● 帰宅後,ネットニュースで知った。91歳。心不全だったとのこと。
● 若い頃,彼が共産党員だったのは有名。しかし,共産党に吞みこまれることはなかった。内部を知ったればこそ,共産党を見切れたのかもしれない。
以後は,保守の論客として鳴らしに鳴らした。その基本は,おそらく,膨大な数字(統計)の渉猟にあったと思う。数字で実態を描写した。ファクトを積みあげた。
● 海外を含めて圧倒的な情報源を持っていたようだ。国内は言うにや及ぶ。おろらく,公開できなかった情報がたくさんあったろう。
詳細に現在の実態を把握できれば,半年後,1年後,3年後に事態がどう動いているかを想像するのは容易だったのかもしれない。
● その長谷川さんにしても,自分の価値判断に引っぱられてファクトに色を付けてしまうことがなかったとは言えないようにも思われるが,それでも日本人には珍しい,ファクトでものを語る人だったと思う。
長谷川さんの著作を読むことができなくなるのは淋しい。快刀乱麻を断つとはこういうことかというあの快感を味わえなくなる。
● 個別具体に予測するから外すこともある。すると,明日の天気は晴れか曇りか雨,所によっては雪か霰,などと予測ともいえない予測をしていたゴミ評論家が,それ見たことかと長谷川さんを罵倒する。
その光景ももう見れなくなるのか。
● 「投資の王道」会員向けのニューズレターがあるはずだ。それをまとめて著作の形で公開してくれないだろうか。もっとも,それもやめて久しかったのだろうか。
5月に出た『シニア&初心者に捧げる 我が70年の投資哲学』が最後の著作になるか。ちなみに,ここで紹介されているユーグレナ株をすぐに買った。長谷川さんの株式投資の基本は長期保有。なので,ぼくも途中経過には興味を持たないようにしている。
● 長谷川さん亡き後,後継者になるのは渡邊哲也さんではないかと思っている。長谷川さんと対談本を出している。もちろん読んでいる。
Twitterもフォローしている。話題の日韓問題も,ストンと理解できる。ニュースサイトにある解説記事は読む必要がない。
● しかし,こうも思う。長谷川さんの死去とともに,長谷川的世界観も過去のものになるのかもしれない。新しい潮流が世界に生まれてくるのかもしれないし,すでに生まれつつあるのかもしれない。合掌。
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