● GW中の旅行者数が過去最高になるらしい。海外に出る人は58万人。
このニュースを見て,費用が高くなるこの時期に海外に行けるやつらってどんだけ金持ちなんだよとか,どこに行っても混んでるときにわざわざ出かけなくてもいいんじゃね的なコメントがネットに溢れることになる。
● でもさ,会社勤めだとこの時期しか行けるときがないよな。高いのも混んでるのもわかってるけどさ。
小さな子供がいればさ,連れてけるのはこの時期だけだ。実際は,奥さんが子供にかこつけて自分が行きたがるのが多いかもしれないけど,奥さんの気持ちもわかるよね。
何だか不自由なんだけど,しゃーないよ。
● 日本人って,混んでるのを苦にしないっていうか,かえって安心するっていうか,皆と一緒なのを好むっていうか,そういうところがあるのかもしれない,とも思う。
ブツブツ言いながらも,わりとこの不自由さを気に入ってるんじゃないか,とも思える。
● 一方で,この時期は休んでいるどころじゃないという人たちも多い。
まず,農家。田植えだ。連休は田植え。昔に比べれば,機械のおかげでかけなければならない労力は激減しているだろうし,自分はやらないで人に頼むという例も増えているとは思うんだけど,ともかく行楽はありえないような。
あと,サービス業の人。書き入れ時だ。公共交通機関が休みになることはあり得ないし,流通やホテルで働く人がこの時期に休暇を申請するのは,私をクビにして下さいと言っているようなものだろう。それ以前に,休暇なんか申請できる雰囲気は皆無だろう。代替休暇はあるのかもしれないけれども,人と同じ時期に休むわけにはいかない。
● ぼく,若い頃はその方がいいんじゃないかと思っていた。人が休むときに働いて,人が働いているときに休んだ方が,気が利いているじゃないか,と。
半ば自動的に自分が休むのはオフシーズンになるんだから,空いているし,料金は安くなるし,大事にしてもらえるしで,いいことづくめじゃないか。
● けれども,音楽のコンサートなんかは休日に集中する。人が休むときに休めないと,なかなかコンサートにも行けない。
なかなか単純に割り切れるものではない。
● 黄金週間に行楽する人と,行楽地でそれを支える人。数はどちらが多いんだろうか。
この時期に海外に行く人は58万人。1億2千万人の0.5%に過ぎない。微々たるものだ。国内旅行を含めても2,443万人。20%でしかない。
スーパーやデパート,コンビニ,警察,鉄道会社,バス会社,公共図書館,美術館や博物館,動物園や遊園地,新聞やテレビ,旅行代理店などなど,この時期に休むわけにはいかない人たちはもっと多いのではなかろうか。
● 黄金週間というのは幻想なのかもしれない。もっと言うと,庶民にお金を使わせるために誰かが仕組んだ巧妙な搾取装置であるのかもしれない。
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