● 昨日のこと。
さあて,今日は朝日トーナメント杯の羽生竜王VS藤井五段戦だ。藤井五段が勝って,さらに決勝戦でも勝つようなことがあれば,史上最年少の優勝者になるし,六段に昇段する。中学生六段は前代未聞。
すでにC1への昇級は決めているわけだから,いよいよもって天才現るを強く印象づけるし,史上最年少名人の誕生も期待させるじゃないですか。
時の名人と竜王が中学生の新人に続けて負けるようなことがあっては,タイトルの鼎を問われる。が,そこをひっくり返してきてるんだよね,谷川も羽生も,大物はみんな。
● ありゃりゃ,藤井五段が竜王に勝っちゃったよ。永世七冠が止めると思ったんだが。手応えを感じてるだろうね。
勝ち方も堂々たるものなんでしょ。ぼくに内容はわからないんだが。
● 藤井五段,続いて,決勝でも勝って優勝。29連勝に次ぐ二度目の勲章。恐るべし。どんだけ凄いんだ。
寄らば切るといった風情の剣士は二流かい? 淡々としてて,外に凄みを見せないものかね,剣豪は。しかも中学生なんだよね,この剣豪はね。
● 天才集団の中で一頭地を抜く天才中の天才って感じですよ。現時点で,最強の棋士でしょう。
運とか勢いとかもあると思うんだけど,それを引き寄せるのも実力のうち。というか,実力の大きな部分は,じつはそこにあるんでしょうね。
● で,藤井新六段を称える今日の読売新聞。どうやらプロ棋士にとっても,藤井六段の成長の速さは想定外だったらしい。
が,スポットライトだけを見て,将棋界なり棋士なりの全体を測ると,当然,誤ることになる。藤井六段の周囲には,夢破れて奨励会を去っていった,何百人もの“天才”がいる。ひとりの“藤井六段”が現れるためには,膨大な数の犠牲者が必要だった。
圧倒的多数は敗者側に回る。藤井六段の背後は死屍累々のはずだ。実力だから,結果に対して言い訳が効かない。
● まちがっても,わが子を将棋指しにしようなどと思ってはいけない。あなたの子供は,いかに努力したとて,藤井六段にはなれないのだ(おそらく,奨励会にも入れまい)。
なぜなら,天才ではないからだ。ありていにいえば,凡庸だからだ。
● 休日にヘボ将棋を指している方が,プロ棋士を目指して散っていくよりはるかに幸せというものだ。総じて,なまじな才能を持ってるよりも,凡庸である方が,幸せである。
と思って,だから自分は幸せなのだ,と自らを慰めようではないか,ご同輩。
● 実力のみで上を目指せるってのは,選ばれた人たちにだけ許される,神から与えられた特権なのかもしれないね。
普通のサラリーマンは組織に守られている。組織内にいると理不尽なこともあるけれども,逆に楽なこともある。組織のヒエラルキーって,けっこう自分を守ってくれてるところもあると思うよ。
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