2018年2月27日火曜日

2018.02.27 若者の活字離れ

● 右は今日の下野新聞。大学生の活字離れを報じるもの。こういう記事を読むと,何とかのひとつ覚えという言い方を思いだす。
 自分が大学生だった頃も,本を読んでいる人はそんなにいなかったような気がするんだが。50歳や60歳になった元大学生にお尋ねしたい。あなたは本を読みましたか。

● 当然,本を読むのはいいことだという前提がある。が,その前提は本当に成り立つのだろうか。
 出版社や書店,本を書くことを業としている人や学者,教育者。そういう人たちにとっては本を読んでもらった方が都合がいい。そんな彼らの利害関係を反映した前提にすぎないのではなかろうか。

● そこで,元大学生の諸氏に再度お尋ねしたい。
 もし読んでいたとすれば,本を読んでもあなた程度にしかなれないんだから,読書の効用なんて言われるほどのものではないのだと思いませんか。

● この問題を考えるときには,2つほど留保が必要だ。
 ひとつは,同年齢層に占める大学生の比率の増大。今は誰でも大学に行く時代になったということ。定員が入学希望者を上回っている。定員割れの大学は珍しくない。大学生=読書人,ではとっくになくなっている。
 要するに,向学心のある人が大学生になるわけではないのだ。

● もうひとつはネットの普及。本の形になっていないものも含めれば,今の若者の方が,ン十年前の若者よりも,圧倒的にたくさん読んでいる。これに異論をはさむ人はいないだろう。
 というと,ネットの断片的な情報だけではダメで,著者の思考が体系的に展開されている本を読み砕く努力が必要なのだと言われるわけだが,本当にそうかね。

● 小説や文学作品を別にすれば,今どきの本っていうのは,構成作家が著者にインタビューしてまとめたものが大半じゃないか。
 断片を集めたものを体系的というのか,と毒づきたくなる。

● 活字や読書から若者が離れているのだとすると,ひょっとしてひょっとすると,彼らは賢い時間の使い方を身につけつつあるといえるのかもしれない。
 そういうことを思ってみたりもする。要するに,そんなに騒ぐほどのことではないんじゃないの,この問題は。

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