2018年5月9日水曜日

2018.05.09 観光客が増えているのに,宿泊客は減っている

● これも今日の下野新聞。観光客が増えているのに,宿泊客は減っている問題。
 地の利がいいから日帰りですむのかもしれないし,“ちょっと途中下車して”的な観光客が多いのかもしれない。目的は栃木以外なんだけども,ついでに栃木にも立ち寄る,というか。
 が,それだけでは,栃木だけ突出して減少している理由としては弱いね。

● 結局,泊まるだけの魅力はないと見られている。そういうことになってしまう。本当に魅力がないのかどうか。それはわからない。わからないけれども,それは市場が決めることだ。つまり,お客さんが決める。
 ここで大事なことは,PR不足だという逃げにいかないことだ。この情報時代にPR不足などあるわけがない。PR不要の時代だ。
 実力がないということなのだ。だから,実力をつけなければいけない。

● 率直に申しあげると,供給側のスクラップ&ビルドがないのが,宿泊したいと思わせるだけの魅力が高まってこない最大の理由だと思っている。供給側の既得権を維持するためのディスティネーション・キャンペーンになっていないか。
 魅力を高めたいなら,その能力か意欲を欠く業者は淘汰されなければならない。それがないから実力がつかない。十年一日のごとき仕事をしながらお客さんに来てもらおう,泊まってもらおうというのは,虫がよすぎないか。
 優勝劣敗を利かせなければ魅力は高まらない。その覚悟がサプライヤーから伝わってこない。変わろうと努力し続けなければ変わらないでいることすらできない。その気概がサプライヤーから伝わってこない。

● いや,供給側の選手交代はこれまでにもあることはあった。バブル期にバカをやったところと,そもそも業界に参入してはいけなかった業者(“かんぽ”のことだ)は,退場を余儀なくされた。
 けれども,バブル期にバカをやったところと何もしないで指をくわえて見ていたところでは,結果は後者に良しとなったが,ともかく動いた分だけ前者を買いたいと,ぼくなんぞは思う。

● 観光というから間違える。要は物見遊山なわけでね。日光に来たからといって,東照宮を仔細に見学するとか,中禅寺湖の景観を長時間愛でるという具合にはならない。
 来た,見た,という事実があれば充分だ。外国人も同様だろう。あとは土産を物色したり,友だちとお喋りして過ごすのだ。

● その遊山に対応できなければいけないんだけど,そのためには観光資源の周辺がものを言う。第一には食。このあたりが昭和の宴会宿泊時代のままになっている。
 もし,旅館やホテルが客を館内に囲い込もうとするなら,よほど上手くやらないと,藪蛇になる。「ホテルサンバレー那須」のやり方が上手いと思っているけれど,もう10年以上行っていないから,今もそうなのかはわからない。

● 日光では「リッツ・カールトン」に期待している。地元から湧いてくるものより,よそ者が持ち込むものの方が,地元に裨益する。たいてい,そうだ。
 鬼怒川や川治だって,星野リゾートが来てくれて,魅力の総体はあがったのではないか。

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