2014年11月25日火曜日

2014.11.24 舟木一夫

● 宇都宮駅ビル(パセオ)の八重洲ブックセンターで芸能雑誌を立ち読みした。舟木一夫が表紙のやつ。「歌の手帖」という月刊雑誌。
 この表紙を見て思うところがあってね。彼,69歳。精一杯の若作りをして写っている。が,首筋あたりに隠しようのない老いが見てとれる。カツラと化粧と衣装では消しきれない老い。

● これを無残あるいはムダな抵抗と見るか。自分のイメージを堅持しようとする健気な努力と見るか。
 若い人は前者の見方に傾きがちじゃないかと思う。カラオケで若い人たちに人気の歌を得意気に歌っている年寄りを見ると,顔をそむけたくなるよね。頭がカラッポなのか,おまえは,と毒づきたくもなる。あの感じに近いもの。

● かつてのぼくも,自分が若いゆえに,余裕をもって年寄りの若作りをシニカルに見ていたところがあったと思う。
 が,自分も充分に歳をとってみると,そうした努力にシンパシーを感じるようになってきた。何か,不思議な気分でもあるんだけどね。
 実際,彼の場合は体が商売道具だろうからね,体型を維持するためにトレーニングも欠かさないだろうしね。たいしたもんだなぁっていう。

● 若さをもって良しとする文化が,牢固として抜きがたくある。今の日本は生存者の半分が爺婆だけど,ほぼ例外なく,若く見られると嬉しいと思うだろう。
 こういうのってお国がらじゃないよね。アメリカ人だってドイツ人だって中国人だって同じだろう。生命体としての宿命のようなものだろうね。

● 青春時代に戻してやると言われても,謹んで辞退申しあげる。けれども,さらに歳をとったとき,10年前,あるいは15年前に戻してやると言われたら,お願いしますと答えるかもしれない。
 このへんは,実際に歳をとってみないとわからないことだけどね。

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