを受けて,便乗値上げを監視すべきだなどと言っている昭和原人がまだ棲息しているらしいんだけど,この手合に完全引退を促す手段はないものか。

● 消費者にとっては,今は天国だ。立場の100%が消費者なら,笑いがとまらないだろう。
 しかし,いかんせん,消費者の多くは労働者でもあるわけで,デフレの光と影を両方とも引き受けなければならない。そこが辛いところだ。

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